忘れられない

この人は、パソコン教室の営業マンでした。
私が見学に行って知り合って、見学終わってから玄関までお見送りに来てくれて、その時に口説かれました。
見た目タイプだったし、何回かデートして少しだけ交際しました。

彼は中心街から離れた広めのアパートに住んでいて、一人暮らしにしては広いなって思ってはいました。

ある夜、その彼のアパートで遊んでいると彼の携帯が鳴りました。
別室に行き会話して、戻ってくると戸締りやカーテンを確認し始めました。

「どうしたの？」
「ちょっと…」

また着信がありました。
「出ないの？」
彼は無言のまま部屋の電気とテレビを消しました。
「何なの？」
異常事態に私も緊張しました。
着信がとまり、メールが来ました。
「メール見せて」
「いや…」
「見せなさいよ」
「大きな声出さないで」

彼は観念して携帯を渡しました。
メールの内容は
「居留守使っても、車あるからいるのわかるよ」と書いてありました。

「なんなのこれ?」
「前の彼女」
「どういう事?」
「ここで同棲してた」
「二股だったの？」
「違う、別れた直後」