No.8 2018/10/14 10:38
匿名さん あ+あ-
≫7
裕子は、開いている窓に近づき、外に顔を出した。
(何もない…)
仮にも四階である。
角部屋だし、道路に面した部屋なので、どこかの大泥棒の三代目でもない限り、ここから入ってはこられないだろう。
裕子は、窓を閉めると、改めて部屋を見回した。
壁に貼られたカレンダーに、目が止まる。
(夫は出張、息子は合宿か…)
裕子は、失念していた。
従って、夫と息子は、二、三日帰ってこないはずだ。
裕子が、立ちすくんだまま考えていると、台所の方で音がした。
再び裕子の心臓が、跳ね上がり、全身が硬直する。