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犬だった頃の話

No.16 13/10/18 22:06
社会人さん0 ( 25 ♀ )
あ+あ-

やっと静かなお店についたのに、Aさんはジャズの話を始めた。

私はもう眠くて仕方なくて、カタカナの名前なんて頭に入ってこない。
相談しないならもう帰りますよって言ってしまった。
眠さにまかせて、不機嫌な声がでて、自分でも驚いた。
でもAさんはそんな私に不快感を表すわけでもなく、
『そうだよね、ごめんね。言いだしにくくて・・』とうなだれた。

それから、相談を話されたんだけど、
それは脱力するくらいどうでもいい悩みだった。

相談なんて元々なくて、ただの口実だった。
それなのに、相談は?相談は?って本当に馬鹿な小娘だったんだろう。
Aさんは無理やり悩みを作りだしたに違いない。

おつむの足りない私に、なぜうんざりしなかったのか、不思議だ。

私は些細な些細な悩みをうちあけられて、
Aさんって優しくてかっこよくて完璧なのに、こんな小さいことで悩むんだ・・
人間ってわからないものだなあ・・
完璧だから、こういうことを考えるんだろうか
とか考えていた。

でも、私に相談しようと思ってくれたんだから、何か言わなきゃと
酔っ払った頭を必死に回転させて、出てきた言葉が
‘いや、みんなは気にしてないと思いますよ’だった。
言ってから、最悪だと思った。
でも、Aさんは急にふわっとわらって、

『だよねぇー☆彡 のものも!今日はのも!』と強引にもう一度乾杯した。

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