禁断の恋 俺

レス163 HIT数 27285 あ+ あ-


2018/08/30 14:52(更新日時)

なにもない部屋に、ただただ座り込む。

家具もなにもない。

どうしてこの場所に、なんの為に、考えても考えても答えは出ない。


そして俺は…普通の人とは違うみたい。





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No.2394932 (スレ作成日時)

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No.101

これは…なに?


「さっちゃん…。もうそれくらいにしときなさい。びっくりして死んでしまうよ?」

男性のたしなめる声が聞こえると同時に、生暖かい何かもスッと消えた。


「だって…だってもう…いやだよ…」


今度は子供の泣き声が聞こえてくる。


「もしかしてさっきの?!」




No.102

「だって…だっておじいちゃん…トイレから出てこれないじゃん!!私…氷鬼ってやつしたりおままごとしたいんだもん!!」


「気持ちは分かるけどね?ほらっおじいちゃんとしりとりしよ?」


「おじいちゃんすぐ『ん』つくよね?」


「そう…そうだけどね?ほらおいで?」


「あのぉ…無視してますか?俺別に友達になりたくないなんて言ってないよ?おじさんでもいいならなるよ?ってお兄ちゃんと言われたんだけど…ね。」


男は声のする方に話しかける。

「えぇ?それって本当だったの?信じてもいいの?私…幽霊だよ?」

No.103

「俺も死んでるから。幽霊だよ?」


パッと外灯の電気が灯る


「えぇ?嘘だ!!おじさん生きてるじゃん!!」


女の子は不思議そうな表情を浮かべている。


「…ってこれ借り物だから。お兄さんはねぇ、この身体から出れなくなっちゃったのよ。わかる?」


「へぇー。よくわかんない。」


「そっか。」



「私の友達紹介するね?」

女の子は薄暗い公衆便所の方に走って行くと、手招きをしている。


「ここ!!ここにいるんだよ?」

No.104

「わかったわかった。今いくよ。」

男は立ち上がり公衆便所に向かった

「おじいちゃん!!新しい友達きたよ?」


「わざわざすまないねぇ。私はここから移動出来なくてね。」


スッとスーツを着た老人が現れた。


「いえいえ。それよかここから移動出来ないって本当ですか?」


No.105

「あはは…そうなんですよ情けないことに。多分ここで自殺したのが原因だと思うんだけどね。あはは…」



「自殺…?」


「リストラにあってね…。」


「そうだったんですか。」


「今思うとなんで諦めちゃったんだろう?って思うよ。死んだって無になるわけじゃないのにね。あはは…それよかさっちゃんが迷惑かけてすまないねぇ。」


No.106

「迷惑なんてかけてないもん。ねっ?」

さっちゃんは上目遣いで男を見つめる


女という生き物はこんな小さい頃から男の心を掴む技?を身に付けているんだな…


「まぁね。」


「じゃあ早く氷鬼しよ?」


「いいけど…氷鬼ってなに?」


「鬼がタッチしたら動いちゃだめなの。ねっ?簡単でしょ?」

「なるほど…」



No.107

「あっ…そろそろ日が昇りそう!!…おじさん?氷鬼…夜やろ?またね!」



というと女の子は手を振り、老人は一礼するとスッと消えた


「えっ?ちょっ…俺は?おじさんって…」

公衆便所に1人取り残された


「…これからどうする?」


鏡を見ながら悩んでいると、突然男は尻餅をついた。


…ん?




No.108

目の前には憑依した相手が倒れている。


「…やっと俺は…俺は自由になったぁぁ!!自由になれたんだ!!」



と喜んだ瞬間男は、またあの横断歩道の前に立っていた。


…えっ?また…?どうしてだ?


もしかして…夢でも見てたのか?


んなわけない。

夢なんか見たときない。


今まで覚えてなかっただけとか?


俺は何がしたい?


なんで俺だけ過去を思い出せないんだ?

疲れた。


やっと前に進めたと思ったのに。

また憑依すればなにか手掛かりが掴めるか?

No.109

でも疲れるよな…。

だけど、

いつもの道いつもの景色


自分だけが、取り残されたようなそんな気分。


無性にだれかと話がしたくなる。


なんでだろう?


生きてる奴でも死んでる奴でもどっちでも
いいから誰かと話したい。


めんどくさいって分かってるのに誰かと関わりたい。


そういえば、氷鬼やるって約束したよな…?


叶えてやんなきゃだよな?


もう一度乗っ取ってみるか?


今度は女にしてみるか…。



No.110

いやいや、幽霊だからってそれはやってはいけない事だよなぁ…?


死にたい。


え?


…ラクになりたい。死にたい。死ぬ。

なんだ…?


誰かが頭の中に直接話し掛けてる?


絶対死ぬ…。生きてたって何も良いことなんかない。頑張っても頑張っても報われない。みんな平等に苦楽はあるんだよ?って言われたけど、苦しい事ばっかり…


…?どこにいるんだ?


でも男の周りには誰もいない。




もう疲れた。
もうね…私…十分頑張ったよね?
ごめんね?不甲斐な…い……


んんっ!!頭が…。

キーーーーンと耳鳴りが響き男はその場にしゃがみこんだ。

No.111

痛いっ!!

男は意識が無くなり倒れた。


…さん!!…さん!!目を開けて?!



倒れている女に一生懸命声をかける女と、それを少し遠くから見つめる男の子。


えっ?なんだ?

男は戸惑っていると場面が変わり、薄暗い公園でブランコに乗る男の子。


男は話し掛けようと近寄ると、パッと目を覚ました。

なんだ?どうなってるんだ?


No.112

もしかして…さっちゃん?

んなわけないか。


てかあれは俺の生前の記憶か?

じゃあなんで今更?


耳鳴りはさっちゃんの仕業ではなかったって事か?

今居なくても耳鳴りしたし…


じゃあ…なんでなんだ?クソッ!!

男は近くにあった電柱を力一杯蹴りつけた。


ッ!!痛いっ!!痛い…っなに?!

No.113

痛みなんて感じないハズだよな?

それに俺は、思い出そうとしてる?

なら全部知りたい。


全て思い出してスッキリしたい。


そしたら悔いがなくなって生まれ変われるだろう。


生まれ変わったら、精一杯楽しみたい。


美味しいもの食べて、話して、辛い時は泣きいて嬉しい時は心から笑いたい。



生きていて当たり前の事をしたい。

でもこれは我が儘なのかな。

早くこんな中途半端な身体から、おさらばしたい。

でも…少し嬉しい。痛みをまた味わう事が出来たから。


「ワフッ!!ワンッワンッ!!」

No.114

「んっ?またお前か…。」


「ワフッ!!」


「えっ?触れって?いやいや、俺触れないし…。」


「ワフッ!」


「えっ?いいから触ってみろって?」


男は犬の前で屈むと顎を撫でた。


「柔らかい…って触れる!?」


「…。」


「って無反応かよ。」


犬はペロッと男の頬を舐めると、男を見つめまた歩き始めた。

No.115

なんなんだ…?


なにが起こっているんだ?


バタッ


「…っ!!」


…誰かとぶつかった?


男は尻餅をつきながら周りを見渡した。


見渡したが誰もいない。

男は取り敢えず立ち上がった。


痛い…。


急にどうしたんだ俺は?


取り敢えず帰るか?


って…腕時計?俺腕時計なんてしてなかったよな?じゃあ…これは?


ふっ…服も違う。もしかして?
もしかしてだけど俺…


憑依しちゃった?





No.116

「ごっごめんっ遅れた…。」



振り向くと少しガタイのいいスーツを着た男が立っていた。


まさか…そんなわけ…


肩に手を置かれた瞬間、身体にビビッとするなにかが流れた。


「大地どうしたの?顔色悪いよ?」


男は額に手をあてて顔を近付ける。



俺は多分知らなかった世界を知ることになるだろう。


なんでだって?

何でだろうな。


何故かそう思う。

だって妙に顔が近い。


それも俺は大地って名前じゃないから。

No.117

俺は取り敢えず、少し距離を保ちどうでもいい話題をふった。


「えっ?飼うならやっぱり柴犬かな。それより早く行こうよ?」


早く行こうよ?何処に俺を連れていってくれるんだろ。


何故か俺の?心臓は多分何時もよりか早く、バクバク動き始めた。


あぁ、こんなに心拍数が上がると、生きているって実感出来るな。


雲ひとつない空を見つめ、深呼吸をした。


数十分後、俺は何故かホテルのベッドの上で、熱く硬くなった肉棒に、しゃぶりついていた。


No.118

それはそれはとっても熱くて凄く硬い。


俺は、口の周りを男の我慢汁と自分の涎でぐちょぐちょにしながら頬張った。


今日会ったばかりの知らない男のうっとりした表情を見ながら…



段々男は吐息を漏らしはじめた。


「んんっ…はぁはぁ。」


俺は優しく玉を手で撫でながら、キャンディーを舐めるように、ペロペロと丁寧に肉棒舐めまわす。


「あっあぁんっ!!」



「ねぇ…乳首いじって欲しい?」


No.119

「あっ…ハィ…」


「えっ?なんか言った?」


「あのぉ…乳首弄って下さい。」


「誰の弄ればいいん?まだ触ってもいないのに、お前の凄い自己主張してるよ?ド変態だな。お前。あははは。」


「ご主人さまぁ~僕の…僕の乳首です。僕の乳首つねったりコリコリしてくださいっ!!」

No.120

「仕方ないなぁ。ってなんで俺がお前のコリコリしなきゃいけないんだよ。」


「そんなぁ~ご主人様がしてあげよっか?って言ったんじゃないですかっ!!僕もう…我慢出来ません…」


男は自分でコリコリと弄り始め、感じ始めたのか、男の肉棒はピクピクと小刻み動いている。


「お前一番大切な事忘れてないか?」

No.121

「だっ大事なことですか?!」


「あぁ。」


「あっ!?」


男は閃いた表情をすると座り込み、袋を揉みほぐしながら主張しているモノを、涎で濡れ濡れの口の中に迎え入れた。


「くぅぅ…。んんっ…。」


「ご主人さまぁ~どうですかぁ?」


「あぁ…。上手だ。」

頭を撫でてやると、嬉しそうにニッコリ微笑むと、また頬張り卑猥な音を出し始めた。



「ほんとお前エロいな。」


「ああぁん!!ご主人さまぁ~!!」




No.122

「早く行かなきゃ大事な会議に遅れるよ?」


「えっ?会議…?ってホテルじゃ…」


「えっ…?」


「えっ…あぁ会議、…会議に行こう!!」


なっなんだ俺…。妄想か、あれは全部俺の妄想だったのか!!

No.123

って…ん?

男は透けた自分の身体を触った。


元に戻ってる…?いつも通り透けてる…。



ってえっ?!夜?なんでだ?さっきまで昼だったのに…。

まぁ、いいか。


どうせ俺には関係ないもんな。


男は座り込むと大きな声で笑い始めた。


笑える。ホント笑える。

アハハハ。


こんなに大声出して笑っても誰も気付かないんだもんな。


アハハハ。



アハハハ…クソッ


男は小石を投げようと掴もうとしている。

No.124

何度も何度も持とうとするが、手をすり抜けてしまう。

なんで?なんでだよっ!!


俺がっ…俺が何したんだって言うんだよぉ!!!



地面を殴ろうとする手もすり抜けている。


アハハハッ!!


ホント笑える。

何の為に俺って存在しているの?

男は仰向けに倒れた。


…いつまで俺はこうしているんだろう。


うっ…


男はまた頭を押さえ苦しみ始めた。



っ!!

No.125

「俺は…俺はあの日から…だと……って…思っていたんだ!!なのに…」

くっ…こっ今度はなんだ…?!

男は、ぼやける視界の中で声のする方に目をやった。


中学生くらいの男の子とその母親だろう女性が喧嘩をしているようだ。



なんだ親子喧嘩か…。


えっ?

男は飛び起き周りを見渡した。

…俺は夢を見ていたのか?

さっきまで、横断歩道にいたよな?なんで家にいるんだ?

そうか、幽霊だから瞬間移動ができるんだな。ってそんな事あり得ない。



No.126

いや、出来るのかも。というか…部屋汚いな。


テーブルの上には空き缶やつまみ、それからだいぶ放置されていたであろうサンドイッチが無造作に置かれている。


…。


…っ!!痛い…。


男は足を撫でる。


足が痛む…なんでだ?

クソッ…足は痛いし、部屋は汚いし最悪だ。

男は床に散乱している服をなるべく踏まないようにベッドの上に移動した。

…ベッドの上だけは流石に綺麗だな。


男は横になると、いつの間にかまた眠りに落ちていた。


ガチャガチャ

キィィィー

バタンッ

玄関が開く音がしたかと思うと、女の泣き声が静かな部屋に響き始めた。





No.127

なんだ…?


『もう恋なんてしない。男なんて……もう…恋なんて…なんで私ばっかり何時もこうなの…?それによりによって私の親友なの…?なんで?なんでなのよぉ…!!』


…失恋か?それにしても五月蝿い…。男なんて腐る程いるだろ。

あっ……!?

男は女のブラの上に手を置いていた事に気付いた。


俺は悪くない…。てかこいつのブラは色気がないな。うん。

やっぱりブラはこうなんていうか水玉じゃないんだよなぁ。

俺は…淡いピンク色とか黒い奴がって…違う。それよかアイツは?

男は玄関に向かう事にした。



No.128

…まだ泣いてる。


「泣くな。五月蝿い。」


男の声は届くハズがない。だけど何度も男は女に話かける。


「男は腐る程いるし、お前は掃除も家事もだめだけど、お前の笑顔は…良いと思う。だから泣くなよ?なぁ?」


男は隣に座ると、頭を撫でた。


こういう時ってどうすれば…


No.129

というか、雨に濡れたのか身体も冷たいし…ブラウスが透けてる…!!

これは……。

…俺ってこんな時に…。


1時間たった頃、やっと女はおぼつかない足取りでベッドに向かうと、すぐ横になりそのまま眠りについた。


あれから2日経ったある日、女は部屋を綺麗にし始めたかと思うと、チャラそうな男を連れてきた。


部屋に入るなり男は、女の服に手を入れたりキスをしている。


…こんな奴の何処がいいんだろう。
まぁ俺には関係ないけど…


数日後女は部屋の隅で泣いていた。


またか…



No.130

でもなんだか分かる気がする。


誰かと繋がっていたい。

誰かと話がしたい。

だけど、繋がると辛い思いをしなければならない時がある。

なら一層のこと逃げてしまった方が気が楽だし、人間関係で悩む事もない。

だから傷つく事も傷つける事もない。


それに無理して笑顔なんて作らなくてもいい。


やっぱりこのままの俺の方が幸せなのだろうか。


No.131

男はベランダから外を眺めながら、胸を押さえた。


触れた瞬間…胸の辺りがチクッとした。あれはなんだったんだろう。それに女の身体が冷えきっている事も分かった。


俺が生きていたら、少しはアイツの役に立てたのだろうか?


なんだかんだ言って俺は…生きたいんだよな。

このまま全てを思い出したら俺は…生き返るんだろうか?


男は目の前のカーテンに触れようとした。


No.132

すり抜けてしまう。


…どうしてだろう。

どうして触れるときと、触れないときがあるんだろう。


何度も挑戦するが、やっぱりすり抜けてしまう。


いつの間にかまた1日が過ぎようとしていた。


…そろそろ出掛けるか。


あれからは俺は、痛む足を引きずりながら家と横断歩道を行き来する日々を過ごしていた。


そんなある日、


No.133

目の前にさっちゃんが現れた。


「えっ…さっちゃんだよね?」

ここは何時もの横断歩道だ。


「そうだよ?」

さっちゃんはにっこりと笑う。


「なっなんでここに?」


「この前…オトモダチガデキタノ。ホラ…キャハハハ。」

No.134

さっちゃんの隣には、さっちゃんと同い年くらいの男の子が立っていた。


「フフフ…アハハハ…ハハハ。ケンチャンッテイウンダヨ。ケンチャン…。ケンチャンダヨ?オ ボ エ タ?」


と急に大きな声を出したかと思うと、男の周りをぐるぐると周り始めた。


「アハハハ。ヤクソクヤクソクヤクソク…アハハハアハハハ!!!!やぶ…ったよね?キャハハハヤクソク…ハタシ…テ?」

No.135

「さっちゃん…?」


「ワタシト ケンチャンガ オニネ。イクヨ?? キャハハハ イーチ…」


「えっ?なに?鬼ごっこ?」



取り敢えず男は逃げようと後ろを向いた瞬間、




さっちゃんとけんちゃんが目の前にばっと現れた。

「フフフ。ツカマエタ。ツカマエタョ?バツヲアタエナキャネ キャハハハ。」








No.136

「えっ?なに??どうしちゃったの?」

さっちゃんとけんちゃんは顔見合せ笑うと言った。



「私達…生まれ変わるの。双子としてね。ほらっ身体が光始めたでしょ?…もう行かなきゃ…あの時はありがとー!大好きだよ、お兄ちゃん。ばいばーい!!」

No.137

そっか…


羨ましい…。


No.138

「ねぇ…。貴方一人ぼっちなの?私と少し話さない?」



…ん?


男が振り向くと、なんともいえない雰囲気を漂わせている女が立っていた。


「俺と?」


「ふふっ…。貴方しか居ないでしょ?貴方は一人ぼっちでしょ。」


No.139

…なんだか暗い感じがするな。この女。



「ねぇ。私も一人なの…少しでいいから話さない?」


少しくらいならいいか?


「あぁ。」


「ホントに?嬉しい!!私…良いところ知ってるよ?そこで話そうよ!お願い!!」


女は男の腕に胸を押し付けながら、上目遣いで見つめている。


柔らかい…。それによくみると可愛い。

No.140

「なぁ。別に俺たちのこと、見えないんだし?ここでよくね?」


というと、男はキスをすると、下の方に手を伸ばした。


「ん?!」

男の手が止まる

「変態さーん♪これから貴方は私の奴隷。」


なんだ…?

身体が…動かない。


「私って酷い人間なんだよぉ?どう酷いかって?ききたい?うーん。とっても聞きたそうな顔してるねぇ?でもさぁ、奴隷なんかに説明するのもねぇ。はっきり言って、めんどくさいしぃ。それにめぐは、早く気持ちよくなりたい!!ねぇ?私の奴隷くん?早くあの空き家に連れていって!」


かっ身体が勝手に…。


No.141

「あはは。身体が勝手に動くでしょ?貴方の奴隷ライフが幕を開けたわよ!ひゃはは~!!なにその顔…。もっと嬉しそうに笑いなさいよ。」



うぅ…。なんなんだ?操られてる?


「いい子ねぇ。」

男の後ろ頭をめぐは優しく撫でる。


「ねぇ。なんか、めぐヒマ~。人の泣き叫ぶ姿見たくない?めぐみたぁ~い。」


No.142

「あ~いいカモみつけたよぉ♪ねぇ手始めにあのカップル別れさせようよぉ♪よ~~くきいてね?貴方は今からあのバカそうな男の身体乗っ取って、カップルの方に向かって歩いてくる女にキスして?いい?」


男は心とは裏腹にカップルの男に憑依した。


めぐは男が憑依するのを確認すると、カップルの方に向かって歩いてくる女に憑依した。


男はめぐの指示通りキスをすると、めぐは男の頬にてを添え濃厚なキスをし始めた。

突然彼氏が知らない女にキスをしたのを目の前で見せられた彼女はただただ立ち尽くしてから、やっと理解出来たのか走って行ってしまった。

No.143

「ざんねぇ~ん。泣かなかったねぇ?つまんな~い。そうだ♪このまんまエッチしちゃう?まぁ、貴方に拒否権なんてないけどねぇ。それにしてもこの身体貧相すぎ~やっぱりやるならもっとセクシーな身体の持ち主がいぃ。探して?」


こんなこと…したくなんかない…。

それに…視界が暗くなってないか??



「ねぇ。人の話しきいてる?あっ!あの娘なんていいんじゃない?あれれ~でも誰か乗っ取ってるぅ。ねぇ。連れてきて?めぐがあの娘から引き離すから。」


男は身体が勝手に動きめぐの命令に従い女を連れてきた。


「痛い!離しなさいよっ!!」


めぐは男の頭を撫でる。


「いい子ねぇ。あとで、ご褒美あげなきゃね♪てか早くその女の身体から出てきなさいよ。低級の癖に。」



無理矢理連れてこられた女はめぐのことを睨んでいる。


「ふーん。私に刃向かうの?いい度胸してね。」

というと、めぐは小さい声で何かを唱えると、あっという間に憑依していた女が身体から弾き飛ばされた。


「いったぁーい!!何すんのよ!」



No.144

「まっ満里奈?!」

めぐが憑依したがっていた女の中にいたのは、満里奈だったのだ。



「ひど〰い!!いたぁ〰い!!傷が出来たら責任とってくれるのぉ?というか、なんで私の名前知ってるのよぉ?満里奈もう怒ってるからね!!」


満里奈は怒りながら男の元に向かってきた。

No.145

「満里奈、俺…俺だよ!」


「誰?貴方。」


「たっくん…。覚えてないのか?」


「は?」


「ほら、お前がつけてくれただろ?」


「あっ!たっくん久しぶり~♪どうしたの?こんなとこで?」


めぐは2人の会話を邪魔するかのように、大きな溜め息をついた。

「めぐを差し置いていちゃこらしてんじゃねぇーよ。」




「たっくんだれこの人…?黒いオーラに包まれちゃってるよ?関わっちゃだめって前にいったじゃん!それに、いちゃこらってなに?たっくん分かる?満里奈全然分からないだけど…?」


No.146

「えっ?なにって?俺もちょっと…。」


「あんたたちなに?めぐのこと怒らせたいの?」



「やだぁ~。なんかあのオバさん怒ってるんだけど!?なんで?たっくんわかる?」

と男に聞きながら満里奈はめぐにむかって指をさして笑っている。

「怒ってる…?」


男はめぐの顔をみる。


「めぐ絶対許さない。一瞬であんたたちを消してやる。」

No.147

「一瞬で消されるんだって私達。ねぇ…たっくん?最後に良い思い出作らない?うふふ…今日ね…私ね…。」


「ねぇ。なに笑ってんの??全然めぐ笑えない。後悔しても遅いよ。めぐを本気で怒らせたからね。」


というと、大きな鎌がでてきた。


「オバサン…もしかして、死神??」

No.148

「めぐ全然笑えない。笑えないだからぁぁぁ!!」


めぐは怒鳴ると、宙に浮き始め、鎌を振り上げた。

男は黙ってその様子を見つめている。


やっとか…。なんかスッキリしない終り方だけど、やっとこの中途半端な生き方に終止符を打つことが出来るのか。


それに雨の日、1人で泣かなくてもいい。


そういえば、あの女…どうしてるかな。




No.149

斬られそうになった瞬間、満里奈が男の目の間に飛び出てきた。


「うっ…。」

生身ではないハズなのに、満里奈の身体を斬った生々しい音が響いた。


「まっ満里奈…??どっどうして??」


「あっ貴方はまだ…はぁはぁ。成仏しちゃだめよ。まだしたければならないことが…。」


No.150

「最後まで屑って五月蝿いのね。」

と、めぐはもう一度鎌を振り上げ、呟いた。


「やっ…やめろ!!」


男は、満里奈に覆い被さった。


「たっ…たっくん…私なんかのために…」




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