満たされていたい奥様
モテ男( ♂ )
2018/01/27 09:23(最終更新日時)
はるばる博多まで新幹線で会いに来てくれた。
それまでは相手の地元まで、若しくは中間地点辺りまで車を走らせることが多かった。
『私にもお金を遣わせて……』
何かに酔いしれたように、僕の腕の中で呟いたのが始まりだった。
それ以降、支払いは彼女が全てしてくれるようになった。
SNSで知り合った当時、30代後半と年齢を聞いていた。
LINEで話していくうちに、徐々にお互い会いたい気持ちが募っていった。
しかし会う前に1つだけ話しておかないといけない、そう言って実年齢を伝えてきた。
実際は40代後半だった……
妹のような存在で可愛く思っていた僕は戸惑った。
戸惑いつつも会うことになった。
第一印象は年齢を感じさせない素敵な奥様。しかも上品で可憐な女性。
ランチをし、二人でドライブ、車を停め抱き寄せると無抵抗のまま身を寄せてきた。
日も暮れてきたのでそろそろ帰ると伝えた。
奥様は今夜は帰らなくても平気だと、伝えてきた。
ご主人は海外単心中らしかった。
しかも愛人がいるらしく夫婦仲は冷めきっているようだった。
じゃあとりあえず飲みに行こうか?
さて、車はどうしたものか……
ラブホに行ってもいいか奥様に了解を経て向かった。
車を停め繁華街へ二人で手を繋ぎ歩き出した。
grassを合わせて、何かに乾杯した。
楽しそうに談笑する奥様に僕も頬を弛めた。
きっと家庭ではこんな笑顔はないんだろうな……
そう考えると少し切なくなる。
独身の自分にとっては結婚は憧れのようなものだったけど……
ふと何かを考えさせられる現実をぶつけられたようだった。
そろそろ行こうか、お店を出てラブホに足を向けた。
途中で一級河川と思われる大きな川が流れていた。
そこに架かる橋から、彼方に海が見えた。
二人で眺めながら、ふと視線を合わせた瞬間に唇を重ねた。
奥様は今頃元気にしてるだろうか……
ラブホでいろんなことを教えてあげたのはまずかったかなぁ……
寝た子を起こしたんだからずっと付き合ってって……
熟女って満たされていない方が多いのかなぁ……
妙な安心感もあったしなぁ……
あれが母性ってやつかな?
きっと愛情不足で育ったんだろうなぁ自分は……
自分か旦那なら幸せにできたかもしれないのに……
夫婦って形だけなのかな?
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