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あたしは輝きたいの

No.12 22/01/09 22:32
匿名さん0
あ+あ-

岡田良介が島村美智子と出会ったのは半年前の事だった。知人の紹介で知り合い、美人で気立ての良い美智子を岡田は一目で気に入り、美智子もまた、誠実で真面目な岡田に惹かれ、二人は結婚を意識するようになっていた。

岡田は大学を卒業し、出版社に勤めるようになって4年、美智子は岡田の3歳下で、短大を卒業後、事務用品店に勤めている。

秋晴れの空の下、岡田と美智子は公園を散策していた。

「僕は君と結婚したいと思っているんだが、君はどうだろう?」
岡田は美智子に尋ねた。

「えぇ、私もあなたと結婚したいと思っていますわ」

「そうか。嬉しいよ。じゃあ今度、僕の家に来てくれないか?母に会ってもらいたいのだ」

「はい、喜んでお伺いしますわ」

「ありがとう」
岡田は笑みで美智子に言った。

「この前も言ったけど、僕が5歳の時に両親が離婚して以来、母は女手一つで僕を育ててくれたんだ。僕は一人っ子だし、苦労した母を一人残す訳には行かないから、結婚したら君には同居してもらいたいんだ」

「もちろんですわ」

「父は僕と母を捨ててすぐに再婚したらしい。養育費は一銭もなかった」

「ではお母様は相当なご苦労をなさったのでしょうね」

「そうなんだ。だから余計に母が哀れで仕方がないんだ。君には我慢させてしまうかも知れないが、どうか理解して欲しい」
岡田は美智子に頭を下げた。

「そんな…止めて下さい。私、我慢だなんて思っていませんわ。私だってあなたの立場になれば同じように思うはずですもの」

「そうか。ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよ」

「どうぞお気になさらないで下さい。それよりお母様にお会いするの、いつにしますか?」

「あぁ、そうだね。では今週の日曜辺りはどうだ?」

「えぇ、大丈夫よ」

「そうか。じゃあ一時頃、迎えに行くよ」

「分かりました、待っています」

そう約束すると、岡田は美智子を送り届け、帰路に着いた。

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