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No.5 2016/11/30 19:10
匿名さん
あ+あ-

レスが来ないので、もう少し書いてみる。

「男っていうのはね、深刻ぶって待ってる女の所には、帰りたがらない種族なのよ。嫉く前に嫉かせろ、振られる前に振れ。それが、賢い女の男操縦法。見てごらん。Aの今日の顔、まるでババアじゃないの」
Bは、タクシーの中で、コンパクトを出して、Aに渡した。
帰宅がめっきり遅くなったCを寝ずに待っているせいか、目の辺りが腫れぼったい。
肌も艶を失い、毛穴が開いてしまっている。
「いやだわ」
Aは、コンパクトを閉めた。
服装も化粧もバッチリきめたBが横にいるだけに、Aは余計惨めな気がした。
「やっぱり帰るわ。どこか、地下鉄の駅で降ろしてちょうだい」
Aは、俯いたまま言った。
「ダメ……今夜はあたしに付き合うって言ったじゃない。任しといて……乾いた花に水をやるのが得意な人、バッチリ紹介してあげるから……」
流行歌の歌詞をもじったBの言い方は、妙に的を得ている感じがあった。
(乾いた花か……)
Aは、心の中で呟いた。
先日、Cに抱かれた時のことがありありとAの胸に蘇ってきたのは、この時である。
あの晩も、Cの帰宅は遅く、深夜二時を回っていた。
「何むくれてるんだよ。友達とバッタリ会っちゃったんだからしようがないだろう。メンツが足りないからって、無理矢理麻雀つき合わされて、ちょっと一杯……」
Cは、呂律の回らない舌で言い訳をした。
あの時はまだ、Aも、CとDの関係を知らなかった。
「電話くらいかけてくれたって、バチは当たらないでしょう? それに、このところ毎晩じゃない、午前様は……。授業だって、サボってばっかり……。学生の生活じゃないわ、こんなの……」
抗議しながら、Aは泣いた。

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