たとえばこんなお嬢様のクリスマス

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青木あかね（ 38 ♀ sq6JBe ）
2019/12/17 13:18(最終更新日時)

初潮まえ みんななか○し いい子たち
まだ小ちゃいの やさしくしてね


秋も深まり釣瓶落としに日の暮れ始めた、いにしえの都。

その街の山手一帯の住宅街の麓に建つ黒百合女学院山手校の、総校門手前の中高等部校門を中等部総下校のチャイムに従い、くぐり抜け歩く女子中学生たち。

この日常風景の彼女たちを横目に、この学校の悪魔を待つ一人の男性教師が、総校門の柱にもたれて腕組みをして立っている。

彼は中等部に隣接の初等部の待った先生である。もちろんニックネームであり、彼にはちゃんと松田桐男なる本名があるのだが、なぜ彼が待った先生と呼ばれるか？

それは

それは・・・

それは、いつか機会があれば触れることになるだろうが、やっと彼の待ち人が姿を見せる。彼女は彼の勤める黒百合女学院山手校初等部を卒業し、今はその中等部に通う、赤井あおいお嬢様。

この悪魔と呼ばれるお嬢様は、初等部の元児童副会長だっただけでなく、黒百合学生会の初等部元総代であり、今はその学生会中等部総代の中等部三年生である。

彼女が学友たちと喋りながら、ゆっくり校門に近づく。お喋りに夢中で、待った先生の待ち伏せに気づいていないようだ。




一昨日、初等部児童会長の牧原ももと初等部総代の西村莉子に話しかけられ、頼み事されたあおい。

幼稚部から大学部まである黒百合女学院は、後輩は基本的には先輩に服従。ただ、それを利用して理不尽なる振る舞いをする先輩がたまに現れていて

初等部内部だけならまだしも、あおいの目を盗んで、初等部に理不尽なる無理難題を言う中等部生徒が存在。その無理難題は、初等部と中等部の合同部活で行われる。

そして無理難題ふっかけられた初等部高学年により、初等部の中低学年に皺寄せが来ている。

そんな旨で、例年行われる伝統行事の学内標語コンクールでの、イジメ防止の標語制作をと、ももと莉子の二人からあおいは頼まれてしまったのである。




でも、頼んだ相手が悪かった。

喧嘩に強く、短気で手が早い。そんな意味だけで悪魔と呼ばれるのではない、あおい。初等部時代から、明けても暮れてもイタズラする悪巧みばかりを考えるのが大好きなあおい。

早速に拵えたのが

『初潮まえ　みんななか○し　いい子たち
　　まだ小ちゃいの　やさしくしてね』

の短歌なのだが、初等部側の児童選考委員会に出ていた待った先生は、この標語モドキなエロ短歌を目にして

「何じゃ！💢コレは～！

　誰だ？ふざけたやつは！(`へ´*ﾒ)💢」

それで、この待った先生はあおいを待ち伏せにしてるのである。




が、物語はこの数時間前から始まる・・・

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