誘惑蝶
No.68 2014/06/10 20:36
ハル ( deZwBe )
あ+あ-
「ゆぅくん…そうだったんだ…。久しぶりだね…」
私は予想もしていなかった
幼なじみとの再開に
胸がいっぱいなった。
けれど、それと同時に
怒りや悲しみが込み上げてくる。
「ねぇ、ゆぅくん教えて…?どうして、美術室で私にあんな事したの…?」
私は泣きそうなのを堪えて
1番気になった事を聞いた。
どうして今になって自分の事を話したのか…
どうして私だとわかっていて
あの日、あんな事をしたのか…
わからない事だらけだ。
でも、優しかったゆぅくんが
理由もなしにあんな事するはずない。
私は、心のどこかでそれを信じたかった。
しかし、彼の答えは、
私が安心できるものではなかった。
「…ごめん、今は、話せない」
「どうして…?」
「今は話せない、話せないんだよ…ハル、ごめんな…」
「どうしてなの…?」
「いつか、話せる時が来たら話すから…。酷い事して、ごめんな。もう、あぁゆう事はしねぇから。ハルが嫌がる事は絶対しねぇから」
そう言うと、ゆぅくんは
私の前から立ち去ろうとした。
「ねぇ、待って!ゆぅくんっ!」
「それと、俺の事をゆぅくんって呼ぶのはやめろ。もう、昔とは違うんだぜ」
「どうして…?ちゃんと話しがしたいのに…」
ゆぅくんは行ってしまった。
私は引き止める事も
追いかける事も出来なかった。
ただ、ゆぅくんが何かを
抱え込んでいる事だけはわかった。
ゆぅくん、すごく辛そうな顔してた…。
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