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【落語】
No.5 2025/03/26 09:52
匿名さん5 あ+あ-
【落語 紺屋高尾】
働き者で生真面目な染物屋の久蔵が寝込んでしまった。
心配した親方は医者の先生に久蔵を診てもらう。
久蔵が言うには友人に誘われ吉原見物に行った。偶然に花魁道中に出くわした、その時に見た高尾太夫に一目惚れしてしまった。
もう一度会いたい久蔵。友人の「太夫は大名道具。一介の染物職人では相手にしてもらえない」という言葉に所詮かなわぬ恋と気落ち。床についてしまったのだ。
恋煩の病・・・
久蔵の告白を聞き。一肌脱ごうと一計を案じる先生。
先生
「大名道具とはいえ筋を通せば職人だろうが会えないわけじゃないぞ。一生懸命働き三年分給金を貯めなさい。必ず会えるようにしてあげよう。」
名医は恋の病も治す。先生の会わせてやるという言葉を聞いた久蔵は全快。前にも増してまじめに働きはじめた。
三年が経ったある日
親方
「久蔵おまえはこの三年よく働いた。おまえはまじめで腕もいい。もう少し頑張れば暖簾分けしてやる。貯めた金で自分の店を持てばいい。」
久蔵
「親方。このお金はどうあっても高尾太夫との初会のために使うと決めておりやす。」
親方
「そうか。その心意気には言葉もない。」
ついに念願の日を迎えた久蔵。衣装を整え、先生からは・・・
先生
「染物職人ということは隠し、何処ぞの若旦那ということにしなさい。」
三年待って本懐をとげ一夜が明けると高尾大夫は・・・
高尾
「今度はいつきていただけますか?」
久蔵
「あと三年待っておくんなさい。」
高尾
「三年も?」
久蔵はもし高尾太夫が身請けでもあれば、これが今生の別れと思い感極まって、涙ながらに自分の素性とここに至った経緯を話し始めた。
それを聞いた高尾太夫は職人風情と見下すどころかそっと涙を流してつぶやいた・・・
高尾
「なんと三年もの間・・・来年二月の十五日に年季が明けます。その時になったら訪ねて行きますから夫婦になってくれますか?」
感激する久蔵。
年が明けて迎えた二月十五日。
そこへ駕籠に乗ってやってきたのは、町人の女房風の身なりをしている高尾大夫。
久蔵との約束を守った。
高尾
「親方様。ふつつかな者ですが、久蔵様ともども宜しくお願いいたします。」
その後久蔵は高尾と夫婦になり独立。
店は江戸中の評判となり大変繁盛した。
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