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黒百合女学院 恋の時間(小愛的故事) 確定清書版

No.22 2020/01/11 01:27
青木あかね ( 38 ♀ sq6JBe )
あ+あ-

≫21

「あのね、瞬お兄ちゃん、わたしお願いがあるの」

思い詰めた表情で真鍋を見つめる緑。緑のこんな思い詰めた、そして真面目な真剣な表情は、今まで見たことがない真鍋。

「何だ?俺に出来ることなら何でもするぞ」

「わたしね、高校行くつもりはなかったんだけど、やっぱり高校行きたい!。わたしも黒百合の高等部に入りたいの。だからお願いっ!。勉強教えて」

「え、えええーっ!。お、おまえ熱でもあるのか?」

万年劣等生、しかもヤンキーの緑から予想すら出来ない言葉を聞いて、思わず仰け反る真鍋。

「ま、待て。おまえ、黒百合の外部入試は難関だぞ」

「おまえ正気か?」

「「わたし高校行かない!家業の道場はわたしが継ぐから。だから武術頑張る代わりに勉強はしない!」って、おまえ何度も何度も言ってたじゃないか」

「学歴だけが人間の価値じゃないんだぞ。中卒でも立派な人は沢山いるんだから・・・・」



実は真鍋は自分の亡くしたばかりの彼女の藍子、緑の亡くした姉の藍子と一緒に、何度も何度も何度も、口を酸っぱくしては

「勉強しろ!高校行け!」

そう言ってた側だが・・・・。いざ緑に似合わぬ進学したい発言をされて、とまどう真鍋。しかし、こんな真剣な緑は見たことがない真鍋は

『何か緑にも緑なりに思うことがあるのだろう』

そんな思いで緑の目を見つめるのだった。



緑は緑で、頼れるのは瞬お兄ちゃんだけ!と、何がなんでも瞬お兄ちゃんに勉強を見て欲しくて、脳内フル回転で言葉を選ぶのにしばらく時間がかかって・・・・。



「藍子お姉ちゃんね、あの日ね、居残り補習頑張りなさいね!って。それがね、わたしが藍子お姉ちゃんに聞いた最後の言葉だったの」

「わたしがあの日、居残り補習にならなかったら、わたしがあおいを幼稚部に迎えに行けて、藍子お姉ちゃんはあおいのお迎えにあの道を通らなくて、轢き逃げされるなんて事なかったもん」

「藍子お姉ちゃんが死んだの、わたしのせいなの」

「それにね、あおいは目の前で藍子お姉ちゃんが死んだショックで失語でしょ。藍子お姉ちゃんに代わって、わたしがあおいを守ってやりたいの」

「さいわい黒百合は幼稚部から高等部まで山手校に集まってるから、この怖~いヤンキー緑さまが黒百合高等部に入ったら、黒百合初等部の女の子たち、あおいに手出し出来ないでしょ」

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