禁断の恋 俺

レス163 HIT数 27287 あ+ あ-


2018/08/30 14:52(更新日時)

なにもない部屋に、ただただ座り込む。

家具もなにもない。

どうしてこの場所に、なんの為に、考えても考えても答えは出ない。


そして俺は…普通の人とは違うみたい。





タグ

No.2394932 (スレ作成日時)

投稿制限
参加者締め切り
投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.151

生々しい音と男の絶叫が響き渡る。


「うぅ…。ハァハァ…」

満里奈は男を抱き締める


「たっくん?!ねぇ…たっくん??ねぇってば!!」



「ホントつまんなーい。ありゃ?あちゃー。間違って私のお気に、傷つけちゃった。もう、いーらなぁーい。って、あれれ?なに痛がってんの?死んでいるんだよ?あぁ、それとも恋愛ドラマの見すぎで、可哀想なワタシタチってな演技かしら。」


「…さない。」

「はぁ?なに?生まれ変わることも、無になることも出来ない、中途半端な存在のお前らが、なんか文句でもあるの?私は、お前達みたいな存在がいるから、何時になっても仕事が終わらないのよ。躊躇わず早く行きなさいよ!!はぁ…誰よ!この人達を最初に担当した間抜けは!!もしかして、アイツか?!」

No.152

「…ぜったい…ゆる…さない…だから…。」


「えっなに?なんかいった??それよか、めぐ疲れちゃったぁ。ちょっと休憩するね♪あっ…いいよ?泣いてなよ?てか、もっと泣いていいよ?あははは!!笑える。マジで笑えるよ?人が泣き叫んでんの見下ろすのってさ、へたなお笑い見るよりか、よっぽど笑える♪だってさ、友情?愛情?分かんないけど、半端者同士の癖に、庇いあっちゃってるんだもん。ごめぇーん。ちょっと言い過ぎちゃったかな?ふっ…はっ…ちょっ…あはははははは!!」


めぐは宙に浮きながら腹を抱えながら、笑っている。

「ねぇ、オバサン。一つ聞くけど、私のこと知らないの??知らないハズないんだけど。」


No.153

「はぁ?お前みたいな奴知るわけないでしょ?てか、オバサンオバサン五月蝿いのよ。私は、美女死神コンテストで優勝したのよ?それに胸も大きいし、お尻もちゃんと出てるのに、くびれもしっかりしてる。触り心地は、生まれたばっかりの赤ちゃんみたいに、何処を触っても、もっちりすべすべだしね。お前みたいな何処でも…あっごめんね?また私ったら余計なことを…。事実でも言って良いことと、悪いことあるよね。っていうか、もう、めぐ疲れたぁ。帰るぅ。」


「ねぇ、貴女いつもそうやって仕事の途中で帰るの?」

No.154

「えっ…。おっ…お前もしかして!?」

突然めぐが大きな声を出した。

「やっと気付いた?私も死神。」

「ふっ…。あはははは!!じゃあヘマしたのお前だったの?!」


めぐはまた腹を抱え笑っている。

「あのさ、いちいち説明しなきゃ分からないの?」

というと、ため息をつく満里奈。


No.155

「説明じゃなくて、言い訳でしょ?あははは!!全然意味違うからぁ~。もぅ息出来なくて死んだらどうすんのぉ?」


「ねぇ、アザレアって呼ばれてる死神しってわよね?」


「はぁ?当たり前でしょ?死神で知らない人なんているハズないじゃない。死神のトップよ?アザレアのように美しく、周りの死神を魅了する容姿を持ちつつ、冷血で、人間はおろか死神すらも消すって噂の…名前はなんていったけ…。」

「マリ」

「そうそう。あ…でもアザレアと呼ばれている死神は双子で、そのマリは姉の方で、妹とはええっと…。」

「リナ。」

「あっ…そうそう思い出した!!…ってそれがお前となんの関係があるのよ?」


No.156

「満里奈あの…全然話がわからないんだけど…。」

「ごめんね。たっくん。私嘘ついてた。」


「えっ?嘘?」

「うん。私本当は死神…なの。」


No.157

「うわっ!」

満里奈が男の斬られた部分に手を当てるとなにもなかったように元に戻った。

「ごめんね。本当の私は死神で、本当の名前はリナ。私は…」

No.158

「えっ?満里奈?」


男はまた横断歩道の前に立っている。


満里奈を呼ぶ、男の声だけが寂しく響いているだけだ。


「もう…わからない。なんなんだよ。やっと…やっと自分の事がわかると思ったのに…。」

No.159

何日間も男は、横断歩道の前で座り続けた。

泣きもせず笑いもせずただただ行き交う人々を眺めた。


「帰ろう。」

ポツリと一言呟いた。


住人は替わったのだろうか。
それともあの五月蝿い女はまだいるんだろうか…。

部屋の明かりがついている。

人は住んでいるみたいだ。

No.160

階段を登ろうとすると、また、足がじんじんと痛み始めた。

斬られた痛みは、あっという間に消えたのに、なんでここだけまた痛むんだ??

そんなことを思いながらも、一段一段ゆっくりとあがる。

あの部屋に戻れば身も心も全てが癒され解決する気がしたからだ。


No.161

その頃リナは、大きなため息をついていた。


「あともう少しだったのに。全部お前のせい。たっくんには…たっくんには早く戻って来てもらわないといけないのに。」

「全然話が読めない?ホントにあの双子の妹なの?」


「もう、今はそんなこと、どうでもいい。それよりどうしてくれんのよ?あの人は、宗次郎様の孫、蓮様。わかる?蓮様の噂くらい知ってるわよね?下っ端でも。」


「えぇ?なに?下っ端って。まぁ、でもあの話って本当なの?」




No.162

「うん。ほとんどあってる。蓮…たっくんは小さい時から、後継者としての才能を開花させ、周りの大人を驚かせいた。小さいのに幹部とほぼ同等か、それ以上の力があるんだもん。私達姉妹でも、いくら修行しても足元にも及ばないほど。徐々に強まる力とは裏腹に、いつもたっくんは、人間になりたい。と、私達に話してた。」


「そんなに?私には、全然そんな力があるようには見えなかったけど。」


No.163

「だって今、殆ど死にかけなんだもん。」

「死にかけ?」

「うん。」

「あのままだと、もうじき死ぬ。たっくんは人間になり損ねた。」


「もしかしてあの禁断の…?」


「うん。多分ね。しちゃったんだと思う。でも失敗した。だから記憶がなくなり、あんな中途半端な姿に…。それに今、宗次郎様が…。」

投稿順
新着順
主のみ
付箋
このスレに返信する
    
新しくスレを作成する

注目の話題

おとなチャンネル 板一覧