誘惑蝶
No.95 2014/06/14 09:56
ハル ( deZwBe )
あ+あ-
月曜日。
学校でユキナはいつも通りだった。
まだ蛍先輩は何もしていないようだ。
私はナツとアキホに
土曜日の報告をした。
「…聞けなかったぁ?」
「うん…」
「こんのっ、ばかちんがぁーっ!」
「ナツ、落ち着いてっ」
フーッ!フーッ!と暴れるナツを
アキホが取り押さえる。
「…でも、ユキナの事はもう大丈夫かもね」
「え?」
「蛍先輩が上手に動いてくれるよ、きっと」
「うん、そうだね…」
アキホの手から離れると、
ナツは私のほっぺたをぐいぐい引っ張る。
「い、いひゃいよぉ…」
「でもさぁ、話し聞いてるとやっぱり蛍先輩は、ハルが本命じゃないかって、思っちゃうんだよねぇ…」
「私も、そう思うよ。…そうだったらいいなって。ハル、次は頑張って聞いてくるんだよ?」
「…うんっ」
「よしよし」
私が返事すると、
ナツはニカッと笑った。
放課後、私はまた先生に
教材の片付けを任された。
また、あの社会科準備室に
行かなきゃならないのか…。
山川くんが、教材を手にする
私の事をニヤニヤと見ている。
「ハル、一緒に行くよ」
ナツとアキホがこっちに来てくれた。
「…ありがとうっ!」
今日は、二人が一緒だったからか
山川くんは手を出して来なかった。
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