アイツだけは…振り向かない
「んんっいやっだめっそこだめぇ変になっちゃうよぉ」
「へんになれよ。お前の感じてる顔がみたい。」
「んっ恥ずかしいよぉ」
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「ふふっ挿れていいよ?」
「えっ?本当にいいの?」
ぱぁぁっと健太は笑顔になった。
「いいよ?よしよし。」
女は健太の頭を撫でる。
チョロい。
数十分後。
二人はベットに横になっている。
「健太ぁ~?」
「ん?どうした?」
女は身体を起こして健太を見つめた。
「ねぇ。私達身体の相性いいしさぁー付き合わない?」
「あぁ。俺さ、そういうの興味ない。ごめんね?」
ニッコリ笑うと着替え部屋をでた。
…なにが相性だよ?バカらしい。
ヤれればいいんだよ。ヤれれば。
そもそも簡単に、股開く奴なんか彼女になんかしたくないだろ。
穴兄弟も沢山いそうだしな。ハハッ
まぁ。俺も人の事は言えないけど。
アイツはどうなんだろ?ヤリマンか?
どうでもいいけど、いや良くないけど、アイツって不思議だ。
アイツは今何してるんだろう。寝てるか?
もうこんな時間だしな。
アイツは夜のドライブ好きかな…?
アイツは…
はぁ?俺どうしちゃったんだ?
まるですきみたいじゃん。アイツの事が…
んなわけない。
だって、
・ただただ気になる
・一目でいいから見たい
・会ったり考えたりすると、胸がドキッと高鳴って心拍数が上昇する。
・でも目を合わせるのがなんだか怖くてサッと反らしてしまう
・裸体が見たい。喘ぎ声、表情が気になる。
これどう考えても、ただヤリたいだけだよな?
身体がアイツを求めてるだけだよな?
コレがもし…もしかして恋という奴なら、俺は…俺はきっと…
どうすればいいんだ?
いや、まて!まだ恋をしたかどうかなんて、神にも俺にも分からない。
そういえば、結婚した奴が自慢げに話してたっけ。
「俺さぁ。嫁と出会ったとき、ビビッと来たんだよねぇ。コイツしかいない。てかコイツだ!」
「はぁ。そうなんだぁ。良かったねぇー。」
「あはは。まぁ。お前もいつか出逢うさ。」
って言ってたよな。
でもビビッとなんかじゃなくてドキンってしただけだしやっぱ違うよな。
ビビッとドキン…違うよな…
ドキンでもビビッドでもピキーンでもどうでもいい。
そうだよな?どうでもいいよな?
でももし…もしも守ってあげたい俺だけの女にしたいって思ってしまったら結婚したいと思うんだろうか…
それに、温かい家庭で育っていない俺が、温かい家庭を築けるのだろうか?
やっぱ無理ムリ。
でも…
健太は暗い家を見つめる
俺を待っててくれる人がいるってどんな気分なんだろう。
やっぱ嬉しいのもんなのか…?
ガチャ
「ただいま」
小さな声で呟く。
シーンと静まり返っている。
…。
お疲れ様!!なんて言われたら、やっぱり嬉しいよな…きっと。
で、俺か嫁似の子供が駆け寄ってきたり…
ん?俺はなに考えてんだ?
いやいや、結婚なんかしたら自由が無くなる
でも…パパぁ~なんて言われたら…
でも俺みたいな家庭になるかも…
てかなんでクダラナイこと考えてんだろ?
アホくさ。
ママの膝に健太はしがみつく。
ねぇ…ママ?
僕と一緒に寝てよ??
一人で寝るの恐いよ。
だからーーなの。
貴方はーーーだから。
なんで?僕は凄くママのこと…
ガタンッ
ふぁっ?!
健太の頬には一筋の涙が伝った。
ん?
健太は目をこする。
またか…。
…今日は休みだし、少し散歩に行くか。
健太は顔を洗い軽く身だしなみを整え家を出る。
…もう明るいな。
でもなんだか風が心地よくて気持ちいい。
健太は公園を通り抜けようと歩いていると、ベンチに横になっている女性がいる。
…ん?寝てる?あぶねぇな。
健太はベンチの前を通る
んんっ?あれは…えぇー!!
アイツじゃん?!
どどっどうしよ。
いやいや、どうしようも出来ないよな?
うーん。
健太はベンチの前をウロウロしている。
でも、このまんまにしておくのも危ないしなぁ。
ちょこんと女の隣にすわる。
うわぁ。寝顔可愛い。
でもこれって起きたとき…やばいよね?
健太は立ち上がる
揺すって起こすか?それとも、起きるまで寝かしとくか?どっちがいいんだろうか…。
健太は、女の顔を眺める
女は見られている事に気付かずスヤスヤと寝息をたてている。
うーん…。
健太は人が居ないか、左右確認して女を見る。そしてもう一度左右確認しまくった。
可愛い女を目の前にしたら、キスしたいなってだれだっておもうよな?
女に飢えてる訳でもなくて、この女が好きだからって訳でもなくて…
なんて言えばいいのかな。
まぁ…。取り合えずしときますかって感じだよね?
うん。
好きじゃない。
けど…とても気になる。
なぜ? モヤモヤするし。
このままお姫様抱っこして、家に連れて行けばこのモヤモヤとした何かがスッキリするか??
モヤモヤが晴れてすっきりするかもだけど…
ある意味有名人になるな…俺。
でも、このままにしとくわけにもいかない。
ツンツン
優しく頬っぺをつっつく。
「んっ…。」
コイツ全然起きねぇーな。
バシンっ
「えっ。なっなに?起きたの?」
さっきまで寝ていたハズの女が、健太の頬を叩き睨み付けている。
「キモい。てかその手で、どこ触ろうとしてんたの?」
「えっ?いや、ちょっと…。」
女の胸に触れそうになっていた手を、すぐ後ろに隠した。
「胸を触ろうと…」
「あっあの、今から家にきませんか?」
女の話を遮ると、汗ばんだ手をズボンで拭い、手を差し出した。
「朝からどうしちゃったの?この猛暑で頭いっちゃったの?」
「違う。違うんだ。俺は貴女の事知りたいだけだ。」
「はぁ?あたしの事?知ってどうすんの?」
健太は手を出し続けている。
流石に家に誘うのはまずかったかな?
「えぇっと…。まぁ…ほらここではなんだし、こいよ?」
「はぁ?誰がお前と話すっていった?」
「いや…それは…。あっ!これもなんかの縁だよ。きっと!」
…てかなんで俺は、コイツのご機嫌伺いしてんだ?落とすんだよな??
このままじゃ俺…奴隷に…。
「もう少しここにいたい。」
「え…?」
もう少しここにいたい?って言ったか?
会話が成り立ったのか?
「もう少しだけここにいたいの。」
急に口調も変わったよな?
それはそれで可愛い……。
いや、これは演技かも。
「そっそっかぁ。」
出していた手を引っ込め、女の隣に座った。
よし…自然に隣にすわれたぞ。
「ここってさ、なんだか落ち着くんだよね。」
さわさわと葉が揺れる音だけが聞こえる。
「うん。まぁ落ち着くよね、静だし。」
チラッと女を見ると、女は打って変わって寂しそうな表情をしている。
えぇっと、こんな時なんて声掛ければいいんだろう。
「どうかしたの?」
「えっ…?特になにもないよ。」
「あはは…。そっか…それならいいんだけど。」
「あた…私は姉がいるんだけど、貴方は兄弟とかっている?」
「え…?」
いきなりどうした?
「話したくないならいいけど。」
「いや、話したくない訳じゃない。ただ、いきなりでびっくりしただけ。」
「そっか。」
「うん。俺は一人っ子だよ。」
「えっ…ごめん。思い出したくないこと、思い出させちゃって…」
「ん?全然大丈夫。てかごめんね?逆にこんな雰囲気にさせて申し訳ない…。」
「…ならいいけど。」
健太はチラッと女を見ると、さっきよりも暗い顔をしている。
「最後の別れなんてさ、俺が夕飯のカレーライス食ってるときだよ?酷いよな?カレーライスってさ、子供って大好きじゃん?給食がカレーだと、みんな喜んでだけど、俺はたった一人、フラバに苦しんで泣いてたよ。まぁそれは、低学年までの話だけどさ。あっ…!この話…誰にもいうなよ?今となっては笑い話だけど。ママぁ…会いたいよぉ…なんか言っちゃってさ。笑えるよな。」
やべっ…俺もっと雰囲気悪くしちゃった?
「あっまだ自己紹介してなかったよね?俺、斉藤健太。宜しくね!」
完璧な笑顔で女を見つめる。
「貴方の名前、耳が痛くなるほど聞かされてる。」
「えっ?どうして?」
「まぁ。色々とね。それより、貴方って…良い人演じてるよね?嫌われないようにさ。自分では過去なんか気にしてませんよ~とか、平気な顔して言ってるけど、誰よりも恐れているよね?また一人ぼっちになるんじゃないかってさ…まぁ憶測だけど。その完璧過ぎる笑顔とか。疲れない?」
「えぇ?そんな事ないよ?…うん。」
なんだ?いきなり?
…また口調変わってるし、でも言ってことは確かにあってる。
健太は腕を組んで頷いた。
そんな健太の様子を見ると女は、さっきよりずっと小さな声で呟いた。
「私はいつも…いい子を演じてた。」
え…?なに?急に?てかコイツが…?
「まぁ…人生は色々あるよな。」
「そうだね…。私…余計なこと貴方に話しすぎた。帰る。」
女は立ち上がる。
「えっ?ちょっ…もういくの?じゃあ…名前。名前教えて?お願い!」
女はバックをさっと掴み足を止めると、振り返った。
「朱里(あかり)じゃあね。」
名前を告げると、あっという間に居なくなってしまった。
…朱里?名前も可愛い。
あんまり話せなかったなぁ。でも…なんだか凄くうれしい。
色々あったのかな?笑顔にしてやりてぇな。この手で…
健太は雲ひとつない空を見上げた。
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