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黒百合女学院中等部 恋の時間割

No.75 18/12/24 22:24
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-

≫74

わさびジュースを黒木先生が口にしたのを確認した、クリスマス会のグラス係のあおいによる

「今年の貧乏くじ先生決定は黒木先生でした」

「あとはOG一名だけです。先生たちは安心してね」

とのアナウンスに今度はOGが戦々恐々とする。

嫌われてる先生にはグラス係からとんでもなジュースが配られる伝統が、今年はクリスマス会を手伝いに来たOGも対象になっているのを始めて知るのだ。

グラス係は十名だが、決定権を握ってるのはあおいだ。
 


そんなあおいが

「お姉ちゃん、ジュースをどうぞ」

昨夜までの緑への不機嫌はなおったかのようなニコニコ笑顔で、OG参加している姉の緑にジュースを注ぎに来た。

まさか姉の自分にわさびジュースは来ないと思っている緑。疑うことなく口にして吹き出してしまう。

「あおいっ!よくも姉のわたしに・・・待ちなさいっ!」

「わたしの恋を邪魔するからよ!」

逃げるあおい。






一方、黒百合女学院の裏山に辿り着いたサナ

歩いて来た石段を振り返ると、素晴らしい景色がひろがっていた。そんな景色を見ながら、石段に歩照った体を休めつつも、今朝のことを思い出している。



「ねえねえ早川さん」

話し掛けられているのは、サナのおつきの運転手の早川だ。

「このチャペルに歩いて行きたいの。道を教えて下さらない?」

『サナ様、それは叱られてしまいますので無理にございます。』

「どうして?ママには黙っててあげるから」

『そういう問題ではございません。サナ様は今までお一人ではバスや電車どころか、タクシーすらお乗りになられてないのが心配なのでございます。』

「失礼しちゃうわね。子供扱いはもうやめてよ。」

「わたくし、春には中学生なのよ!」


押し問答を繰り返したものの、結局、石段の下までは早川に送ってもらったサナである。

『この石段をお登りくだされば、頂上に公園がございます。あとは坂道をお下りくだされば、どの道をお通りになられても、そのチャペルに着くはずにございます。』

『車を停めて参りますので暫しお待ちくださいませ。地図を書いて差し上げますから。』

そう言うと早川は駐車場に向かった。

しかし待てども早川は来ない。駐車場が見つからないのかな?と、サナは一人で長い長い石段を登ったのだ。



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