禁断の恋 俺

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2018/08/30 14:52(更新日時)

なにもない部屋に、ただただ座り込む。

家具もなにもない。

どうしてこの場所に、なんの為に、考えても考えても答えは出ない。


そして俺は…普通の人とは違うみたい。





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No.2394932 (スレ作成日時)

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No.51

さぁ…休憩しましょうね。って


映画じゃなくて…ホテルじゃん?!


まぁ映画館もホテルも暗くなるよねって…って違うだろ。

あぁ…来ちゃいましたか。

『今日はごめんね?結局映画見なかったし…』


『大丈夫だって。気にすんな。』

彼女の頭を撫でる。

『ありがとう…』


『りこの髪、サラサラしてて触り心地いいよなぁ~。あれ?シャンプー変えた?スゲーいい匂い。』

クンクンっと匂いを嗅いでいる。


『変えてないけどなぁ~。』


『あっ!俺があげたピアス着けてくれたんだ?似合ってるよ。可愛い。』

『ありがと~嬉しくって着けてきちゃった♪』


彼氏は彼女の頭の後ろに手を回したり、彼女の耳に髪をかける。


『りこってさぁ…たまに、こうやって耳に髪かけるじゃん?あの仕草見るとドキッとするんだよね。』


『えぇ~なにそれ?。』

No.52

『だってりこが可愛いんだもん?』


『そんなに、見つめないでよ?恥ずかしぃ。』


『あっテレビでもみる?』


彼氏がテレビをつけると、静かな部屋にロープで縛られた女の喘ぎ声が響き渡る。


『あっアハハ?なんか縛られてるね?』

というと、チャンネルを変えた。

『うん。ちょっとびっくりしたね?』


『ねぇ。りこも俺に縛られたいと思う?』

『えぇ。うーんどうだろ。』

彼女の腕を掴み袖をまくり上げた。


『俺はしたくないなぁ。俺と違って細くて白くて触り心地の良いりこの腕に、わざわざ傷なんかつけたくないなぁ。』


優しく抱き締めると、腰に手を添えながらもう片方の手を頭に回し、当たるか当たらないかくらいの優しいキスをした。


『んんっ…りょー君…』



No.53

『その声が俺を興奮させるんだよな…。』


もう一度唇を重ねる。


『ん~…』


『りこ…っん…ホント可愛い。』


テレビの音しか聞こえなかった部屋に、クチュクチュと舌が絡み合う音が混ざる。

『んんっ…っハァハァ…ん~』


『ホント…この顔誰にも見せんなよ?てか、絶対他の男になんて見せたくない…。』

彼女を押し倒す。


No.54

俺だって見たくない!!

男は両手を男の背中につける。


ふぁへっ?おぉ?えぇーっ?!

男は離れるつもりが、エッチの最中に憑依に成功してしまった。

今さら?今更憑依出来てしまったのか?!


で…どうする?
ここでやめるわけにはいかないよな?

俺がここでやめたらコイツらの関係がギクシャクしちゃうよな?

うーん…確かに俺は…俺だって男だ。でも二人の絡みを見てヤりたくなったとかそん汚い奴じゃない。


でもどうみてもそうだよな…


どうすれば?


『りょー君?どうした?』


えぇっと。けして俺はヤりちんではない。
だが今はただ流れに身を任せるそれだけだ!!


『ん?りここそどうした?』




No.55

『りょー君なんか、凄く雰囲気変わった…』


「えっ?そうか?」


『うん…。』


りこは憑依されたりょー君を抱き締める


『大好き…愛してる。』


「あぁ。俺も…りこが好きだ…愛してる。」

『えっ?初めてりょー君から愛してるって聞いた!!ふふっ嬉しい♪』


りこは男の顎に手を添え唇を重ねるとそのまま舌を滑り込ませる。


滑りこんできた、舌を嫌がらずねっとりと絡ませる。


『んんっ…』


男はりこの服をたくしあげると、淡い水色の下着が姿を表した。


ふーん。水色かぁ。まぁ可愛いな。

Cくらいか?あぁ。そうだ、今の同居人と同じくらいだな。


男は馴れた手つきでホックを外し、男らしいゴツゴツとした手を滑り込ませる。


『ん~…んんっ…あっ…ハァハァ…りょー君…なんか今日別人みたい…』



No.56

「りこが俺をそうさせるんだよ?」


優しく膨らみを揉みながら、もう片方の手は太ももを撫でまわす。


「りこ…?ちゃんとこっちみて?」

『えぇ…だって恥ずかしいんだもん。』


「ほらっ?見せて?」





No.57

『恥ずかしいよぉ…』

りこは自分の腕で目を隠しながら男の方に顔を向ける

「可愛いよ?ほらっ」


男は腕をどかし、まじまじとりこの顔を見ると、胸を優しく揉みもう片方の手は太股をさわさわと撫でる。

No.58

『んんっ…りょ…君…はぁ…あっ…あっんんっ。』


りこの目が潤んでいるのを見ると、男は止めるどころか、更に発情した犬のように、熱くそそりたつ肉棒を、太股にこすりつけながら胸に舌を沿わせる。


『ハァハァ…んっ…もぅ…んんっ…』




No.59

「わかる?もうこんなになっちゃった。」

りこの手を掴むと、硬くもっこりとしている場所に導き撫でさせた。


『うん…わかる…。』

りこはゴクリと生唾を飲み込む。

「入れて欲しい?」


男は、りこのビンビンに主張している物をペロッと舐め微笑む。

『あぅっ…!!んっ…うん…入れて…欲しいよ…』





No.60

「えぇ?ナニ?ナニを入れてもらいたくなっちゃったの?てか、りこの乳首こんなに硬くなっちゃってるよ?」

乳首を少しつねる。

『いやぁ…んんっ…りょー…くん…なんか…あぁっん…!!』

「あっ!そうだ。アソコまだだったよね?」

太股を撫でそのままスカートの中に手を滑り込ませパンツの上に手を当てた。

「あれぇ?今日ここ初めて触ったのに、パンツの上からでも濡れてるの分かるよ?」

優しく円を描くように手を動かすと、りこはビクンッと、身体をのけ反らせると、男にしがみついた。

「だって…だっ…ん~ハァハァ…気持ちいいとこ…ああんっっ…!!」

No.61

「あ~ごめん、刺激強かった?」


『大丈夫…ハァハァハァ…』



「じゃあさ、今度は俺の舐めてくれる?」


『うん。』


男はカチャカチャと、ベルトを外しズボンをおろした。


りこは無言で、男のパンツをおろす。

目の前には、血管が生々しく浮き、これ以上ないくらいそそりたつペニスが顔を出した。

りこは我慢出来ず自らカプッと口に含む

No.62

「んんっ…クチュ…クチュ…ペロッ……りょ…くん…。」


口から肉棒を出すと、透明な糸がだらっと厭らしく伸びた。


「ん?どうした?」


りこは顔にかかる髪を耳にかけ、男をじっーと見つめた。

…好きなわけじゃなのに…こんな表情見てしまうと、心まで持っていかれそうだ…。


男はりこの頭を撫でる。りこはペロッと舐めると、ギンギンになっている肉棒を両手で優しく包みこみ、動かし始めた。

「んっ…あぁ…。りこ…上手だよ?」

りこは男の表情を見ると、太股にすりより、
涎でねっとりとした舌で根元から舐めあげる。


「んっあ…良い子だ。」


男はりこを誉めると胸に手を伸ばし乳首をつねる。


「あぁっんんっ…!!」

No.63

『んんっ…んっあぁっ…だっだめぇ…』


舐めるのを止め、りこは男にしがみつき、俯いている。


「ん?りこ…顔あげて?」

りこは男から逃げようとするが、男は乳首をコリコリッと刺激する。


『あぁんっ……!!いっ今は…今は…顔見ちゃ…んんっあぁんだめぇ…』


「見たかったなぁ…。お前のとろけそうな顔…可愛いんだろうなぁ…。」


男は悲しそうにふぅーとため息をついた。

No.64

『えっ…じゃ…ちょっとチラッとだけだ…よ??』


りこは恥ずかしそうに見上げる。


…最初からずっと見せてた癖に何故今更恥ずかしがるんだろか?


でも今…


男はぎゅっと、りこを抱き締める

No.65

…なんだこの気持ち…


俺は彼氏でもないのに、これ以上していいのか?

だけど心も身体も満たされたい…俺はどうすれば…

『りょー君…そろそろ欲しいよぉ。』


りこの言葉を聞いた男は、考えるよりか先に身体が動き、女をベッドに押し倒した。

「りこ…俺のなにが欲しい?言ってみろ。」

No.66

『…りょー君の…これが…欲しいの…』


男のギンギンになったものを握る。

「欲しくなっちゃったの?」

りこはコクンッと頷く。


男は、りこの頭を撫でると、恥丘に痛い位にビンビンになった物を擦りつけ、りこに聞こえるようにグチュグチュと音をたて始めた。


「俺の我慢汁と愛液が混ざって凄いグチュグチュ言ってる。聞こえる?」


『んんっ…聞こえる…よ』


男は穴に肉棒を当てると、一気に根元まで挿入した。


『あぁんっっ!!』

「ッ!!凄い締め付けてくる。」





No.67

二人は貪りあうように絡みつき、動物の交尾のような勢いだ。


「りこ?何処に出して欲しい?」


『りょー君の好きな所に出して?』


「あぁ。分かった。」


男は何回か出し入れを繰り返すと、肉棒が穴から出るギリギリの所で止め、一気に子宮の入り口まで力強く押し付けた。

No.68

「ッ!!…イクぞ?」


『私も…ん~…!!イクっ~!!イッちゃう…んんっ…あぁっ!』


二人の動きが止まり、男はにゅるんと柔らかくなったものを膣から出すと少し経ってから白い液体がドロッと出てきた。


『ハァハァ…りょー君…』


りこは男の肉棒をしゃぶりペロペロと丁寧に綺麗にする。


「んッ!!…ハァハァ…」


男はビクッビクッと身体を動かした。




No.70


『ふふっなんか今日は激しかったね?気持ち良かったよ。』


りこは男にキスをする。

「俺も。」

ぎゅっと抱き締めた。



『あぁっ!!』


女はスマホを見る


『もうこんな時間だ…帰らなきゃ…』


「あぁわかった。」


二人は着替え別れのキスをすると、りこの姿が見えなくなるまで手を降り続けた。


…でこれから俺はどうすれば?


悩んでいると、ポケットに入っているスマホがブーッブーッと揺れ始めた。


No.71

俊介と表示されている


友達か?

男は電話に出る


「もしもし?何回も電話したけど…なんで出ないの?」


んっ?女…?俊介って表示してたよな?


「今日泊まりに来るんだよね?」

No.73

…この男は浮気してるのか?

一方的に女は話を進め、男は断ったが聞き入れて貰えず迎えに来ることになった。


…りこのお陰であんなに満たされたのに…俺はあの笑顔を裏切る事になるのか…


そんな事を考えながら、夜空を見つめていると、赤い車に乗った女が話しかけてきた。


「早く乗って?」


「あぁ。」

浮気相手か?


「どうだったぁ?物足りなかったでしょ?」


「ん?」


「ほらっ…あの地味な奴。」


女は男の太股に手を置くと撫でながら運転をし始めた。


No.74

男は窓から見える景色を眺め、聞こえていないフリをしている。


「ねぇ?無視?」

男は無視し続け、女も空気を読んだのか無言になりそのまま女の家に着いた。


「もぅ~!!今日なんか嫌な事でもあったの?亮君らしくないなぁ~」

と言いながら玄関の扉を閉めると、男にキスをし、男のズボンとパンツを下ろしまだふにゃふにゃのものを口に含んだ。


「ッ!!」


「ふふっ。これでいつも亮君機嫌治るもんね♪」


女は優しく袋を揉みながら、ふにゃふにゃの物をジュポジュポと吸ったりレロレロと口の中で大きくなるように強弱をつけながら促し始めた。


No.75

「…んっ。お前こんな所でホント恥女だな。」


ふにゃふにゃだった物がムクムクと元気になってきた。


「だって亮君に喜ぶ顔が見たいんだもん!!」




女が根元までズブズブとノド奥まで咥え込み上目遣いで男を見つめる。


「もっと絡ませろ。」


男は女の頭を股間に押し付ける。



No.77

「んぐっ…ゲホゲホッ…亮…君…?」

女は無理矢理奥まで押し付けられたせいで、むせている。


「…なに?もう終わりなの?全然足りないんだけど。帰ろうかなぁ。」


「ちょっ…」

男は女髪の毛を荒々しく掴み、女の口にはどう考えても収まりきらないほど極太で長く、異様なまでの威圧感を漂わせるものを、女の頬にペタペタと器用に手を使わず当てている。


「なに…?じゃあ早く奥まで咥え込めよ?お前は俺を…楽しませてくれるんだよな?」

No.78

「ねぇ…でもぉ…さっきよりか亮君の…おっきくなってるよぉ…全部なんか私の口に…」


「いいから早く気持ちよくしろよ。ちゃんと声もだせよ?嫌々だと萎えるからな。それにお前好きだろ?俺のちんこ。」


No.79

「好きです…亮君のおちんちんが……」


女は完全に男のペースに飲まれた。


「脱げよ。服」

「はい…」


女は玄関で服を脱ぎ始め、大きく形の良いおっぱいが顔を出した。

「玄関で裸になるなんてお前ほんと恥女だな。というか、早く気持ちよくしろよ?」


「はい…」


女は肉棒を唾液で滑り易くすると、柔らかいおっぱいに男の肉棒を優しく包み込み、ペロッと先っぽを舐め亀頭を擦り始めた。

「ご主人さまぁ…どうですか?私のおっぱい…」




No.80

「お前は黙って気持ち良くすればいいんだよ。てかパイズリとかいいから早くゴム持ってこいよ。」


「なんか…今日…亮君Sだね?別人みたい…」

「…別人?亮君じゃなくてご主人様って呼べよ。お前は性欲処理器だろ?」

「…はい…ごめんなさい…私はご主人様を気持ち良くする…道具です。」

女はゴムを手に持って帰って来ると、男の前でかがみ、包みを開封した。

No.81

「亮…ご主人さまぁ…美奈の穴で気持ち良くなって下さい…」


女はゴムを口に咥えると、男の肉棒に被せた。

「あぁ。ちゃんとお前の穴でご奉仕しろよ?」

美奈の頭を軽く撫で四つん這いの形をとらせ、手荒にスカートをたくしあげた。


「ふーん。白かぁ。」


男は白のショーツを脱がせず少しずらし、ヌレヌレの恥丘をそっとなぞった。

No.82

「あんッ…」

女は甘い声を漏らす


「すげー。お前のここ、もうこんなにグチョグチョ。」


中指で穴の周りに小さい円を描くように動かし始めた。


「んん…ッ」


「まぁ…お前に前戯は必要ないか。入れるぞ。」

美奈のお尻をぺしっ叩き、ショーツを脱がさず横にずらしたまま、そそり立つ肉棒を穴に押し付けた。


「んんっ!!ご主人さまぁ…」


「そうだ…私は玄関で肉棒を欲しがる恥女ですって言えよ。そしたら入れてやるぞ?」


No.83

「いわなきゃ…だめぇ?」


「ほら?欲しいんだろ?言えよ。奴隷なんだから。」


ガチャと男は玄関をあける。



「いやぁっ…見られちゃうよ?ねぇ…お願いドア開けちゃだめぇ…」


「あぁ?じゃあいらないの?俺帰るよ?」


「でも…でもぉ…私こんな姿だよ?見られちゃったら…」




「早く言わなきゃ誰かに見られちゃうし、聞かれちゃうよ?俺はどっちでもいいんだよ別に。お前の代わりなんて沢山いるから。」


No.84


「私は玄関で……肉棒を欲しがる恥女です…」

「よしっ良くできました。」

美奈のお尻に両手を添えるとズブズブと一気に奥まで肉棒を押し付けた。

「んんっ奥……あぁっ…!!」


男はぺしっとお尻を叩き腰を動かす。

「いやぁ…開いてるよぉ…んんっ…あぁんん!!ねぇ…開けっ放し…だよ?」


「お前が喘がなきゃバレないだろ?」

男は止めるどころか、獣のように腰を振っている。


「だめぇ…うっ…ハァあんッ!!いやぁ…んんっねっ?お願い閉めて?だっ…あぁ…気持ちいい…ご主人さまのおっきくて…んあっ…あちゅい…でっでも…んんっ…開いてるよぉ…」

美奈は涙目になりながら振り向きどうにか玄関を閉めて貰えるように悲願した。


「みんなに聞かせてあげようよ。可愛い喘ぎこ」


男は美奈の乳首をつねる。


No.85

「んんっ…!!」


「…違うな。」


と呟くと肉棒をヌルンっと穴からだす。


「ふぇっ?えっ?」



「もうこの関係止めよう?なんか虚しくね?」

男は身なりを整える。

「えっ?なに?どうしたの?」


「ごめん。今までありがとう」


No.86

男は振り向かず女の家を後にした。



…他人の身体を乗っ取って俺はなにしてんだ?
はぁ…。どうやったらコイツから離れられるんだ?てか好きじゃない奴とやっても全然満たせれない。


コイツもきっとそうだろう。
色んな女と寝ても満足なんかしていなかっただろう。

満足してる振りだ。きっと…。


公園のベンチに腰を掛けた。





No.87

…寒い。

手が冷たい…

ふーっと男は息を吐く


白い…

男は何度も何度も息を吐く

もう一度…もう一度生きて色んな事をしたい。


キィィィー…キィィィー

突然静かな公園に響く耳障りな金属音

ん?何の音だ?

男は周りを見渡す

No.88

あっ…

ブランコがひとりでに揺れている。


なんだブランコか…。


ん?風なんか吹いたか?
まぁいいか。…それより今日どこで寝よう…

ここじゃ寒すぎるもんな…

男はポケットに入っていた財布の中身をみる。


ん…?なんか通りすぎた…?


男は顔をあげる

No.89

ん?気のせいか…


えぇっと千円札が…


ササッ…


ん?やっぱり誰かいるのか?
まぁいいか…


一万円札が…

キャハハハ!!!


ん?

男はふっと後ろを振り返る。

…子供の笑い声?


見渡しても誰もいない。


男はまたお札を数えようと下を見た瞬間大きく叫んだ。



No.90

「やっと気付いた?」


ベンチの下から額から血を流した女の子がニタァと笑いながら顔を出している

「まじかよ…一万円札が一枚もないなんて…」


「…。」

「小銭は?…嘘だろ?五円しかないってご縁がありますようって意味?なわけねぇーよ。どうすんだよ今日。野宿?それともマン喫?」



「…ねぇ…ここ…ここにいるよ?おじさん」

No.91

ベンチの横にある外灯がチカチカし始めた。


「財布の中身ほぼレシートで一杯って…あぁなんか腹も減ってきたなぁ。これから二千円でどうすればいいんだよ。こんなんなるなら金持ち選んどくべきだった。見る目ないな俺…。」


「ねぇ…ここっ!!見て?見えてるよね?」


「あぁ。こんばんは。」


「こんばんは…っておじさん!!びっくりしないの?夜中にそれも薄暗い公園に子供が一人…それも額から血をながして…どうして?」


「俺おじさんに見える?」


「うーん。お兄さん…よかおじさんって感じかな?」


「俺はおじさんなのか」

「って!!違う見て?私…」


「迷子?」


「そうそうっておいっ!!」

No.92

「こんな所で一人寂しくない?」


「えっ?寂しいよ…」


「凄く血も出てるし…」


「今更?…ってこれ…わざとやってるんだけど。」


「家に帰れないの?」


「うん…」


No.93

「あっ…でもね?私一人じゃない…友達いるもん。」

女の子はトイレを指差すと同時に遮断機が降り警告音が響く


「一人じゃない…?えっ?トイレが友達?」



「…にいるの!!」

「えっ?トイレにいるの?」

女の子の声が貨物列車の音にかき消され聞き取りづらく男は聞き返した。


「ねぇ会いたい?ねぇ…アイタイ?…ワタシノ…トモダチニ…?」

No.94

ガシッと女の子が男の腕を掴む。


「いや、別にそれよか寝れるところを…というか、手痛いよ?」

「ワタシノ…ワタシノトモダチ…ニ…アワセテアゲルヨ?…キャハハキャハハハハハ!!」


甲高い笑い声をあげる女の子の顔が、徐々に崩れ始めたと思うと同時に鼻をつく異臭も漂ってきた。


「んっっ!!」


男は思わず鼻を腕で覆う


「ネェ…。」


男は女の子の手を振り払い逃げようとするが、腕を掴む力が尋常じゃないくらい強くなかなか振り払えない。


「ネェ…オジサン。モウトモダチダヨネ?ワタシタチ…」


No.95

「ちょっと落ち着けよ?」


「ネェ…オジサン……トモダチ…。オジサントモダチ…。」


「ちょっそんな事大きな声で…」

男は周りをキョロキョロ見渡す。


「ワタシ…ト…コレカラズット…イッショダヨ?」

ガシッともう片方の手で男を掴む。


掴んでいる手は、ほとんど骨が丸見えになっている。



「わかった。ちょっと…てか、まじで落ち着け。」

女の子は壊れたラジオテープのような音で、ずっとトモダチトモダチと繰り返している。


あぁ…なんだ?この声は。頭に響く…な


異臭も凄い…


あぁ…ダメだ…意識が…

No.96

「…さん?…さん?大丈夫ですか?」


男は目を開けるがまだ視界がボヤけている。


「…さん?」


「…?!」


男は飛び起きる。


えっ?公園…なんだったんだ?


男は周りを見渡す

ベンチ?ぐちゃぐちゃの女の子は?


俺こんな所で寝ちゃってたのか?



夢か…それにしてもリアルな夢だった。


ザザッ…

ズルズル

ザザッ

No.97

ん…?


ズルッ


ズルッズルッ


…なんの音だ?

ズルッ…ザザッ…


近付いてきてる?!

ん?


ボソボソ…ボソボソ…ダカラ…ボソボソ……ダカラダカラ…カラ…ダ…

なんだ?酔っぱらいか?

うっ…

突然の耳鳴りに男は頭を押さえた。

No.98

虫歯の治療をするときに響く、あのなんともいえない金属音をもっと高音にしたような、そんな音が頭の中で鳴り響く。


くっ…!!


頭を押さえぎゅっと目を閉じ、歯を食い縛りながらこらえている。


いつまで続くんだ…?!


頭が…痛いっ…



意識がまた朦朧としてくる。



「ねぇ…なんで?…なんでよっ!!…さんってば!!どうしてっ?!…さんっ!!……さん!!」


…ん?

女が叫んでいるのが聞こえる。

どうしてそんなに取り乱しているんだ?


…さん?

男は女に話しかけようとするが、口がパクパクするだけで声が出ない。

No.99

声が出ない…?


男はモヤがかかっている人に手を伸ばそうしたが、手がピクリともしない。


手も…動かない?


キィィィーンとまた頭の中で響き始める。


うぅ…

…?!

男は瞑った目を開けると、さっきまで照らしていたはずの外灯は消え、辺りは真っ暗になっていた。

モウ…ボソボソ…ワタシカラ…ニゲ…

ベチャ…

ベチャベチャ…ズズッ…

ズズッ…

ネッ…ボソボソ…フフッ…フフッ…ボソボソボソボソ…


No.100

真っ暗でもわかる。

何者かが自分に向かって来ている事が。


男は身体を起こそうとしたが起きれない。

くっ…


ポタッ


ん?雨か…?でもやけに…

ポタッポタッ


生暖かいような…

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