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さらよんのナイトモノローグ8

No.360 2023/01/06 04:27
salayonn ( 58 ♂ UbvOBe )
あ+あ-

 NMN(ニコチン・アミド・モノ・ヌクレオチド)は、生命の維持に欠かせないNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)を増やし、寿命に関わる酵素であるサーチュインを活性化するとされる抗老化物質だ。

 今井眞一郎ワシントン大教授らが実施した動物実験の結果では、健康なマウスに1年間に渡りNMNを投与すると、エネルギー代謝が改善して加齢による体重増加が抑えられ、骨格筋ではミトコンドリアのエネルギー産生能力が高まり、網膜の神経細胞や免疫細胞の働きが強まった。他の研究でも、糖尿病やアルツハイマー病などにも顕著な効果があることが分かっている(今井眞一郎ワシントン大教授が語る「NMN、抗老化効果の真実」)。

 ヒトへの効果も徐々に明らかになりつつある。肥満の糖尿病予備軍で、閉経後の女性25人を対象に1日250mgのNMNかプラセボ(偽薬)を投与した臨床試験では、NMN摂取群で血糖値を下げるインスリンに対する感受性が骨格筋で25%高まった。

 今井教授は、「インスリン感受性が25%上がったというのは、体重を10%落とした効果に匹敵します。
 さらに注目すべきは、筋肉を再生する遺伝子の働きがNMN摂取群で高まり、骨格筋の再生・再構築が活性化されていたことです。これはヒトへの投与で初めて分かった事実です」と説明した。


『ただし、NMNの点滴投与はNADを壊す可能性も。』

 今井教授は、「NMNの安全性が証明されているのは、あくまで経口による摂取です。これは、経口の場合、腸管でNMNが必要以上に吸収されないようセーフガードシステムが働くため。

 筋肉が衰え、運動障害が生じるALS(筋萎縮性側索硬化症)の一部の患者で、SARM1が活性化し、常にスイッチが入った状態になってしまう突然変異があることも分かっています。ですから、継続的な点滴で血液中に高濃度のNMNを注入したら、SARM1が何度も活性化されて神経障害が起こる可能性が十分考えられます。現時点ではNMNの点滴療法は勧められません」と指摘した。

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