欲しくない
No.8 2016/01/06 17:17
匿名さん あ+あ-
「じゃあ、高畑先生のこと、これから下の名前で呼んでいい?」
「はい」
「…リオ…あ~何か、恥ずかしいな」
佐伯先生は自分で言ってから、すぐにハンドルに顔を伏せた。
そんなところもすごく可愛いなって感じた。
「…佐伯先生のことは何て呼んだらいいですか?」
「…何でもいいよ。友達にはエイジってそのまんま呼ばれてる。あとエイとか。」
「じゃあ、エイくんにしよ」
「えー(笑)何か変。エイジでいいよ。呼び捨てで」
「いいじゃないですか?」
「…いいよ。違和感あるけど」
佐伯先生は自分の椅子を倒した。
「…もし、振られたら今年一年どうしようかと思った」
…それは、そうだ。
席だって斜め向かいだし、学年部も分掌も一緒だった。
「不安だったけど、思ったこと言わないと堪えられない性格なんだよな。」
「…私も、最初佐伯先生のこと見た時、素敵な人だなって思いました」
「…嬉しい。本当に嬉しい」
自分が憧れてた人から、付き合ってほしいなんて言われたの生まれてきて初めてだった。
すごく嬉しかったし、この日の佐伯先生は、本当に可愛らしく感じた。
きっとこの人となら幸せになれる。
まだ、相手のことを何にも知らないのに、私は舞い上がってた。
考えもしなかった。
彼が普段見せない顔を持ってるなんて。
彼は、サディストだった。
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