Luna piena due

雨だなとおもいながら待ち合わせの部屋の前
こんにちは　
メッセージをいれたらドアが開いて
あんずさんが中に入れてくれた

雨足が強かったから気温は高いけど傘を持って濡れた手が冷たい
寒かった？って聞かれて大丈夫って言ったけど…
抱き寄せられてほっぺに押しあてられた唇は温かくて
ほんとは少し寒かったんでしょ…
あんずさんが耳もとで笑う
十六夜さん　からだ冷えてるもん
いいながらベッドに肩から押されて仰向けにされる
古い様式のインテリアを真似た天井
薄暗い照明
そんなのを背にしてあんずさんが真上から私を覗きこむ
なんか…やっぱり…視線が真っすぐ過ぎる
私は実は見つめあうのは死ぬほどはずかしい　言わないけど…
でも、そういえばちゃんと見たことないな
銀色のフレームのメガネしてるあんずさんの顔
キスするとき
顔を傾ける間際に外すから
そんなことに気がついたら…どうしよう…じっと見ちゃう
ねぇ、十六夜さん
あんずさんが話しかけてくる
今日は…僕のことちゃんと見つめてきてくれるね
あんまり、メガネかけた顔ちゃんとみたことないなと思って
そう言ったら…あんずさんも初めて気がついたみたいだった
指先でかけ直すような仕草をして

お気に入りだけどキスするときは、
ちょっと邪魔になるからね

あんずさんが距離を詰めて額に唇を押しあてて、それから頬　唇にキスをしてくれる　
上唇をやさしく噛むように下唇を舌先で舐められて…

ほら、ね？

私の息が乱れかけてあんずさんが顔を離す

見上げる私の唇に指先で触れて
その同じ指先で掛けていたメガネを外した
それから…また顔を寄せてきて、今度はそっと舌を絡められて呼吸を取られるような、私の好きな…
あんずさんからのおとなのキス


こんな深いキス
メガネかけたままじゃできないでしょ？









今日は雨だから
こんな感じのもいいかなと…