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誘惑蝶
No.111 2014/06/23 16:47
ハル ( deZwBe )
あ+あ-
「どうしてお前は、いつもいつも自分や回りを傷付けて堕ちようとするんだよっ」
「だって…」
「お前、愛されたいんだろ!?それくらい、お前の好きだった蛍先輩じゃなくてもわかるよ!どんだけ一緒にいたと思ってんだよっ」
「………」
「俺がいるだろ?俺はずっとお前の事が…」
「「えっ?」」
そこにいた誰もが、
頭の上に疑問符を浮かべた。
「あっ…違っ…つい、勢い余って…別に言うつもりじゃ…!」
小野寺くんはあわてふためいている。
ユキナは、そんな小野寺くんを見て、
「知ってたよ」
けろりと、こう言った。
「「…え?」」
またもや、疑問符…。
「だって、小野寺くんすっごくわかりやすいんだもの。昔から、知ってた」
「な…な…!」
小野寺くんは、ぱくぱくと
口を動かし動揺している。
「でもね、ずっと言ってくれないから、ユキナ待ちくたびれちゃった」
ふふ、とユキナは笑う。
「ユキナも、小野寺くんが好きよ」
「ほんとに…?」
小野寺くんは、ほわんと
頬を赤く染める。
ここまでは、本当にいい雰囲気だった。
本当に、ここまでは…。
「でもぉ、ユキナ、小野寺くんじゃ満足できないの」
「…は?」
ユキナの一言で、
その場の空気が一気に冷めていく。
「だってぇ…小野寺くん、ちっちゃいんだもんっ」
小野寺くんの股間を
さわさわと触ってユキナは言う。
ナツとアキホは、絶句していた。
もう、何を言ったらいいのやら。
「ユキナは、ユキナを満足させてくれる人じゃなきゃダメなのっ。でも、ユキナも小野寺くんが好きだから、付き合っちゃう…?」
ユキナの感覚が、わからない。
小野寺くんは、自分のモノを
ずっと好きだった子に
『小さい』と指摘され、
ショックを受けているようだった。
固まってしまっている。
私達はすっかり呆れてしまい、
「帰ろうか」と
小野寺くんとユキナを置いて帰った。
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