奥さん公認の不倫その前
あるスレで自分の過去をチョロっと書いたらもっと書きたくなったので、いっそのことここでノンフィクション小説で書いちゃえって思いました
ぼちぼち更新して行く予定です
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主のスペック
バツイチ子無し
実家から5分のところにひとり暮らし
実家には母、敷地内同居で弟夫婦、姪っ子
現在彼氏無し
ただし最近、奥さん公認の不倫彼ゲット
もしご意見やわかりにくい点などありましたらレスお願いします
今私は39歳、離婚してもう16年
16年間で何人か彼もいたけど、結婚する気がないからか何時もうまく行かなかった
何故結婚しないのか
それは私の20歳から23歳までの結婚生活に原因がある
彼氏も面倒くさいなって思ってるけど、人肌恋しくなる時もある
そんな時、友達が一人の後輩を紹介してきた
「こいつ結婚してるんだけど、奥さんが相手してくれなくて4年もセックスレスなんだ」
へー、そうなんだかわいい顔してるのにね
はじめは何故奴が私にそんな情報を教えてきたのかわからなかった
私達はよく飲む
ほぼ知り合いのおっちゃんの焼き鳥屋
焼き鳥屋だけど何でもあるのでしょっちゅう行くし、一人で行っても誰かに会ったりする
そこでその後輩も月に1.2回来るようになって電話番号とメアド交換した
後輩の口癖は「嫁がセックスしたくないから外でして来てって言うんです〜」
風俗行ったらいいんじゃないの?
そういう時のお店でしょ
「俺、知らない人とするの嫌、だから俺としてよー」
嫌、それって不倫でしょ
そういう事嫌いなはずの奴が笑って見てるから、あんたの後輩でしょ、何とかしてよって言ったら
「マジで可愛そうなんだよ、お前も好きなタイプだろ1回相手してやったら」
馬鹿にしてんのか?帰る
その日は帰った
結婚したのは20歳の時、ひとつ上の人と
2年付き合ってた
服装や男友達などうるさかったけど、若かった私はヤキモチ焼きだな、愛されてるなと思ってた
両親は若すぎると良い顔はしなかったけど、基本放任主義なので反対もしなかった
仕事をやめて欲しいと言われて辞めた
ここから私の軟禁生活が始まった
一人で出かけるなと言われた
買い物も旦那が帰ってから一緒に行くからお金も持たしてもらえない
友達と遊ぶな、連絡を取るなと言われた
結婚式の招待状を勝手に欠席で出された
当時は携帯も今ほど普及してなくて持ってなかったから、家電の通話記録を毎月チェックされた
唯一実家には行かせてくれたけど、もちろん旦那と一緒
服や化粧も
化粧したら「なんのつもりだ男を誘惑するつもりか」
スカートをはいたら「そんなに男に見られたいのかヤリまん」
「お前は馬鹿だからすぐに男を誘惑する、だから一人で外に出るな」
言われ続けていつの間にか、それが正しい事だと思っていた
私の毎日は朝お弁当を作って旦那と朝ごはんを食べる
掃除洗濯、昼ごはんは食べない
前日旦那と買いに行った食材で晩ご飯のしたく(この時間が1番好きだった)
旦那が帰ってきたらご飯を食べて、買い物があるときは買い物
そして毎日セックス
これも結婚したらそういう物だと言われてた
かなりマイナーな事もされてた
そんな毎日が3年間、弟に連れ出されるまで続いた
怒って店を出た私を追いかけて来たのは奴の奥さんの智恵ちゃん
「ごめんね、暁(あきら)あんな言い方して」
「私もねはじめは暁に怒ったんだけど」
智恵ちゃんはふたつ年上、私の社会復帰を1番助けてくれた、私には弟の次に大切な人
暁はあの子を弟みたいに思っていて、ずっと相談に乗っていたけど、奥さんの意思は変わらなくて相談を受けてから2年くらいたつの
あの子が変な女に引っかかるより、美来(私)と会わしてみるって
私は美来に不倫させる気って反対したけど、あの子と奥さん、そして最近の美来を見ていたらだんだんと反対する事が正しいのかわからなくなってきてね
会わせて後は美来が判断すればいいと思ったんだ
智恵ちゃんは何故そう思うようになったのかも話してくれた
智恵ちゃんと奴は本当に夫婦仲が良い
普段仕切り屋の奴が智恵ちゃんには頭が上がらないのが可笑しい
娘さんが中学生だから智恵ちゃんはたまにしか店には来ない
娘さんの塾の間だけちょこっと顔をだす
「あの子と奥さん子供を何度か家に呼んでご飯を食べたんだけど」
智恵ちゃんが見る限り、奥さんは彼に対して愛情かあるようには感じられないらしい
「暁の言うことが段々わかってきたったいうか」智恵ちゃんは言葉を選んだ
美来は彼氏いらないって言うけど、本当は寂しい時あるのわかるし、でも変な話こんな田舎だから女性用の風俗もないもんね
不倫って最低だけど、あの奥さんが「外でして来て」っていうなら、あの子がそうしたいのなら、そうすれば良いんじゃないかなって思っちゃったんだ
多分だけど奥さんは本気であの子とする事に嫌悪感があるみたいだし、私あの奥さん嫌いだから余計にそう思ったのもあるけど
美来が嫌ならもう言わないように暁に言っておくから、ごめんね
元旦那との性行為、はじめは普通だったと思う
結婚したから生でするようになった時、旦那がすごく熱いって、私の中
そう言えば子供体温で平熱36度6分、7分とかあるからほかの人よりは温いかもしれないけど、そういう意味なのか生とゴムありとの違いなのかは分からなかった
「夫婦だから毎晩するぞ」と言われた
馬鹿だから気持ちいいし、ま、いいかと思った
少しずつ行為はエスカレートしていく
半年くらいたった頃、後ろでされた
その時は既に色々な事に鈍くなっていて、旦那の言うことは絶対だった
旦那の前に一人しか男の人を知らなくて、その人と違う事はわかったけど、どちらがノーマルかはわからなかった
旦那が休みの日はずっとローターを入れたままにされて、気が向いたらローターを引き抜いて自分のモノを入れてきた
私は感度が良いのか、旦那に開発されたのかローターなんて入れてたら気が狂いそうになって一人でガクガク震えた
抜いて、って言っても楽しそうに私を見てタバコを吸う
やっと抜いてくれたら代わりに旦那が入ってくる
休日は大抵、家にこもって1日中体液まみれだった
縛られてする
身体中に精液をかけられる
風呂場に連れていかれてオシッコしろと言う
また後ろでされる
旦那は私が大切だから、痛いことやアザになる事はしない
「お前みたいな変態は俺しか相手できないな!」
そう言いながら私を揺さぶる
私はダッチワイフのように、でも感じながら、こんな事みんなしてるのかな、私、普通じゃないのかなって考えてた
私は別に後ろでしたくないし、オシッコも見せたくないし、縛られるのは旦那に抱きつけないから嫌だった
それでも何をされても感じる身体
やっぱり変態なのかな
誰にも聞けなかった
私は一人で処理が出来ない
どうしても感じてくると元旦那との行為を思い出すから
離婚して2年くらいはそれどころじゃなかったけど、普通に仕事も出来るようになって一人暮らしを考え出した頃、ふとしたくなった
人間の三大欲求、食欲、睡眠欲、性欲
但し食欲と睡眠欲が満たされないと性欲は生まれない、と聞いたことがある気がする
漠然と、それだけ健康になったのかなと思った
でもそのすぐ後、一人でして絶望した
2度と思い出したくないのに
私は性欲がない人が羨ましい
好きな人もいないのに欲情する自分
元旦那との行為でそうなったのか
元旦那が言っていたように元々淫乱なのかもしれない
智恵ちゃんだけが全てを知っていた
ずっと聞きたくて、でも聞けなかったことを智恵ちゃんに聞いたからだ
元旦那にされた事、言われたことを全部話した
智恵ちゃんは何も言わずに聞いてくれた
私のこと、気持ち悪いって思ったかな、やっぱり言わなきゃよかった
みんなはしないよねって、聞かなければよかった
そう思って下を向いた私に智恵ちゃんは
「美来は化粧した方が大人っぽくなると思うよ、今度一緒にコスメ見に行こう」って笑った
なるべく考えないようにして、仕事を頑張った
社員になる話が出たけど、自信がなくてアルバイトのままでいいと断った
さらに2年が経って27歳になった頃、離婚してはじめて彼氏が出来た
でもこの彼氏からプロポーズされた時、はっきりと私、2度と結婚したくないって思ってる自分に気付いた
その人とはそれで終わった
それからは結婚する気がないと伝えて付き合ったけと1年前後で駄目になる
最後の彼は2年くらい続いたけどやっぱり結婚を意識しだして無理だった
後ひとつ不思議な事は、みんな段々と元旦那みたいな事を言い出すこと
「髪は長い方が良い」
「化粧しない方がいい」
「男がいる時は飲みに行くな」
怖い
私の男を見る目がないのか、そういうタイプばかり好きになってしまうのか、私がそう言わせてしまうのかはわからない
彼氏を作ることを諦めて私は39歳になった
彼とはじめてした時、彼はすごく緊張してた
交代でシャワーを浴びた
彼が入っている間にミクルにレスした
ちょっと酔っ払ってたし、する前でテンション上がってたから挑発的な事も書いた
彼がシャワーから出てきてベッドに潜り込んできた
私はドキドキしてもう濡れてた
やっぱり淫乱だ
キス、チュッ
チュッ、チュッ
目を合わせて深く口づけた
何度もなん度も口付けて、彼がそっと私の貧弱な胸に手を伸ばす
乳首を摘むように愛撫されて片方を口に含まれた
脳が痺れるような快感
堪らずに、もう、入れてって言ったら彼はガバッと顔を上げて枕元のゴムを手に取った
1回目は入った途端に終わった
彼の恥ずかしそうな悔しそうな顔を見て、やっぱり顔は好みだなと思った
その晩は3回した
彼に誘われて数ヶ月がたった
あれ以降、奴は何も言わない
でも彼はメールも来るし電話もかかってくるようになっていた
可愛い猫に懐かれているようで、悪い気はしないけど、私は彼の言うことなんて信じてなかった
奥さんが「外でして来て」って言うのもそうだし、4年間我慢しているって言うのもそう
私が欲求不満なのがバレて手を出そうとしてるだけだ
奥さんがしたくない理由をちゃんと聞いて解決すれば、と言うと
「そんなことこの何年かでやれる事はやった、もう無理」
なんで離婚しないの
「絶対に離婚しないって言うし、俺もそれ以外に不満はなかったから、でも今はレスなのが凄く辛い」
じゃあ風俗行ったら
「風俗は嫌、それに俺そんなに小遣いもらってない」
ちゃんと風俗は嫌って言ったの
「言ったけど、そんなこと知らないって言われた」
本当なのだろうか
疑う気持ちと彼としてもいいのかと言う気持ちで心の中がザワザワしてきた
彼となら、欲求だけを満たすことが出来るかもしれない
これ以上、一人で考えていても答えなんか出ない
一人で生きていくって決めた時から、我慢するのもやめた
好きなものを食べて着たい服を着る
でも今回はそんな風に簡単じゃない
不倫は駄目だ
最近利用を始めた掲示板でも、旦那さんの不倫に苦しむ奥さんのスレが沢山ある
だけど私のケースは違うんじゃないだろうか
自分を正当化したいからそう思うのか
叩かれるのを覚悟でスレを立てることを決めた
なんて聞こうか、考えたら私が聞きたいことは一つだけだった
奥さんが「外でして来て」っていうのは本心か
もし本心なら彼としたい
私の中ではもう決まっていたから、それだけを質問した
予想以上に答えになっていないレスが多かった
やっぱり質問より不倫に食いついてきた
良い悪いは聞いてないって
本心なのか、そうじゃないのか
外って風俗の事じゃないのか、誰でもいいのか
聞きたいのはそこなんだよ
ちゃんとレスしてくれる人の中では、風俗は良いけど素人は嫌って人が多い
やっぱりそうだよね、と思うと同時に自分は彼を拒否っといて素人は嫌って勝手だよね
自分が相手しない時点で、そんなこと決める権利ないんじゃないの
とも思ったけど、必要以上に荒れたら面倒くさいから黙ってた
「風俗行くから金くれって言ってみたら」
お、これはいいかも
早速彼にメール
今日2人で抜けようと言われてたから、私ももう答えを出すつもりだった
彼、言えるのかな
ミクルをしながら連絡を待つ
彼からのメール
「金くれって言ったら、はあ?何処にそんな金あるの!?その辺で見つけてくればって言われたー」
「証拠、録音わからなかったから動画撮った、声は入ってるから後で聞かせるよ」
すごい奥さんだね
でも奥さんに拒否されるあなたが悪いってレスもあるよ
後でご飯食べながらみんなで見ようか
その後、彼から電話があって奥さんと直接話すことが出来た
勢いなんだか意地なんだか知らないけど、そんなに旦那としたくないんだ
離婚も嫌なんだ
じゃあいいかな
彼が電話で
「とりあえず暁さんたちとご飯食べるでしょ、迎えに行くよ」
わかった
楽しみにしてるね
その後、奴と彼にミクルを見せた
奴は「ここの奴ら面白いな、美来、もっと言ってやりゃいいのに」
彼は「俺、すっごい嘘つきか、嫁にも相手してもらえない男って事になるんだ」
そうみたい
でも中にはいいアドバイスくれた人もいて、おかげで吹っ切れたよ
暁は一瞬目を見開いて「じゃあ後は2人次第って事だな」
暁、私達のことはこれ以上話さないからね
詮索も禁止、みんなといる時は今までどおりだから
「わかってるって、その顔怖いよ、久しぶりにお前に名前呼ばれたな」
暁は笑った
私は、そうだっけ、そう言えばそうかもって思い出した
昔からちょっと苦手だった
同い年なのに兄貴ぶって、何となく考えを見透かされているようなところが
そして元旦那との結婚を面等向かって反対したのも暁だけだった
あっという間に終わってしまって、何とも言えないような顔で見下ろしている彼が可笑しくて、身体を起こしてキスをした
はずみで彼が抜けた
「リベンジ」
ん?
「2回戦するから!」
ふふっ
可笑しくてちょっと可愛くて笑ってしまった
わかった
とりあえずお互い落ち着こう
携帯を手に取るとまたレスが増えてた
ゴメンね、ちょっとレスさせて
もうしました
今からまたします
携帯を置いて、もう復活していた彼の物に顔を近づけた
彼が口内でビクビクする
すごく興奮した
大きさは多分普通
前の彼たちと比べても真ん中くらい、でも硬い
すぐにでも入れたいけどもっと色々したい
「はあっ」
彼が熱い息を吐きながらまた胸を触ってきた
緩く揉まれてすごくもどかしい
もっとキツく、乳首捻って欲しい
誰かがレスで私の事をただの穴だと言ったのがすごく気に入った
ぴったりだと思う
確かに彼が良くて彼を選んでしているけど、愛情じゃなくて欲情しているだけ
でもそれでいい
私が男性に望むのは、快楽だけだから
彼は丁寧に愛撫してくれるけど、気持ちイイけどもっとって思う
彼の上に跨って、彼の物を舐め続ける
彼もしようとしてくれたけど、私は舐めてもらうのは好きじゃないから
指、入れてってお願いした
彼の指でかき混ぜられて何も考えられなくなる
彼が「すご…やらしい」
ソフトだった彼の動きが激しくなって私はイってしまった
私が呼吸を整えていると、ゴムを付けた彼が「入れていい」って近づいてきた
何とか身体を起こして彼を押し倒し、彼の物に手を添えて迎え入れる
「んん」
彼が私の下で低く潜持った声を出す
気持ち、イイのかな
私はすごくいいから、彼もいいと良いな
動いているうちに呼吸が荒くなってきた
声、抑えられない
気持ちイイ?
彼に聞いてみた
「すっごいイイ、良すぎるヤバイ」
そう言って身体を起こしてきた
2人で向き合って座る形になった
目を合わせたままキスをしてそのまま後ろに倒されていった
正面から身体を開かれる
奥まで当たってすごく気持ちいい
彼の動きが速くなって来た、イクのかな
私もイキたくて自分の胸に手を伸ばしたらその手を退けて彼が乳首を舐めてくれた
アソコが締まるのがわかる
彼の物がドクドクと脈うった瞬間、ほとんど同時に私もまたイってしまった
あっ
ズルっと引き抜かれて小さく声がでた
ゴソゴソとゴムを外してると思ってたら、また新しいの開けて装着した
「ごめん、止まらない」
動く間もなく彼に捕まった
ゆっくりと濡れた私の中に埋め込んでくる
あ、あ、あ、
開いた口から意味のない音が漏れる
最後まで埋め込むと彼はそこをジッと見ながら
「元々こんなに薄いの」って聞いてきた
彼を収めたまま一瞬考えてアンダーヘアの事だとわかった
うん、そう
私は全身の体毛が薄い
脇も生えてないしアソコもクリの上にほわほわって生えてるだけで穴周りはつるつるだ
脱毛処理なんてもちろんした事もない
楽だけど眉毛とまつ毛も少ないから、化粧と付けまつげを取るとすごく地味になる
人によっては幼くなると言ってくれるけど、もうおばさんだからただの地味顔だと思う
それと貧乳のせいで、若い頃はロリっぽいって言われてたから軽くトラウマだ
ほかの人のアソコは知らないけど、動画とかで見た限りではかなり個人差あるよね
私は年相応にピンクじゃないけど、黒くもない
ビラも小さいし全体的にあっさりした形というかぷっくりツルンって感じ
元旦那に入っているところ鏡で見せられたけど、当時はまだピンクで子供のそれみたいだった
そんな私のアソコに黒い旦那のが入ってるのがグロかった
そう言えば旦那の小さかったな
ゆるゆると与えられる快感に酔いながら、考えていたらいきなり突かれた
やっ!
驚いて彼の方を見た
またゆっくりとした動きに戻しながら
「今ほかの事考えてたでしょ」
バレた
彼の腰に手を当てて動きを止めた
入ってるところ、見える?
私のそこ気持ち悪くない?
掲示板でも、ババアのアソコ、臭いしキモいって
「見てみる?」
ベッドに腰掛ける彼の上に彼を背中にして座る
足を開かれて少しずつ彼の上に腰を落とすと下から彼が突き上げてきた
やっ、ああっ
さっきと違うところが当たってそれだけでイキそう
「見て」
前に姿見があるのに気づいた
「ほら、美来さんのに俺のが入ってる」
「すごく濡れてて、気持ちよさそう」
鏡の中で彼が動くと、私の下からも快感が上がってくる
「美来さん、ベッドではイヤらしいね、普段と別の人みたいだ」
後ろから両方の乳首を捏ねられて、イってしまった
「3回目だね」
悔しくて彼を振り返って睨んだ
また正上位に戻ってゆっくりと動く彼の動きに合わせて呼吸する
「気持ちイイ、ずっと入ってたい」
「想像してたよりずっとイイ」
「エロいたまんねー」
後ろから突かれて身体がガクガク震えた
「すっごい締まってるよ、またイキそうなの
」
気持ち良すぎて声が止められない
結局その日だけで5回もイってしまった
久しぶりにいい汗かいたよ
お疲れさま
ここ数年なかった爽快感と少しの身体のダルさを実感しつつ帰宅して、冷蔵庫の発泡酒を缶のまま流し込んだ
あ、そうそう
スレの方々に報告しなくちゃ
もう一度ちゃんと目を通してみたら、やっぱりいろんな人いるな
解決しましたよ、ありがとうございました
さあ、明日は仕事だから寝よう
スッキリしたな
朝、化粧をして外面完成
前に吉高由里子さんに似てるって大それたこと書いたけど、あくまで雰囲気とかしゃべり方だと思う
彼女がガリレオに出てたとき結構言われたけど、ファンの人が聞いたら怒るよ
雰囲気はなんかのCMのゆるーい感じの時に似てるらしい
あんまりテレビ見ないからわからないけど
まぁ40歳ギリギリのおばさんです
確かにサカってたらキモいかなと鏡の中を見て思うけど、相手がいるうちは現役で頑張る事にしよう
別に人様の前でする訳じゃないし、リアルで話す訳でもないから個人の自由だよね
出勤前に携帯を見ると彼からメール
「おはよう(*^ω^*)今日は仕事でしょ頑張ってね」
おはよう、そっちは大丈夫?ケンカになってない?
「帰ったら、あんたは好きにしたらいいけど絶対に離婚はしないからねって喚かれた(笑)」
「今朝は気のせいか若干優しい、ような!?」
そっか、良かった、仕事行ってきます
仕事中、ふと考えた
奥さん優しくなったって、もしかしたら危機感、感じてるのかな
だったら彼がもう一度セックス誘ったらするんじゃないかな
一度彼に言ってみようかな
それが正しい夫婦本来の形だもんね
私は奥さんに対して罪悪感がない
もしかして、した後で出てくるかなと思ったけどやっぱり今も何とも思わない
私が可笑しいのかもしれないけど、彼の家族の事は彼が考える事だと思う
私は奥さんが放棄した彼の一部を借りているだけ
この日は人が足りなくて配達に出てたから彼とメールのやり取りも結構した
昨日のことで奥さん優しくなったんなら良かっね
「今更だよ」
会うの止めなくて大丈夫なの
「止めないよ、なんでそんなこと言うの」
だって奥さん後悔してるから優しくしてるんじゃないの
「美来さんは会いたくないの」
今週は無理、明日友達とバス旅行だし仕事もあるから
またおっちゃんの店に行く時メールするから来れたらおいで
細かいところは覚えてないけど、そんな感じで彼は会いたそうだった
私は前の日スッキリしたから別にそんなに詰めて会わなくてもって思ってた
結局彼に負けてバス旅行の次の日には会ってしまうのだけれど
実家でご飯を食べる時は弟家族も一緒
鍋が多いから私はお肉を差し入れに持っていく
弟夫婦は敷地内同居だけど、母が弟の家に行く事はほぼ無い
母曰く、ケジメだそうだ
でもお嫁さんの朋ちゃんはいつ実家に行っても実家で母とテレビを見たりしている
朋ちゃんは一人でいるより母といたいのだと言ってくれる
だから娘の早希ちゃんが幼稚園に行っている時間、母と買い物に行ったり実家で遊んだりしているらしい
もちろん毎日ではなく、ママ友たちと遊びにも行くけど
私と母は相性が悪い
仲が悪いのではないけど、例えるならクラスメイトだけど、放課後遊んだり同じ班になったりしない子、でも嫌いじゃないから席が近くになったら少しは話す
そんな距離感がある
原因は特に思い当たらないから、お互いの性格なんだろう
でも朋ちゃんは母を大好きと言ってくれる
社交辞令かも知れないけどありがたいし嬉しい
弟は給料も安いし小姑付きで、おまけに少しオタクだ
私との姉弟仲は、かなり良かったと思うけど、結婚相手としては微妙じゃないんだろうか
でも結婚してからの弟は本当に一人の人間として成長したと思う
姉と違って結婚相手を見る目はあるみたい
朋ちゃんは両親が公務員の三人姉妹の真ん中、うちには勿体無いくらいの家で育ったお嬢さん
弟より1つ年下、私とは3歳違い
よくうちみたいなジジババ小姑付きの長男のところに来てくれたと思う
確か私が30歳くらいの時に初めて紹介された
朋ちゃんは私に挨拶をした後「圭くんの方がお兄さんみたいだね」って言った
学生時代もよく言われたから弟は苦笑して私は、すっごくいい子じゃないって笑った
私の事を弟は朋ちゃんの両親に「出戻りの姉がいますが、朋恵さんには絶対に迷惑かけさせません」と言って笑われたと朋ちゃんから聞いた
弟夫婦が幸せなのが自分の事のように嬉しい
早希ちゃんもこの春から年長さん
私を見ると駆けてきて抱きついてくれる
最近はファッションとヘアスタイルに興味のあるおマセさん
早希ちゃんの成長を見るとそれだけ歳を取っているんだなと実感する
結婚して1年位たった時ふと
これだけ毎日してるのに、妊娠しないって変じゃないかなと思って元旦那に言ってみた
「子供欲しいのか」
本当はそんなに子供好きじゃなかったけど、出来たら何かが変わると思ったのかも知れない
欲しい
旦那が始めにしたのは意外な事に自分の精子の検査だった
理由は、私のアソコを医者にも見せたくないから
異常は無し
旦那は渋々私を病院に連れていった
詳しくは覚えていないけど、排卵はしているが着床出来ない、出来にくいらしい
卵子が悪いのか子宮が悪いのかはわからない
原因不明
元々そんなに必死で望んでたわけじゃないのと、何より旦那が耐えられなくなって病院には通わなくなった
旦那がいやいやでも私を病院に連れていったのは、子供が出来たら私が旦那から離れられなくなると思ったかららしい
離婚の話し合いの時に「子供さえ出来ていれば」と何度も言っていた
それから旦那は前以上に私に執着しだして、実家や自分の実家にも連れていかなくなった
家にいる時間が増えて、その分セックスの時間が増えた
流石に旦那にも限界があるんだろう
自分が出すのは二の次で私の身体を調教するような事が増えていった
バイブを入れられ、そのまま家事をさせられた
落としたら無理やりねじ込んで、無茶に動かされるから必死に落とさないようにした
一人でしろと言われて旦那の前で一人でしなければならなかった
そんなことを嫌だとも思わなくなっていた頃、突然、弟が家に来た
弟が家に来たとき、チャイムを鳴らしたけど私は出なかった
出るなと言われてるから
母に預けていた合鍵で弟が入ってきた時、私はリビングのソファにテレビも付けずに座っていた
いつからかテレビは見なくなっていた
あれ、圭一だ
と思ったけど、それだけだった
「姉ちゃん、どうしたの、何やってんの」
何って留守番だよ
あまり覚えてないけど、その後少しやり取りをした弟は私に「姉ちゃん、今から家に帰るから準備して」と言った
準備って?
「とりあえず着替えと、姉ちゃん個人の通帳と印鑑」
「薬とか飲んでるのあったらそれとか化粧品」
はい、着替えと下着と印鑑
通帳は隠してあるからちょっと待ってね
でも何で帰るの?帰るって実家に?
何か聞いても弟は短く「そう」「早く」と短く返事するだけだった
化粧品、ない
「え…わかった、じゃあいい」
弟が家の電話の受話器を取ってメモを見ながら電話をかけた
「姉ちゃん具合悪いみたいだから家に連れて帰ります」
電話の向こうでなんか言ってたみたいだけど、それだけ言って電話を切った
少しの荷物をスーパーの袋に詰めて弟が私の腕を掴んだ
玄関のところまで付いて行ったけど、こそで腕をはらった
圭ちゃん、私出たら駄目なんだよ
振り返った弟は目を見開いて一瞬びっくりした顔をしたけど、すぐに怒った顔になって私の手を引っ張って車に乗せた
圭一、車の免許取ったんだ
すごく場違いな事を言った
今思えば、弟が家に来る前、何回か家に電話があった
正月にも帰らなかったから
元旦那が電話で「インフルエンザなので今年は帰れません」と言ってきたらしいけど、私は知らない
正月は旦那が連休だったから、何日も全裸のままだった事位しか覚えていない
電話で「調子どう」「たまには顔出しなよ」弟が言ってくれると
うん、また行くよ
お父さんとお母さんによろしくね
くらいは返していたと思うんだけど、弟はだんだんと私が普通の生活をしていないのではと思うようになったらしい
旦那の携帯に電話しても「忙しいからそのうち」と言われるばかりで話にならないから、自分で確かめようとあの日、わざわざ有給を取って平日の午前中、私が一人の時間にきたと言った
3年間の軟禁生活が終わったのは弟のおかげだ
両親は子供じゃないんだから何かあったら連絡してくるだろう
何も言ってこないのは楽しくしてる証拠だ
と言っていたらしい
元々両親とは仲良くなかったし、そう思われても仕方なかったと思う
弟が両親の言う事を聞いていたら、どうなっていただろう
ありがとう圭一
今、彼からメールで「未来さん明日休みでしょ、俺代休取れるからお昼から会おう!」
昼から会ってもやる事一緒でしょ
「長時間できるじゃん」
サービスタイムかな
この前の火曜日にしてから約一週間
来週あたり生理かもしれないから、まあいいか
オッケー、コンビニでお昼買って持久戦と行きますか
ゴムいっぱい用意しててねって返信したら
「やったー(((o(*゚▽゚*)o)))」
ふっ、スマホをみて笑ってしまった
明日会うなら今のうちに彼と2回目にあった時のこと書いておこうかな
友達とのバス旅行から帰ったら彼からいっぱいメールが来てて、帰ってきたよって返したら
「お土産は?」
無いよ
「えー!?酷い!」
「今から電話してもいい?」
良くない、明日早出だからもうお風呂して寝ます
「明日会える?」
今週は無理って言ったでしょ
「何で、終わるの早いんでしょ、俺ともうしたくないの?」
そうじゃないけど、そんなに頻繁にしなくてもいいでしょ
「俺、良くなかった?」
面倒くさくなってきた
これからの事もあるし会って話した方が早いかも
わかった、とりあえずご飯食べよう
おっちゃんの店は誰が来るかわからないから駅の近くのファミレスね
「(●ゝω・)ゞラジャ⌒☆」
はあ、お風呂入ろう
ファミレスに着くと彼が先に来ていて席についていた
私を見つけてニカッと笑う
もし尻尾がついていたら振り切れそうなくらい振っているだろう
とりあえず注文
基本メインのお肉を頼んでサラダバーやご飯、パンは取り放題
私は肉食だし、体格の割にはよく食べると思う
各自サラダを取って席に戻った
「未来さんてさ」
「前の彼とは結構頻繁に会ってたんでしょ、何で俺は駄目なの?」
誰か余計な事喋ったな
暁はそんなこと言う奴じゃないし、おっちゃんも面白い人だけど、口は軽くない
たまに一緒になる真由美か梨花あたりが怪しい
でも私たちの関係を知らないから聞かれたら喋っちゃうよね、仕方ないか
あのね、私はあなたの彼女じゃないから
私達、恋人同士じゃないでしょって彼に言ったら「え!?」って彼の手が止まった
そこから説明しないと駄目なのか
ちょっと面倒くさくなったけど、始めに意識の確認と統一をしておくのは大事なことだ
私はこの関係をどう思っていて、何を望んでいるのかを話した
それで彼が納得できなければこれ以上続けられない
私達は不倫、セフレの関係でしょ
だからしたくなった時だけ会えばいいの
あなたは奥さんがいてお父さんなんだから、セックス以外のことは私に求めては駄目
奥さんに相手してもらえない男と、ちょっと人肌恋しい寂しい女がたまたま出会ってちょうど良いからそうなっただけなの
だから私はあなたの私生活に興味もないし知りたくもない
私の事も知ってほしくない
身体だけの関係なんだから、お互い体のことだけ知ってたら良いんじゃないの
ずっと彼は難しい顔して聞いていた
怒ったかな
「今日は俺がしたいんだから相手してよ、その代わり未来さんがしたい時はいくらでもしてあげるよ」
そう言ってまたニカッて笑った
可愛いと得だね
今日は降参、腹ごしらえして次は違うものを満たしに行こうか
田舎だけど高速道路があるせいか、俗に言うラブホ街が近くにある
彼の車はファミレスに置いて私の運転でこの前とは違うホテルに入った
部屋を選んで中に入ると軽くキスをして身体を離した
先にシャワーしていいかな
「そのままでもいいのに」
絶対、嫌
身体を洗って髪を洗うか迷ったけど、ギシギシになりそうだからやめた
こんなホテルにロクなシャンプー置いてる訳ないし
バスタオル1枚でベッドに向かうと彼が飛び起きた
シャワー行ってきて
「えー」
えー、じゃない、ホラ
チュッとキスをすると「すぐ出るからね!」と走っていった
私は少し部屋の証明を暗くして布団に潜り込んだ
この前したところなのに、ドキドキする
間が持たなくてテレビをつけたらAVだった
そりゃあそうか
でもこの子、可愛いしおっぱい大きい、いいなぁ
私は貧乳なのがコンプレックス
部屋をもう少し暗くしようとしたけど、この前のことを思い出した
あんなに明るい部屋で(彼が消してくれなかった)したんだから今更だ
本当にあっと言う間に彼が出てきた
私にキスしてじゃれてくるから
この前したとこなのに溜まってないでしょ
「そんなことない」
ずっとレスで我慢出来てたんじゃなかったの
「もう、黙って感じて」
目が、真剣だった
目を見たまま深く口付て彼を抱きしめた
今日の彼はずっと乳首を舐めたり摘んで引っ張ったりしている
気持ち良くて気がおかしくなりそうだけどイケない
なんとかしてほしくて彼のことを見ると首を伸ばしてキスをくれる
「気持ちいい?ここ好きなんでしょ」
彼は顔に似合わず声が低い
耳元で囁かれてビクッと震えた
「こんなに可愛いのにイヤらしいね」
ど、うせ小さいよ
途切れ途切れに言い返すと「可愛いよ、大きさだけじゃなくて、ここ」
両方の乳首をキュッと捻られて身体が跳ねた
「こんなに小さい乳首なのにそんなに感じるんだ、凄いね」
も、や…イキたい
彼が指をアソコに這わす
「凄い、濡れてるよ」
指を入れられた瞬間にイってしまった
休む間もなく彼が入ってくる
やっ、やだ
「ごめんもう我慢できない、ゆっくり動くから」
深く口付けながらユルユルと挿入する
私の息が整うのを待ってくれている
「未来さんの中気持ちいい」
私も、気持ちいいよ、動いて
彼は嬉しそうに私の奥まで入ってきた
動きが激しくなって、もう快感しかない
身体を反転させられて後ろから突かれる
背中から腕が胸に回ってきて乳首を愛撫された
「あー、締まる」
「未来さんこうすると何時も凄く締め付けてくる、気持ちいいの?」
もうしゃべることも出来なくてガクガクと肯いた
イキそうになったのにズルって引き抜かれる
あぁっ
何で?彼を見ると悪そうな顔で笑っている
「イキたかったら、ここ座って」
アグラをかいて自分の物を指しながら言う
私はもうイク事しか考えられなくて、彼の肩に手を置いて腰を落した
ん、んっ
キスをしながから腰を上下する
あぁイキそう
彼が腰に手を添えて下から突き上げてきた
彼もイキたいんだ
激しく揺さぶられて同時にイってしまった
イくタイミングはバッチリみたいだ
一旦抜いて裸のまま抱き合った
今日はちょっと意地悪なんじゃないの
「未来さんが俺の身体にしか用がないって言うから」
誰でもいい訳じゃないとも言ったよ
誰でもいいなら奥さんのいる人選ばないって言った
「ごめん、でも未来さんも良さそうだったし、イキたくてイケない時凄くエロいから」
確かに、良かったけど
ちょっと恥ずかしくなった
照れ隠しに布団に潜って彼の物をパクッと口に入れた
「おわっ」
彼が変な声を出したけど気にせず舐め続けるとすぐに固く大きくなった
それに舌を這わしていると彼が私のお尻を自分の方に引き寄せて、まだ濡れたままの私のアソコに指を入れてきた
あん
私も変な声出ちゃった
「未来さんの中暖かい、指に絡みついてくる」
「指増やしていい?」
2本になった
中をかき混ぜるように指を動かす
「もっと見せて」
彼の顔の前にアソコが曝される
「凄い、エロい」
激しく指でかき混ぜられてイヤらしい音がする
私は犬みたいに四つん這いになって彼の物を舐めながらだらしなく喘いだ
イキそうになったのに、またイク寸前で指を抜かれる
「未来さん、入れて」
寝転んだ彼の上に背を向けるように跨って彼の物を招き入れる
気持ちよすぎてこのまま溶けてしまうかと思った
その後は気持ちいい事しか覚えていない
最後は正上位で足を限界まで開かれて一番奥まで突き入れられる
そこにも凄くいいところがあって当たる度に意識が飛びそうになった
最後にまた同時にイク事がわかって彼にしがみついた
龍成(りゅうせい)
初めて彼の名前を呼んだ
前髪をかき上げて、おデコにキスをしてくれた
汗をタオルで拭いてくれる
後でシャワーするからいいよ
龍成は腕枕をしてまったりしたいらしい
ちょっとつき合おう
「未来さん、俺のとこが何でレスかとか聞かないね」
考えて素直に答える、興味ない
私がずっと考えていたのは奥さんが「外でして来て」っていうのが本当かっていうことだけ
本当ならあなたとしたかったけど、そんな事いう奥さんがいるなんて信じられなかったから
でももうこんな事してる今は奥さんにも龍成の家庭にも興味無いよ
私には私の私生活があってそれは龍成も同じだし、お互いに知らなくていいこと
さっきも言ったけど、身体の事だけ知っていれば良いんじゃない
でもあなたとするのは好きだよ
ずっと恐い顔をしていた龍成がパッと顔を上げて嬉しそうに笑った
またじゃれて胸を触って来たから慌てて止めた
ストーップ!もうおばさんはこれ以上出来ません
龍成は吹き出して笑った
「お泊りしたい」
駄目、あなた帰るお家あるでしょ
今日は解散
今日、彼と会う
セックスする為に会うのは3回目
はじめはまあまあと思ったけど、彼とのセックスは凄く気持ちいいかもしれない
彼はしてる最中結構喋る
そんなのは元旦那以来だけど、旦那は自分が入れるまではベラベラ喋るけど入れたらひたすら腰を振るだけだった
彼は入れてからも「気持ちいい?」
と聞いてきたり「エロい、凄く濡れてる」とか耳元で言ってくる
言葉攻めなのか?
でもこのプレイは好きかも
彼はそんなに長持ちって訳じゃないから、余裕で喋ってるんじゃなくて、自分も興奮するのかなって思う
若干早漏な時もあるけど、その代わりすぐに復活するし、私もすぐイってしまうから問題ない
昨夜、彼との事を書いていたから彼を思い出して早くしたい
彼は一応「今からしてくる」とは言わないで、出勤の時間に家を出るらしい
それはそうだろう、最低限の気遣いだ
ちょっと離れた珈琲館でモーニング食べて待ってるはず
私は今から用意して仕上がったらメールして合流する予定
楽しみだな
もっと早く開き直ればよかった
正直、前スレでみんな慰謝料×2言ってたけどそこは割とどうでも良かった
やっぱり彼の言うことが信じられなかっから半年近くモンモンとしてた
欲求不満女にお預けはきつかった
今は奥さんの事を考える事は全くない
いや、してる最中、思った事あるな
彼のイク顔を見たとき
セクシーだな、奥さんこれを見たくないなんて変わってるな、好みじゃないのかな
って思った
でもそれだけだ
別に優越感とかじゃなくてささやかな疑問
誰にも納得してもらえないかもしれないけど、別に構わない
中学生の頃、別に不良とかヤンキーとかじゃなかったけど、とにかくマイペースだった
今思えばだけど
学校行事でも嫌なことはやらない
宿題、提出物は出したことがない
授業中はほぼ寝ていた
友達はまあまあいたけど、種類はバラバラ
人見知りしないので俗に言うヤンキーの暁や真由美たちのグループとも仲良くしてた
きっかけはその中の一人とたまたま同じクラスとかだったと思う
高校は真由美と同じところに行った
後はみんなバカ過ぎて私立の女子校や男子校の専願で願書を書けば入れるところに行った
当時はポケベルで連絡を取り合い、バイトのない日はつるんでいた
3年生も半分過ぎて、バイト先に入ってきた男と付き合う事になった
それが元旦那
何回かみんなのところに連れていったのは、男友達と会うのにいい顔をしない彼氏を安心させたかったから
この頃はいい顔はしないけど、週一くらいは了解してくれていて何も疑問に感じたりはしなかった
愛されてるなと馬鹿な勘違いをしていたのだと、今ならわかるのだけれど
学校を卒業してみんな今まで通りとはいかないけど、やっぱり交流は続いていた
私は彼氏がうるさかったから、真由美を通じてみんなの予定を教えてもらい行けるときには顔を出した
その頃、彼氏はバイトから社員にもなれず店を辞めて、あれだけ嫌っていた父親の仕事を兄と2人で手伝っていた
サラリーマン家庭で育った私は、男の人がそんなに簡単に仕事を辞めることにびっくりしたし、家の仕事が好きならいいけど、仕事がないから手伝うってどうよ、と思ったりもした
この時、別れていればと39歳の私は思うけど、後の祭り、20歳の小娘には彼氏ししか見えていなかった
結婚しようと言われて嫌じゃなかったし、いいよって答えた
仕事の事は聞いたけど、日給でちゃんと計算して貰うからって
単純に、お金の心配が無いなら良いかと思った
離婚した後に知ったんだけど、年金に加入していなかった
そう言えば私は20歳になった月からお給料から引かれていたけど、国民年金への以降手続きをした覚えがなかった
私の滞納分は離婚したあとで分割して支払った
なぜ、あんなに何も知らない子供だったのに結婚しようと思えたのだろう
そう思えるだけ成長したのだと喜んでいいのかも知れないけれど
友人たちに結婚の報告をした時、暁は「あいつは止めとけ、まだ20歳だし違うやつ探せ」とかなり真剣に言った
どうしてよ
「何かあいつ、俺らを見る時の目付きムカつく」
何それ
「上手く言えないけど、敵だと思ってるように見える、お前にはもっといい奴いるから」
なによ、口説いてんの?
彼女に言いつけるよ、まだ付き合ったばかりなんでしょ
「違うけど、俺は賛成できない、ゴメン」
別に謝って欲しくないよ、心配してくれてありがとね
大丈夫だよ
そんなやり取りをした
私の希望で披露宴はしていない
全然興味なかったし、ずっとひな壇でいるのが苦痛だと思ったからだ
元義母の希望で両親、兄弟だけで人前式をして写真だけ撮った
写真は撮っておいて正解だど思う
自画自賛だけど、ウェディングドレスを来て一人で写っている写真は本当に可愛くて、今でもこっそりクローゼットの扉の裏に飾ってある
ハイツに引っ越す時、真由美に住所と電話番号を渡して、また電話してねと言うと
真由美は少し複雑な表情で「何かあったらあんたからも連絡してよね」と私の目をじっと見て言った
真由美は話すとき、相手の目を見つめる
彼女の大きな目に見つめられると少しドキドキする
また連絡するからね
その2、3ヶ月後には電話する事もさせてもらえなくなってしまうのだけれど、その時はまだわからなかった
思い出して不思議なことは、何故、元旦那の言う事を聞いていたのか
昼間、外に出るなと言われても旦那が仕事に行っていれば出れたし、お金も旦那に内緒の結婚前の貯金通帳と印鑑もあったから自分でなんとでも出来た
でもしなかった
洗脳とか本当にあるのだろうか
最後の方は自分で考えることも出来なくなっていて、実家に帰ってからもしばらくは何も自発的に出来なかった
あの頃の母は別人のように優しくて、それが少し嬉しかった
単に罪悪感からかもしれないけど、私達は希薄な関係の母娘だったからそんな風に思ったのは初めての事だった
これを期に親子関係は少し改善されたように思う
それだけが私の3年間も無駄ではなかったと思わせてくれた
もう一つ不思議なこと、これは自分でもよくわからないのだけど、元旦那との性行為の事
当時は言われるままやっていて、気持ちよかったけど、その後に出来た彼氏とはしたいとも思わなかったし、普通のセックスで充分だった
でも旦那のする事も確かに感じていたし嫌ではなかった
私は元々変態なんだろうか、それとも旦那に調教されてただけなのか
でも多分2度とあんな行為をする事はないだろうから真相はわからない
したいとも思わないから変態ではないかもしれないけど、そう思いたいだけかも、とも思う
「変わってるね」
流星が言った
彼とセックスするために会うようになって2度目の日、流星のレスの理由や奥さんの事、流星自身の私生活に興味ないがないと私が言ったからだ
もしかしたらそうなのかも知れない
昔の彼たちにも言われてきた事だから
友達や仲のいい同僚達には言われないけど、掲示板を見ていても私の考えはちょっと変わってるかもと思う時がある
でも気にしたことはない
それよりも流星には聞いてみたいことがあった
ねえ、奥さん、流星が外でしてるって焦ってるかもよ
今誘ったら奥さん相手してくれるんじゃない?
「今更だよ、俺から折れる気ないし、もう誘わない」
奥さんから誘ってきたらどうする?って聞こうかと思ったけど止めた
変に勘違いされたら困る、私は奥さんが「外でして来て」と言ったのが本心で清々してるのか、流星には出来ないと思ってタカをくくって言っただけなのかを知りたかった
でもそれを興味や嫉妬なんかと思われたら面倒くさい
流星が奥さんと戻って私が不要になったらそれはいい事だと本気で思う
それが夫婦本来の形だし、私も前の生活に戻るだけ
奥さんとレスじゃなくなったら、もう流星とはしない、と思っているのを流星は知っている
ひとつだけ心配があるとするなら、それを知っている彼が、もしそうなった時に私に正直に話してくれるだろうか
私はそれを見抜くことが出来るだろうか
「お泊りしたい」と言う龍成(すみません、さっきのレス変換間違ってました)をスルーしてシャワーを浴びて支度をした
ファミレスまで彼を送って駐車場に車を停めたけど、龍成はなかなか降りようとしない
ほら、着いたよ
「次、いつ会える?」
そんなのわからない、会いたくなったら
「したくなったら?」
そう、2人で笑ってキスをした
龍成は「またメールする!未来さんが返してくれなくてもするから」
そう言ってまたニカッと笑う
この笑顔が可愛い
こんな彼とただで出来るなんてついてるかも
まあ、不倫なのだけれども
私は車を走らせてマンションに帰った
帰ったらもう一度お風呂に入って、今度は髪も洗わなくちゃ
私は基本、用事がない日は寝るのが早い
おっちゃんの店に行っても一番先に帰る
今日は遅くなったからお風呂も短めにして風呂上がりに缶のまま発泡酒を飲む
自由な一人暮らし
ソファの上に前日行ったバスツアーのお土産があった
実家と弟の家、そして姪の早希ちゃんへのもの
明日、持っていこう
そう思ってベッドに入った
私の部屋は物が無い
もちろん必要最低限の物は置いているけど、装飾品や観葉植物もないし、絵や写真なんかも当然飾らない
物欲が無いのか何を見ても、部屋に置きたいとか思わない
生活に要らないものを「可愛い」「癒される」とかいう気持ちが私には無い
友達はみんなそれを知っているから、くれるお土産は消えものばかり
おまけにお菓子も食べないからもっぱらジャムや振りかけ、珍味をよく貰う
最近貰ったので嬉しかったのは『数の子うに』うにのペーストに数の子のプチプチが入ったご飯のおとも
ごはん2杯は食べれるね
この部屋は一応私のもの、分譲マンションだ
田舎だしかなり古いからリフォーム代金を入れても一千万円ちょい
独身時代の貯金を頭金にローンを組んだのが10年ほど前
叔父さん?の遺産を頂いた時に残りは支払ってしまったから今は共益費、修繕費の積立が口座から引かれているだけになっている
古い2DKを1LDKにリフォームした
殆どワンルームのような使い方でベッドもソファと同じ部屋に置いている
残りの小さい和室は節約のためにほぼ前のままで床だけフローリングにした
物置、良く言えばウォーキングクローゼット的に使っている
服は好きだから毎年買ってしまうけど、ブランドとかにも興味がないから買い物はその辺のショッピングモール
お洒落な梨花などにはよく「もっといいとこで買いなよ」って言われるけど、どこで買ってもスカートはスカートだと思う
友人の1人、梨花は小柄で一見小動物みたいな印象だけど中身は凄く男前だ
裏表の無い性格で、良くも悪くもはっきり物を言う
少しお喋りなのが欠点だけど
バス旅行に行ったのも彼女と
梨花は美容師だから平日休みでよく遊びに行く
バツイチ、3人の子持ち
一番下はやっと今年から中学生、梨花はその子を妊娠中に離婚を決意した
当時、実家に帰って今の仕事を始め、一人暮らしも考え出していた私に「未来は子供いないから自由でいいなぁ」とよく言っていたけど、子供が嫌いな訳じゃない
「子供のために何度も頑張ろうって思ったけど、やっぱり離婚するよ」
私がそう聞いたのはもうお腹がかなり大きくなってきた時で、私は驚いた
え、赤ちゃんや子供どうするの?
「うん、だからこの子が一歳になって保育所に入れるまでは我慢する」
そっか、梨花は決めたんだ
「今でも私一人で全部やってるんだから、あんなヒモ要らない」
梨花は人気があって指名料も結構もらっていて、男の人以上に稼いでいる
旦那さんも美容師だけど、自分で店を持ったはいいけど売り上げが出ず、家にお金を殆ど入れない
反対に広告代を家の貯金から勝手に持ち出して、それが離婚の決め手になったと梨花は言った
私、何か手伝う事あったら言ってね
「えー!未来子供嫌いなんじゃないの?助かるけどさ」
嫌いじゃないよ、好きでもないけど
でも梨花は好きだもん、好きな人が困るのは嫌だよ
「未来、最近やっと前の未来に戻ったね、ボーッとしてそうだけど、ちゃんと周りを見てて、女友達に面倒向かって好きとかいうところも」
そうかな、だったら嬉しい
そろそろ一人暮らし、したいんだ
梨花の顔が曇った
「あんた一人暮らしなんて親に何か言われたの?」
違うよ、父さんも母さんも前より優しいし、弟も何にも言わないけど、ちゃんと自立したいんだ
「危ないよ!?あの男来るんじゃ無いの?」
もう離婚して2年近く経つんだよ、それに今すぐって訳じゃないし大丈夫だよ
それでも梨花はいい顔をしない
離婚に納得しない元旦那はしばらく実家の周りを徘徊したり、度々嫌がらせのような電話があったりした
それでも何とか離婚できたのは義母のおかげだった
義母は元旦那の異常さに薄々感づいていて、何度か元旦那に私の事を聞いたりしてくれていたらしい
でもその度に怒鳴られ、何も出来なかった、ごめんなさいと謝ってくれた
その後、義母が何をしてくれたのかはわからないけど一度の調停で離婚することが出来た
それまでの話し合いなどもあったので1年ほどかかってしまったが私はやっと自由になった、と思った、でも
その後、半年ほど元旦那に付きまとわれる事になる
ちょうどその頃、今のところにアルバイトとして働きに出た私を待ち伏せしてた
初めて見つけたときはびっくりした
別に話しかけられたりはしなったけど、じっと家に入っていくところを見られていた
万が一、放火なんてされたら困るから家族で相談して、近所の交番に相談した
当時は今みたいにストーカー条例何てなかったし、そういう呼び方もメジャーではなかった気がする
私が知らなかっただけかもしれないけど
お巡りさんは巡回の回数を増やしますと約束してくれたけど、私のせいで家族に被害が及ぶのだけは避けたかった
地元に残っている同級生に連絡網みたいに回して、なるべく通れるときは実家の前の道を通ってもらうようにお願いした
実家は駅を上がったところにあるので、結構うちを通って家に帰る同級生は多かった
何人かが元旦那を見たと言っていた
ある日、暁と友達の悟が通ったときに暁が元旦那に「あんたそこで何してんの」って話しかけたら、殴りかかってきたらしい
でもちょうどそこにお巡りさんが来てとょっとした騒ぎになった
私も表に出ていくとお巡りさんは「この人がそうですか」と私に聞いていた
私がはい、と応えると
「未来っ!」と元旦那が私の名前を呼んだ
恐くて動けなかった
もう、洗脳は解けていた
「中に入ってろ、未来」
暁が言うと「何呼び捨てにしてんだ、殺すぞ」と元旦那が怒鳴って、また暁に掴みかかろうとしたのでお巡りさんが取り押さえようとしてるけど、振り切られそうだ
悟も一緒に取り押さえてお巡りさんは無線で応援を呼んだ
元旦那はパトカーに押し込められて、暁達と私は実家で始めに通りかかったお巡りさんに事情聴取?を受けた
なんとか警察24時みたいだった
今だからそんな風にも言えるんだけど
その後、元義母から連絡があり元旦那は障害で送検されたけど不起訴になったと連絡があった
「もう絶対にこんな事ないようにします、本当にすみませんでした」と両親に何度も謝っていたらしい
それから元旦那は見ていない
私が28歳になった頃、噂で元旦那が再婚したと聞き、やっと安心して迷っていたマンションの購入を決めた
次の奥さんの心配なんて当時は全然していなかった
むしろ言葉は悪いけど、身代わりができたおかげで開放されたぐらいの気持ちだった
弟に連れ出されて実家に帰って5年、離婚してから4年目の事だった
日曜日は基本仕事をしている
希望を出せば休めるけど、やっぱり子供のいる人が休みたいだろうし、反対に私は平日休みの方が嬉しい
どこに行っても空いているし、安い
仕事帰りたまに軽く汗を流しに行く
父の趣味かは知らないけど、私たち姉弟は小さい時から柔道と合気道をやらされていた
2人とも運動神経は並か少し悪いほうだったから級が上がるのは遅かったし、試合も負ける方が多かったけど、だからといって怒られたりした事はないから苦痛ではなかった
中学校に入る時、私は合気道、弟は柔道だけにした
いくら才能が無くても長くやっていれば段くらいは貰える
私は何とかその辺のヤンキー女には負けないくらいの強さにはなれていた
まぁそのヤンキー達とは仲良くなってしまい、ケンカをする機会はなかったから本当はどちらが強いかはわからないままだけど
弟が凄く強くなったのは中学2年、急に背が伸びだしたころからだった
中学に入ってきた時、背が低くて大人しい弟はしばらくイジメられていた
私の弟だとわかって、その私が暁と仲が良いとわかった途端にイジメは終わったらしい
実に中学生らしくてバカバカしいけど実際はそんなものだと思う
そんな弟が私たちの卒業後、またイジメられるのではと密かに心配していたけど余計な事だった
多分、私と弟は普通の姉弟より仲が良いと思う
小さい頃から両親が共働きでしかも不仲だったから、いつも2人で留守番をしていた
父が夜勤の日、母が私たちが寝静まってから出掛けていたのを私だけが知っている
弟だけが私の家族だと、幼い私はそう思っていた
子供心にいつか離婚するのだろうと思っていた両親だったけど、父が5年前に他界するまで2人は夫婦だった
夫婦には夫婦にしかわからない何かがあるのかもしれない
私が今、稽古に通っているところは市民体育館の柔道教室
火曜日の夜にやっていて、ほんのお遊び程度だけど身体を動かすには充分だし、毎週行かなくてもいいので気楽に登録してる
月謝も安いし
結婚まで通っていた道場は結構厳しいし、今更練習もついていけないと思う
火曜日以外で暇なときはスポーツクラブ
こちらは会費が勿体ないなぁと思うほどしか行かないけど、お風呂が良いし銭湯代わりでもあるから続けている
この前体育館に行ったとき、小学生の子供に付き添って来てる顔見知りのママさんと少し雑談をしていると「なんだか良いことあったの?楽しそうね」って言われた
ちょっと考えて
最近、友達とよく遊びに行くからかなぁ
と答えた
「独身だと身軽で羨ましいわ、私なんて一人で出かけるのなんてスーパーくらいよ」
多分、同い年くらいだろうママさんは真剣に羨ましそうだった
無いものねだり、はお互い様だ
それにしても、そんなに楽しそうに見えるのだろうか
でも同僚にも言われたし、やっぱりそうなんだろう
昔から機嫌の悪さは隠せるのに、嬉しい時や、楽しい時はすぐ態度に出るらしく、周りからよく指摘される
原因は彼しか思い当たらない
なんとなく、ちょっと悔しい気持ちになった
その教室の前の日、龍成と初めて明るい時間にあった
私の休みに合わせて代休を申請したという
ゆっくり起きてミクルにレスした後、支度をする
今日の服装は赤いパーカーに膝丈のフレアスカート
合わせて赤い縁のメガネを選んだ
休みの日は大体メガネで過ごしている
ちょっと若作りかな
でもこのスカート脚が細く見えるんだよね
少し考えたけど
まぁいいや、どうせすぐに脱ぐんだから
ニット帽を被り、待ち合わせの珈琲館へ向かった
店内に入るとすぐに彼を見つけた
「おはよう何か飲む?」
龍成はスーツ姿だった
どうやら仕事の後輩ではないらしい、奴は私服勤務だから
そんなことを考えながら席に行くと「俺のスーツ姿カッコイイでしょ」と聞いてきた
まあね、もう行こう、コンビニでお昼買おう
また私の車でコンビニ経由でホテルへ
車の中で龍成は「未来さん今日はメガネなんだね可愛い、見るの2回目だ」
と運転する私の顔をのぞき込んだ
どうやらおっちゃんの店で見た事があるらしい
さあ、今日はどこのホテルへ行こうか
その周辺はホテル激戦区だから大体サービスタイムの料金は同じだ
でも少し古いホテルはプラス昼食がついてたりする
結局、お昼は買ってあったから、1番新しい白いフリフリがテーマの所にした
部屋は真っ白で真ん中に真っ白なベッド、ベッドカバーも枕も見事にフリルだらけ
お風呂も真っ白でこちらは貝殻をモチーフにしているみたい
「シャワー浴びる?」
今日は朝に入ったから、龍成が嫌じゃなかったら入らなくても大丈夫だけど
「一緒にお風呂、嫌?」
え、嫌かな
「どうして?俺入りたいな」
んー、なんか恥ずかしい
「もっと恥ずかしい事してるくせに」
確かに、でもなぁ
「・・・・・」
わかった、した後なら良いよ
「ホントに?でもどうしてした後?」
した後なら理性残ってないからなんでも平気な気がする
「じゃあ早速しようか」
上着と帽子をとってメガネをテーブルに置いた
パーカーを脱ぐと龍成が前に立っていた
インナーのTシャツをスカートから引き抜き、たくしあげながらキスをする
角度を変えて徐々に深く口付ける
唇が離れて目が合った
「あ、未来さん眉毛ない!」
だって長時間するって言うからどうせ汗でなくなると思って、帽子で隠してた
「そう言えば、した後、消えてるもんね」
そう、だから今日は初めから書かなかったんだ、ヤバイ?
「別にヤバくない、なんか幼くなるね」
それ、良く言われるんだよね
話しながらも彼の手はブラを外して、胸をゆるゆると揉んでいる、少し感じてきた
龍成、スーツ、ハンガーに掛けないと
彼がスーツを脱いでいるあいだに、私は残りの服を脱ぎさってベッドの上で座ったまま彼を待った
裸の彼がベッドに上がってくる
「未来」
ハイハイで近づきなから名前を呼んでキスをする
「未来、いっぱいしようね」
彼は私におおい被さりながら、顔には合わない低いセクシーな声で耳元で囁く
龍成、とりあえず1回入れて
私はもう欲しくて堪らなかったから、龍成のそれが固くなっているのを見て言った
「やらしいなぁ」
言いながらゴムを付ける
「もうこんなに」
私のアソコを指で撫でると脚を押し上げて広げながらゆっくりと入れてくれた
はぁ
深く埋め込まれてため息が出た
龍成は私のアソコに自分が入っているところをジッと見ながら擦るように少しだけ動かしながら「未来、気持ちイイ?」と聞く
うん、凄く、気持ち、いい
彼は激しく動こうとしない「未来のここ、綺麗だね」
龍成はしてる時、よく喋る
こうしてゆるゆると弱い快感を与えながら
「未来ここは嫌いなの?」
自分の物が入っている場所のすぐ上にある突起をそっと撫でる
んんっ、やっ
私のそこは仮性包茎?で皮膚に包まれていて、枝豆をサヤから出すみたいにしないと出てこない
だから敏感すぎて痛く感じるのだと離婚後、彼氏に言われた
少しは感じるけどあまり気持ちいいとは思わない
龍成は動くのを止めて突起の両側に指を添えて、そっと皮膚を引っ張った
「凄く小さいクリが出てきたよ、こんなの初めてだ」
恥ずかしすぎて腹が立った
も、やめて、見ないで!
「ごめん、未来、この前もその前も気になってたけど、触ろうとすると嫌がるから」
そこ、触らないで
「これでも、嫌?」
指を離し今度はそっと皮膚の上から摘まれる
あっ
凄く優しくさするように指で愛撫されて気持ちイイ、でも
いい、けど、胸の方がいい
正直に言った
「そっか、こっちね」
両方の乳首を思い切りギュッと捻られて同時に激しく突かれた
あっあっあっ、やぁぁっ
突然の激しい動きに翻弄される
龍成は動きを止めても私と話してるあいだに萎える事はない
それどころか会話に、私を見ていることに凄く興奮して動かなくてもイキそうになる時すらあると言う
確かに彼を収めておるとビクビクしているのがわかる
龍成に言わせれば「動かなくても未来が答える度に絡みつくように動くから」動かなくても気持ちイイらしい
龍成、興奮してる
ガクガクと揺さぶられながら龍成の顔を見ながら思った
あんたも充分イヤらしいよ
少し動きが緩くなった、まだイキたくないらしい
私は早く動いてくれなくても、中の良いところを突いてくれたらイケるから、龍成は自分をクールダウンする事にしたのだろう
先にイっても構わないのに
身体を引き起こされて対面座位の体制になる
「未来、可愛い」
キスをしながら今度は私が腰を動かした
彼の肩に腕を回して頭を抱きしめながらキスを繰り返す
龍成は私の乳首を捻るように弄んだ
両方からの刺激でみるみる高められていく
あ、もう、もう
「イキそう?」
ん、イキたい、イカ、せ、て
「どうして欲しいの」
もっとおく、おく、ああっ!
下から突き上げられて身体に電流が走ったようになってイってしまった
そっと後ろに身体を倒して寝かしてくれた
彼がズルっと引き抜かれた
まだイってない
龍成は凄く嬉しそうな顔をしてキスをくれると私の左足を持ち上げ、またすぐに入ってきた
今度は初めから激しい
龍成は私の左足を肩に担ぎあげて奥まで何度も突き入れてきた
余裕が無くなってきたらしい
私はイったばかりで敏感になっているから快感しか感じられない
や、気持ち、いい
「未来、俺も気持ちいい、凄くいい」
身体を反転させられてバックからも思い切り突かれる
バック好きなのかな
龍成はイクときバックが多い気がする
顔が見たい
顔を見ようと身体を捻ったら無理な角度からキスしてきた
ああ、気持ちいい
そう思った瞬間、隆盛が中でドクドクと脈うったのがわかった
「っ」
身震いをして出し切った彼が背中から抱きついてきたから、そのままベッドの上に潰れた
何時までも抜こうとしないから、私がするりと彼の下から脱出した
「あー抜けちゃった」
ちゃんとしないと漏れちゃうでしょ
「もっと入ってたい」
ハイハイ
まだ硬さの残る龍成から慎重にゴムを外して綺麗にしてあげた
「クソ、最低でも2回はイカせてやると思ってたのに」
別に回数の問題じゃないよ
そう言って彼の物を手に取った
ピクっと手の中で動いて、期待してるみたいに見えたからそっと口の中に入れた
「未来の口の中、温かい」
体温、高いからね
龍成は私のアソコを触ろうと手を伸ばしてくるけど、舐めるのが疎かになってしまうからわざと身体の向きを変えた
今はこっちに集中したい
口の中でビクビク動いて、楽しい
「舐めるの、好きなの」
アソコの代わりに頭を撫でてくれている彼が聞いてきた
うん、好き
私は舐めるのも、自分が上になって動くのも好き
もちろんしてもらうのも大好きだけど
散々舐め回してから彼の顔を見ると目が合った
から、目を合わせたまま下からベロっと舐め上げる
ガバッと起き上がってきた龍成は無理やり私の顔を彼の物から引き離して私を押し倒した
「次はこっちの番」
噛み付くように口付ける
脚を開いてアソコに手を伸ばす
私は凄く濡れるからきっとまだヌルヌルだろう、彼の物を舐めた時も凄く興奮してたし
彼の指を感じて身体が震えた
あっ
始めから2本入ってきて引っ掻くように動かされる
「すごい、吸い付いてくるよ、ビチョビチョだし」
そういった口で乳首に吸いつく
あ、や
「俺の、舐めて感じてたの」
興奮、した
そう答えると「答えたら締まるね」
激しく指を動かされて乳首も痛いくらい噛まれる
あああっ
気持ち良すぎて彼の頭にしがみつく事しか出来ない
指の付け根まで入れられて、指が動く度にクチュクチュとイヤらしい音がする
「手のひらまで未来のが流れてきてるよ」
そう言われた途端、イってしまった
いつの間にかゴムを付けた龍成が、イったばかりで敏感なアソコに入ってくる
頭が入ってきたところで止まる
「入れてって言って」
真剣そのものの顔で龍成が言う
そんなに余裕が無いのなら、早く入れてくれたらいいのに
そう思って、言うのも面白くないから龍成の身体を両足で捕まえて、自分からグッと入れてやった
「あ」
いいから早く動いて、気持ちイイところ突いて
彼は瞬きした後、ニカッと笑って私の腰を掴んだ
速すぎず、私の中を味わうような、イイところを探しているような動き
ゆっくりと確実に高められていく
このイキ方が1番好きだ
快感が長く続いて、イった後も余韻が残って心地いい
彼の汗がポタポタと落ちてくる
龍成は真剣な顔でキスをしたり、乳首を弄ったりして一緒にイこうとしてるみたいだ
気持ちいい
もう、イキそうと思った時、自分でも中がキュウウって締まるのがわかった
龍成が一番奥まで入ってきて同時に果てた
イった後もしばらく気持ちよくて中がヒクヒクしているのがわかる
余韻が無くなるまで、ずっと繋がったまま抱き合っていた
スッキリしてベッドで休憩
龍成は腕枕をしようとしてくれたけど、肩がこるから遠慮した
代わりに彼の腕に抱きついて、頬を二の腕に引っつけた
「未来、さんは」
行為の最中呼び捨てだった事に気付いたのか、わざとなのかは知らないけど龍成は〝さん〟をわざとらしく付けた
未来で良いよ、とは言わない
「感じやすいよね」
私は感じやすい
感じるところもたくさんあって、粘膜は全部気持ちいいと思う
そうだね、感じやすいしイクのも早いね
彼の二の腕に抱きついたまま笑って答えた
気持ち良くイケたので機嫌がいい
「俺に話しかけられたりしても感じてるよね」
うん、感じる
でも最中にあんなに喋る人初めてだから自分でも気付かなかった
龍成は前から最中お喋りなの?
「前、はそうでもなかったと思う」
「始めは久々でテンション上がってたし、色々聞きたかったから」
「でも途中から何か聞いた時や答えてくれる時、未来さんが感じて締まるのに気付いて」
「それが嬉しくて、気持ち良くて止められなくなった、ていうかクセになった」
私も始めは気付かなかったけど、龍成にエロいとか言われる度に感じてるのがわかって驚いた、言葉攻め好きなんだって
「言葉攻めって、俺エロオヤジだね」
うん、龍成もエロいよ
そう言って彼の二の腕にキスをする
しばらくイチャイチャしていたけど、いつの間にか寝てしまった
1度フッと目が覚めた時、彼も横で爆睡中なので携帯に手を伸ばす
どうしよう起こした方がいいかな、でも眠いな
迷ってもう少し寝る事にした
寝てる筈なのに何か気持ちいい、なんだろう
ゆっくりと頭が冴えてくると龍成が私の乳首を楽しそうに愛撫していた
「あ、やっと起きた、未来さんお風呂入ろう」
くそ、覚えてたか
寝てるあいだに龍成はお風呂にお湯を張っていた
しかも泡アワしている
「一緒に入ろう」
えー、でも龍成、こんなの入って、こんな甘い匂い付けて帰ったら駄目なんじゃないの
「シャワー浴びるから匂いなんてわからないし、それにそんなに近付く事ないから大丈夫だよ」
なら、いいけど
バスローブを脱いでそっと泡の中に入っていく
龍成も後ろから一緒に入ってきて、背中から抱きしめるようにされる
彼の脚の間に、彼を背もたれみたいにして泡に埋もれる
これならそんなに恥ずかしくない、かな
龍成が後ろから耳を甘噛みしてくる
くすぐったくて、でもちょっと気持ちいい
「未来さん、俺のほう向いて」
向かい合って脚をどうしようかと思ってたら、龍成の脚の上に交差するように乗せられた
バランスを崩しそうになって彼の首に手を回すと、彼の上に乗るみたいな形になった
アソコに硬いものが当たっている
「未来さん」
キスをしながら私に硬いものをゆっくりとこすり付ける
龍成、元気だね
「まだまだ出来るよ」
キスはしたままで胸を揉む
「ここはキツくする方がいいの」
うん、乳首、ギュってされるのが好き
あんまりすると次の日ヒリヒリするけど
「え、痛いの」
ヒリヒリ、する、でもそれくらいキツくされるのが好きなんだ
両方を思いっきりクニクニと捻られて、腰がゆるゆると動いた
「腰、動いてるよ、誘ってるの」
そう言って右の乳首を口に含んで歯を立てる
やあっ
お湯の中でしてるから、龍成の顔には泡がたくさん付いている
龍成、髪にも泡、付いてるよ
「大丈夫だって、未来さん入れていい?」
駄目!ゴムしてないから!
入り口に彼が当たっている
どうしよう!
私はかなり焦った
勝手に決めたマイルールだけど、結婚しないと思った時から避妊は絶対するって決めてる
凄く妊娠しにくいかもしれないけど、可能性はゼロじゃない
結婚する気も、シングルで育てる覚悟もないなら避妊は絶対だと思っている
ずっとフリーだったから今はピルも飲んでいない
やだ止めて、入れたら嫌
抵抗するけどお湯の中だし泡でヌルヌルして上手くいかない
「嘘だよ、ごめん、ここではしないよ」
龍成が抱きしめてあやすように髪を撫でる
「ごめん、入れないよ、本当にごめんね未来さん」
何度も謝るから、彼の肩から頭を離して彼の目をのぞき込んだ
「嘘、っていったけどそれ、嘘、ごめん」
どういうこと?
「本当は生で入れたかった、でも未来さん本気で抵抗したから」
どうして生でしたいの、ゴム付けるの嫌なの
「嫌じゃない、けど」
そう言って黙ってしまう
自分の気持ちを上手く説明出来ない、そんな雰囲気だった
ふぅ
私はため息をついた
龍成、シャワー浴びてベッド行こう
バッと顔をあげた彼はビックリしたみたいな表情をしている
2度とさっきみたいな事、しないで、約束して
「わかった、約束する」ニカッと笑って立ち上がった
この〝ニカッ〟って笑い方が可愛くて好きだ
2人でシャワーを浴びて身体も拭かずにベットになだれ込んだ
もう本当に動物だと思う
こんなに気持ちいいなら不倫でもセフレでもただの穴でもなんでもいい
上になったり下になったり、キスしたり抱き合ったり、お互いを高める事だけに集中する
「未来、未来さん」
全身を舐められて触られる
「未来さん、気持ちいいよ、イキそう」
私はもう何回もイっていたから
いいよ、龍成出して
そう言うと腰を痛いくらい掴まれて激しく揺さぶられた
グチャグチャと卑猥な音がする
私は後ろから串刺しにされていて、彼の顔が見えない
アソコが溶けそうな程熱い、そう思った時
「未来、熱い、ああ」
それ以上ないくらい奥まで突き入れて龍成はイった
抱き合いながら息を整えていると部屋の電話が鳴った
『お時間10分前ですが延長なさいますかぁ』
龍成が取った電話の声がこちらまで聞こえる
「あ、すみません、1時間延長して下さい」
電話を切って顔を見合わせて笑った
ゆっくりと帰りしたくをして彼のほうを見ると、朝のスーツ姿に戻っている
サラリーマンだね
「一応ね」
時間大丈夫なの
「何時も大体こんなものだけど、結構バラバラだから大丈夫」
じゃあ帰ろうか
「またメールするね」
あんまり返せないよ
「いいよ、俺がしたいんだから」
ならいいけど、行こう
来た道を帰って珈琲館の駐車場で別れた
帰ったらお風呂で小説の続き書こう
そう思いながら、自分の家に向かう
家はやっぱり1番落ち着くから大好きだ
家に帰ると真由美からラインが来ていた
何時も通りくだらない事だけどおかしい
適当に返してお風呂に入った
乳首が少し赤くなっている
お湯につかるとピリピリする
ちょっとだけ小説を書こうと思って中学生時代の事を書いた
懐かしくなって真由美に、今度休み合わせて何処か行こうとラインを打った
「珍しいね、未来から誘うなんて、とりあえずシフト表送りまーす」
早いな返信
お、土曜日休み一緒だ、でも土曜日は混んでるかな
「じゃあ、アウトレットモールでも行ってカラオケでどう?」
妥当なとこかな
オッケー、当日迎えに行くから、起きたら連絡ちょうだい
私は基本早寝早起き
真由美は朝弱くて、休みの日は寝坊するから彼女と会うときは大体こんな感じだ
お風呂から出て発泡酒を開けた
発泡酒の銘柄は昔から決まっていて、父と同じもの
私と父は外見や体型、食べ物の好みがそっくりだ
思春期にはそれすら鬱陶しいと思っていたけれど、今は何とも思わない
逆に母に似て、ガッチリで指も逞しい様でなくて良かった
合気道は強くなれたかもしれないけど
ふと、自分の書いたものを初めから読み返してみた
日記というか自叙伝というか、何ともまとまりが無い
思いついた順に書いているから、時間軸も行ったり来たりで判りづらいし
こんなの読んでくれている人いるのかな
一瞬思ったけど、まあどちらでもいいやと思い直した
自分が書きたいものを書く
そう思って始めたんだった
離婚して、というか実家に避難してから引きこもっていた私のところに1番通ってくれた真由美
智恵ちゃんみたいに話を聞いてくれたり、さり気なく励ましてくれたりはしない
ただ遊びに来てその日あった事や今流行っているメイクなんかも教えてくれる
智恵ちゃんについて来てもらって買った初めての携帯も全部真由美が設定してくれて、友達の電話番号やアドレスも登録してくれた
真由美は仲間内でもかなり自由奔放な方で恋愛に関しても自由人だから何時も恋人がいた
「未来も1回や2回失敗したからって、恋愛止めたら駄目だよ、女は恋愛していないと駄目」
まだ1回しか失敗してないよ
そう言って笑う
恋愛体質だと思っていた真由美は実は仕事人間で、この先仕事で成功するけど、ずっと独身のまま
ただし彼は常にいるけど
「女は恋愛していないと駄目なのよ」
あれから15年程がたった今でも同じ事をいう
でも今の真由美は自分の店を持ち、何人もの人を雇って自立している尊敬できる人間だから説得力がある
恋愛と、依存は別なのだと真由美を見て学んだ
離婚が決まり、アルバイトに出た私に真由美は
「いい男いた?」
と真っ先に聞いた
あんたじゃあるまいし、そんなの気にして見てないよ
真由美は豪快に笑っていた
※すみません
私の仮名が美来から未来に変わっていました
書くにあたり、適当に時を充てたもので携帯の学習機能に任せてたらこんな事に
どちらも(みく)です
これからは未来で書きます、流して下さると嬉しいです
おっちゃんの店によく集まる女子(笑)グループは真由美と梨花、で私
さくらやちいちゃんもたまに来るけど、主婦だからそれなり
最近は子供達も大きくなって来たからかちょっと多くなったかも知れない
さくらもちいちゃんも夫婦仲が良くて子供達が実家に泊まる時なんかは夫婦で来たりするし、どちらのご主人も私達、独身組を家に招待して歓迎してくれる
流石に頻繁にはお邪魔しないけど、しばらく空くと「旦那がみんな呼んでバーベキューしたいって言ってるよ」とかさくらやちいちゃんから連絡をくれる
ふた家族は一緒に旅行なんかも行くらしい
私達はお互いを何処かで羨ましいと思っているように思う
思ってないのは自由奔放で自分が大好きな真由美くらいだろう
お互いに幸せな家庭を、一人の自由さを羨ましいと思い、その一方で自分の方が幸せだと思っている
それをちゃんとわかっているから、嫌味や妬みをいう事もない
心の中で少し思うことはあるだろうけれど
真由美と遊ぶ約束のラインをした次の日、仕事に行って同僚と話してたら、土曜日はバレンタインだと気付いた
慌てて真由美に連絡する
ごめん、土曜日バレンタインだったね!
彼と会うでしょ、違う日に遊ぼう
仕事中は携帯を見ないので、休憩時間に確認すると
「相手が仕事だから大丈夫、そっちはいいの」
相手いない、真由美が大丈夫なら良かった
じゃあ土曜日ね
あー、良かった
大体イベント系は興味無いからすぐ忘れちゃうんだよね
カラオケ楽しみだから中止にならなくて良かった
アウトレットモールはそんなにだけど、真由美や梨花は買い物も大好きだから付き合って、いい物があれば買う感じ
でも、ワンピース欲しいな
もうバーゲン終わったかな
ちょっとテンションを上げて苦手な在庫発注の仕事をこなした
私が独身なのは当然みんな知っているから、よくシフトの交代や、子供さんの調子が悪い時の代わりなど頼まれる
時給だしお給料増えるから、用事が無ければ構わないのだけど、変わる人との時給が違うから会社には許可をもらわなくてはいけない
まあ、その辺はもちろんパートさんが自分の事だから自分でするのだけど、ひとりのパートさんが曲者なのだと同僚が言う
その同僚、恵子ちゃんは入社も同じくらいで年も近く、一番仲良し
恵子ちゃんは社員になっている
「吉田さん、よくシフトの交代言ってくるみたいだけど、あれ子供さんの体調不良とかじゃないのよ」
え、でもいつもそう言って電話かけてくるよ
「嘘なんだって、本当は男と会うためらしいよ」
恵子ちゃんは子供2人のお母さんで、18歳でママになった元ヤンママさん
今は正社員になっている
「不倫、してるんだよ」
ドキッとした
え、何でそんなこと知ってるの
「みんな大体気付いてるよ、パートさん情報では同窓会で再会した元同級生がお相手、ベタだよね」
もしかしてドラマみたいなW不倫なの
「そうみたい、だから未来も無理に代わってやらなくていいんだよ!」
大丈夫、無理はしてないよ
そう答えながら、そう言えばここ1、2年、代わること増えたような気がする
でもそれよりも〝不倫〟にドキドキした
恵子ちゃんは私の中で、タイミング女王だ
例えば、美味しいお肉食べたいなと思っていると「あそこの新しい焼肉屋美味しいらしいよ」
とかそんな感じで、サトリ?と思うくらい私の思考とリンクした話題を振ってくる
今回は〝不倫〟
奥さんの事は全く気にならないけど、世間的にはそういう関係だという事くらいは心得ている
しかしこんな近くに不倫仲間がいたとは
旦那さん、知ってるのかな
「知ってるわけないと思うけど、知ってて興味無いから放置、っていうのはあるかもね」
興味、ないのか、夫婦なのに
「うちもそうだけど、結婚して長いと家族だけど、男女じゃなくなってくるからね」
恵子ちゃんとこも?じゃあ、その、夜とかも無いの?
「今日はやけにグイグイくるね、いつも人の事、興味無いのにさ」
え、友達、でレスで悩んでる子がいるから
「そうなんだ、人によるだろうけど、うちはあるよ、多くは無いけどね」
やっぱり色々な夫婦がいるんだな
何となくそう思った
「ね、その友達って男?女?」
男、4年くらいしてないって言ってる
「えー、それは可愛そうだね、嫁が嫌がってるんだよね」
うん、、、詳しくは知らないんだけど、外でしてこいって言われるんだって
「終わってるね、そいつ、本当にしてやりゃいいんだよ」
そんなもの、かな
「まあ結局は夫婦の問題だから、色々な夫婦があるしね」
そうだよね
表面上はいつも通りに淡々と話しながら、お弁当を食べた
心の中で景子ちゃんに謝った
ごめん、嘘ついた私、その子としてます
ていうか昨日もしました
その話はそこで終わって、バレンタインの義理チョコの話になった
私はあげない
「だよね、未来は毎年あげないからね、みんなはどうするのかな」
私は真由美と買い物に行ったら自分用にちょっと奮発したチョコを買おうかと考えていた
甘いもの、お菓子は食べないけどチョコは好き
でもたくさんは食べられないからゴデ○バの4個入りで充分だ
もう不倫のことは忘れてチョコとワンピース、カラオケの事を考えてデザートのミカンを食べた
彼からは毎日何回もメールが来る
たまに返す
内容はホントにくだらない
「今、会議終った」
「お昼に~食べた」
「今度いつ会う?」
暇なのかな
他に考える事ないのかな
仕事しなさいって
私は今週忙しいから会えません
「バレンタイン、はくれないよね」
え、欲しいならそれくらいあげるよ
「本当に!?じゃあ会える?」
土曜日は友達と遊ぶから来週ね
「ショボ━━━(´・ω・`)━━━ン」
来週水曜日ならいいよ
「(*`・ω・´*)ゝカシコマリ☆我慢します」
、、、、もう返さなくていいよね
水曜日か、生理はどうかな
不順だから微妙かも
まあ当たったらチョコだけあげて帰ろう
実は私は生理中でも出来るけど
男の人は大抵嫌がるから、敢えて言わない
それよりも買い物に行ったら自分用以外に龍成の分もチョコ買わなくっちゃ
まあいいか、人生初の義理チョコだ
土曜日、前の日夜ふかししたから眠かったけど、いつも通りに目が覚める
朝ごはんを食べながらぼちぼち小説を更新する
やっぱり眠い
ソファでウトウトしていると真由美から電話がきた
10時30分
真由美にしたら早起きだった
じゃあ今から行くね
そう言って車に乗り込む
アウトレットまでは車で30分くらいだからあっちに着いたらお昼ご飯かな
とても寒い
車のエアコンはなかなか効かないから震えながら運転しているうちに真由美のマンションの前に着いた
「おはよう」
おはよう久しぶり
「そうか、そう言えば久しぶり」
最近、おっちゃんの店行ってないの?
「ちょっとご無沙汰、今年はまだ一回しか行ってない」
会わない訳だ
「未来は変わりない?」
別に、変わりなし、今年とうとう40歳になるくらいだよ
「みんな一緒だろ」
確かに
そんな馬鹿みたいな事を話してるあいだに目的地に着いた
やっぱり友達といる時間はとても楽しい
真由美は朝ごはん食べてないからお腹減ったとうるさい
とりあえず、オムライスのお店に入った
私、朝ごはん食べて二度寝したからお腹減ってない
「未来は食べられるでしょ、大丈夫だって」
まあ、食べるけどさ
「ホントに細いのに食べるよね、相変わらず」
デミグラスソースのオムライスを頼んだ
年末から会ってなかったのでお互いの近状を話しながらオムライスを食べる
真由美の彼って土日仕事なの
「住宅メーカー関係だから土日は忙しいね」
積水ハ○スとか?
「そんなに大手じゃないけどね、そんな感じ」
そんな関係の人とも出会いあるんだね
「出会いは待ってたら駄目だからね、未来は?」
え、とね
どうしよう真由美には言っても良いかも
不倫とかに偏見もないし、梨花みたくお喋りでもない
でもみんなで会うとき気まずくなったら嫌だな
別に、出会いなんてないし、彼氏とか面倒くさい
「また、未来はすぐ面倒くさいって言うけどね」
女は恋愛していないと駄目、なんでしょ
「そう!あとセックスも」
声でかいよ、確かにセックス無いのは厳しいけど、付き合ったりとかはもういいよ
「あんた男運悪いからな」
見る目がないんだよ、もう男に期待なんてしないし
「ホントに中身はおばさんだね」
それよりチョコ買いたいから後でお店寄ってね
「あげる人いるの」
自分用、と義理チョコ
「、、、、ふーんじゃあ行こうか」
とりあえず服を見て、私はワンピースとコートを半額で買った
真由美はセーターやショーパンを何枚も買ってたけど
ショーパンはそろそろヤバイんじゃないの
「自由でしょ、背が低いから膝丈とか嫌なんだよ」
真由美は自分の意見を曲げない
私はショーパンなんて無理だけど、確かに自由だね
あと大好きなニット帽を2つ買ったら
「あんたも充分若作りでしょ」って言われた
確かに、スミマセンでした
カラオケを堪能して家に帰った
途中で真由美が電話をかけに行った時、小説を更新したけど、ちょうど龍成との行為の最中だったからドキドキする
止めとけばよかった、かな
でも真由美は長電話だから大丈夫だろう
なんとか書き上げて投稿、しばらくして真由美が戻ってきた
メールも来てたけどそちらは見ずに電モクをたたいて1曲入れた
「ごめん、店からだった」
全然、大丈夫、これ歌ったら帰る?
「私ももう1曲」
2人で高校時代に流行った歌を歌って終了した
買い物した荷物をソファに置いてチョコをひとつは冷蔵庫に入れる
代わりに発泡酒を出してもうひとつのチョコを開けた
私は特別飲む時にツマミはいらないし、チョコなら余裕で片手に発泡酒でオッケー
カラオケで色々食べたから晩ご飯はいらない
気分よく、2本目の缶をあけながら買ってきたワンピースをハンガーにかける
裾がフレアになっていて可愛い
コートは衝動買いしてしまった
鏡の前に行って帽子をかぶった
帽子とメガネ、自分では似合うと思う
若作りかもしれないけど、奴と智恵ちゃんの娘さん、中学生の彩ちゃんも可愛いって言ってくれる
前にパーマかけたときは、ボロカスだったなと思い出した
今は肩につくくらいのセミロングボブ
客観的に見ても大人しそうな女に見える
でも実は気が強くて、口も性格も悪い
男はみんなでこの外見で寄ってきて、中身が想像と違うから、色々注文を出すのだろうと真由美や梨花は言う
もし、そうだとすれば迷惑なことだ
調子よく発泡酒を煽ってそのままお風呂へ向かう
お湯につかりながら携帯を見るとメールが溜まっていた
DM、と龍成からは5通も
「おはよう、今日は休みだから子供と実家に行きます」
「実家に子供預けてパチスロ中、勝ったらなんか奢るね(*^ω^*)」
「いいところだけど、時間切れで帰る、でも3万円勝った(^-^)V」
「早く水曜日あいたい」
「実家に泊まることにした、電話したい」
暇、なのかな、パチスロするんだ
一応返信
今家に帰ってきてお風呂です
「お帰り何して遊んでたの」返信早い
買い物、とカラオケ
「カラオケ!いいなあ、今度ホテルでしよ」
最近の歌、知らないよ
「懐メロでオッケー、買い物何買ったの」
ワンピースとニット帽
「見たい、てか電話していい?」
そっちが大丈夫なら
返信と同時にかかってきた
「もしもし」
はい、電話大丈夫なの
「子供はもうばあばと布団入ってる、え、嫁、は来てない」
そっか、バレンタインなのに
「あー、一応朝チョコはくれてた、子供がじいじところ行きたいって言ったら、行ってこいって」
パチスロ、するの
「そうそう、会社の帰りとかたまにね、今日は勝ったから何か奢るよ」
別にいらないよ、欲しいものとかないし
「えー何か無いの、行きたいところとかでもいいし」
え、私と龍成で出かけるって事?
「そうテーマパークとか行こう」
何で、嫌だ
「そっちこそ何で嫌なの」
行く意味わからない、お金あるならホテル代にとっておいたら
「はぁ、まあいいや、未来さん今から家とか行っていい?おっちゃんの店の近くだからそんなに遠くないでしょ」
絶対嫌
「冷たい」
、、、、何言ってるんだろうこの人、普通セフレと遊びに行ったり、家に入れたりするものだろうか
ため息が出た
あのね、ここは私の家、あなたはちゃんとあなたの家があるでしょ
「うん、でも会いたい、話するだけ」
嫌、元々友達だって男の友達入れたことないんだから
「そっか」
それより水曜日チョコ持っていくし、今日買ったワンピース着ていくから
「わかった、どこで待ち合わせする」
龍成、残業とか大丈夫なの
「何が何でも定時で帰る!」
じゃあごはん食べるところ考えとくから
「また連絡してくれる?」
うん、決まったらメールするよ、じゃあね
「絶対メールしてね」
わかった、お休み
「お休み未来さん、好きだよ」
電話を切ってもう一度ため息をつく
のぼせるからお風呂から出て身体を拭きながら部屋の中を見渡し考える
ここには絶対に入れたくない
過去の彼はもちろん来ているしセックスもしている
でも龍成は違うから、絶対に嫌だった
何故かはうまく説明出来ないけど、一言で言うとやっぱり不倫だから
当然だけど私は龍成の家には行かない
だから龍成も来て欲しくない
それだけではないけど、そう言う事だ
過去の彼とはそこが大きく違う
お互いの領域が交わる事はない
電話を切るとき「好きだよ」と龍成が言った
「エロい」「可愛い」とかは何回も言われてるけど「好きだよ」は多分初めてだ
そりゃあ嫌いな相手とセックスなんてしないだろう
私も龍成の事は好きか嫌いかでいうと好きだし、可愛いとも思う
好きと言われて嫌な人間は少ないだろう
でも私が龍成にそれを言うだろうかと考えると多分、言わない
セフレって初めてだけど、どこで線引きをすればいいんだろう
もし、もしも私が龍成を愛してしまったとしたらこの関係は変わるんだろうか
過去の彼ともそうだったから、本気になっても結婚したいとは思わないと思う
考えかけたけど、もしもの話はキリがないから止めた
とりあえず身体の相性はいいし、顔が好み
今はそれだけだから、それでいい
ホテル代、始めは出すの絶対に嫌と思っていたけど、私もあんなに気持ちよくしてもらってるんだから、龍成にだけ出さすのも悪い気がしてきた
対等の関係だからこそ、負担も分けた方がいいのかもしれない
今度、龍成に話してみようか
過去の彼たち
離婚して初めて出来たのは確か27歳位のとき
この時はまだ実家暮らしだった
一人暮らしはずっと考えていたけど、いい物件も見つからず、元旦那の事も少し怖かった
元旦那の再婚を噂で聞いて安心できた時、ちょうど今住んでいるところが売りに出て、見学に来ていた
駅と、実家と、行きつけの店全てに近くて自転車圏内
分譲で古いけどそのぶん安い
タイミングがあって、これしかないと思って購入した
リフォームは悟の知り合いに内装業者がいるから安くしてくれるらしい
でもこの引越しあたりから彼とうまくいかなくなった
彼が一緒に住みたがったから
そして別れることになるまでそんなに時間はかからなかった
それからは初めに結婚願望は一切ないと宣言した後でお付き合いをする事にした
でもみんな結婚したいと言う
私みたいな女のどこが良いんだろう
家庭的な所なんて1ミリもないと思うんだけど
彼、と呼べる人は3人いたけど、その間に1人、カウントしていない人がいる
1ヶ月ほどで駄目になったから
理由は合わなかった、身体が
私はセックスの時、中でイキたい
でもその人のは短くて、奥のイイところまで届かなかった
入ってるのがわからない、程ではないけどとにかく長さが足りない
もちろん好きになって付き合った人だし、優しくて楽しい人だったから、そんなことで別れるのは嫌だったし、なんとか乗り越えようとしたけどやはり無理な事はある
私は淫乱の変態なんだから仕方ない
満足の出来ないセックスは耐えられない
彼には本当の事が言えず、他に好きな人が出来たと言って謝った
彼は泣きながら、悪いところは治すからと言ったけど、本当に嫌なところなんて言えない
彼は私の中を気に入っていたような事を言った
彼は毎回中でイっていたし、太さは少し細いくらいだから、緩くは感じなかったんだろう
でもあのセックスをずっと続ける事は私には無理だから、ひたすら彼に謝った
なんでも気持ちイイと思っていたけど、本当に相性ってあるんだなと、実感した
そして今、龍成のセックスは正直に言うと今までで1位、2位を争うくらい気持ちいい
彼もそう思ってくれていると嬉しい
水曜日、待ち合わせの場所に着いた
コインパーキング、行こうと思っているお店に1番近い所だからここから歩いて行くつもり
地元ではないから知り合いに会う確率も低いだろう
別に会っても良いんだけど、恥ずかしいし面倒くさい
ちょうど車を停めたら龍成の車が入ってくるのが見えた
彼も直ぐに気付いてナナメ前に車を停める
お疲れ様
車を降りて声を掛けた
龍成がスーツだろうから、あまりチグハグにならないように土曜日買ったワンピースにベージュのAラインコート、ベレータイプのニット帽を合わせた
足元はちょっと苦手だけどヒールのロングブーツで頑張る
「お疲れ様、なんか未来さん今日は雰囲気違う」
ヒール履いてる
「それにコートも可愛いね」
ありがとう、龍成スーツだからカジュアル過ぎないようにしたんだ
「え、嬉しい、合わせてくれたんだ」
嬉しいの?
「嬉しいよ!今日はどこ行くの」
その先の天ぷら屋さん、前に会社の子に教えてもらって美味しかったから
「男?」
そう
「二人で?」
4人
「じゃあ行こうか」
龍成
「ん、なに」
今日はね、私がご馳走、する、バレンタインの代わりに
「え!いいの?ていうか俺、勝ったから金あるよ?」
いいの、寒いから、行こう
何となくバツが悪くて彼の腕を引っ張って店に向かった
予約はしてなかったけど、平日だから平気だった
天ぶらは始めはお勧めを頼んであとは好きなものを追加した
私はマイタケと鶏、龍成はふぐと穴子とオクラ
どちらも食べっこしたけど全部美味しい
私、カツは得意なんだけど、天ぶらはこんなに美味しく出来ないな
ポロッと口にすると龍成が食いついて来た
「未来さん、料理するの、想像出来ない」
いいよ、しなくて
「何作るの」
基本、肉系、今は週1、2回だけど
「お肉好きだもんね」
それより、これ
一息ついたところでチョコとタバコを渡した
「わ、ありがとうチョコ、とこれ何?」
タバコ、でも種類ありすぎてわからなかった
タバコは仕事中に100均で買ったラッピング袋に入れてあった
龍成は袋の中身がタバコだと気付いてあけてくれた
「あ、惜しい、俺のよりちょっと軽いやつだ、でも大丈夫ありがとう」
大丈夫なの
「銘柄は同じだから平気、未来さんからチョコとかもらえるなんて思ってなかった」
チョコくらいあげるよ
「だって普段からセックスしかしないって」
ご飯も食べてるよ
「する前後にね、今日はホテル行くでしょ」
明日仕事だから12時には帰りたい
時計を見ると8時半くらいだった
「じゃあそろそろ行こう!時間無くなるよ」
龍成は大丈夫なの時間、ていうか、家
「大丈夫!この前してから1週間以上経つから、絶対行く!」
慌ててお会計をした
ホテル街に近いファミレスの駐車場まで2台で行った
龍成が私の車に乗り込んできてキスをする
時間がないから目に付いたところに入ったけど、以外とモダンでセンスいい
所詮、ラブホなんだけど
部屋に入るとすぐ、後ろから龍成が抱きしめてきて首筋に唇を這わす
腕の中で方向を変えて彼の首に腕を回した
長い長いキス
龍成、服、脱ごう
彼の唇から逃げながら何とか伝える
名残惜しそうに身体を離して2人で服を脱ぐ
龍成が私を抱き上げてベッドに倒れ込んだ
モフっとベッドが沈むけど、そんなことよりもお互いの身体を密着させたい
龍成の物が太ももに当たっている
荒々しく胸を揉まれて乳首に歯を立てられた
や、やだ、待って
「ずっと待ってた、もう無理」
アソコを割り開いて指が入ってくる
私も色々してあげたいけど、激しく掻き回されて何も考えられない、早く欲しい
龍成、龍成きて
彼が入ってきて、熱い、と思った瞬間にイってしまった
トコロテン、だ
女の場合も言うのかは知らないけど、真っ白になった意識の中でそう思う
「未来さんイったよ、ね?」
あ、ご、めん、イっちゃった、ちょっとゆっくり、して
「すごい、入れただけでイっちゃったんだ」
だって、龍成、指、
「ごめん、嬉しかったから」
情けない顔をしていたのか、龍成は謝って“チュッ”とついばむようなキスをくれた
ゆっくりと腰を動かしながら話す
「俺、未来さんの事、考えながら何回も抜いた」
わたし?
「そう一人で何回も、こうするのを想像しながら」
太ももの裏側を持たれて出し入れされる
龍成からは何もかも丸見えだろうと気付いて凄く興奮した
感じ過ぎて辛い
いつもなら私がイったあとは、様子を見ながらしてくれるのに、今日はガツガツ奥まで遠慮なく突かれてどうにかなりそう
龍成も余裕がなくなってるんだ
多分私は悲鳴に近い声をあげていたと思う
龍成がイったのがわかった瞬間、私は何度目かの絶頂で意識が飛んだ
「未来さん」
優しく名前を呼ばれて我に帰ると、龍成がへにゃんとした顔で見下ろしている
私のほっぺたを手のひらで拭う
「大丈夫?キツかった?」
私の顔は涙と汗でグシャグシャになっていたらしい
あんまり、大丈夫、じゃない、一瞬、飛んだ
なんとか頭を働かせて答えると龍成も泣きそうな顔になっている
ど、したの、龍成
「未来さん」
苦しいくらい抱きしめられる
入ったままのところから刺激が上がってくる
龍成、ごめんね、声うるさかった?ビックリした?
「違う、うまく言えないけど」
どうしていいかわからなくて、龍成の頭を優しく抱きしめた
何かあったの、家、とかで
彼は黙って首を振る
仕方がないから、よしよししてみる
「もっと優しく、したいのに、俺、我慢出来なくて」
「未来さん泣いてるのに、止められなくて」
「それどころか俺、逆に、興奮、したんだ」
私の肩に顔を埋めたままポツポツと話す
どうやら激しく反省しているらしい
私は全然気にしてないのに
私が、感じ過ぎるのか駄目なんだよ、龍成は悪くないよ
気持ちを伝えるために彼の頭を持ち上げてできる限り優しくキスをした
お互いちょっと落ち着いてきて、龍成は入りっぱなしだった物をズルっと抜いてくれた
また小さく声が出てしまう
「未来」
龍成、お水飲みたい
自分の始末をすると冷蔵庫からお水を取って、チョコを片手にベッドに戻ってくる
「開けていい」
どうぞ、食べて、既製品だけどね
「チョコは売ってるの方がうまいよ」
確かに
「高級っぽい」
美味しいよ、私も同じの食べた
「自分で買ったの」
そうだよ、今みんな買ってるってテレビでもやってたよ
龍成は甘い物も好きだからあっという間に3個目を口に入れた
モグモグしてる姿を見つめているとキスしたくなった
唇を重ねるとチョコの味がする
どれが美味しい?
「さっきの中に何か入ってるやつ1番好き」
あ、一緒だ、何だろうね、あの中のやつ
「わからない、うまかったけど」
飲みかけのお水を、いる?、と差し出すと受け取って飲み干した
「あの、さ、」
ん?
「もう一回、無理かな」
言い方が凄く申し訳なさそうで可笑しかった
ふふ、おサルさんだね
「だってずっと楽しみにしてたし」
いいよ、私もおサルさんだから、でも今度は私がするからね
時間はまだ10時過ぎ、1回目はかなり飛ばしていたらしい
ゆっくりと彼を押し倒し、彼の脚のあいだに入った
微妙な硬さの彼の物に手を添えて、そっと動かした
みるみる硬くなる、可愛い
龍成の好きな裏側を下から舐め上げ、先っぽに舌をねじ込んだ
口でするのは好きだ
龍成のはスラッとしていて曲がったりもしてないから口に含みやすい
入り切らないところは手でゆるゆるとしごく
龍成が半身を起こして私の顔をガン見している
口内のものは最高に固くなっていてたまに先走った物が出てくる、味はほとんどない
「未来、俺もしたい」
散々彼の物を弄んで私のアソコも濡れているのが自分でもわかる
もう一度彼を押し倒し、彼の上に四つん這いになった
彼の顔の真ん前に私のがある、今日は部屋も明るいままだ
あんまり、しないでね、まだ舐めたいから
「りょーかい」
そっと入り口に指を這わされて、ヌルっとした感覚が伝わってくる
「濡れてるね、イヤらしいな」
そっと指を入れてゆっくりと動かしてくれる
気持ちいい
負けずに彼を愛撫する事に集中した
龍成が首を持ち上げて私のアソコをじっと見ている
視線だけでも感じてしまいそう
チュッ、とアソコに口を付けられた
ビクッと震える
あまり舐められるのは好きじゃないけど、少しならいいかと思って耐える
気持ちいいのはイイのだ
チュッ、クチュ、ゆっくり味わうように舐めあげられて声が出てしまう
やっ、あっ
「未来のあんまり味しないね、サラサラしてるし」
前の彼にも言われた、ほかの人のなんて知らない
また指を入れてその周りに舌を這わせる
彼の物を吸い上げるように口内で上下させながら息が上がってきた
彼が突起を口に含んだ
強過ぎる刺激にびっくりして口を離してしまう
ああっ!
コロンと横に倒されて今度は龍成が私の脚のあいだに入ってくる
「未来、舐めるよ」
そっと開かれて中まで丸見えだ
キスをするように唇を寄せてくる
恥ずかしくて脚を閉じたいけど、龍成が真ん中にいるからそれも出来ない
クチュクチュと音が聞こえる方を見ると龍成の顔が私のアソコにくっついている
なんでこんなところ舐めたがるんだろう
ずっと元旦那に『汚らしい、ダラダラ汁垂らしやがって』と言われながらバイブを出し入れされていた場所
泣いても喚いても止めてなんてくれなかった
『変態のココはなんでも感じるんだな、醜い、汚らしい身体だ』
そう言って何本も指を入れられる
痛いと泣いても『嘘つけ、絡みついてギュウギュウ締め付けてくるぞ淫乱』と笑う
男の人の太い指3本も入らない
入り口が切れて出血すると流石に止めてくれたけど、毎日セックスは続いた
やり過ぎると形が崩れるとか、黒くなるって言うけど、体質だと思う
3年間あれだけ弄り回されたけど、私のアソコは真っ黒じゃないし、ビラも垂れ下がったりしていない
やり方にもよるのだろうか
そんな汚らしいところなのに龍成も過去の彼たちも、とても大切そうに顔をうずめてくれる
気持ちの良さよりも申し訳なさが先にたって快感だけを拾うことが出来ない
多分この気持ちは一生消えないと思う、でも
目の前の彼を見ていると、たまにはいいかなと思えた
龍成は決して中は舐めずに指であやしてくれている
周りを優しく唇で触れられて気持ちが高ぶってきた
もう入れてもらいたい、彼に伝えるために起き上がって彼の物を掴んだ
向かい合ったままゴムの袋を切って中身を取り出した
彼の物を少し手で扱いて硬いのを確認すると先っぽにチュッとキスをしてゴムをかぶせた
目を合わせてキスをする
少し腰を浮かせて彼の物を受け入れていく
ふ、あ、あ
全部くわえ込んで彼の肩に手を掛ける
もう一度目を合わせてキス
腰を動かして感覚を確かめた
気持ち、いい
「未来の中、絡みついてくるね」
気持ちいい、から
彼の肩を押して後ろに倒す
今度は私がするからね
膝を立ててヤンキー座りのような格好で上下に動く
龍成は入っているところが見たいのか頭の下に枕を詰めて首を立てるようにしてじっと繋がっているところを見ている
たまには、私も言葉攻めしてやろうか
ね、龍成の、私の中に入ってるの見える?
「うん」
龍成のが奥まで、入って、いい、ところに、当たってる
喋れる程度に動きながら、わざと良く見えるような角度にして入ってる根元を指で触る
硬い、ね、私のが根元まで流れてる
どぉ?私の中、感じる?
「未来、気持ちいい、出そう」
まだ、入れたとこだよ、興奮、したの?
「めちゃくちゃイヤらしい、から、ここ」
そう言って今度は反対に入り口の周りを指で撫でられる
「あ、締まった」
もう、動くよ
龍成をイカせる事に集中して大きく腰を上下の振った
自分のいいところにも当たって声がでる
龍成、もうイキそう
「俺も、イク」
腰を掴んで下から突き上げられた
子宮口に当たってる
や、あっ、ああっ
身体がビクビクと痙攣して達してしまった
「うっあ」
龍成が私の腰を引きつけて限界まで中に入ってきて彼も達した
彼の上におおい被さって、ふぅ、と息を吐いた
凄く気持ちよかった
「うー、今のめっちゃ気持ちよかった、未来さんイった瞬間、すっごい締まった、あんなに長く出た後も気持ちよかったの初めてだ」
中に入っている彼の物は萎える気配がない
ずっと収めていたいけど、そうもいかない
龍成が下から腰を揺すってくる
やだ、止めてよ
「また感じる?」
気持ちいいけど、もう、時間ないよ
「あー、もっと時間欲しいな」
仕方ないよ、抜くね
ズルンと大きいままの彼を無理やり引き抜いた
名残惜しむようにアソコがキュウってなったけど、我慢しなくちゃ
はぁっ
起き上がろうとしたら龍成に捕まって彼の胸の中に収まった
「未来さん、好きだよ」
龍成
名前を呼ぶことしか出来なかった
セックスの余韻で言っているだけ、そんなこと言わなくてもいいのに
帰ろう
彼にキスをして身体を離した
「未来さん今度いつ会える」
生理、なるよ、もうすぐ
「生理でもいいんじゃないの」
え、いいの
「セックスなしでも会いたい」
あ、そういう意味か
「もちろんセックスありならもっといいけど」
汚いよ
「未来さんならなんでもいいよ」
考えとく
「日曜日、会えない」
家、は
「この前うちの実家行ったから今度は向こうの実家、行くんだって」
日曜日昼から、仕事
「じゃあ土曜日の夜から日曜日の朝まで」
そんなの、駄目
また来週決めよう
龍成は渋々納得して腰を上げた
最後に服の上からギュッと抱きしめ合った
次の日の朝、生理になった
龍成ギリギリセーフだったね
痛み止めを飲んで出勤すると、受け付けの子がインフルらしい
今週いっぱい受け付けを言い渡される
受け付けなんて若い子のする仕事だし暇すぎる
うちの会社は簡単に言えば化粧品の販売とホームエステとエステサロン
全国ネットでいうならメ○ード、それを個人会社にした感じだ
はじめは若かったから受け付けで入った
在庫の発注やお客さんへの注文品の配達、来店客への商品説明やお肌の診断、フロアの掃除など一通り出来るけど、基本は接客
受け付けは嫌い
時間の経つのが遅すぎるし、歳が行き過ぎてると思う
でも仕事だから我慢
恵子ちゃんは事務だからお昼休憩が重なったら一緒に食べる
お昼まで何時間あるんだろう
スキを見て小説を更新する
龍成とのことを書いていたら色々思い出してきた
掲示板に相談したおかげか、ちゃんとバレンタインデートぽい事も出来た
何回もおんなじ事聞くなとか、リア友に相談すればとかも言われたけどね
私だって出来れば相談できる人が欲しい
でも、不倫してるんだけど彼と遊びに行ってもいいかな
とか普通相談するかな
もし、相談したらどうなるかな
真由美は、好きにすればいいって言う
梨花は、遊びにいかない家にも入れないって言う
智恵ちゃんも同じだろう
みんな私の判断を責めたりはしないだろうし、軽蔑もしないと思う
その程度の信頼関係は、ある
私たちの住む街は田舎だけどそこそこなんでもあって住みやすい
住宅地も増えて都心部から急行で20分ちょい
今ではベットタウン的な感じ
でも私たちが中学生の頃は田んぼと工場しかなくてホントに田舎だった
そんな田舎の中学校で私たちは出会った
私は別に不良とかではないけれど、俗に言う反抗期で元々のマイペースぶりもあってかやりたい事しかやらない無気力な学生だった
さくらか、ちいちゃんか忘れたんだけど同じクラスで仲良くなったのがはじまり
ちょこちょこお昼休みに溜まり場に行くようになって奴らとも顔見知りになった
家に弟が一人になるので夜に一緒に遊んだりはしなかったし、他校との喧嘩なんかにも参加しない
制服の改造も面倒だから興味もない
周りからはよく何であの子達といるのと聞かれた
理由は居心地が良かったからなのだけど、よく思わない人達は奴らの力を利用してる、仲間に入ってイキってる、みたいに言っているのも知っていた
気にした事はないけれど
グループ内で同じ小学校卒業の男子が私が道場に通っていて、見かけよりは強いことを知っていた
中1の時はまだ背が低くて真由美と梨花と同じくらいしかなかったから、あくまでも見かけより、だけども
私は中2で10センチ以上伸びて今は160ちょい
後のふたりは150センチ前後で止まった
急に身長が伸びたのは多分、単に父の遺伝なんだけど、ふたりには裏切り者って言われた
私が知る限り、ちいちゃんがケンカで負けたことはない
でもグループ内では1番穏やかな性格だった
私たちチビ3人は口も性格も悪くて先生にも噛み付いて生徒指導室の常連だったけど、ちいちゃんは問題も起こさない
ケンカで負けないから真由美や梨花とみたいに顔を腫らしているところも見たことがない
1年の時は先輩達もいて結構な縦社会だったけど、何だかんだで団結していたと思う
やっぱり家庭に問題のある子が多くて、さくらはおばあちゃんのうちに預けられていた
理由を知ったのはもっと仲良くなった2年の終わり
両親による虐待だった
うちは一応両親も揃っていて、中2までは曽祖父も生きていた
でも曽祖父と祖父は別棟に暮らしていたから、そんなに家族という思い出はない
家にはいつも弟とふたりでいた
若くして結婚した両親は自分が楽しむ事に忙しかった
何かあったら隣にじいちゃんもいるからと思っていたのかもしれないけど、今思うとネグレクトってやつに近いかもしれない
友達にからかわれるくらい姉弟の仲がいいのにはそれなりの訳がある
ずっとふたりで生きていたから
両親はお金を出してくれていただけだ
私が以外と料理が出来るのもそのおかげで、それだけは感謝した方がいいのかもしれない
2年生になって身体の節々が痛い期間が続いた
骨が伸びる痛みらしい
夏休みだけで10センチくらい伸びて156センチになった
1年のときの身長は覚えてないけど、小学校卒業の記録が138センチ、背の順はずっとクラスで前から2番だったから本当にチビでガリガリ
二学期が始まって学校に行ったらクラスみんなに「誰!?」って言われるほどの変わりようだった
胸は成長しないまま、だったけど
この頃から負けっぱなしだった合気道もぼちぼち勝てる試合が増えてきて、やっぱり格闘技はリーチが重要だと思い知らさせる
でもケンカはしなかった
痛いのは嫌いだし面倒くさい
ローカルルールでケンカに参加しない奴は制服の改造と化粧は許されない
スカートの丈も短くしてはいけない
いかにもヤンキーらしいルールだと当時から冷めていた
眉毛だけは先輩に内緒で書いていたけど
この頃からもうひとつの悩みが体毛と生理
どちらも全然気配もない
冬にスキー学習があって焦った私は真由美と梨花に聞いてみた
2人ともアソコの毛生えてる?
「え、いきなり何言ってんのあんた、何調べ?」
口が悪のは真由美だ
「私は生えてきてるよ」
梨花は普通に答えてくれた
やっぱり、梨花、胸も大きいもんね
「私もあるよ」
真由美も教えてくれた
私、まだ生えてない、生理もまだだしスキー行きたくない
真由美と梨花はちょっと困った、と後で教えてくれた
「生理なんて無い方が楽でいいのに」
でもクラスの子ほとんどあるよ、多分まだなの2、3人
「でも真由美の言う通りだよ、スキーの時、当たったら嫌だよ」
それはそうなんだけど、背だけ伸びて他は全然なんだもん
「大丈夫だって誰も人のマタなんて見ないよ」
そうかな
「大丈夫、いつか生えてくるって」
「それにしてもみんな彼氏が出来たり、好きな人がどうとか言ってる時に可愛い悩みだね、あんた」
「そう言えば未来は好きな人いないの」
梨花に真っ直ぐ目を見て聞かれると、何でも自拍しそうになる
いない、そういうのと、あんたたちを好きなのとの違いがわからないし
「未来、私たちのこと好きなの」
え、好きだよ、どうして
何故だか2人にハグされた
この時は20年以上経っても一緒にいれるなんて、思ってなかった
先の事なんて考えてなかっただけかも知れないけど
ただ毎日楽しく学校に行っていた
そこには居場所があったから
1度だけ、学校内で違うグループと喧嘩になった時、最初で最後、試合以外で人を殴った
その時はちいちゃんがいなくて、さくらと私たち3人だったから、前からさくらと仲の悪かった向こうのリーダー的な奴が絡んできた
1番気の短い真由美が何か言ったのがきっかけだったと思う
いきなり乱闘になった
女のケンカは髪を引っ張ったり噛み付いたり、結構エグい
梨花が髪を引っ張られて引きずられているのを見て、頭に血が上った
相手の顔面目がけて、思いっきり殴りつけた
合気道も柔道も空手と違って、基本相手を殴ったり蹴ったりよりも相手を否したり、投げたりする
もちろん手刀の稽古などもするけど、やっぱり実践で強いのは空手かもしれない
でもその時はそんな事思ってる余裕もなかった
ケンカ慣れしてないから、どこを殴ったらダメージが大きいか、反対に自分の手が痛いかなんてわからなかったけど、拳は綺麗にヒットして相手は梨花の髪を話した
梨花はすぐに立ち上がってそいつに体当たりをして馬乗りになった
私は別の奴が後ろからきたけど、ここは条件反射で腕を取ってほとんど力を使わず否した
起きあがったそいつが正面から向かってきたから咄嗟にケリを入れた
これが不味かった
相手は埋まったまま動かなくなり、それに気付いた周りも動きを止めた
誰かが先生を呼びに行ってその場の勝敗は有耶無耶になる
次の日、そいつは肋骨にヒビが入っていたと親が呼び出された
私は悪い事はしていない、相手が弱かっただけだと思っていたから謝らなかった
それより、人にケンカ売っといて、ケガしたら警察に言うなんてダッサイ、と思う
結果、どうなったのかは知らないけど、私は親に怒られることもなく、一度警察に話を聞かれただけだ
後から知ったのだけど、この時私は誕生日の1週間前でまだ13歳だった
13歳まではどんな罪を犯しても刑事罰には問われない
でも多分私の場合は相手が問題にしなかったんだと思う
にわかヤンキーにも多少のプライドはあるだろう
「未来、スカート短くしなよ」
さくらが笑いながら言ってきた
私がそんな事に興味無いとわかってて、からかってくる
え、嫌だよ、面倒くさい
さくらは言うなれば学年の番的な存在で、ちいちゃんはケンカは強いけど、実は温厚な性格だから向いていない
「ちょっと来てみ」
さくらは私を引き寄せて、スカートのウエストをクルクルとふた折りした
「お、いいじゃん、未来、脚なっがいな」
ガリガリなだけだよ
「でも、ケリは強烈じゃん」
止めてよ、たまたま入っただけだよ、必死で加減とかわからなかったし
あのケンカは3年生が卒業した後、どっちが番をはるかという物だったらしい
再戦はなく、さくらの不戦勝のようになった
あれ以来、向こうのグループは廊下で会うとこちらを見て何か言ったりはしているけど、大人しくしている
その日から私はスカートを折り込んで制服を着るようになった
さくらは私に自分の家の事を教えてくれた
冬休みはほとんど弟と家で過ごす
年末年始は両親が家にいるから、居心地が悪くて子供部屋に篭った
部屋は弟と一緒、弟が中学生になったら分けてくれる約束になっているから、この春から別々になる予定
真由美や梨花、ちいちゃん、さくら達がよく遊びにきてくれる
母は反対もしないけど、いい顔もしない
最も普段放置のクセに、反対しても聞くわけないし
その時、小6だった弟は小さくて色素が薄くてハーフの子供みたいだった
初めて弟を見たときみんなは
「ぎゃー、何これ可愛い!!」
と弟を取り囲んで抱っこしまくった
三学期になってすぐ、スキー学習があった
私の身体にはなんの変化も無かったけど、真由美が言った通り、誰も人の体毛なんて見ていなかった
スキーはイマイチだったけど、普段から身体を動かしてるせいか、他の子みたいに筋肉痛も無かった
2日目には何とかハの字で滑れたけど、何が楽しいのかは謎のまま
それよりも大事件が起こる、私の中で、だけど
真由美と暁がこのスキー学習で付き合う事になったと聞いて、びっくりした
私は暁が苦手だったし、真由美は当時からモテたから、何でわざわざ暁なんだよ、という思いで余計に暁が嫌いになった
ヤキモチもあったと思う、友達を取られた、暁に
梨花も背は小さいのに胸が大きくて、何故か大人っぽい雰囲気があるし、何だか自分だけが取り残されている感じがする
だから暁に「お前はまだまだお子ちゃまだからな」とか言われたら本気で腹がたった
今思えば暁が正しいんだけど、当時はずっと馬鹿にされてると思っていた
みんな彼女が欲しい時期だから、告白もされたけど、やっぱり友達にしか興味なかったし、弟のこともあって遊んだりも出来ないから断り続けた
「未来はそのままでいいじゃん」
暁に言われても、この貧弱な身体の事だと思って悪いようにしか取れない
気安く呼び捨てにすんじゃねぇよ
真由美の真似をして言い返した
スキーから帰って、ひと月も経たないうちに曽祖父が亡くなった
曽祖父は寒い夜にお風呂で心臓発作を起こして、いつまでも出てこないと祖父が見に行って発見された
隣には住んでいても、遊んでもらった記憶もないし、80歳もとっくに過ぎていたからなんとも思わなかった
その半年前に市の区画整理か何かで、田んぼが立ち退きになり、高く買ってもらえた時、生前贈与、というのをしてもらったのが唯一の思い出だ
その時は何のことかさっぱりわからなかったけど、祖父が生きている以上、そうしないと私たち姉弟には曽祖父の遺産の相続権はないから、何も貰えなかったらしい
生前贈与は税金が高いと知ったのもずいぶん後のこと
市に紹介してもらった弁護士さんに頼んで曽祖父は現金と一時払いの生命保険に分けて、私と弟に同じだけのお金をくれた
何故そこまでして、税金払ってまで、自分の息子の祖父や孫の母に行くはずだった遺産を私たちにくれたのだろう
そんなに可愛がってもいないひ孫に
もしかしたら、だけど両親の不仲を知っていて、私たちが自立できるように残してくれた、と思うのは考え過ぎかな
弟はそのお金の存在を知らない
母が隠している、万一の時のためにと
男の人はお金を見せるとすぐに宛にするから今は教えない、のだと言う
その考えには同感だから、結婚していた時は私も元旦那に内緒にしていた
今もその定期預金と、保険証券は部屋の隅の小さな金庫で眠っている
一人暮らしは気楽で気まま、そして自由
だからって寂しくない訳じゃないけど、全部を手に入れるのは不可能な気がするから自由を選ぶ
晩ご飯は一週間のうち1、2回しか作らないけど、仕事の日はお弁当を作って持っていく
いつも同じような物だけど、自分の好きな物ばっかり詰めれるからコンビニ弁当よりも食べやすい
基本、肉しか食べないから、冷蔵庫の野菜室にはじゃがいも、玉ねぎ、人参、トマトの4種類しか入っていない
トマトは丸かぶり用、その他はカレー、シチュー要員
魚は出されたら食べるけど、骨があるから食べるのが面倒くさいし、肉の方が美味しい
お刺身とお寿司は別だけど
お肉は豚肉、鶏肉、牛肉の順に好き
牛肉はステーキか焼肉しか食べない
かなりの偏食かもしれないけど、一人暮らしなんてみんなそんなものじゃないかと思う
ある日龍成から
「晩ごはん何食べたぁ?」
ってメールが来たから
チキンステーキと豚の角煮、って返信したら
「え、何それ、変じゃない」
わかってるよ、でも食べたいものを食べないと、いつ死んじゃうかわからないのに
本気でそう思ってるからそうメールしたら
「野菜も食べなさい( ˘•ω•˘ )」
お母さんか
もう放置した
主婦だった時は料理本を見て、ちゃんと作ってた
唯一の楽しみだったし
セックスも気持ちよかったけど、あれだけ毎日してたけど、それは元旦那が2人目だったからで、今は7人知っいる男の中で下から2番目だ
初めての子、元旦那、彼氏A、短い人、彼氏B、彼氏C、そして今
彼氏Bは良かった、あと今も
過去の彼たちを振り返ってみる
多少、記憶が頼りないけど
初めての子は高校の時、初恋の子だ
この子についてはまた気が向いたらちゃんと書きたいと思う
とにかく初めて好きになって、初めて自分から告白した
そして元旦那、18歳から付き合って、23歳まで一緒にいた
離婚後初めて出来た彼氏A
長身で指が好きだった、27歳から2年くらい
短い人
とにかく優しくて、楽しくていい人だった、けどあれが短かった
何とかお付き合いを続けたかったけど、無理だった
30歳になった頃付き合い出したのがB
ナンパでの出会いだったけど、セックスがすごく上手だった
色々テクニックも教えてもらった
でも性格が合わなくて、1年くらいで別れたいと言ったけど、かなりしつこく粘られた
彼はセックスが最高に合うから別れたくないと言った
結局1年半くらいで終わった
最後に2年くらい付き合ったCは1番楽な、気を使わなくていい人だった
彼とならずっと付き合えるかと思っていたけど、やっぱり他の人と同じく、徐々に束縛してきて結婚をチラつかせる
男の人との恋愛を諦めて35歳の終わりに一人に戻った
離婚後の彼全員に共通するのは、男前、ということ
私が面食いになったのは元旦那のせいだと思っている
ハッキリ言って元旦那は不細工、しかも交際中に10キロも太って結婚したときはかなりのデブだった
それでも大切にされていると思っていたし、優しかったから好きだったけど、結果は離婚
私に見る目がないのだと思う
だからこそ目に見える顔を重視するようになった
性格は見えないけど、顔は見たら好みかどうか判別できる
だから顔から入るようになったのだと思う
30歳になった頃、真由美と梨花と3人で街の方まで飲みに行った
この頃、真由美とはちょこちょこ出掛けていたけど、梨花は子供が小さかったから久々
子供が実家にお泊りだったから、ちょっと地元を離れて飲みに行こうという事になった
2軒目のダーツバー?みたいな所は真由美がたまに行くところで、真由美の仕事先の近く、私はそんなとこ普段行かないから良く分からない
音楽がうるさいなー、とかカクテル名前わかんないな、くらいの印象
丸テーブルを囲んで話していたら、3人組の男が寄ってきた
真由美は目が大きくて派手な顔立ちで目立つ
真由美と飲みに行ったらかなりの確率で声をかけられる
その日は3人だったけど、梨花も小動物みたいな雰囲気なのに巨乳、おっぱい好きな男にはたまらないタイプ
私は2人に比べて地味だと思う
背は2人より、10センチ程高くて手足は長い、小顔
でも、地味、顔も地味だし、雰囲気も大人しそう、らしい
中身は3人とも口が悪くておっさんなんだけど、見た目は見事にバラバラだ
声をかけてきた相手は初めから担当を決めて近づいて来たのが見え見え
さり気なく私の横に来たのが彼氏B、巧(たくむ)だった
こいつ、余り担当かな
ジントニックを飲みながら馴れ馴れしい男を見る
顔、は悪くない、てか好み
指、キレイ、あごヒゲ、好き
3人の中では1番好みかも
向こうはジャンケンで負けたのかもしれないけど、話しするにはいいかな
「ジントニック好きなの」
甘いお酒苦手、カクテルの名前わかんないし
「あんまりこういう所来ないの」
うん、田舎者だから
「ははっ、そうなんだ」
そんな中身のない話をしながら真由美と梨花の方を観察する
梨花は久々の夜遊びということもあってか、かなりテンション高いな
相手はメガネをかけた好青年タイプ
梨花は子供命だし、男とどうこうは考えてないと思うけど、楽しそう
普段、働いてお母さんもして大変だから、楽しそうな梨花を見たら私も嬉しい
真由美はいつも通り、ナンパには慣れっこだから適当にかわしてる
相手はがっちり、ガデン系かな、厳つい感じ
でも真由美は好きかも
隣の男に目線を戻す
ヒゲ、いいよね、可愛い系の顔に生やしてるのがいい
私の相手、つまらなくないのかな
私はあんまり自分から話を振ったりしないし、話し方が愛想ない
だって友達でもない人に何を話していいのかわからない
「巧です」
あ、未来
「未来ちゃんか、スタイルいいよね」
え、そんなこと言われないよ
「そうなの?すごい脚長いし、いいじゃん」
梨花、のがいいよ
「あ、あの胸大きい子?」
うん、梨花の胸、柔らかくて好き
「え!?もしかしてそっちなの?」
そっち?
「や、レズ、とか」
違う、ははっ
「あー、ビックリした」
私、胸ないから、中学の頃から、憧れて、触らせてもらってた
「胸、別に大きけりゃいいって物じゃないでしょ」
でも、手触りいいよ
「未来ちゃん、面白いなぁ、てか中学から友達なの?3人」
うん、そう
話しながら、あれ、私、いつもより喋ってるな
こいつ、やるなと思った
ふと、真由美の方を見ると、真由美と目が合って“ニヤッ”と笑ってきた
なによ、別になんでもないって
目線だけで会話した
その後も6人で話して盛り上がる、真由美と話してるのはガデン系ではなくて消防士さんだった
カラオケに行こうと誘われたけど、眠い
真由美と梨花を見ると行きたそう、じゃあちょっと付き合って、先に帰ろう
場所を歩いて行けるカラオケ店に移動した
始めから帰りはタクシーの予定だから、朝帰りでも構わないけど、私は夜ふかしが苦手だから早く帰りたい
しらけないように盛り上がってる最中に、こっそり帰ろうと企んだ
男性陣は高校の同級生で28歳、地元は街と私たちの地元の調度真ん中くらい
メガネの人は会社員だった
「みんな中学校からの友達っていいね、でも全然タイプ違うから、会社の同僚かと思ったよ」
「よく言われる、タイプばらばらって」と真由美
梨花も「この子が後輩に見えるんでしょ」と私の方を見ながら話に加わった
「そうそう、絶対俺らより年下って思った」
巧が私の頭をポンポンしながら言う
いつの間にか隣に座られていた
よく言われるから今更気にしない、どうせ色気ないですよ
思うけど言わない
巧はショップ店員らしい、うん、それっぽい
酔っ払った梨花が「でも本当はこの子が1番エッチなんだよ〜」と私を指さす
もう、梨花うるさい、酔っ払い
梨花はお喋りなのがたまに傷だ
正直、セックス大好きだけど、彼氏以外と、とか酔った勢い、とかではしたことは無い
場の雰囲気を壊さないように
確かにエッチだけど、彼氏の前だけだよ
と適当に笑った
女同士でも飲んだりしてると下ネタも話す
私と真由美はセックスが好きで、楽しむためには努力や労力も惜しまない
梨花は当日既婚だったし、子供もいたけど実はマグロだ
私たち2人はよく梨花の巨乳が勿体ない、とからかった
「うるさいな、胸なんか邪魔なだけだよ、旦那の相手も面倒くさいし、こっちは仕事や育児で忙しいっての」
私だったら憧れのパイ◯リ、とか、したい
「なぁ、羨ましいよな」
上になって、動く時は、重たい、かな
「ブルンブルンしそう」
「あんたら、飲み屋のおっさんよりタチ悪いよ」
タチ?
「タチ?ナニの?」
「アホか」
そんなバカ話ばっかりだ
私の結婚生活の事は2人はよく知らないけど、好き者なのは知っている
真由美がやり返そうと、私に話を振ってきた
「未来こそ、結婚してて子供作らなかったの?まさかあんたがセックスレスとか言わないよね」
言わない、してたよ、そりゃ
毎日、とは言えなかった
子供、出来にくいんだって、梨花と逆だね
生後半年、梨花の赤ちゃんはその時、私の部屋のベッドでスヤスヤ眠っていた
「赤ん坊の教育に悪いんじゃない、こんな話」
真由美がふと、気付いて言うけど、梨花はマグロの癖に人の下ネタは大好きだから止まらない
「じゃあ旦那のセックスどうだった」
ん、とね、その時は、ねちっこいなって思ってた、色々オモチャとか使うし、飽きたりはしなかったけど
当たり障りのないところだけ話した、やっぱり全部話す勇気はない
2人はオモチャ、に食いついてきた
「どんなの使うの、やっぱりいい?」
そりゃあ気持ちいいけど、やっぱり本番がいいよ、でもそれだとすぐ終わっちゃうから、オモチャ使って、長い時間楽しみたいんじゃ、ないかな
「私は旦那にそんなに時間取られたくないな」
梨花は、忙しいからね、私は専業だったし
「旦那自信はどうだったの」
その時は、旦那とあの子しか知らなかった、から、こんなもんかなって
あの子は初めての人だったから、特別なのかな、と思ってた
旦那とも気持ちよかったのは、よかったし、でも
「「でも!?」」
今の彼としてわかった、元旦那は下手くそで小さかった
一拍おいて、2人とも爆笑した
「そうか、自分のに自信ないからオモチャとか使ってたんだ、あいつ」
多分、今思えば、ね
「あー、おっかしい、未来らしいと言えばらしいけど」
なによ、失礼な、仕方ないじゃん、比べる材料無かったんだから
「初めての子、か」
「高2のあの時だな」
もう、その事は聞かれても話さないよ
「いや、全部知ってるよ」
そう真由美は同じ高校だから全部知ってる
「大好きで大好きで、の彼氏だよね」
うう、そうだよ、その話は勘弁してよ、マジで恥ずかしいよ
「未来の初恋、初エッチ、初イキ」
「処女なのに、初イキ」
もう!うるさい、だって、大好きだから感じるんだ、と思ってたんだから、その時は
だから元旦那と初めてした時、あれ、と思ったけど、あの子が初めてだったから、特別な気がするだけだと思った
男の物とテクニックによって快感が変わると知ったのは少し前に出来た彼とした時だった
「未来ちゃん?」
みんなの歌を聞きながら、昔の事を思い出していたら声をかけられてハッとした
「どうしたの、歌わない?」
巧が聞いてくる
ちょっと眠くなった、大丈夫、ありがとう
「なんか飲む?」
じゃあ、生中
巧は他の子の分も聞いてオーダーしてくれた
歌で盛り上がって、あれ以上、下ネタになる事は無かった
初対面だし、お互いいい歳だから始めからそんなにグイグイ来なくて助かった
飲み物が運ばれてきて、冷たいビールで少し覚醒する
でも、これ飲んだら帰ろう
そう思いながら3杯飲んだ、飲み放題だからまぁいいだろう
トイレが近くなって席を立つ、アルコールはまあまあ強いから足取りもしっかりしている
「俺もトイレー」
巧が一緒に出てきて手を繋いできた
耳元で「未来ちゃんのエッチなところ、みたいな」と直球を投げてくる
私、彼氏以外とは、しないよ
「じゃあ付き合おう」
ふ、見た目通り、軽いね
「そんなんじゃないよ、俺」
じゃあ何
「未来ちゃん、可愛いから」
すぐヤレそう?
「違うって、でも、俺、上手いよ?」
んー、保留
本気でトイレに行きたかったから、押し退けてトイレに向かった
結局その日はみんなと連絡先を交換して、先に帰った
当時は電話とメール、ラインなんて無い
6人で会ったのはその時と、もう一度だけ
付き合う事になったのは私たちだけだった
初めて巧と2人で出かけたのは水族館
まあ、無難なチョイスだったと思う
お互い平日休みで空いていて、ラッキーだとはしゃいだ
私はクラゲが好きなので、水槽の前でジッと立ち止まる
クラゲ、いいよね
なんとなく口に出して言うと巧は
「あ〜、なんか未来ちゃん好きそう、似合うわ」
似合う、クラゲが?
「いや、なんかふわーっとした雰囲気とか」
ふわーっと、か
やっぱり私の外見ってそんな感じか
あんたも騙されてるね
心の中は結構ダークな事を考えている
好きな場所なので機嫌はいいのだけど
「未来ちゃん、誕生日いつ?」
10月
「え、過ぎたとこ!?」
初めて、バーであった日の3日前
「えー!マジで、まだまだ祝えないじゃん」
別に、もう30代に乗ったし、必要ないよ
「見えないけどね、じゃあさ」
ちょっと間が空いて何か考えてる風だった
誕生日、聞き返した方がいいのかな
と思っていたら
「じゃあ、クリスマス、一緒に過ごそう、俺と付き合ってよ」
大好きなクラゲの前で告白された
巧は好みの顔で、指もすらっと長い
性格はまだよく知らないけど、嫌いではない
前の、短かった人を思い出した
好きになってから、身体が合わなくて別れるのは辛かった
私が淫乱だから仕方ないんだけど、相手にも申し訳なかった
なら、まず色々試してから、好きになった方が良いのかもしれない
相手だってそうだろうし
馬鹿な私にはすごく名案に思えた
嬉しい、でも、、、、
「でも!?彼氏いるの?」
いないよ、そっちは彼女は?
「普通いるのに告白しないでしょ、夏に振られた、でも、何?」
クリスマス、確か週末、だよ、お店も、予約とか無理、だろうし
仕事、休めないよ、お互い
「あー!そっか!そうだった!!」
だから、26日か27日くらいなら、休みの、前の日だったら、ゆっくり、会えるし
自分から予定なんかを話すのが苦手だから、ぶつ切りのセリフになった
「それは俺も同感だけど、それって、付き合ってくれるって事?」
うん、私、でいいなら
謙遜ではなくそう思う
「よっしゃっ!」
その場で巧にハグされた
人が少なくて良かった
それから焼き肉を食べに行って
「焼き肉を食べてるカップルは〜」
知ってる、それ
「俺たちはまだ、だけどね〜」
したいの?
「そりゃあ好きな子と一緒にいたら男はそうでしょ」
女もだけどね、とは言えない
26日、ね
「ホントに!?やったぁ」
3週間後、早いかな、でも、出し惜しみするほどの物でもないしね
私と巧はシフトを合わせて27日に休みを取った
26日の仕事終わりに待ち合わせして、まあ、そういうつもりだ
何かプレゼントもいるかな、一応、クリスマスデートだし
でも、まだ付き合ったばかりだから、あんまり高いのも駄目だよね
色々考えてる時間は楽しかった
その日までに2回晩ご飯を食べに行って、ちょっと付き合ってる実感も出てきた
ご飯のあと、キスだけ、した
26日、巧が予約してくれたお店に行くために街へ出る
イタリア料理って言ってたけど、ワンピースで良かったかな
髪はちょっとコテで巻いてアップにした
首元が寒いからファーのえり巻き
気合い入れすぎも恥ずかしいな、もう30歳だし
考えながら電車に揺られる
プレゼントは真由美に相談して、ブランド物のキーケースにした
待ち合わせの場所に行くと、いつもより少し落ち着いた服装の巧がいた
ごめんね、待ったかな
「ちょっと早く来すぎた、おお、未来ちゃん可愛い」
巧も、いつもと違うね
巧はジャケットとシャツだけどスーツじゃない、お洒落さんだ
「あんまり堅苦しいとこ苦手だから、イタリアンで良かった?」
うん、美味しければね
「はは、俺も初めて行くんだ、店のやつに聞いた」
そうなんだ、美味しいといいね
そう言って食べたイタリア料理は美味しかった
鶏肉をトマトソースで煮た料理が気に入ったし、パスタもモチモチしていていっぱい食べた
その後、ホテルのバーに行ってカウンターに腰をおろす
おお、大人っぽい、そしてドラマっぽい
馬鹿みたいな感想だけど、元旦那も前の彼も田舎の人だから、こんなお洒落なデートは初めてだった
30歳にして、初体験、ドキドキする
「未来ちゃん、今日、泊まれるよね、上のホテル」
きたー、リアルできたよ、このドラマ的展開!
かなりテンションは上がってたけど、黙って頷いた
部屋に入ると緊張してきた
だって部屋が綺麗で、上品だから
知ってるラブホと全然違う
どうしよう、私みたいな田舎の人間が、場違いなんじゃないだろうか
元旦那は車命で、デートといえば、夜景やゼロヨン(車で競争する)、高速道路を攻めたり、とにかく車ばっかり、後はラブホのみ
その後できた彼はインドアでおうちデートが多かった、外食も近場の居酒屋
田舎育ちだから、別に不満に思った事もなかったし、楽しかったけど
こんなにお洒落なデートを体験出来るなんて
素直に感動した
この頃には地元も随分変わって、大型のショッピングモールやカラオケ、高層マンションなども出来ていたけど、やっぱり街は違う
「どうしたの、疲れた?」
ううん、こんなところ初めてだから、緊張する
「え、マジで」
うん、田舎者だから
「そうなんだ、可愛いなあ、なんか嬉しい」
本当に嬉しそうな巧の声を聞いて、そうだ、と思い出した
真由美に言われて気付いたんだけど、私がバツイチだって言ってない
付き合う事になったんだからちゃんと言わなくちゃ
本当は付き合う前に言わなくちゃいけなかったんだ
どうしよう、嫌われる、かな
あのね、巧、私、言わなきゃいけない事が、あるんだ
「何、真剣な顔」
私、20歳から23歳まで結婚していた、バツイチ、です
巧はびっくりしていた
そりゃあ、そうだよね、ここまで来て、ごめん、順番間違えた
「こども、は」
いない、よ
「あー、なんだ、良かった!」
巧は笑って私を抱きしめた
怒って、ないの
「なんで?別に嘘つかれてた訳でもないし」
「ただ、子供いたら、俺、父親とか無理かもって焦った」
これは巧の正直な気持ちだろう
もっと早く言えなくて、ごめん、なんか
「ん?」
忘れてて
「ははっ、マジか、忘れるか普通」
大笑いされている
ごめん、それでね、結婚、もうするつもりないんだ、それでも私と付き合う?
巧は一通り笑ってから真面目な顔で私の方を見た
「別にバツイチでも、子供がいないなら問題ないよ、結婚も、俺も結婚願望ないから」
本当に?
「俺だって夏まで彼女と同棲してたから、そんなに変わりないって」
ありがとう
「それより、ついでに俺も白状するけど」
何?
「今日は張り切って奮発したけど、いつもこんなデート出来るほど、稼いでません」
あはっ、了解しました、今日はありがとう
「しかし未来ちゃんは、意外性の女だな」
へ?
「見た目絶対俺より若いと思ってたのに、だし、その上バツイチとは」
見た目、良く言われるんだ、若作り、かな
「全然、雰囲気だと思うよ、それより」
はい
「そろそろコート脱いでくつろがない?」
自分が入口の前で、突っ立ったままだと気付く
あ、ごめん
慌ててコートをクローゼットのハンガーにかけた
「予定通り、でいいよね?なにか飲む?」
うん
備え付けの冷蔵庫にあったビールを、グラスに半分こして飲んだ
シャワー、先にしても、いいかな
思い切って、私から切り出した
お風呂につかって温まると、緊張もほぐれてきた
バツイチと結婚しない事の報告はクリア出来たけど、私には次の問題が待ち構えている
このコンプレックスだらけの身体
初めて見せるときは何時も、かなり覚悟が必要だ
貧弱な乳房に乳首、恥ずかしいくらいしか生えていない体毛
アソコの形、は前の彼が個人差がある事を教えてくれた
いつまでもグチグチ言う私に、前彼は
「引かないで欲しいんだけど」
と言って、無修正ビデオ(違法だげど時効という事で)のコレクションをいくつか見せてくれた
そのおかげで、アソコの形は気にならなくなった
何時までもお風呂にいる訳にもいかないから、ため息をついてバスローブで体を隠す
1度見せてしまえば後は同じだから、覚悟を決めよう
2度目、があるかはわからないけど
部屋へ戻ると巧が手招きする方へ近付いて行った
軽くキスをすると
「俺も、入ってくる、寝るなよ?」
そう言って入れ替わりにお風呂場に向かう
後ろ姿を見送って、ほぅ、と息を吐いた
バスローブを取る勇気はなくて、そのままベッドに座っていた
証明は頭の方だけ残して暗くする
初めての男の人の時はすごく緊張する
私に梨花みたいな胸があったら、こんな事はないのだろうか
感じてくると止められない、感じ過ぎるこの身体でなければ
考えているだけで、アソコが熱くなってくるのがわかる
こんな、だらしない、汚らしい身体を、男の人に見せるなんて
でも、この思いは巧のおかげで克服することになるのだけど、この時はまだそれを知らない
巧が部屋に戻ってきた
「なに、固まってるの」
え、待ってた
「そっか」
巧はベッドの布団をめくって中に入っていく
「はい、未来ちゃんも」
空けてくれているスペースに滑りこむ
とうとう、見られてしまう
恥ずかしさで涙目になった
バスローブの紐を解かれ、前を開かれてギュッと目をつむった
「未来ちゃん、可愛い、キレイだ」
耳元で囁かれてそっと目を開ける
胸、小さくて、ごめんね
「何言ってるの、すごく可愛いよ」
子供、みたいでしょ
「うん、ちょっとね、でも興奮するよ」
そっと胸を撫でてくれる
肩からバスローブを引き抜かれて、肌と肌が触れた
巧の目線が下がる
「ここ、も子供みたい」
顔が熱くなった
見ないで
「そんなの無理だよ、見たい」
キスをしながら少しづつ脚を開かれる
巧は身体を起こして、上から私を見下ろした
「すごい、俺、ホントに抱いていいの」
意味がわからなくて、やっぱりこんなに色気の無い身体、嫌なのかなと思った
「気に触ったらごめん、でも、なんか子供とするみたいで、すごい興奮する」
よく、真由美や梨花にも少年みたいな体つきだって言われてた
私が男だったら、こんな身体に欲情なんて出来ない
でも、私を見下ろす巧の物は、触ってもいないのに上を向いて、固くなっていた
「キレイだよ」
嬉しかった
私の胸を慎重に愛撫しながら
「こんなに小さいのに硬くなるんだね」
と感心したように巧が言う
外見は子供みたいかもしれないけど、淫乱なんだよ私
心の中で思った
「未来ちゃん」
未来
「未来」
そうっと巧の物が入口に当てられる
一応ピルは飲んでいるけど、ゴムはどうしようかと思っていたら、巧は自分からきちんと付けてくれた
そっと入ってきた瞬間、びっくりした
え、なにこれ
例えるならパズルのピースがパチンと合うような感覚、こんな事初めて
「うおっ、すご」
同時に巧が唸った
動かずに私の顔を見る
巧、なんか、すごい、ぴったり、だ
「俺も、なにこれ、もう、やばいんだけど」
巧のはちょっと大きいけど、前の彼とそんなに変わらないと思う
それより、気持ちいいところ全てに当たるみたいにフィットした
長さも、バッチリ
今までで最高に気持ち良かった
終わったあとに
「未来、その身体で、あのエロさ、ないわ」
と巧に言われた
え、気持ち悪かった?引く?
「違う、めっちゃハマる!」
え、変わってるね
「変わってるかな、でも別にいいよ、最高だったもん」
本当?
「あんなに興奮したのも、気持ちよかったのも初めて、俺、結構経験あるんだけどな」
それは確かだと思った
普通のスタンダードなセックスだったけど、上手かった、と思う
正直なところ、ぴったり過ぎてテクニックなんてどうでもいいくらいだったけど
「未来のあんなところ見れるの、俺だけだよね」
うん?
「だって未来見ても、絶対に誰もこんなにエロいって想像もしないと思うよ」
それは、嬉しいことなの?
聞いていいかな、迷ったけど気になるし
ね、どうして、抱いていいのって言ったの
「あー、あれ、馬鹿だよな、俺」
何よ
「未来、の身体見て、想像してたのとあんまり違ったから」
「一瞬、処女かなって、ははっ」
ふ、バツイチだよ
「そう、でも混乱した、俺処女初めてじゃないのに」
や、だから違うよ
「だって、ピンクだし、色々」
「焦ったんだよ」
良くわからない
想像と違った、って想像したの?
「そりゃするよ、胸は小さいのわかってたけど」
すみません
「いや、ごめん違う、思ってたより乳首、も」
わかった、わからないけど、もういい、とりあえず嫌じゃなかったんだよね?
「もちろん全然、嫌じゃなかったよ、逆、逆」
じゃあ良かった
「良かったよ、最高」
私、もびっくり、した
「あ、それわかる!なんか入れた瞬間、俺専用、って思うくらいぴったりだった!」
そう、ぴったりだった、パズルみたい
「やっぱり、そうだよな」
もう一回、試したい、な
巧の顔が雄の顔になった
巧のセックスは、一言でいうと丁寧
私は巧が5人目の人
それが多いのか少ないのかはわからないけど、巧はそれよりもはるかにたくさんの女性を抱いていると思った
理由は、よく、わからないけど
雌のカン、かな
巧の指と唇が私の身体を這うと、ジワジワと身体の奥から快感が上がってくる
ゆっくりと高められるとすごくいい絶頂を迎えることが出来た
巧の指
気付いたけど、私は指フェチかもしれない
単にトラウマかもしれないけど、前彼も指がスラッとしていて好きだったと思い出す
元旦那、はごつくて短い指だった
どの指も私の親指より太くて、エンゲージリングも取り寄せになるほど
その指を3本ねじ込まれて、アソコが切れた事がある
痛いことをされたのは、後にも先にもそれだけだけれど、血が止まらなくて救急に行った
ひと針だけど縫った
その時先生にDVを心配されたけど、違います、と答えた
本気で違うと思っていたから
それは今も変わらない
でも、その事はトラウマになっている
抜糸までは性交しないように言われたのに、毎日されていた
流石にいつもみたいにはしないけど、必ず旦那の物は挿入されて、痛くて泣いても止めてもらえない
救いなのか、私は体質的に化膿しにくいらしく、予定通り抜糸が出来てホッとした
旦那は謝ってくれたけど、それだけ
ただ指は入れなくなった
本当にどうして私は旦那を受け入れていたんだろう
今考えても、自分の事なのに、わからない
巧の指に中をあやしてもらうのが好き
巧もそれを見るのが好きだと言っていつも沢山してくれる
「指に絡みついてくる、気持ちいいところあったら教えて」
中にいいところがあるな、とは思っていたけど、巧に言われて集中すると、他より格段にイイところがある
多分Gと言われているところ、とその奥
子宮の入り口は指では届かない
巧は丁寧に私のイイところを絶妙な加減で刺激してくる
指でイカせてくれたのも巧が初めてだった
「未来のイった後の顔、イヤらしい」
そういう巧の顔もイヤらしい
も、早く、入れて
おねだりが好きだから、言うとすごく嬉しそうにしてくれる
身体を起こして、巧の顎ヒゲをザリッと舐める
「ヒゲ、好きだよな」
ゴムを付けながら巧が笑う
うん、好き、似合ってる
ギュッと抱きしめられた
「未来、愛してる」
私も、巧、大好き、愛してる
30歳にもなってと思うけど、ベッドの上だから構わない
キスをしながら彼を迎え入れる
巧はイク直前以外、荒々しく動かない
ピンポイントでイイところを突いてくる
私も追い詰められる事もなく、徐々に高められて最高の絶頂を得られる
一回の挿入が長くて、でも丁寧だから、感じ過ぎて訳が分からなくなることもなかった
私がイってしまうと、しばらく動きを止めて、髪をすいたり、キスをしたりしてくれる
「未来、可愛い」
「未来の身体、キレイだ」
そうしながら耳元で何度も言ってくれる
私のコンプレックスが少しづつ、小さくなっていった
「未来のここ、ホントに可愛い」
巧は私のアソコと乳首が大のお気に入りらしい
乳首は、授乳していないからか、小さい
男の人のよりは少し大きい程度
でも、感じるとちゃんと硬くなるのがたまらない、と言う
アソコの突起が他の人より小さくて、皮膚に包まれままだから、敏感過ぎて痛いのだと教えてくれた
たまにそっと口に含まれることはあるけど、必要以上には触らないでいてくれる
他にも感じる所は沢山あるから、構わないと巧に言ってもらって嬉しかった
他の人はみんな、女はそこが気持ちいいと思い込んでいたから、痛くなってきて、止めて、と言っても聞いてくれなかった
巧のおかげで、純粋にセックスを楽しめるようになった
巧のせいで、もっとイヤらしい女になってしまったけど、誰に迷惑かける訳でもない
巧とするのが大好きになっていく
巧が、大好き
巧は私を色んなところに連れて行きたがった
2人で会うのはいいんだけど、すぐに友達や同僚と飲んでいても、私を呼びたがる
男の人ばかりの時は断ったけど、他の人も彼女連れの時は、行かないと可哀想だから参加していた
私は「よく、そんなんで接客できるね」と言われる程人見知りだ
喋り方も、セリフ通り“、”が多い、らしい
仕事の時は仕事モードだから、お客様に対して人見知りなんてしないし、可愛がって頂いている
でもプライベートではダメダメ
中学生の彩ちゃんに
「未来ちゃん、コミュ障みたいだよ」って言われる程
何で、って聞いたら
「話す時、あ、とか、え、とか多いし、途切れ途切れで、目線も斜め下」
そんな感じらしい
巧とは結構頻繁に会っていた
シフトを合わせて、休みの前の日は彼を車で迎えに行って私の部屋に泊まる
おっちゃんの店も行ったし、たまには私がご飯を作ったり
仕事の日は彼の地元でご飯して送ってもらう
その間に、彼の仲間との付き合いが入るから週の半分は会っている感じになる
ホテルで、私の部屋で、彼の部屋で、たくさんセックスした
大好きだった
ただ巧は社交的で、どこにでも私を連れ行きたいと言って、みんなに私を紹介して、自慢する
それが少しづつ、私のストレスになっていく
「俺の未来、今までで最高の彼女」
そう紹介される度に、いたたまれない
彼の友達も、この子が?って思っているだろう
巧は良く言えば裏表のない人
思った事を言わずにはいられない、のだと言う
彼の友達にも
「巧は未来ちゃんと付き合ってから、一筋だよ」
と言われるけど、以前は違ったという事だ
でもその辺は気にならない
過去は興味ないし、もし私の他に女がいても私に支障がなければいい
というより、そんな事を考えない
以前から今までで、相手の浮気を疑ったり、詮索したことはない
理由は、気にならないから
巧はお洒落で、男前で、セックスが上手で
今までの彼の中で1番好きだったかもしれない
前の彼の事は殆ど、思い出さないのがその証拠
結局1年半くらいで別れたけど、実はその後もズルズル会っていた
別れた後も未練があったのは巧にだけだ
自分から別れたのに
家でイチャイチャしてるのは大好き
ソファでテレビを見ていても、巧はすぐに私の胸を触ってくる
はじめはテレビが見たいから抵抗したり、テレビに集中してるフリをしている
でもずっと乳首を弄られて、息が上がってきてしまう
「未来、テレビ見ないの、ドラマ犯人誰だと思う?」
巧がわざとテレビの話題を振ってくる
なら、触るの止めてよ、するなら
「するなら?」
ちゃんと、脱がせて、セックス、しよ
「駄目、今は俺、未来触りながらテレビ見たいんだから」
テレビ、見るなら、触らないで
「じゃあ、もっとしてあげるから、ココおいで」
ソファを降りて、その前に座る巧を座椅子のようにして脚の間に座った
ブラ付けるほど胸がないから、部屋ではノーブラ
部屋着のスウェット素材のワンピースの裾からするするとパンツだけ脱がされる
テレビでは、素人探偵の主人公が犯人の手ががりを掴んだ、2時間ドラマは中盤にさしかかっている
ワンピースを無理やり腰まで引き上げて、アソコに手が伸びる
脚を絡ませて、閉じられないように固定された
胸元のボタンは大分前に外されていて、そこからは乳首を揉まれる
「未来、テレビ、見よ」
後ろから私のアソコを摩りながら巧が言う
も、やだ、犯人、見たい
「見えてるだろ、前」
んん、だって、あっ
「未来のここ、ヌルヌル、毛がないからホントにヌルヌルしてるな」
す、きな、クセに
「お、言うようになったな」
テレビが気になる、でも、もっと欲しい
後ろから指でしてくれる
気持ちイイけど、奥まで届かないからもどかしい
イカせて欲しい
「未来、あの婚約者が犯人らしいぞ」
んん、はじめ、から、あっ、やしかった
「うそ、俺、社長だと思ってた」
や、はぁ、あ、いつは、あやし、すぎ、だから、な、い
「ちゃんと喋ってよ」
む、り、もう、イキたい、もん
「エンディング終わったらな」
かれこれ1時間弱、指だけで、イカされる事もなくオモチャにされている
でも巧はその辺も上手で、我慢できるギリギリをキープ出来た
たまらなくなったらテレビに意識を戻して、愛撫も控えめにして、落ち着いてきたらまた再開、その繰り返し
そうしてずっとお気に入りを堪能する
エンディングで主人公とヒロインが別れの挨拶をしている
ヒロインは犯人が逮捕されたので、田舎に帰って、殺された両親の家業を継ぐらしい
巧、終った、ベッド、いこ
巧はセックスの時、私にお願いされるのが大好き
姫抱っこでベッドまで運ばれた
元々ワンピース1枚だからあっという間に裸に剥かれる
明るい部屋でアソコを見られらるのにも慣れた
「未来はここもイイんだろ」
自分の物で濡れている入り口をそっと舐められる
舐められるのは好きじゃないけど、ここだけは別
巧はいつもガン見しながら舐めたり、指を入れたりする
巧は自分の指が私の中に入ってるところを見るとすごく興奮するのだと言う
ベッドの中でセックスの後
「未来の身体はいくら見ても、飽きない、こんなに小さい割れ目なのに、どこまでもイヤらしくて」
そう言ってさっきまで自分の物が入っていたアソコを指で触る
私は入り口もすごく敏感だから、それだけでもピクンと身体が震えた
「すごく濡れてイヤらしく、誘い込むように動くのに」
ガバッと脚を開かれてのぞき込まれる
「こうして見ると処女みたい」
やめて、よ
体毛が無いのも諦めたけど、思春期には気にしたものだった
また指を入れてくる
「可愛い、ずっと触ってたい」
いや、そんなの、無理だよ、あ、やだ
クチュっとわざと音をたてられる
「もう垂れてきた、止めていいのか?」
ん、もっと、触って
お願いしたのに引き抜かれる
やだ、何で
「俺のもして」
気付いたら巧の物も復活している
体勢を変えて寝転んだ巧の上に四つん這いになった
彼の物を手で扱くとビクッと動いた
口でするのも大分教えられた
「未来、上手になったな」
私の身体で唯一柔らかいお尻を触りながら褒めてくれる
舐めるのが疎かになるから、アソコはあまり触ってくれない
割れ目をわり開いてじっと見られる
「触ってないのに溢れてきてる、エロいよ」
だって、巧の、してるんだもん
「未来、可愛い」
ねえ、もっと、触って、指、いれて、よぉ
「気持ちよくなったら、舐めるのすぐサボるから駄目」
ちゃんとする、から
頑張って、巧の物に奉仕する
ね、お願い、して
「あ〜、たまんねぇ!」
声と共に指が入ってきた
あ、巧の、指、入った
「くそ、もう入れたい、ここに」
や、もっと、指
「そんなに指、好きなのか」
巧、の指、が好き
いきなり巧が起き上がって私の上になった
指を入れ直して、キスをする
「未来」
乳首を口に含んで舌で愛撫されてイってしまう
中が巧の指を締め付けるのがわかった
つながっている場所からクチュクチュと音がする
巧の物は本当にぴったりで、全身がアソコになったような錯覚を起こす
「もう出そう、けどまだ出したくない」
出したら凄く気持ちいいのはわかっていても、ずっと入っていたいから出したくない
と巧はいつも言う
私もずっと入っていて欲しい
「やばい、もう」
や、もうちょっと、して
「!」
あ、出てしまったみたい
中でドクドクしてる
「くそ、未来の声で出た」
声?
「あんなエロい声で、あんなエロい顔で、もうちょっとして、なんて言われたら出るだろ」
やつあたり
「もう、俺、未来とするようになって早漏なったよ」
私も、だよ
「へ?」
私も、巧としたらすぐ、イク、でも、仕方ないよ、ぴったり、だから、気持ち、いいもん
「未来ー」
抱きしめてキスしてくれる
「そうだよな、ぴったりだよな、俺もうほかの女抱けないわ」
ほかの女?
「あ、浮気とかじゃないよ!そういう意味じゃなくて、もう未来以外抱きたくないって事」
普通は、1人だけ、なんじゃないの?
「そうじゃなくて、この先もってこと」
ほわん、と嬉しくなった
「俺、今まで結構適当だったんだ、女関係」
あれ、なんか語り出すのかな、せっかくちょっと、幸せな気分なのに
そう思わないでもないけれど、寝物語に聞くことにした
「結構モテるから女に不自由してなくて」
「去年の夏まで同棲してた奴も、年末くらいに転がり込んできて」
「まあ、邪魔にもならないから一緒に住んでた」
「でも本命はほかの女だったんだ」
ふーん、器用だね
「そのリアクション、初めて」
だって、そう思ったから
「まあいいや、でバレた本命に」
「同棲女がバラしたんだ」
「本命にふられて、女に出ていけって言ったら」
「別れるなら死ぬって言われて」
「かなり揉めたけど、なんとか追い出した」
で、バーでナンパしたんだ
「ははっ、そうそう」
そうだ、聞いて、みたかったんだけど
「何」
巧、ジャンケンで負けたの?あの時
「え?何で」
だって、私、担当、だったでしょ
「担当?」
3人、誰狙いか、決めてから、来たでしょ
「ああ!そう言う事か、違う違う、何言ってるの」
はじめ、わたし達に目を付けたのはメガネの人だったらしい
梨花の胸目当て
「俺は始めから未来狙い」
嘘だ
「本当だって、俺、スレンダー好みだし、背の低いの好きじゃなかったから」
変わってるね
「未来には変わってるって言われたくないけど」
どうして
「自覚ないからな、いいんだけど」
「それよりさ、俺の過去聞いてなんとも思わないの、サイテー、とか」
サイテー
棒読みだった
「いやマジで、どうなの」
興味無いよ、前の事でしょ
「それって、そういうのを超越して俺の事好きって事?」
超越?は良く、わかんないけど、私が、知ってるのは、今の巧、だもん
「マジかー、もう駄目だ」
そう言って抱きしめられた
何か悪かったかな、眠いんだけど、寝てもいいかな
巧、眠い
そう言ったら巧は
「お休み」
とキスしてくれた
巧のことは本当に大好きだった
セックスだけじゃなくて、遊園地や海、いろんな所に行った
でもやっぱり束縛、してきた
絶対にそんなタイプじゃないと思っていたのに
どこに行くにも私を連れていきたがるし
「こういうの似合うよ」
と服をプレゼントしてくれる
嬉しいけど、私は一人の時間も欲しい
それで揉めることがちらほら出てきた
でもセックスで誤魔化される
どんなにケンカしてもセックスは最高だし、巧の事は本当に大好き
なんとかしたいと思っていた時、出会ってちょうど1年くらいの時だった
その日は巧の家でセックスしてた
「泊まって行ってよ」
最近、巧はよくそう言う
たまには泊まってたけど基本は家で眠りたい、でもその日は眠かった
そうしよう、かな
嬉しそうな顔で巧がキスしてきた
お泊りならもう1ラウンドかな
そう思いながら愛撫を受けて、入れて欲しいな、と思った瞬間、玄関のドアが空いた
え!?と思ってるうちに足音が近づいてきて部屋のドアが勢い良く開く
「巧!」
女が立っている
「菜穂!?」
私と巧は全裸でベッドの上にいた
ドラマみたい
巧と付き合ってそう思ったのは2度目だった
1度目とは全く違うドラマだけど
その女は例の“同棲女”だった
巧は私に布団を被せて、自分はトランクスを履こと、彼女に向き直る
「なんで、まだ鍵持ってんだ」
「巧がいくら言っても私と寄りを戻してくれないから」
「彼女、出来たって言っただろ、何回も」
「それでもいいって言ってるじゃん、前だって2番目だったんだから、それでもいいから」
「なんで鍵持ってんだよ」
「返す前に作っといたの、念の為に」
そんなやり取りを、ベッドに座って聞いていた
念の為ってなんだろう
「おれ、もう2番目とか浮気とか止めたんだ、何回も言わすなよ」
「どうして、いつも言えば抱いてくれたのに」
巧はチラッと私の方を気にした
彼女がそれに気付いてベッドに近付いてくる
あ、と思う間もなく布団を剥がされた
元々そんなに広い部屋じゃないから、巧も彼女の腕を掴んで止めてくれたけど間に合わなくて、私の身体が彼女の前に現れた
しまった、パンツくらい、履いとくんだった
呑気なことを考えていると、彼女は私の事を上から下まで観察するように見てから、巧を見た
「いつからロリコンになったの!?変態」
いや、ロリコンって、30歳ですけど
目の前の彼女はどう見ても20代半ば
「こんな女のどこがいいのよ」
言い終わるかどうかの瞬間、彼女の身体が倒れた
巧が殴ったのだと、すぐにはわからなかった
「痛ったーいっ!何すんの」
「未来を馬鹿にするな」
「は?未来?この女のこと?だって、キャッ」
また殴られた
私は慌ててパンツとパジャマ替わりのトレーナーの上だけ来て止めに入った
巧、何してんの、やめて、よ
巧は何も言わずにわたしの肩を抱き寄せた
2人で彼女を見下ろすみたいな格好になる
下から彼女が睨んでいる
立ち上がった彼女はもう一度私の方を見て
「あれ、思ったより(歳)いってるね、鶏ガラみたいな身体してたから、中学生かと思ったわ」
鶏ガラ、久々に言われたな
巧が殴りかからないように、腰に手を回していたんだけど、気に触ったらしい
「何、いちゃついてんのよ、離れろ」
その後も、巧と彼女は色々言い合っていたけど、あまり覚えていない
けなされる事より、昔の彼女が登場した事より、巧が女を殴った事にショックを受けていた
だって初めてだったから
昔の友達はヤンキーだったけど、女に手を上げたりなんてしない
暁なんて、今じゃ智恵ちゃんと娘の彩ちゃんにメロメロだし、みんな口は悪くても女には優しい
元旦那だって、あんなのだったけど、殴られた事はなかった
強い人は、自分より弱い相手を殴ってはいけない
何となく、だけど私はそう思う
一人で目の前のやり取りとは違う事を考えていると、巧の声で我に返った
「もう未来以外はいらないって言ってるんだよ」
あんな場面を見たのに、そう言ってくれることを嬉しいと思う
そんな自分に困惑した
「なんで、私じゃ駄目なのよ、いつでも、優しく抱いてくれたのに」
そう言って泣き崩れる彼女がを見て、正直困った
巧の腰を離して、彼女の前にしゃがみ込む
頭の上から巧が
「わかってくれ、無理なんだよ」
と困り切った、面倒くさそうな声
「いやだ、忘れられないよ」
彼女が顔を上げて私と目が合った
私が身を引けばいいのかもしれないけど、それは嫌だったし、違うと思った
どうしよう、この子も可愛そうだけど、いい加減、面倒くさくなってきた
考えたけど、考えても無駄だと思って正直な気持ちを言うことにした
ごめんね、今は、私のなんだ、巧
パン!
あ、平手打ち、くらった、ホントにドラマみたいだ
別に痛くなかったから、そんなことを考えたけど、巧が彼女に掴みかかろうとしたから、慌てて彼女の前に割り込んだ
巧、やめて
巧は立ちすくんだ
彼女も後ろで大人しくなる
巧、私、今日は、帰った方が、いいんじゃ、ないかな
「それは駄目だ、ちょっと待って」
巧は服を着て誰かに電話した
「うん、そう、鍵作ってやがったんだよ、ああ、頼む」
共通の友達を呼んだらしい
「今日子に迎えに来てもらうからもう、帰ってくれ、頼む」
巧がそう言うと彼女は何も言わなかった
電話をした子は、巧の知り合いの彼女で、合コンをした時に彼女とも知り合ったらしい
以前に別れるときも、あいだに入ってもらった、と後で聞いた
30分もしないうちに今日子さんが来て、以外とあっさり彼女を連れて帰った
鍵は置いていったけど、巧は鍵を交換すると言う
それがいいだろう
静まり返った部屋で、今更ながらドキドキしてきた
「未来、最後のセリフ、怖かった」
巧がポツリと言った
え、何だっけ
「巧、やめて」
ちょっとモノマネされた
え、普通に言ったよ
「いや、俺は元ヤンの片鱗をみたね」
私、元ヤンじゃないし
「友達見てたらわかるよ」
あ、そうですね、でも私は違うんだけどな
言い返さなかった
巧は謝ってきたけど、それより言いたいことがある
どうして、殴ったの
「ごめん」
私に、謝ることじゃ、ないよ、女に手を上げる、男の人は、嫌い
「いつもはそんなこと、しないよ」
もう、絶対にしない?
「しない、未来の事言われて、カッとなったんだ」
彼女、巧の事、好きなんだね
「でも、どうしようも無いよ」
そうだね
「未来は?」
なに
「俺の事、好きか」
好き、だけど、殴るのはいや
「本当に2度としないから」
そうして一応、仲直りした
私の誕生日の一週間ほど前の事だった
誕生日には、ネックレスをもらって、ドラマみたいなホテルに泊まった
相変わらず巧の事は大好きだったけど、あの日のことは忘れられないし、前からストレスだった事も積もり積もって、なんだか辛くなってきた
セックス、だけだったりして
とか思うようになって、別れたいと言ったのは確か12月に入った頃だった
巧は納得しなくて、私もどこが嫌とかじゃなかったから、スッパリ別れられなかった
何よりセックスしてしまうと、やっぱり離れたくないと思ったりもした
年が変わって夏前まで、関係は続いたけど、束縛に耐えられなくなって、今度こそ終わりにした
身体が合わなくて別れた人もいたけど、身体は最高だったのに、やっぱり別れた
好きなところもいっぱいあった
もっと私の心が広かったら、続いていたのだろうか
男の人と別れてあんなに泣いたのは巧だけだ
付き合わせた真由美も
「そんなに泣いたの高校の時以来でしょ」
と呆れた
そう
高校の時、初めてのあの子と離れ離れになった時も泣いた
でも大人になってこんなに泣いたのは初めてだった、しかも恋愛で
初めてのデート、初めての快感、初めての号泣
初めてをいっぱいくれた巧
子供がお泊りだからと、梨花が家に呼んでくれた
夏休みの始め、実家に従兄弟たちが集まるから子供だけ連れていったらしい
「たまにはゆっくりしたいよ」
そりゃあそうだ
梨花は1年生を筆頭に3人の子供を一人で育てている
真由美がデパ地下のお惣菜を買ってきてくれた
私はアルコールを持ち込む
「でもさ、そんなに好きだったんなら何で別れたの?相手は嫌がったんでしょ」
梨花は巧との事を聞きたがった
電話で相談とかしていたから、言わない訳にもいかない
真由美には2度目の話になってしまうけど
すごく、好きだった、けど、だんだん束縛、してきたし、巧、友達多くて、紹介されたり、一緒に遊んだり、ちょっと苦手だし
「あー、人見知り、出たね」
だんだん、価値観の違い?とか、合わないところ、見えてきて
「セックスはバッチリなのにな」
「真由美うるさいよ」
でも、セックスしたら、やっぱり、大好きだし
「ほら、セックス大事だろ」
うん、前に一人、それで付き合えなかったから、大事、だけど
それだけかな、って、思ってきた
「私にはそこの所はわからないけど、あんた達は重要なんだよね」
梨花はセックスにそんなに興味はない
「最重要事項だよ」
そう、真由美と私には
あと、やっぱり、女の子、殴ったのが、忘れられない
「ああ、言ってた、同棲してた子ね」
「でもそれはあんたがバカにされたから怒ったんだろ」
そう、言ってた
「そんなの、あんただって、私がやられてた時、相手殴ってくれたじゃん」
あれは、中学ん時だし、女同士、だし
「まあ、確かに暴力は引くよね」
う、ん
それだけじゃ、ないんだけど
お互いに、身体に執着しすぎていると思った
確かに真由美の言う通り、相性は大切だと思う
実際、駄目だった人もいたし
でも、私に執着しすぎて
「一緒に住みたい」
と言い出した巧は、私が大好きだった彼じゃない気がした
もちろん、執着していたのは私もだから、離れるのは辛かった
「もう、ヨリ戻す気ないんだよね」
うん、でも
「どうした?」
この前、会った
「「え!?」」
電話かかってきて、家の近くにいるって
「ヨリ戻そうって?」
断った、けど
「やったんだろ」
「やった?セックス?」
した、ごめん
「別に謝ることじゃないけど」
でも、戻らないよ
そこで話は終わって、真由美のお店や、梨花の子供の事で盛り上がった
夏だから3人でザコ寝する
中学生に戻ったみたいだった
2人には内緒にしているけど、その後も2回、巧と会った
セックスもしたけど、後悔はない
私、巧のこと、大好きだった、セックスだけじゃないよ
彼が入ってくる直前に言ったら
「うん、俺も、全部大好きだ、今も」
巧が入ってくると、嬉しくて身体が震えた
「でも、好きなだけじゃ、駄目なんだな」
巧も本当は、辛かったのかもしれない
別れてから3回セックスした後、連絡はなくなった
寂しかったけど、ちょっとホッとした
もし、過去の彼とやり直せるなら、迷わず巧を選ぶだろう
もしもの話は、好きじゃないけど
今までの人生で1番好きな人、巧、ありがとう
このスレを書いたおかげで、巧の事を思い出した
10年も前の事なのに、あの時の感情は1度思い出すとどんどん溢れてきた
普段、思い出す事をしないだけで、記憶の中にはずっといたのかもしれない
18歳から元旦那といて、23歳まで、他の人が色々経験するだろう時を、元旦那とだけ過ごした
もちろん自分が選んだ事だから、元旦那を恨んだりはしていない
勿体なかったなあ、とは思うけど
その代わり、巧と過ごした時間は、楽しい事に溢れていた
2年にも満たない、短い時間でも
あれ程、巧とのセックスは最高だったのに、自慰をするとき、元旦那しか出てこないのは何故なんだろう
私は精神科医でも、セラピストでもないから頭の中はわからない
トラウマ、なのかもしれないけど、やっぱり自業自得
巧の事を考えながら、書く
とても楽しい気持ちになれた
過去だから、良かった事ばかり思い出す
でもそれでいいのだと思う
彼は今、どうしているんだろう
正直な気持ち、もう一度会えるなら、会いたい
思うだけだけど
その後で付き合った彼は、一言で言うなら程々、な人だった
もちろん好きだったし、付き合ってる当時は巧を思い出したりもせず、楽しく付き合っていた
最後は
「本当に結婚する気がないのなら別れよう」
と、年齢的にか結婚を意識し出した彼に切り出された
黙って頷いた
確かに好きだったけど、結婚は出来ない、誰とも
そうして別れたけど、最後まで優しい彼だった
前にシフトを交代した関係で昨日から明日まで3連休
その前日の月曜日、ちょっとした事があった
例の不倫パートの吉田さんが
「水曜日、シフト代わって欲しいんですけど」
って言ってきた
はっきりいって、3連休の真ん中を代わるのは嫌だ
え、と、その日はちょっと、火曜日か木曜日、じゃダメですか
「水曜日じゃないと駄目なのよ、何か用事あるの?」
いや、まあ、ちょっと
理由を言う必要があるんだろうか、別に用事はない、嫌なだけだし
なんか、必死だな、不倫相手と会うのかな
そんなにして会いたいのかな
「大切な用事があるんです」
でも、希望、出さなかったんですよね
「急用なんです、未来さん、代休でしょ、お願い」
無理です、用事入れちゃったんで、すみません
なんとなく、意地悪な気持ちになった
「えー、最悪」
耳を疑った
流石に頭に来て、事務所の恵子ちゃんのところに行った
恵子ちゃん、聞いてよ
仕事中だったけど、事務所に人も少なかったから恵子ちゃんは話を聞いてくれた
断ったら、最悪、って言われたんだよ
「だから、言ったでしょ、もう関わらない方がいいよ」
ホント、もっと若かったら、ケンカになってたよ
「ところで用事、あるの?」
ない、けど連休の真ん中、出るの嫌だし、友達と、遊ぶかもだし
「うん、それでいいよ、無理に代わることないよ」
聞いてもらって気が済んだ
事務所を出て仕事に戻りながら、帰ったら梨花か真由美にラインしようと考える
でも帰りに、おっちゃんの店でご飯を食べようと入ったら、奴と彼がいた
「おう、未来久しぶり」
気安く、呼ぶなって
彼とのことで少し恥ずかしかったので、いつもにも増して奴には無愛想になった
カウンターに座って注文する
煮込みハンバーグ、とササミのフライ、生中
マンションの横の駐車場に車を置いて、部屋には上がらず直接、店に行く
歩いて10分弱だけど、歩くのは好きだし飲めるから、ずっとこのパターンで通っている
「またお肉ばっかりだね」
龍成が話しかけてくる
好きな物、頼んだだけ
「未来は肉しか食わないからな」
前に生ビールが置かれた
「未来ちゃんはお刺身も好きだよね、今日はハマチあるよ」
じゃあそれも
おっちゃんは私たちの好みは知り尽くしているから、私のササミのフライの横にキャベツの千切りは付けない
どうせ食べてもらえないから
でもその代わり、煮込みハンバーグの中の野菜を少し多めに入れてくれる
おっちゃんは多分60歳前後、元々は誰かのヤンキー先輩の先輩、つまり元ヤン
通い始めてから白髪は増えたけど、禿げてない
ずっと現役でいて欲しいなと思う
「未来ちゃん、今日はちょっと遅いね」
うん、明日から、連休だから、残業
「連休!?」
龍成が食いついてきた
うん、3連休
正直に答えた
「いいなぁ、何するの」
とりあえず、服の整理、来てないの、捨てる
「ふーん」
それ以上聞いてこない
あれ、助かったな
そう思って、帰ったら龍成からメールが来ていた
「明日、会社行ったら代休取れるか聞いてみるから、明日の昼過ぎまで何も予定入れないで!(>人<*)ぉ願ぃ!!!」
いいけど、仕事、大丈夫なの
「代休貯まってるから、人が足りれば大丈夫」
家、は
「前から代休の時、内緒でパチスロとか行ってたから、代休あるの知らない」
そうなんだ
つぎの日「明日休み取れた♡」
水曜日、この前からちょうど一週間
今日、今から龍成と会う
前に待ち合わせた珈琲館で落ち合う
前は少し遅くなって、時間が無かったから、今日は10時を目標にした
おはよう
「おはよう、思ったより早かったね」
この前、ちょっと、遅かったから
「座る?」
あ、うん
2人がけのテーブルに向かい合って座る
「何か注文したら」
じゃあ、カフェオーレ
「一週間ぶりだね」
月曜日会ったよ
「ああ、店でね」
暁と行ったの?
「うん、未来さん月曜日よく来るって、暁さんが」
チッ
「うわ、舌打ち、怖」
あの野郎
「待って待って、俺が、聞いたんだよ」
どうして、毎日メールしてるのに
「暁さんとも飯食いたかったし、どうせなら未来さんが来そうな日、わかるかなぁって」
暁と、何か話した?
「何も、ホントに、暁さんも聞いてこないし」
じゃあ、いいけど
「それより、さ」
ん?
「今日、これからどうする?」
え、するんじゃないの
「や、そりゃしたいし、するけど、もっと」
もっと?
「違うところも、行きたい」
ふー
とりあえず、カフェオーレを飲んだ
そう来る気はしてた
例えば?
「映画とか」
今、見たいのない
「カラオケ」
ホテルで良くない?
「もちろんホテルも行きたいけど」
「デートっぽい事したい」
嫁とすればいいのに
と思ったけど言わなかった
先週、天ぷら食べてチョコあげて、ちょっとデートみたいなのも楽しかったから
どうせなら、楽しもうと決めたし
どうしよう、と思いながら彼を見る
あれ、スーツじゃないね、どうしたの
「今日は出かけたいと思ってたから、昨日のうちに用意して車に隠してた、車の中でさっき着替えた」
行く気マンマンだね
「どこかない?」
ある
実は行きたい所がある
昨日まで巧の事を書いていたから、懐かしくなった
でもなあ
「え、あるの!?どこ?」
龍成、こう見えてお父さんだから、よく行ってるんじゃないかな
そう思ったけど、とりあえず言ってみる
水族館
地元から高速道路で20分程の所にあるから、結構ポピュラーなデートスポットだ
もちろん家族連れも多い
「あ、いいね!それ」
龍成、家、で行ったり、してるんじゃないの
「そんなに行かない、ていうかそんなん関係ないし」
そうか、な
確かにイチイチそんなの気にしてたら何処にも行けない
龍成が良いなら、良いかな
「じゃあ行こうか」
迷ったけど、決めた瞬間、すごく楽しみになった
いつも通り、車を一台置いて、私の車に龍成のスーツを積んだ
ホテルでまた、着替えて帰らなくてはいけない
不倫とは面倒くさいものだな、と思ったけど、面倒なのは私じゃなくて龍成だと思い直した
偶然、胸元には巧にもらったネックレスが揺れている
単に思い出して、懐かしくて付けただけだったんだけど、水族館に行く事になるなんて
久しぶり、最後に行ったのは最後の彼とだから4年以上行っていない
クラゲ、まだいるかな
水族館は何となく女同士では来にくい
遊園地やテーマパークは平気なのに
テンションの問題だろうか
中に入ると空いているけど、カップルや小さい子供を連れた家族がチラホラ
その中を龍成と手を繋いで見て回った
ペンギンの前で写メを撮ろうと、龍成がiPhoneを構える
自撮りで撮るの、上手いね
「え、こんなの普通じゃない?」
私、やったことない
「確かに、しなさそう」
そうしてクラゲの水槽の前に到着
やっぱり足が止まる
淡水、海水、種類別に大小色々な形の水槽がある
大きい筒型の色んな子が泳いでいるやつが一番好きで、つい見入ってしまう
クラゲ、可愛い
「そう言えば、クラゲ姫、映画あったね」
あれ、見たかった
「じゃあDVD出たら見よう」
うん
「未来さん」
龍成の方を見るとiPhoneを構えている
写メを撮ってもらって、メールでもらった
素直に楽しい
「楽しいね」
龍成、楽しいの?
「そりゃあ楽しいよ!未来さんすごく楽しそうだし、友達といる時と同じ顔してるから」
あ、うん、すごく楽しいよ、久しぶりだし
やっぱり機嫌がいい時はバレてしまう
「水族館好きなんだね」
好き、昔から
「彼とも来た?」
うん、全員と
初めての子、意外だけど、まあいいや
「また来ようね」
うん
目線はずっと水槽のままなので、何も考えず思ったままを答える
想像以上に楽しい時間だった
途中でフレンチだけどランチもしているところでご飯を食べた
水族館は龍成が出してくれたから、ここは私が払うつもり
ランチA~Cの中でカツレツのセットを選んだ
龍成はチキングリル
「未来さん、そんなにお肉ばっかり食べてるのに、太らないの」
多分、体質、遺伝、かな
父がそうだった
私は父に似ていくら食べても太らない
お肉はもちろん、カツやピザなど高カロリーの物が好物だけど、太らない
この体質には感謝しているし、真由美や梨花にも羨ましがられる
私は基本ラッキーな人間だと思っている
頭が悪くて性格も悪いけど、20年来の友人もいるし、仕事にも恵まれている
アルバイトだけど、田舎にしては高い時給をもらっていると思う
でも色々引かれるから手取りは15万前後、シフトによって上下する
5年前まではそこからマンションのローン5万円程も払っていたから車は持っていなかった
叔父さんの遺産でローンを完済した時に今乗っている軽を買った
それまでは自転車で通勤して、車が必要な時は実家のを借りていたから、かなり便利になった
だから今は駐車場代8千円、共益、積立費約1万円、後は光熱費と生命保険が引かれる
もちろんガソリン代や、車検、税金もあるけど、何とか給料だけで生活出来る
というか充分だ
たまに寂しく感じて、普通の家族を羨ましく思う事もあったけど、今はそれもない
この暮らしが、私には合っていると思う
美味しかったけど、ディナーには行かないかな、と思う程度のランチを食べてホテルに向かった
部屋に入ってコートを掛けると、ネックレスを外してカバンの内ポケットに仕舞う
早速だけど、シャワーしても、いいかな
「うん、なるべく早くね」
軽くキスをして、私の顔をじっと見る
「今日の未来さん、可愛い」
おんなじだよ
「優しい顔、してる」
クラゲに癒された、からね
もう一度キスして、お風呂に入った
出てくると、龍成が真っ裸でAVを見ている
私に気付いてテレビを消そうとした
いいよ、私も見たい
「え、じゃあ見ながら待ってて」
龍成がお風呂へ向かう
彼の物は少しだけ大きくなっていた
それを可愛く思いながら、バスタオルを取ってベッドに入る
シーツが冷たい
テレビの中では女の人が2人の男に弄ばれている
これ、した事ないなあ、別にしたくもないけど
大変そう、だな
あんまり興奮しない
それよりやっぱり女優さんの胸や乳輪が気になる
この子、若いのに形悪い、顔は可愛いのにな
乳輪も大きい、色はキレイ
冷静に分析していると龍成が隣に来た
「3Pだね」
大変そう、だよね
「俺は嫌」
私も、したいと思わないな
顔を近づけて今度は深く口付ける
テレビの中の行為より、リアルな感覚の方が何倍も興奮する
「未来さん、イヤらしい顔になったよ」
イヤらしい、気分、だからね
そう言って、彼を押し倒しながら彼の口内に舌を差し出すとキツく吸われた
アソコが、濡れてくるのがわかる
上に跨ってキスを続けながら龍成の物を右手で扱くとすぐにカチカチに固くなる
下から彼が私の胸を掴んだ
ん
合わせたままの唇から声が漏れる
両方の乳首を摘んでクリクリと愛撫され、どんどんアソコから溢れてくるのがわかる
唇を彼の物に移して、私のアソコを彼の顔の前に向けた
「もう溢れてきてるよ」
少し割れ目を開いて、撫でるように指が動く
期待でドキドキした
チュク
入り口を軽く吸われた
んん
彼を銜えているから、潜持った声になる
「未来さんどんどん出てきてるよ」
そう言いながら指を入れてくれる
気持ちいいけど、足りない
もっと、いっぱい、入れて
2本、3本、指が増えていく
「3本入ったよ」
ん、キツ、はぁ
キツいけど、濡れているから痛くはない
龍成の指はすらっと長いし3本までならギリギリ入る
「痛く、ない?指すごくキツいけど」
龍成の物を舐めながら、首を振った
ゆっくりと、指の出し入れが始まる
あ、龍成、すご、あ、あ
入り口は限界近く拡げられていて、そこは最高に気持ちいいけど、根元まで入らないから奥のいいところまで届かない
少しすると指を2本にして中を刺激してくれる
どちらも気持ちいい
龍成も興奮しているみたいで、彼の物から先走りが出ている
でも入れる前に1度イカせてくれるつもりらしい
私のいいところを指で激しく掻き回されて、アソコがキュウっと締まった
あ、イク、ああっ
龍成がそっと指を抜いて、アソコにキスしてくれた
はっ、あ、ああ
なんだか、いつもより、優しい
「未来さん、気持ちいい?」
うん、すごく、イイ
動きに合わせて答える
「俺も、すごく、いいよ、絡みついてくる」
や、んん
気持ちいい、イキたいけど、もっと感じていたい
龍成は私の髪にキスをして奥まで突き入れてくる
子宮口に当たって身体がビクッと震えた
「奥、当たってるね」
気持ち、いい、あ、奥、はぁ
「未来さん、もう、出そう」
や、だ、もっと、もっと、やぁ
「あ、ごめ、む、り」
ギュウっと抱きしめられて、奥で龍成が弾けた
「あー、くそ」
私の肩顔を埋めて唸る、息が粗い
やだって、言っちゃったな
ちょっと申し訳ない気持ちになったから、龍成の頭を抱き抱えて髪にキスをした
気持ち、よかったよ、龍成
「我慢出来なかったし」
大丈夫、気持ち、よかったから、もっと、って思っただけ
「未来さん」
もっと、出来る?
龍成が顔をあげた
気持ちいいから、いくらでも、欲しい
私の中でどんどん彼が復活するのがわかる
キスをしながら動きを再開した
「未来が欲しいなら、いくらでもするよ」
りゅ、せい、1回、ゴム変え、ないと
漏れるし、破れる原因にもなる
「あ、くそ」
硬いものを乱暴に引き抜かれて鳥肌がたった
ゴムを取り替えて、でもすぐに挿入せず、私を四つん這いにさせる
後ろから物ではなく指が入ってくる
グチュグチュとイヤらしい音がした
や、なんで指
「未来さんさっきは何回イった?」
え、に、2回?
指の動きが激しくて、腕をついていられなくなったから、顔をシーツに付けてお尻だけ高くあげた格好になる
脚がガクガク震えた
「未来さんのここ、気持ちよすぎて我慢できないんだ」
龍成、や、ゆっくり、して
「あ」
指の動きが止まった
「ごめん、未来さん」
指が引き抜かれて、身体を仰向きに戻される
龍成?
「ごめん、俺、また興奮して」
どうしたの、龍成
身体を起こして龍成の顔をのぞき込んだ
「俺も未来さんとずっと、もっとしていたい、でもすぐ出てしまうから」
「前の彼氏は違ったのかなって」
困った
何が言いたいのか、良く分からない
龍成は私の小説を読んでいないと言っていた
携帯ゲームはするけど、あまり活字は好きじゃないし、探し方がわからないと言う
本当かはわからないけど、別に読んでも、どちらでも構わない
ちょっと恥ずかしいけど、読まれて困るような事は書いてないから
でも、この感じでは、読んでないんだと思った
多分、龍成は自分が少し早いのを気にしている
私がいくらでも欲しがるから、不安になったみたいだった
どうしよう、私は龍成とのセックスは大好きだ
ちゃんと言ったほうが、いいかな
龍成、私、龍成のセックス、大好きだよ
私が、イヤらしいから、ごめんね、大好きだから、もっとって、思う
前の彼氏、とか、言わないで
今は、龍成だけ、だし、龍成と、セックスしたい
どうしよう、あんまり、上手く言えない
チュッとキスをした
龍成だけが、私を気持ちよく、出来るんだよ
伝わったかはわからないけど、龍成が顔をあげた
抱きしめられる
「未来」
激しい口付けを受けながら、押し倒されて同時に挿入された
びっくりしたけど、身体は喜んでいる
龍成、すごく気持ちイイよ
伝えたかったけど、喘ぎ声しか出せないから、彼の頭を引き寄せて抱きしめた
今度はいつも通りのセックスだったから、安心して感じることに集中出来た
ちゃんと感じるところを探すように突いてくれる
龍成、気持ち、いい
「俺も、気持ちいい」
クチュクチュと音がする
みんなこんな音するのだろうか
私が濡れすぎな気がする
龍成、私も、したい
体制を入れ換えて上から龍成を見下ろした
龍成、気持ちいい?
「すごくいい」
彼の物を奥まで飲み込むと龍成の体毛が私のアソコにザラザラ当たる
龍成が両腕を伸ばして乳首を押し潰すように指で捻った
「うお、すっごい締まる」
自分でもキュウキュウ締まるのがわかる
龍成、イキそう、もう、イク
「いいよ、イって」
乳首を思いっ切り引っ張られて、下から突き上げられる
ひあっ
脚が痙攣して、彼におおい被さった
顔を上げられ、のぞき込まれる
「イヤらしい顔」
私はイったばかりで息が上がっていたけど、龍成がキスしてきたから舌を出して、吸ってもらった
またアソコがピクっとした
「ピクピクしてる」
キス、気持ちいい
「未来は粘膜全部、感じるんだ」
あ、そう、かも
龍成が起き上がってきて、抱きしめられながら、アソコからの快感に喘いだ
「さっきは、ごめん、ヤキモチ、焼いた」
確かにそう聞こえたけど、頭が快感でふやけていたから、何のことだろうと思った
正上位で突き上げられて、最後は同時に絶頂を迎えた
「未来、好きだよ」
お風呂につかりながら、龍成はポツポツと自分の気持ちを話してくれた
「水族館、楽しかった」
うん、楽しかった
「俺、そんな資格ないって、わかってる」
資格?
「ヤキモチ、焼く資格」
ヤキモチ?
「未来さんの前の彼氏たちに」
「今日、水族館で素の未来さんを見れたけど
」
「他の男はもっと、見てるんだなと、ふと思っちゃって」
「そうしたら、ほかの男はどんな風に抱いたんだろうとか、余計な事、考えた」
「そんな立場じゃないのにな」
ちょっと意外な事だったから、考えて自分の気持ちを伝えた
確かに、龍成は、彼じゃないから、他の人とは、比べて欲しくない
でも、この関係を、選んだのは私だし、誰でもいい、訳じゃないよ
龍成は、結婚、しているから、恋愛は、しないけど、龍成の、セックスは、大好き
疑うなら、小説、読んだらいいよ
「でも、過去の事も書いてるんでしょ、余計にヤキモチ焼きそうだから、やめとく」
「俺、4年ぶりだからかもしれないけど、未来さんとするようになって早くなった」
ふふっ
笑ってしまった
「何、可笑しい?」
ううん、本当なら、嬉しい、私もイクの早いし、気にしないで
巧のセリフを思い出したけど内緒にした
「未来さん、また出かけたい」
仕事と、家に、支障の無い程度、ならね
「わかってるよ」
無理は、駄目だよ
「うん、我慢する」
私は、セックスは我慢、出来ないけどね
「それは俺もだよ、本当はもっと会いたい、未来さんで毎日抜いてるんだよ」
毎日は、ないでしょ
「でも、ほぼ毎日だよ」
元気だね、私は今くらいのペースでいいよ
「言うと思った」
お風呂を出て帰り支度をした
龍成はスーツを着ている
また、会おうね
最後に長いキスをすると、せっかくキレイにしたのにまたアソコが熱くなるのがわかった
家に帰る車の中で、さっきまでの事を思い出していた
まさか龍成が、既婚者が、セフレにヤキモチ焼くなんて思ってなかった
でも多分、ヤキモチじゃなくて雄の独占欲みたいな物だろうと思う
だったら今現在、奥さんのいる自分はどうなんだと、言ったら良かったのかもしれないけど、私は気にならないから、言えなかった
本人もわかってたみたいだし
正直ちょっと面倒だなと思ったのが半分、可愛いと嬉しかったのも半分
今回は見逃すことにしよう
水族館、楽しかったし
上から目線で、結論を出すと家に着いたのでお風呂の用意をした
湯船につかりながら、少しだけレスをしていたら龍成からメールが届いた
いつもの中身のないものとは違って長いメール
私的に解釈すると
今日の事は本当に反省している
家の駐車場に着いて、自分がどういう立場か改めて実感した
立場をわきまえて、踏み込み過ぎないようにする
でも、セックスはもちろんだけど、また出かけたりもしたい
そんな感じの内容
龍成は擬似恋愛したいのかな、と思った
私は、セックスが良くて、水族館も楽しかったから、今の関係でいいのなら全然構わない
私も、自分の事ばっかりでごめんね、水族館、すごく楽しかった
と返信した
次の日の朝
おはよう(*^ω^*)
昨日はメール返せなくてごめん!
次はいつ会えるのかなぁ( ˘•ω•˘ ).。O
いつも通りのメールが届いていた
龍成と初めてセックスしてからもうすぐ1ヶ月、会ったのは5回
今はセックスに夢中でも、すぐに落ち着くだろう
気ままな一人暮らしを満喫しているけど、私一人の力ではない事はわかっている
真由美みたいに自分で稼いで自立している訳じゃない
全て曽祖父と見知らぬ叔父さんのおかげ
あのお金がなかったら、こうしてフラフラとフリーターなんてしていられない
もちろん凄く感謝している
でもだからといって、どうせ私はなんて悲観したりもしてはいない
運も実力のうち
ちょっと違うかもしれないけど、そんなところだと思う
例えば、資産家の家に生まれた人はそれだけでラッキーだ
美人や男前に生まれた人もそう
それと同じ、ラッキーなんだと思っている
男運がない代わりかもしれないけど全然構わない
叔父さんの時は弟が家を建てたりしたから、仲のいい友人は相続の事を知っている
「そんな事って本当にあるんだね、羨ましい」
と梨花がみんなに言いふらした
マンションのローンがなくなって、車も買った
真由美に勧められて、ジェルネイルの資格も取った
後は電化製品を買い換えるときや、2代目の車のために置いてある
曽祖父の件は真由美しか知らない
私の老後を本気で心配してくれていたから
実はね
と打ち明けた
「なら将来、一緒に老人ホーム入ろうか」
いいね、それ、真由美は結婚、しないの
「結婚なんてメリットないよ、みんな何でするんだろうね」
普通、するんじゃないの、真由美みたいに、稼いでないし
「私は自分で稼いだお金は自分の為に使いたいから、結婚は無理だよ」
社長さんだもんね
「彼氏は常に必要だけどね」
真由美の彼氏
初めての彼氏は、暁
今思い出してもあの時はショックだった
スキー学習の夜、私は部屋を抜け出して梨花の部屋に行った
みんなでその部屋に集まる約束で、元々その部屋でいるはずの子達もそれぞれ好きな部屋に散っている
先生が決めた部屋割りなんてなんの意味もない
「暁と付き合う」
真由美が宣言した瞬間
ギャー!と悲鳴?が上がって梨花もさくらもちいちゃんも
「何で」「何時から」「どっちから」と騒ぎ立てた
「うるさい、久保(先生)に見つかるよ」
驚かれるのは想定内なのか真由美は冷静だ
私は、軽くパニックだった
頭の中で
え、付き合うって?真由美が?暁と!?
付き合うってことは、デートしたり、キスしたり、するって事!?
何で暁なのー!?
思うだけで一言も言葉は出ない
この時の私は自分の体毛の事ばっかり気にしていて、男子になんてこれっぽっちも興味が無かったし、キスの先がある事は何となく知っていたけど、具体的な行為の内容も知らなかった
暁がいう
「未来はお子ちゃまだからな」
は正しかった
「1年の時から好きだったんだ」
真由美は恥ずかしそうに、でも嬉しそうに話す
「あんたたちには隠しておけるもんじゃ無いからな」
「じゃあ真由美が告ったの?」
梨花は興味深々でノリノリだ
「そう、昨日、帰りに」
「えー!暁かあ、意外だなぁ」
盛り上がっている中、何も言えない私に
「未来、どうしたの、まさかあんた暁のこと好きだったの!?」
と、ちいちゃんが聞いてくれる
違うよ、びっくりして、だって
「だって?」
真由美、暁とキスしたりするの?
なぜだか大爆笑された
「あんた背だけ伸びて中身は変わんないな」
真由美が可笑しそうに言うけど、意味がわからない
「いいの、未来はこれで」
さくらも暁と同じ事をいう
「夏にニョキニョキ伸びたとき、ショック受けてた子は多かったね」
「そうそう男女共」
なんでよ、成長期だからそりゃあ伸びるよ
当時の私は今みたいな人見知りもなく、違うクラスにも結構友達が沢山いた
この人見知りには離婚後気付いた、元旦那の影響なのか、単に大人になったのかはわからない
「2学期、未来見たみんなさー」
「未来が未来じゃなくなった!って」
思い出して笑う
確かに騒がれたけど、そんな笑うことないじゃん
「未来ファンにはショックだったんだよ」
ファン?
私のことを嫌いな子が多いのは知っていた
でもそれと同じくらい仲のいい子もいたから気にならなかったけど、ファンってなに?
「未来、子供みたいだけど、性別不明っぽくて目立つから密かにファンいたんだよ」
その時、初めて知った
だからといって何も感じなかったけど
性別不明、はよく言われていたし
そんなことより
今は、真由美の話!暁なんて嫌だー
「未来は暁のこと、苦手だから」
「あー、そうか、そう言えばそうだな」
真由美、モテるのに、なんであんなの選ぶのー
言ってて本気で悲しくなった
「よしよし、真由美、取られてないよー」
梨花が頭を撫でてくれる
「キスだけじゃ済まないかもしれないけどな」
さくらはこの時、もう経験済みだった
「さくら、やめてよ!」
さすがの真由美も少しテレていた
その後はみんなが真由美に
「暁のどこがいいのか」
「なんて言って告白したのか」
「暁はなんてオッケーしたのか」
質問攻めだった
私は暁の、いつもの私をからかう時の顔を思い出して腹を立てていた
あんな奴、真由美に似合わない
「未来、気持ちはわかるけど、両想いになったんだから喜んでやったら」
梨花〜
梨花の胸に顔を埋めた
ぽよん
と、すっごく気持ちいい感触にびっくりして顔をあげる
梨花の胸、すっごい気持ちいい
「なんだそれ」
真由美は呆れたけど、ちいちゃんが
「そうそう、さっきお風呂で見たけど、梨花の胸、すっごいよ」
同じクラスでお風呂も一緒だったちいちゃんがバラした
「やめてよ、勝手に大きくなるんだから、知らないよ」
ええ、なんて羨ましい
「未来は今のままでいいから、てかむしろ背、前に戻って欲しい」
何それ、私だって背もまだ伸びてるし、胸だってまだまだ成長するよ
「それは、難しいと思うよ」
真由美に言われてショックを受ける
そんなの、わからないじゃん
「いや、もう体型が違うから」
「未来は少女、いや少年体型だから」
「あ、それピッタリ」
何よそれ、酷くない
「背が伸びちゃって、流石に男の子には見えないけど、前の未来は性別不明っていうか」
「性別なんてないんじゃない?ってかんじだった」
「それわかる!どっちにも見えた」
わかんない
そんな事ってあるんだろうか
でも中1位までは親戚のオバチャンにも
「上の子は女の子、よね?」とか聞かれたことがある
昔の写真を見ても自分の事だからわからない
謎はナゾのまま
さくらはこの時、高校生と付き合っていて、確か夏くらいに初体験を済ませていた
そういう事に興味津々な年頃だから、どうしても話はそっちに向かう
特に彼氏が出来た真由美は真剣だった
「どうなの、やっぱり初めは痛い?」
「うん、かなり個人差あるみたいだけど、私は我慢できるくらいだった」
「血ってホントに出るの?」
「少し、生理の時みたいには出ないよ」
痛い?
何となく、性交の事を言っているのだという事しかわからない
生理の時、も知らないし
とりあえず、話の腰を折らないように黙って聞く
「付き合ってどれくらいでしたの?」
「7ヶ月くらいかな」
「どこで」
「彼の家、ってもういいよ恥ずい」
さくらも自分の事を話すのは照れるらしく、話を打ち切ろうとした
その時、普段大人しいちいちゃんが
「私も、もうすぐかも」
みんなビックリして、また悲鳴が飛び交った
見回りの先生にバレると部屋に返されるから、慌ててトーンを落とす
ちいちゃんは滅多に自分の事を話さない
ケンカの時は主戦力だけど、普段はもっぱら聞き役
ちいちゃんに彼がいる事も初めて知った
高校生のふた従兄弟だという
後にちいちゃんの旦那さんになるのもこの人
ちいちゃんは一途な女だった
普段は話さないちいちゃん
でもその時は違った
ずっと幼なじみみたいに育ってきた、ふた従兄弟といつの頃からかキスをするようになった事
好きだと言われて、ふた従兄弟って結婚出来るのかなって思った事
最近はキスだけじゃなくて色々するけど、怖くてまだ最後まではしていない事を話した
みんなヤンキーで大人には反抗しても、やっぱり初めての事は不安だし怖い
さくらの話を聞いて、相談したくなったと言う
いつもみんなのお姉さん的なちいちゃん
どちらかというと、梨花やさくらみたいにお洒落に興味もなくて、そんな風に付き合ってるなんて思わなかった
そっか、みんな、好きな人とか彼氏とかいるんだ
大人しく話を聞いているけど、半分くらいしかわからないから眠くなってきた
「あれ、未来寝そうなんじゃないの」
真由美に見つかった
だって、話わからないし、いつもは寝てる時間だもん
「ごめん、じゃあ未来にもわかるように」
さくらがそう言って、セックスの事を事細かに教えてくれた
無理やり
いくら聞いても、男の子のアソコが硬くなるとか想像できないし、何よりそれを体内に入れると聞いて嫌悪した
何それ、嘘ついてるんじゃないの
だって信じられない、保健の授業、寝ないで聞いておけばよかった
言い表せない程のショックを受けて、男子が気持ち悪く思えてくる
それから高校生になって、初めての子に出会うまで、ずっと男子が苦手になった
大人はみんなそんな事するんだ
しばらく立ち直れなかった
3年生になって1年に弟の圭一が入学してきた
弟は小さくて、色素が薄くて女の子が学ランを着てるみたいだった
この時は弟がオッサンみたいになって、姉弟逆に見えるようになるなんて想像もしていない
もちろん女友達は家に遊びに来ていたから圭一を知っていて
「あ!あそこにいる、可愛い」
「学ランが似合わなすぎて可愛い!」
「「天使」」
初めて弟を見たみんなは散々騒いだ後、ハーフみたい、天使みたい、女の子みたいと褒めちぎった
でも姉から見ても確かに可愛かった
テレビの子役も目じゃないし、弟を見た高校生くらいのお姉さんが
「きゃー可愛い」
と立ち止まる程、今なら写メを撮られる勢いだったりした
ただし、女の子にしかみえない
遠縁で母の子供は男女一人づつとしか知らない人は必ず間違えた
消去法で私が男の子という事になるんだけど、誰も変には思わない
つまり兄妹に見えているらしかった
「え、逆なの」
「可哀想に」
言われ慣れていた
子供だから意味がわからないとでも思っているのか
でも私はしっかりわかっていた
弟の方が色が白くて目がパッチリでハーフみたい、お姉ちゃんと逆だったらよかったのに、の
「可哀想に」
どうせ地味な顔だし、弟より可愛い子なんていない、少なくともこんな田舎では
弟といなくても、たまに女の子?と聞かれた
赤ちゃんはどっちかわからない時があるけど、みんなどれくらいで間違われなくなるんだろう
私は中学に上がって制服を来てから、言われなくなった
中学で柔道部に入った弟は、小さい外見の割には練習には付いていけていた
道場にはずっと通っているから体力はそれなりにある
同じ道場の先輩もいるから部活は問題ない
問題なのは同級生だった
私がその事を知ったのは弟のクラスの女子が私にチクリに来てくれたから
彼女らは同じ小学校出身で私の事も知っていたし、弟と仲が良かった子達
そんなに深刻ではないけど、女みたいだとかオカマとかからかわれたりしている、と
女子が庇うと、余計に酷くなるのだと言う
聞いて凄く腹が立った
自慢じゃないけど当時の私はかなりのブラコンで、女の子みたいで気の弱い弟を護るのが自分の使命だと思っていた
どうしよう、クラスに乗り込んで行くのは簡単だけど、多分圭一が嫌がる
考えた末に私は、1年の廊下で偶然を装って圭一に話しかけ、私の弟に何かしたら覚えとけよオーラ、を出してあたりを威嚇するという計画を立てた
わざと圭一のカバンから水筒を抜き取り、忘れ物として届けに行った
隣のクラスのちいちゃんと梨花にもついて来てもらう
1年のヤンキー女子は2人の事を知っているだろうから、私一人で行くよりは遥かに効果的だろうと企んだ
馬鹿らしいけど中学生なんてそんなもので、効果は的面だった
わたし達と暁たちが仲が良かったのが大きかったらしい
暁は嫌いだし仲良しじゃなかったけど、この時は役立った
3年のクラス替え、ちいちゃんと梨花は2年に続いて同じクラス
後はバラバラになった
私はガチのヤンキーじゃないから、毎日学校に行くし授業も滅多にサボらない
スカートは短いけど基本ケンカにも参加しないから、普通にクラスに馴染める
でも影で
「ヤンキーでもないくせにさくらと仲がいいからイキってる」
と必ずいうグループはいた
気にしたことはないけど
私は佐和、明日香、志穂の4人グループになった
佐和は頭がいいけどガリ勉タイプじゃなくて優しい
明日香と志穂は今でいうギャル系、志穂はさくら達と同小出身で、私も同じクラスになる前から仲が良かった
明日香と志穂の興味はお洒落と彼氏
最上級生になって多少派手にしても呼び出されなくなったから、髪の色を抜きたいという
「脱色したら金髪になるかな、金髪はヤバイよね」
「あんまり目立ちすぎるのもなぁ、コーラで洗ったらいいって本当かな」
「何それ初耳」
「未来は地毛だよね、いいなあ」
良くないよ、1年の時2回呼び出された、くせ毛だし
私はストレートでつやつやの2人の髪が羨ましい、人間基本、無い物ねだりなのかも
「そう言えば、1年の未来の弟、もっと茶色いよね」
あれは色素薄いんだよ、目も薄茶だよ
「女子みたいだよね」
「1年の未来、思い出す」
え、似てないでしょ
「「似てるよ」」
どこが!?
初めて言われてビックリした
わたし達姉弟は似ていない、と思う
私は父似で弟は母
当時は2人ともガリガリで体型に違いは無かったけど、顔立ちは全然違うと思う
私は親戚に「可哀想に」と言われて育ったことを話した
「それは酷いね、子供舐めてるね」
「確かに比べられたくないよね、特にあんな可愛いのと」
やっぱり、可愛いよね、自分の弟の事だけど
「可愛い、白人混ざってないなんて信じられない」
「でも、似てるよ、顔じゃなくて雰囲気?」
雰囲気?
「なんていうか、作り物ぽい」
「あ、何となくわかる、人形ぽい」
何それ、わかんないよ
「未来は背が伸びて女の子になったけど、チビの時はどっちにも見えた」
それ、たまに言われるけど、意味分からない
「弟君もそうだよ、一見女の子みたいだけどよく見るとあれ?どっち?って思う」
「でも未来は逆だったよね」
「そう、一見男の子だった」
もういいよ、今は見えないだろ
1年の時は髪の色で3年に呼び出されるからショートにしていたけど、今はロングヘア
胸もお尻もガリガリだけど、手足が長くなって男の“子”ではなくなったし、周りの男子は筋肉がついて男性らしい体つきになっているから全然違う
小学生の時とは変わっている
男子が男性ぽくなって、女子が女性になる
そんな成長期、生理も来ないし毛も生えていない
憂鬱だった
3年には中学校で最大行事の修学旅行がある
スキー学習以上に憂鬱だった
身体の事は当然だけど、駆け込みでカップルになろうと周りは必死になっている
煽りをくらって3回告られた
そんなので付き合う訳ないじゃん
佐和に愚痴った
明日香も志穂も聞いてくれない
「付き合えばいいじゃん」
で終わり
志穂は少し前から彼氏がいるし、明日香は好きな人がいるから修学旅行までに告白したいと気合が入っている
修学旅行、カップルで回りたいからってさ
「未来の事、本気な子もいるんじゃないの」
知らない、だってそんなに喋った事もないのに、好きとか言われても無理
それに私なんかと付き合いたいって、変わってるよ
「どうして、そう思うの」
胸もペタンコだし、口は悪いし、女っぽくないし、可愛くないし、私が男だったら私なんか絶対嫌だ
「未来、梨花ちゃんの胸、大好きだもんね」
佐和が思い出し笑いをしながら言う
私は自分にない感触が病みつきになってちょこちょこ梨花の胸を触っていた
梨花は呆れて好きなようにさせてくれている
「肩こるし、男子にはからかわれるし、いい事ばっかりじゃないんだよ」
と巨乳の悩みを教えてくれるけど、替れるものなら喜んで替わるのにと思う
「未来は可愛いよ、充分」
佐和は優しく言ってくれた
「未来がそんなに自信ないのは、小さい時から弟と比べられてたから?」
それは梨花や真由美にも言われたことがある
自分では考えた事もないけど、周りがそう思うのならそうかも知れない
でも小さい時、弟の方が数段可愛かったのは事実だし自慢だったから、嫌だと思ったことは一度も無かったけど
「未来だって、二重だし髪も茶色でふわっとしていて、可愛いと思うよ」
佐和は賢そうな顔立ちだけど、美人ではない
よく「贅沢だよ」と言われた
でも、やっぱり
私なら、こんな子供みたいな身体の女とエッチしたいと思わない
「付き合うって、それだけじゃないでしょ」
男子の目標はそれだって
「ま、そうかもだけど、気にしすぎだし、未来が嫌なら断ったらいいよ」
うん、そうする、自由時間、一緒に回ろうね
「そうだね、独り者集めて回ろう、お風呂も一緒に入ろうね」
お風呂
そうだ、そっちも問題なんだった
佐和、ブラジャー付けてる?
小声で聞いてみた
「え?付けてるよ一応、どうして」
や、だって私まだ付けてない
「下着、何着てるの」
キャミソール、とパンツ
「スポーツブラとかつけたら」
先っぽ、余る
「えー、っと、そんなに、無い?」
うちの学校はブレザーだし、体操服は身長にあわせて買ってあるから横はブカブカしていて、偶然だけど体型を隠せていた
私は佐和の手を引っ張ってブレザーの中に入れて胸の上にあてた
「想像以上だね」
感心したように佐和が言った
だから言ってんじゃん、わかった?
言い返してやった
さて、仲のいい子で1番スレンダーな佐和でもブラを付けているとわかって、事は深刻になった
昼休み、真由美と梨花に相談する
修学旅行用に新しい下着欲しいけど、何買ったらいいのかわからない
「ブラでもカップの分厚いのなら大丈夫なんじゃないの」
「それなら凹んだりしないと思うよ」
そうかなぁ
「私もカバン買いたいし、一緒に買いに行く?」
え、いいの
「じゃあ私も行く、色々欲しい物あるし」
3人で街まで買い物に行くことになって、少し気分も浮上した
そう言えば少し前のG.W.位に真由美と暁は別れていた
理由は「思っていたのと違う」から
真由美いわく
「グループでいる時はリーダーぽくて頼りになると思っていたのに、2人で出かけたら優柔不断で、めっちゃ頼りない」
という事らしい
3ヶ月程の交際期間だった
それを聞いた後、暁を見た私はザマアミロと思ったけど、暁は前と変わらなかったし真由美もそれは同じで、また前の仲間に戻った
ちなみにキスはしたらしい
次の日曜日、街まで出かけた
私は母に、修学旅行の買い物がしたいと言って、5万円もらった
母は私には興味がないからいつも言い値をくれる
それをちょっとずつ貯めていて、結構な額のへそくりになっていた
買い物に行くと言っても「誰と」とも「どこに」とも聞かれない
「いくら要るの」
それだけ
初めは2.3万と言おうとしたけど上乗せた
3人で街に出て、カバンやタオル、部屋着のTシャツなんかを見て回った
下着専門店なんて初めて入る
メーカーショップじゃなくて若者向けのところだからティーン向けの物もたくさん置いてあった
「未来、これとかどう」
「あ、それならカップ余っててもわからないしいいんじゃない」
良く分からないけどウレタンぽい分厚いカップでノンワイヤー、確かにこれなら誤魔化せるし胸も大きく見えるかも
「ご試着なさいますかぁ?」
お姉さんが聞いてくる
試着!?
「「はい」」
有無を言わさず中に連れ込まれた
お姉さんに教えてもらって何とか付けて鏡を見てみる
おお、なんか、いいかも
フルカップタイプでカップの中は余ってるけど、肩紐を調整したら浮いたりもしないし何より胸があるように見える
カーテンの隙間から顔だけ出して
真由美、梨花、ちょっと見て
2人はニヤニヤしながらのぞき込んできた
「あ、いいじゃん」
「うん、不自然じゃないし、上げ底もわからないよ」
上げ底、確かにそうなんだけど
2人は家に泊まりに来た時、一緒にお風呂に入ったりするから私の体型は知っている
じゃあ、これ買おうかな
同じタイプで柄違いとレースが付いているタイプの3セットを買った
カバンは結局3人でおソロにして、キーホルダーや飾りで変化を付けることにする
ちょっと休憩とケーキ屋さんに入ってケーキセットを食べた
「結構買ったね」
「でもこれで準備もオッケー、修学旅行なんてダルイと思ってたけどちょっと楽しみかも」
私も同感だった
修学旅行は普通に楽しかった
お風呂はクラスごと、2班に分かれて入る
ブラの事を相談していた佐和は
「いいの買ったじゃん」
と新しい下着を褒めてくれた
少しポッチャリの明日香が私の裸を見て
「未来、想像以上にキレイな身体じゃん!」
と大きな声を出したので、みんなの視線が集中した
やめてよ、変なこというの!
「でも本当だよ、胸はまああれだけど、手足なっがいし思ってたよりガリガリじゃない」
やめてったら、怒るよ
グループ以外の子からも見られてホントに泣きそうなくらい恥ずかしい
「小さい時から合気道してるから、キレイに筋肉がついてるんだよね」
佐和が助け舟を出してくれた
「そうそう!そう言いたかったの!薄い身体に筋肉がちゃんとついててガリガリじゃない」
「彫刻みたい」
志穂がボソッと言った
みんな「それわかる!」「羨ましい」とか口々に褒めてくれたけど、私はみんなの普通に柔らかそうな胸がある女の子っぽい身体の方がいい
「もういいじゃん、早く出ないとB班の時間になるよ」
佐和のおかげて助かった
「未来、大丈夫?」
後で声をかけてくれたのは志穂
1年の時から仲良しだから、私のコンプレックスを知っている
「でも本当に恰好いいよ、未来」
私は普通で男子から需要がある女の子っぽい身体の方がいいよ
「男子、興味ないくせに」
これから先の事もあるじゃん
「未来が彼氏とイチャイチャするの、想像できないなぁ」
イチャイチャ、はしないかも
まさかこの先、自分がセックス大好きの淫乱になるなんて思ってもいない
二日目の自由時間、ちょっとした事件が起こる
女子グループに呼び出された
2年の時、揉めたグループだった
肋骨の奴もいる、何だろう今頃仕返しか?
一緒にいた子たちが心配してくれたけど、すぐ終わると言うので先のお土産屋で待っててもらうことにした
何の用
「あんた、高沢くんに告られて断ったって本当?」
高沢、ああうん、だから何
「今は男子に興味ないって言ったんだって?」
うん
何なのこいつら、早くみんなのとこ戻りたいのに
「そんな言い方したら高沢くん諦めないじゃん、ちゃんと付き合う気ないって言えよ」
はぁ!?意味わかんない何なの
「この子が高沢くんに告白したけど、まだあんたのこと好きだって言われたんだよ、あんたがちゃんと断らないからだろ!」
知らない、馬鹿じゃないの、関係ないだろ
「ちゃんとしろって言ってるんだよ」
いい加減にしろよ
本気でムカついた、殴っていいかな
何が言いたいのかわかんないけど、高沢に言えばいいんじゃないの!?それとも私が責任とって高沢と付き合ったら諦めんのか!?
そんなんだから男に相手にされないんだよ、このブス!!
言うだけ言って立ち去ろうとしたら後ろから手を掴まれたけど、反射的に振り払って睨みつけた
しつこいよ、やんのか
もう一度かかってきたら投げてやろうと思ったけど、やらなくて済んだ
さくらがケンカの時、啖呵切るのを真似て見たけど効果あったみたいだ
スッとしてみんなのいる店に走っていった
みんなに追いついて謝った
「大丈夫だった?」
「何だったの?」
え、とね、男を振るときに、今は興味ないって言ったらダメだって、ちゃんと断れってさ
「は?何それ」
知らない、みんなお土産買った?
「ちょっとね、他の店も見たいし、未来は?」
私は大して買うものないから大丈夫、次に行こうか
一応、家にお菓子と弟にキーホルダーを買った
母にお小遣い1万円貰っていたけど、そんなにいらない
本当は3千円と決まっているし
その日の夜はまた梨花とちいちゃんのクラスに紛れ込んだ
真由美も混ざっている
私が例の奴らに絡まれている時、真由美はクラスの男子に告白されていたらしい
同じ自由時間の筈なのに私とは雲泥の差だ
「とりあえず付き合う」
とりあえずって何!?
「だって、付き合ってみないと、どんな奴かわかんないし」
「それは前の事を言ってるの?」
「前の奴のことだね」
「まあ終わった事は仕方ないとして、付き合ってみないと何もわからないって思ったからさ」
でも、好みじゃなかったら、無理だよね
「そりゃ、まあ、そうだね」
「真由美はモテるからなぁ」
「さくらもちいちゃんも彼氏いるじゃん」
そう言えば、梨花は?
「いない、未来仲間だねー」
仲間ー
そう言って梨花に抱きついて胸の感触を堪能する
「梨花も未来もその気になったらすぐ出来るだろ」
その気になんか、ならない
「何時かはなるって」
その何時かは確かに来るけど、まだもう少し先の事
龍成とセックスするようになって1ヶ月がたった
する為に会ったのは5回
龍成からは毎日何回もメールが届く
朝「おはよう」から始まって「お休み」まで
一応朝晩は返信する
その他にも「〜した」「〜食べた」「仕事忙しい」「残業」
くだらない事ばかりだけど、それを読むのが私の日課になった
たまに「何してるの」「何食べた?」とか返事を求める内容の時もあるから、その時は返信するようにしている
水曜日、水族館に行ってからもメールは変わらずに来るけど「電話していい?」というのが増えた
私は一人暮らしだから仕事中でなければ大丈夫だけど、あんたは大丈夫なのかと言いたい
そんなに長電話はしないけど、少しその日の事や次の予定なんかを話す
私が休みの日にはお昼休みに電話してくるから、お昼何食べたの?って聞くと嬉しそうに話してくれる
龍成は顔は可愛くて若く見えるのに、声は低くて落ち着いた感じ
その声で子供みたいな事を言うのが面白いと思う
あんまり代休ばっかり取るわけにもいかないから、当分は夜だけになりそう
龍成は土曜日に子供を実家に連れていくから会いたいと言うけど、何となく嫌だ
「前から預けてパチスロ行ってるんだから大丈夫だよ」
でも、私も土曜日ほとんど仕事だし、また代休取れる時でいいよ
夜、残業ない時に会おう
「多分水曜日、木曜日くらいはないと思う」
水曜日、私も3時までだから、その日にする?
龍成と次の約束をすると凄く嬉しそうに
「やっぱり最低でも週一では会いたいよね」
と言うけれど、どうなんだろう
龍成が言うには、以前から休みの日は子供を見る代わりに、平日は結構好きにしているらしい
フットサルをしていて、実は奴とはそこ繋がりだった
練習が週2であるから残業などで行けないとき以外は行っているし、その仲間や、会社関係などとも飲みに行くから平日はたまに早く帰る程度
家で晩ご飯を食べるのは週末以外で2.3回あればいい方だと言う
仕事柄、平日同じ時間に帰るのが難しいから、代わりに休みの日は子供を見るというルールになったそうだ
日曜日は奥さんの休日だから、家事もお休みで、ご飯は外食かどちらかの実家
全部奥さんの決めた事だから大丈夫なんだと、だからもっと会いたいと龍成は言うけど、鵜呑みにはしないし私は今のままで充分だと思っている
残りの日はフットサルに行けばいいのに
私は本当は火曜日休みだけど、教室に行きたいから水曜日にした
火曜日は龍成も仕事がわからないみたいだから丁度よかったけど、もし火曜日と言われていたら断っていたと思う
龍成は可愛くてセックスは気持ちいいけど、今までの生活は変えられない
龍成は4年ぶりのセックスに夢中なのだと思うのだけど、私だって3年以上ご無沙汰だった
そこはやっぱり男女の違いなんだろうか
いつまで続くかわからない関係だけど、無理はしたくないし、して欲しくない
昨日仕事が終わると真由美からラインが来ていた
旅行に行きたい言うから、2泊3日くらいならと答える
「もう一泊追加して海外行こうよ」
海外、苦手だよ
「知ってるけど、グァムとかでいいから」
今、海外怖いよ、テロとか、彼氏と行かないの?
「旅行は女同士の方が楽しいだろ」
うん、それはそうだけど、国内がいい
「例えばどこ」
京都、大阪とか
「USJ行きたいんだろ」
へへ
「それもいいけど、もっと暖かくならないと無理」
確かにね、グァムはいつでも暑いけどね
「またご飯でも食べながら、本気で相談しようよ」
了解
「そう言えば」
何?
「バレンタイン誰にあげたの」
義理チョコだよ
「今まであんたが義理チョコあげるなんて聞いたことないよ」
困った、さすがに付き合い長いと嘘つくのも簡単じゃない
私と真由美は基本ラインで会話する
理由は真由美が長電話なのと、ラインだとテレビを見たりご飯を食べながら出来るから
お互い一人暮らしで自分のペースを守りたいからこのアプリは重宝している
しばらく放置していたら
「白状しな」
怖いよ真由美
前にも一度、龍成との事を真由美に言おうか迷ったけど、とりあえず
セフレに、あげました
ちょっとだけ白状した
「セフレ!?何それ」
色々ありまして、需要と供給というか、お互いに処理しています
「聞いてないよ、そんなの!何時から?てかなんで丁寧語?」
そっとしておいてもらえませんか
「無理!」
電話が鳴った、やっぱり話してしまおう
「セフレって何!?何でそんなことになってるの?」
もしもし、隠しとくのも面倒だし、白状するけど、誰にも言わないでよ
「なんでセフレなの、彼氏じゃなくて」
彼氏は、諦めた、真由美みたいに上手く、距離おいて付き合えないから
「結婚て言われるのが嫌だからって事?」
そう、はじめはみんな、納得して付き合っても、結局結婚とか、一緒に住みたいって、言うから
「私も言われる事あるけど、断ればいいじゃん」
そしたら、別れないと、相手にも、悪いし
「また次探したらいい事だろ」
それがもう、面倒くさい、でも、セックスはしたい
「あーまあ、あんたがそれでいいならいいけど、相手は納得してるの」
相手
「付き合いたいとか言い出したりしないの?」
それは大丈夫
「何で」
結婚、してるから
「相手が?」
うん
言ってしまった
奥さんに許可もらってる事も言った方がいいかな、聞かれたら言おうか
「不倫」
そうです
「あんたらしいと言えばそうなんだけど、それでいいの?」
今のところは、快適です
「そうなんだ、で」
で?
「誰なの、相手、私の知ってる奴?」
う、ん多分
「もしかして、暁の後輩のあいつ!?」
本気でビックリした
何でわかったんだろう!?そりゃあ真由美と違って行動範囲狭いけど、そんなにあからさまだった?
何で、わかったの
「だって去年おっちゃんの店で会った時、未来の事かわいーって言ってたもん、あいつ」
またまたビックリした
白状してるはずのこっちが驚くってどういうことなんだろう
「そうか、あいつね、確かに未来の好みだよね、顔」
まあね、顔はね、でも、やっぱり不倫だし、迷ったけど
「ま、不倫だってわかっててするんなら、私は何も言わないよ、それにあいつ嫁と出来ないんだろ」
それも知ってるんだ
「あの時、あいつ結構酔っ払ってて、自分は嫁としてない、外でしてこいって言われるって言ってきたから、ソープ行けよって言ってやったんだ」
それ、私も言った
「そしたら、俺風俗なんて行きたくない、金もないけど、知らない人となんて嫌って」
言ってたね
「未来さん、真由美さん仲良しでしょ、可愛いよね、俺未来さんがいいなぁって」
それは知らない
「酔っ払ってたからね、私も適当に聞いていたんだけど、本気だったんだね」
奥さんもいいって言うなら、いいかなぁ、と思ったんだけど
「それが確かならいいんじゃない、嫁の自業自得だし、セックスしないなんて結婚してる意味ないじゃん」
でもね
私は掲示板に相談した時、反対意見の方が多かった事、なぜ離婚しないで付き合うのかとか、慰謝料の事とかを責められたと話した
「そんなところで相談するのなら私に言ってくれれば良かったのに」
ごめん、でもやっぱり友達の不倫の話なんて、嫌じゃないかな、とか、おっちゃんの店とかで、一緒になったら気まずいかなと思ったら、言えなかったんだ
「とりあえず、慰謝料はいらないだろ、嫁がいいって言ってんだから」
だよね、私もそう言い返したよ
「まあ事情はわかったよ、それでどうなの」
どう?
「不倫してまでのセックスは、どうなの」
セックス、はいいよ、はじめは一回試して、良くなかったら、やめとこうって、思ったんだけど
「良かったんだ」
うん
「いつからなの」
一月の、終わり
「そっか、まあいいんじゃない、結構男前だしね、それよりまた月曜日おっちゃんとこ行く?」
うん多分
「じゃあ私も行くよ、その時、旅行の相談しようよ」
わかった、でも真由美
「ん?」
もしあの子来てても、わたし達の関係は、知らんふり、してね
「わかってるって、それより、もし何かあったらこれからはちゃんと相談しなよ」
わかった、ありがとう、じゃあね早速なんだけど
私は、龍成がもっと会いたいと言うことや、デートぽいことをしたがることを話した
「未来がしたいんなら、いいんじゃないの」
やっぱり、真由美はそう言うと思った
「未来はどうして迷うの」
セフレ、だからセックスだけで、いいかな、って思うし、奥さんが許してるのも、それだけじゃないのかなって
でも、水族館、楽しかったから
「奥さんに罪悪感とか、あるの」
それはない、でも、どこで線引きすればいいのか、わからない
「そんなのあんた達2人で決めたらいいじゃん、行きたいところある時は行ったら?」
うん、今はそれでいいかな、と思ってる、どうせ休み合わないし、そんなには出かけられないからね
「未来は、好きになったりしないの、あいつの事」
そんなの正直わからない、でももしなっても、結婚するわけじゃないし
先の事なんて、誰にもわからない
とりあえず、月曜日は仕事が終わったらおっちゃんとこに行こうと、電話を切った
真由美に話して、少し気が楽になった
これからは何かあっても相談できると思うと気持ちが軽い
そうだ万が一、奥さんに慰謝料請求されたら弁護士紹介してもらおう
真由美は色々な職業の人に顔が広いから、弁護士の知り合いもいるだろう
冗談半分で考えついた思いつきは、とても名案に思えた
ふと、部屋の隅の金庫をみる
以前は通帳と保険証券しか入っていなかったから、真由美に銀行の貸金庫にしろと言われても気にしなかった
無くなっても、再発行すればいいから
でも今はその中に“証拠”も入っている
使うことになるかはわからないけど、動画と音声ファイルの入ったUSBメモリー
火事になったら、大変かもしれない
今度の休みに銀行に聞きに行ってみようかな
もっとも、この証拠が必要な時というのは奥さんに慰謝料請求されるときだと思う
私だったら、あれだけ言っておいて慰謝料請求なんて絶対に出来ない
いくら後悔しても、プライドもあるし
でもいろいろな人がいるから、用心に越したことはないのかもしれない
調停で決まったのなら大人しく従おう
それは関係を持つと決めた時から変わらず思っている事
綺麗事なんかじゃなくて、所詮はお金で済む話だ
元義母に貰った慰謝料の残りで足りるだろうか
あのお金なら、それに使うのにふさわしいかなと思う
どんなお金でも、変わりないのかもしれないけど、私はそのお金を消えものにしか使っていない
マンションを買った時も頭金には入れなかった
全部無くなった時、何に使ったかわからない使い方をしたいと思っているから
一年近く揉めたあと調停であっさり離婚が決まった
元義母が協力してくれたお陰だと思う
その後、うちの両親に頭を下げに来たのも
義母だけだった
もっとも、成人した子供同士の事だし義母が謝ることでもないと思っていたけれど、自分の息子を止めれなかった事をずっと謝罪していた
結婚していた時、蓄えていた2百万円弱に謝罪金を上乗せして3百万円を渡された
はじめは、そんなには要りません、貯金の半分だけ、権利としてもらいます、と父が言ったけど、義母も引かなかった
私は当時、色々考えることが苦手になっていたから、黙っていた
義母が私に、このお金で、3年間が取り戻せるなんて思わないけど、これからを楽しむ事に使って欲しい、と言う意味の事を言った
実家に帰って1年間、ほとんど家に篭っていたけど、真由美や智恵ちゃんのおかげで外に出たい、働いて自立したいと思うようになっていたので、ありがたく貰うことにした
邪魔にはならない
そしてそのお金はエステや旅行などに使うことにした
何となく、だけど形の残るものは買いたくない
パーっと使ってしまいたいと思う
そんなこと言っても銀行口座を分けてるだけで、それがあるから自分のお給料で服や靴を買える余裕がある事もわかっている
どこから出しても同じことなのも
ただ、自分がそうしたいから、そうしているだけ
気持ちの問題、なのだと思う
中学3年生になって修学旅行も終わった
夏と共にも近づいてくるもの、高校受験
一学期の三者懇談で「このままだと学校を選べませんよ」と言われた
でも母は「本人次第なので」と言っただけで担任は困った顔をした
先生、公立高校の、自転車で行けるところに、行くよ
私がそう言うと「今のままでも1つあるけど、出来ればもう一つ上のところがいいと思う」と担任は私の方を見ていった
そこの方が、近い?
「そうだな、自転車だとそこの方が楽だと思う、勉強はやれば出来ると思うから、3年間通うなら近い方がいいだろう、おまえは」
担任は私が面倒くさがりなのをよく知っているから的確なアドバイスをくれた
じゃあ、夏休み、頑張ったら、受かる?
「頑張ったらもっと上も行けるぞ」
それはいいよ、入ってから頑張りたくない
「じゃあちょっと頑張れ」
そんな感じだった
母さん、来なくても良かったのにな、何しに来たんだろう
嫌味ではなく疑問に思った
クラスの佐和は進学校、明日香と志穂は私立の願書を出せばほぼ合格するところ
さくらは早く一人で暮らしたいから、商業高校に行って、簿記なんかの資格をとると言う
ちゃんと先の事を考えていてビックリした
「いつまでも、おばあちゃんに迷惑かけられない」
そう言って、さくらはかなり勉強を頑張るようになる
ちいちゃんは何も考えてなくて結局、志穂や明日香と同じ学校に行くだろうと人ごとみたいだった
私は、どうなるんだろう
まだ実感なんて湧かなかった
梨花は実はお嬢様だから私立の短大付きのところ
入学金はバカ高いけど、ほぼ入学出来るらしい
私、電車とか乗りたくないから、公立の近いところに行く
「その理由、あんたらしいな」
真由美は感心したように言う
だって毎日、だよ
「確かにね、でも私も多分同じ」
え、ホントに、今岡高校?
真由美は授業の出席率の割には成績がいい
真面目だったら、ソコソコ出来たのかもしれない
「あんたもそこだろ、一番近いし」
うん、でもちょっと頑張れって
「私もだよ」
じゃあ、一緒に受ける?
「だな、ちいちゃんと同じところ、滑り止めにして、受けるだけ受けてみよっか」
「え、じゃあ真由美と未来、同じところ行けるんだ、いいなぁ」
梨花は羨ましそうだけど、自分も受けるとは言わない
「梨花はもうあの女子高に決めてるの」
「だって私の成績じゃあそこしかないよ、親も短大行って欲しいみたいだし、2人とも滑り止め同じトコにしてよ」
「無理だよ、あそこバカ高いらしいじゃん、それに」
女子高、嫌だ、でしょ
「そう!男子いないなんて、つまらないよ」
私は、電車2回も、乗り換えたくない
それぞれ家の事情や、個々の能力、性格によってバラバラの選択をする
高校受験は人生で初めての大きな分岐点だった
私と真由美とさくらは生まれて初めて、勉強というものをする事に決めたけど、何から始めていいかわからず、終業式の日とりあえず本屋に問題集を見に行った
みんなヤンキーだったけど、高校受験を意識し出したのは早かった
多分女子の頭だったさくらが、家庭の事情もあって必ず志望校に合格したいと言ったのが切っ掛けだったと思う
私立なんて無理だから落ちたら定時制か就職しかない
さくらは前からちゃんと考えていたらしく、一学期ですっぱりヤンキーを引退?した
梨花やちいちゃんは今まで通り、勉強することもなく夏休みも楽しく過ごしている
別にそれぞれだから、羨ましいとは思わなかったけど、受験勉強というものを始めて自分の馬鹿さが嫌になった
父が、会社の同僚の娘さんが大学生をしているから、勉強を見てもらうかと聞いてきた
正直ビックリした
それって家庭教師!?
「英語が得意らしいから、どうだ?」
父は普段大人しくて、いても夜勤でも変わらないくらいなのに、会社でそんなことを聞いてくれていたなんて思いもしなかった
教えてもらった方が、いいかな
「おまえは数学や理科は大丈夫みたいだし、あと英語を何とかすればもうちょっと成績上がるんじゃないかな」
なんで知ってるの
「期末テスト、捨ててただろ、英語の熟語や文法がさっぱりだろ未来」
うん、確かに
志望校は中の下だから多分半分出来れば合格確実
数学と理科は7割出来たとして、社会は存在自体無理
国語はちょうど50点レベルだから何とかするなら英語だろう
じゃあ、お願い、しようかな
初めて父にお願いごとをした
物心が付いてから夏休みを弟と過ごさなかったのは、この年が初めて
理由は私の勉強なんかじゃなくて弟の部活
毎日学校に通って、夜は道場に行く
ブラコンを卒業しなければならないと、少しだけ男の子っぽくなった弟を見て思った
受験勉強と言っても、今まで全然してこなかったから集中力なんてない
真由美と勉強しようと集まっても出来るわけがなかった
結局喋って時間が経っていく
「未来、高校行ったら彼氏作りなよ」
そんなの、作ろうとして作るものなの?それより真由美、彼氏とはどうなのよ
「まだ付き合ったばっかりだし、なんとも、でもいい奴だよ面白いし」
2人で会ったら、何するの
「えーと、まあ街行ってぶらぶら買い物したり、部屋でビデオ借りてきて見たり、とか」
楽しい?
「うん、そりゃ楽しくなけりゃしないよ」
そうだよね、でもそれって友達でも出来るじゃん?なんでみんな付き合うの?
「ちょっと説明難しいけど、特別になるからじゃない」
特別
「そう、友達とキスしたりしないだろ」
じゃあ、キスしたくなったら、付き合うって事?
「うーん、ちょっと違うけど簡単に言ったらそうかな」
キス、した?
「、、、、うん」
真由美も彼の事好きなんだ
「最初は告白されて付き合い出したんだけど今はそう、好きだな」
好きかぁ
何回聞いてもピンと来ない、私は真由美や梨花だったらキス、出来ると思う
ディープキスなんて知らないから、そんなことを考えていた
担任に言われた通りちょっとだけ頑張った
でも何より家庭教師のお姉さんが素晴らしかった
はじめにお勧めの問題集を選んで買ってきてくれた
もちろん後で代金は支払ったけど、わざわざ本屋で選んでくれたというのが凄く嬉しくて、お姉さんが好きになった
週1回、2時間木曜日に家に来て教えてくれる、残りの日は次までにと決められた範囲の問題をして、わからないところは次の週に教えてもらう
その繰り返しなのだけど、ビックリするくらい理解できた
何で今までわからなかったのかと思う程
私の英語の成績は一学期の期末が28点、それが二学期の期末には70点取れるようになった
お姉さんも「基本がわかったら、後は大丈夫よ、元々出来る子だし」とおだててくれたから益々頑張る
そうして私は高校に無事、合格した
他のみんなも、それぞれ思ったところに合格できたから3月の終わりにお祝いに遊園地に行った
「違う学校に行っても絶対遊ぼうね!」
何度も約束する
新しい制服が出来上がってきて家で試着してみた
ブレザーでよかった
家からの距離しか考えてなかったから、制服なんて気にしてなかったけど、セーラー服じゃなくてホッとする
あんなの来たら体型目立ちそうだもんね
真由美と一緒に制服の採寸に行った時に初めて制服の形を知った私に
「ホントにあんたらしい」
と真由美が呆れた
「私がここに決めた1番の理由は、制服が可愛い、だよ」
それこそ真由美らしいね
お互いに笑った
そして私は高校生になって、初めて男の人を好きになる
龍成とのことを真由美に白状してから、なんだか完全に吹っ切れた
どこかで親友に隠さなくてはいけない事をしている、と思っていたのかもしれない
週末に真由美と電話で話して、旅行の相談をするため月曜日おっちゃんの店で落ち合うことになった
いつも通り車を置いて歩いて店に向う
真由美は暑いところが好きだからグァムに行きたがるだろうけど、今日は頑張ってUSJを押す
USJは最後の彼と2回行ったけど、今はハリー・ポッターがある!
テレビで見ては行きたいと思っていたから、このチャンスは物にしたい
店に入ると真由美はまだ来ていない、カウンターに座って注文する
生中と焼き鳥、せせりとぼんじり、後砂肝
「はいよ、今日は鯛上手いよ」
じゃあお願い
昼の休憩が遅かったからそんなにお腹は減っていない
生中を半分飲んだところで真由美からラインが届いた
「もうすぐ着く」
待つこと5分で到着した
「お疲れ」
お疲れ、早かったね
「店の子が送ってくれたからね、生中」
帰り、どうするの
「タクシー呼んでもらうから大丈夫だよ、未来は眠くなったら先に帰っても」
流石に、まだまだ大丈夫だよ、まだ8時すぎだし
真由美はご飯ものが好きだから焼き鳥丼やサラダを注文した
とりあえず乾杯
「先に一言だけ言っとくけど」
何
「水臭いよあんた」
ごめん
龍成の事だとすぐにわかった
「もっと信用してよ、一緒に老後送る仲だろ」
うん、ありがとう、ていうか老後の話は本気なんだね
「当たり前だろ」
それ以上、その話はしなかった
「旅行、USJと京都でいいよ」
え、ホントに、どうして
「グァムは彼が連れて行ってくれるって、ちょっと先になるけど」
おごり!?
「連れて行ってくれるんだから、そうじゃない?違ったらあんたと行くよ」
今度の彼もお金持ちだね
「この歳になると最低条件だよ」
彼氏いくつ?
「45歳、バツ2」
バツ2、負けた
「バツの数?」
うん、まあ冗談だけど、年上好きだね
「あんた年下好きだもんね」
たまたま、だよ
離婚してからの彼は全部年下だったけど、本当にたまたまだ
「私だってそうだよ、でも、確かに可愛いのとかは好みじゃないかな」
だよね、私は可愛い顔がいい
「それより旅行どうする?京都行くなら伏見稲荷も行こうよ」
あ、行きたい、それ、確か千本鳥居
「そうそう多分ね、私は上まで歩けないと思うけど」
2泊3日だとすると、はじめに京都行って泊まるでしょ、で大阪で買い物して、USJホテル、ちょっと厳しいかな
「もう一泊?」
したら朝から晩までUSJで遊んでつぎの日帰れるから楽だよね
色々相談して、4月の中旬から下旬までに行く事にした
G.W.までには行きたいし、平日がいいから15日前後狙いかな
「段取りは任せるよ、休みも合わせるし」
わかった、明日休みだから調べてみるよ
その後はいつも通りくだらない話で盛り上がって飲みすぎた
ふと携帯を見ると龍成から2通メールが来ている
そういえば、店に来ないな、よかった
真由美は何も言わないとわかっているけど、やっぱりまだ気にしてしまう
真由美のタクシーに便乗してマンションの前で降ろしてもらう
ありがとう
「あんたすっごい眠そうだよ、お風呂入るなら気をつけて、中で寝るなよ」
明日休みだから、朝入るよ、お休み、またラインするよ
「お休み、またね」
タクシーを見送ってフラフラと部屋まで帰った
楽しく飲んで機嫌よくドアを開ける
ただいま、っと
付けまつげを外して化粧を落とし、歯磨きしながらメールを見た
龍成からは
「水曜日楽しみ(*^ω^*)」
「今日は残業になりそう(¯―¯٥)」
「残業終わった、未来さんは何してるのかなぁ」
一通増えてる
服をソファに投げてベッドに寝転ぶ
残業お疲れ様、私は今まで友達と飲んでたよ
返してパジャマに着替えると返信が来た
「お帰り、飲んでたの?いいなぁ」
楽しかったよ、龍成は残業疲れた?
「まあね、でも水曜日を励みに頑張った」
水曜日、いつもの駐車場で待ってる、何時くらいに来れる?
「6時過ぎには行くよ」
了解、無理しないでね
「大丈夫、終わったら速攻行くから」
わかった、お休み
「お休み、水曜日ね」
その後はあっという間に眠っていた
眠る寸前
旅行に行ったら、今度は龍成にもお土産、買おう
と思った
火曜日は旅行会社へ足を運んで一応、ホテルを予約した
ホテルは第二希望だけど仕方ない
細かいプランはまた真由美と相談しよう
レンタカーを借りてもいいけど、真由美はタクシーでいいっていうかな
いろいろ予定を立てたり考えたりして、旅行は行くまでの時間も楽しい
今日、水曜日
朝一出勤したらタイムカードが故障していた
タイムカードと行っても、バーコードをパソコンで読み込むタイプだから、パソコンを再起動してみるけど駄目だった
元々機械関係は苦手だから、あっさり諦めて開店準備に掛かることにした
5分程して、他のみんなも出勤して来たので
おはようございます、勤退パソコンおかしいです
「おはようございます、って本当?」
みんなでワイワイやっていると、理由はわからないけど立ち上がった
まだ遅刻になる時間ではなかったから、順番にバーコードを読み込ませて出勤をクリックする
「何とかなりましたね」
助かりました、全然わからなくて
そんなことを言いながら今日の予定を確認していく
私は3時までのショートだから朝からは接客
昼からの人が来たらその時に忙しいところに回ろう
6時間勤務の時は休憩は20分、お茶休憩だけ
休憩いらないから、早く帰らせてくれないかな
朝から既にパソコンで疲れていたから、何となくやる気が出ない
1時くらいに休憩していたらパートの吉田さんが話しかけてきた
またシフトの交代かな
この前の事があるから、少し身構える
「未来さん、ちょっと聞いてもいいですか」
はい?
「未来さんのまつ毛、付けまつげですよね?」
うん、そうだけど
「凄く自然に見えるんですけど、どこで買ってるんですか」
ドンキ、です
それから、私も試したんだけど、とか、上手く出来なくて、とか、話してくる
何なんだろう
結局、吉田さんの意図はわからないまま、メイクの事や肌のお手入れの事なんかを質問された
当然基礎化粧は会社のものを使っているし、付けまつげは自まつげが少なすぎてエクステが出来ないから付けている
別に普通だと思うけど、何かおかしいのだろうか
「私ももう少し若く見られたくて、付けまつげ買ったんですけど、上手く付けれないんです」
そうなんだ、練習すれば大丈夫ですよ
休憩する前より疲れた気がして仕事に戻った
吉田さんの年齢は知らないけど、そういえば最近化粧が濃くなったかも
接客もするから、ナチュラルメイクの方がいいと思うけど、私が言うことでもない
伝票を持って恵子ちゃんのところに行くと
「未来、最近化粧品変えた?」
いや、ずっと一緒だよ
相変わらずタイムリーな話題を振る天才だなと思いながら答える
そういえば、さっき吉田さんにも付けまつげ、の事とか聞かれた
「あの人、最近メイク濃いよね!不倫相手に何か言われたのかな」
え、不倫、関係あるの
「だって急にって可笑しくない?」
若く見られたいって、言ってたけど
「やっぱり何かあった気がする、それに未来も」
私?
「化粧品変えてないなら、なんだろう、最近ちょっと肌艶がいいような」
よく寝てる、からかな
本当は少しだけ、龍成とのことを思い出した
欲求不満、解消したから、かも
帰ったらお風呂に入って行く用意をしよう
また化粧するのは面倒くさいけど、ホテルでシャワーするのは時間が勿体無い
晩ご飯はどうしよう
待ち合わせ前に何か買って行こうかな
支度をしながら、龍成にメールで晩ご飯の相談をした
結局、途中でケンタッキーを買って行こうと言う事になった
駐車場で待っていると龍成の車が入ってくる
6時過ぎ、定時が何時か知らないけど、何となく早かったな、と思う
お疲れ様
助手席に乗り込んできた龍成に声をかけると
「ただいま」
とキスをしてきた
ちょっと戸惑ったけど
お帰り
と返す
龍成がニカッと笑ってもう一度キスをした
ケンタッキーを買い込んで、ホテルに入ると龍成が抱きしめてくれる
私も龍成に両腕を回しながら
スーツ、シワにならないかな
と考えた
深い口付けを受ける
舌を吸ってほしくて龍成の口内に差し出す
キツく吸われて歯を立てられて、息があがる
しばらく立ったままお互いの口内を味わった
「未来さん」
顔を見て、龍成が私の名前を呼ぶ
龍成、キス気持ちいい?
「もちろん、もうこんなだよ」
そう言って私の手を龍成の物に持っていった
凄く固くなっていて、それを嬉しく思う
ケンタッキー、熱いうちに、食べよ
身体を話して、服を脱ぐ
さすがに裸で食べるのも何だから、私はコートと帽子を取った
龍成はカッターシャツにパンツ、間抜けだけど別に構わない
「久々に食ったら美味いよね」
そうだね、私も久しぶりに、食べるな
ソファに並んで座りながら、取り留めない話をした
タイムカードが立ち上がらなくて困ったけど、すぐに諦めた話をすると
「未来さんが仕事の話してくれたの、初めてだね」
龍成が嬉しそうに言った
言われて、気付いた
龍成は建築関係の会社に務めていて、現場監督が出来る資格を持っていると言った
現場に行ったり、顧客のところで打ち合わせしたりというのが主な仕事らしい
だから頻繁にメールしたり電話してきたり出来る訳だと納得した
お腹いっぱいになって、食べた後のゴミをまとめていると
「俺がするから、シャワー浴びるなら行ってきて」
龍成が手伝いながら言った
家で、入ってきたよ
「え、じゃあ俺入ってきた方がいい?」
別に、そのままで、いいよ、龍成がいいなら
私は自分が汚いのは我慢できないけど、相手は別に気にならない
3日とかお風呂に入っていないなら嫌だけど
龍成はシャツとパンツを脱いでベッドに上がると、おいでおいでと手招きをした
ワンピースとインナーを脱いで、ブラとパンツ姿で近付いていく
向かい合ってキスを繰り返しているあいだにブラを外された
そっと胸を手のひらで包まれる
貧弱な乳房はスッポリと収まってしまう
片手で胸を触りながら、片手を後頭部に添えられてゆっくりと後ろに倒された
期待でドキドキする
「未来、好きだよ」
龍成の低い声が耳元で囁いた
そのまま耳を甘ガミされる
龍成の物が脚にあたっているから、それをそっと握った
早く入れて欲しい
いつも1度目はそう思う
無理やり腕を伸ばして龍成の物を刺激した
龍成
名前を呼ぶとキスしてくれる
まだ触られてもいないのに、濡れているのがわかる
胸を触っていた龍成の手がアソコに移動した
パンツを脱がされて割れ目に指を這わされる
ヌルヌルしているのがわかった
龍成、もっと
割れ目を開いて指が入ってくるとザワザワと背骨に快感が走る
「気持ち、いい?」
うん、気持ち、いい
寝転んだ私の上で龍成が体制を変える
私の顔の前に龍成の物がきたから口に入れた
先をキャンディを舐めるみたいにして舐め回す
そのあいだ、アソコは龍成の指で愛撫を受けてだらしなく液を垂れ流している
「すごい濡れてる、グチャグチャだよ」
言っている龍成の声も興奮していた
んん、もう入れて、ほし、い
お願いした
「指、入ってるよ」
違う、龍成のこれ、欲しい
「これ?」
私の口から物を引き抜いて、私の顔を見ながら聞いてくる
入れて
指を抜かれて、アソコがヒクヒクしている
寂しい、早く、欲しい
ゴムを付けて私の脚を目一杯開いた
身体が柔らかいからアソコも丸見えで割れ目も開いているだろう
入り口に龍成の物があてられるけど、入ってこない
龍成?
「未来、もう一回言って」
龍成、入れて
嬉しそうにニカッと笑うと挿入してきた
頭の部分がクプンと入ってきて声がでて、身体が跳ねる
またそこで止められた
や、もっと
龍成は上から私を見下ろしていた
イヤらしい顔をしている
「俺の入れて欲しいの」
入れて、欲しい、奥まで、入れて
ゆっくりと根元まで押し込んできた
ああっ
嬉しくて身体が震えた
クチュクチュと音をたてて龍成の物が私の中をかき回す
いいところを剃りあげるように突かれて大きな声で喘いだ
龍成も余裕がないから、私をイカせようとしているのがわかる
なら、焦らさずに入れてくれればいいのに
もしかしたら龍成の性癖なのかもしれない
激しくはないけど、感じるところを集中して責められているので何も考えられなくなってきた
ただただ気持ちよくて、もっともっとと思う
自分の乳首を摘みあげて痛いくらいに捻るとアソコがキュウっと締まった
「あぁ」
龍成が溜息みたいな声を出してグッと動きを止めた
イキそうになったらしい
私の手を払い除け、龍成の指で乳首を愛撫される
もう片方に歯を立てられてイってしまう
「くっ」
アソコが龍成を飲み込むように収縮して彼もイったのがわかった
私の頬に手を当ててキスを繰り返す
イった後のキスは余韻を長引かせてくれるから大好き
うっとりとキスを受けながら
アソコの中の龍成の物を締めつけた
「未来、好きだ」
最近、龍成はよく好きだと言う
でも私にはそれを求めたりはしない
はじめは言わなくていいのに、と思っていたけど、今は嬉しく思うことを私は自覚していた
本当は生きたダッチワイフやただの穴だと思われてるとしても、優しく抱きしめられて嫌なはずがない
私だって龍成が好きだと思う
いくら欲求不満の淫乱でも嫌な相手とはセックスしない
好きだと言わないのは、聞かれないから
イった後も抜かずに抱き合う
重いよ、龍成
彼は腕立て伏せの要領で、私の顔の横に手をついて上半身を起こした
「抜きたくない」
また、入れるでしょ
龍成の下で身体をずらしてズルっと引き抜いた
ゴムの処理をして2人でベッドに寝転ぶ
私はうつ伏せで肘をついて龍成の顔をみた
「どうしたの」
え、と
ただ顔を見たかっただけなんだけど
顔、見てた
正直に答えた
「何それ、なにか可笑しい?」
ううん、かわいいなぁって、思って
「可愛い!?俺」
うん、後ね
「なに」
いつも、気持ちよくしてくれて、ありがとう
「ははっ、何言ってるの」
言いたかった、から
龍成の手を取って指を触った
龍成の指、きれい
「そうかな、けっこうデカいよ」
手は大きいけど、指、長くてすらっとしてる
手のひらにキスをした
彼の上に乗り上げてじゃれるように首筋にもキスをする
「未来さん、機嫌いいね」
最近、良く言われるんだ
「え、俺も言われる、会社とかで」
え、そうなの
何となく嬉しくなってキスをした
舌を絡めて何度も口付けていると、下から龍成が両方の乳首をギュウっと摘んだ
んっ
「痛くない?」
気持ちいい
「すぐに固くなるね」
もっと、強く、して
痛いギリギリが最高に感じる
龍成が起き上がってきた
私をうつ伏せにして、お尻だけ高く上げさせる
自分は私のお尻の方に回ってそっとアソコに口をよせる
チュッチュッとアソコにキスされる
私が舐められるのは好きじゃないと知っているから、激しくはしない
入り口のあたりに優しく舌を這わされる
何だかとても恥ずかしい
私は淫乱だと思うけど、普通に恥ずかしいと思う事だってある
そのポイントが人と同じかは別として、舐められるのは本当に恥ずかしい
だって舐めるところじゃない気がする
おまけにこのポーズはされるがままで、心許ない
「未来さん、感じる?」
うん、気持ちいい、けど
「けど?」
恥ずかしい
「舐められるのが?」
うん、指が、いい
「俺の指、好き?」
好き、ね、指
龍成のすらっとした指が中に入れられた
はぁ
気持ち良くてため息がでた
やっぱりここは舐めるところじゃなくて入れるところだと思う
「未来さんのここ、見た目は可愛いのに中はすごくイヤらしいね」
だって、気持ち、いい、もん
中をそうっと撫でられるように刺激されて、もどかしいけど気持ちいい
ずっと、していて欲しい
中に一本指を入れたまま、残りの指で左右に割り開かれる
「中まで見えてるよ」
んっ、そこ、もっと
「これは恥ずかしくないの」
入り口、も、気持ちいい
見られるのも多少は恥ずかしいけど、気持ちいい方が勝ってしまう
私のアソコは歳の割には醜くないみたいだから、見られるのは耐えられる、ようになった
過去の彼たちのおかげだと思う
「未来さん、可愛い」
指を抜かれて、彼の物が入り口にあてられた
今度は焦らさずに入れてくれる
アソコが龍成でいっぱいになった
「すごく、締まってる、感じてるの」
浅い挿入を繰り返しながら、私たちが繋がっているところを見ている気配がする
気持ち、いい
背中にキスを落とされ、胸を揉まれた
強い快感が与えられないから自分から腰を振って催促する
一旦引き抜かれて、向かい合って座る形になった
「未来さん、イヤらしい顔、これ欲しいの?」
龍成が自分の物を持ったまま聞いてくる
うん、入れたい、ここに
私はわざといやらしく見えるように、自分のアソコを指で割り開いて中指を入れた
1回目焦らされたから少し仕返ししてやろうと思う
龍成に見せつけるように脚を大きく開いて自分の指でアソコを愛撫した
さっきまで、龍成の、はいってたから、はぁっ、グチョグチョだね
「うん」
向かい合った龍成の視線はアソコに集中している
興奮した
指を増やして少し激しく出し入れすると気持ちよくなってくる
普段自慰をしないから、自分で触るのなんて巧としていた時以来かもしれない
あの時もこうして巧に見せてあげていた
一瞬そんなことを思い出したけど、今は龍成に興奮して欲しい
でも引かないか少し心配もあったから、彼の顔を見た
心配をよそに、興奮しているのが表情でわかって嬉しく思う
龍成、私のここに、欲しい
次の瞬間、凄い勢いで押し倒される
「未来」
龍成は私の指を引き抜いて、自分の指をねじ込むように突き入れた
煽り過ぎたのか、荒々しく指を出し入れされて少し後悔した
腰を引いて逃げようとしても、しっかりと抑えられててどうにも出来ない
噛み付くようなキスを必死で受けながら、強過ぎる快感に涙目になってきた
「未来」
龍成がやっと気付いて動きを止めてくれた
龍成、ごめん、ちょっと、待って
何とか言葉にする
「未来」
もう一度名前を呼んで目尻に優しくキスをくれる
「ごめん痛かった?」
大丈夫、私も、ごめん、龍成に興奮して欲しかったから
やり過ぎた
「ホントに興奮したよ、エロ過ぎ」
顔を見合わせて少し笑う
ゆっくりと指の動きを再開させて乳首を口に含まれた
気持ち良くてため息がでる
龍成の髪に手を伸ばして感触を味わう
龍成
名前を呼ぶといつもキスしてくれる
指の代わりに、そっとアソコに彼の物が入ってきた
龍成
名前を呼ぶことしか出来ない
「未来、気持ちいいね」
うん、気持ちいい、すごく
2回目も2人で同時に達した
ベッドで腕枕をしてもらっているけど、さっきの事を思い出して居心地がわるい
龍成、さっき、煽るみたいな事して、ごめんね
「あれ、すっごい興奮して、わー!ってなった」
龍成に、焦らされたから、やり返してやろうと、思って
「あはは、何それ、じゃあまた焦らしたらあれ見せてくれるの」
え、見たいの、また
「見たい、ってか見せてくれるの」
あんなもので、良ければ
龍成はギュウっと抱きしめてくれた
でもやっぱり、やり過ぎたと反省した
また一緒にお風呂に入りながら
いつの間にか当たり前みたいに一緒に入ってるな
と思う
龍成に後ろから抱っこされているみたいにして、2人で泡アワする
「未来さん、今度はホワイトデーだね」
別に、いいよ、チョコあげた、だけだし
「嬉しかったし、俺も何かしたい」
来週、だっけ?
基本イベントは興味無い、シフトなら一週間分覚えているけど
「今日が水曜日だから、14日は土曜日かな」
じゃあ仕事
「未来さんベッドだったらあんなに可愛いのに」
のに、何
「普段は素っ気ないね」
え、そうかな、ごめん
「いつもだからいいけど、でも水族館の時は違った」
だって好きだもん、水族館
「ホワイトデーとか興味なさそうだもんね」
うん、あんまり、それに、そんなの関係なく、、、、
言いかけて迷った、なんて言ったらいいだろう
龍成とはしたいし
本当は会いたい、と言おうかと思ったけど、敢えてしたいと言った
「未来さん、俺とするの好き?」
うん、好き
振り向いて龍成の顔を見ながら答えると、彼はいつもの“ニカッ”って笑い方じゃなくて、微妙な顔をした
後ろから抱きしめられる
「未来さん、もう一回言って、俺とセックスするの、好き?」
大好きだよ?
「俺も、大好き」
龍成?
「次はいつ会おうか」
龍成の会える日は何時?
「土曜日、半日出勤だからお昼から」
土曜日?今度の?
実は私も半日出勤なんだけど、会い過ぎじゃないかな
龍成、お父さんなんだし
言いたいけど、言わない
土曜日は仕事だから、次の週は?
「え、でも前に土曜日交代したから午前中だけだって」
言ったっけ
水族館で機嫌良かったから言ったかも
「買い物行こうよ、ホワイトデーの」
買い物?
「そう、あんまり高い物は無理だけど」
いいよ、そんなの、飴でもくれれば
「食べないクセに」
じゃあ、チョコ
「いいでしょ行こうよ」
何処に?土曜の午後だよ?ご近所さんに会ったら駄目でしょ
「高速乗ってアウトレットモールまでか電車で街まで出れば会わないよ」
えー、面倒くさいよ
「そんなこと言わないで、ね」
えー
どうしよう、どちらか選べと言われたら街の方がマシ
会社に車を置いて駅から電車一本だし、アウトレット行ってもブランドとか興味ないし
じゃあ、街?
「やった!待ち合わせしよう」
龍成、スーツ?
「うん、駄目なら着替えるけど」
駄目じゃない、なら、私も仕事の服のままで行く
駅のスタバで待ち合わせることにした
多分龍成の方が遅いから、軽く何か食べようと考える
「欲しいもの、ある?」
うーん、ピアス、とか
本当は新しいメガネが欲しいけど、何となくプレゼントぽくないし高い
ピアスなら手頃な値段で可愛いものもたくさんあるだろう
「それいいね」
そう言って後ろから耳を噛む
「ここに付けてね」
耳元で囁かれてゾクッとした
もう、上がろう
シャワーを浴びていたら、龍成が身体を触ってイタズラしてくる
また、したくなった
結局もう一回ベッドに移動した
時間も押していたから龍成を押し倒して襲った
脚の間に入って彼の物を頬張る
半ダチだったそれを根元までくわえて頭を上下に振った
すぐに硬くなって全部口に入りきらなくなったから、手で扱いて先っぽを舐め回す
3回目でも硬い
龍成はジッとこっちを眺めていたけど、枕元のゴムに手を伸ばして封を切った
「未来さん、付けて」
ゴムを受け取り彼の物にそっと被せる
上に跨って慎重に腰を落としていく
今度は下の口で根元まで銜えこんで快感で鳥肌がたつ
身体を倒してキスをする
龍成が私のお尻を掴んで下から突き上げてきた
子宮の入り口に当って大きな声で喘ぐのを止められない
繋がったままコロンと横に転がされ、上下逆になって脚を思い切りM字に開かれた
いいところを剃りあげるように刺激されてアソコの中がうねるように動くのがわかる
高まってきたところで腕を引っ張って身体を起こされた
座って抱き合ったままキスをする
クチュクチュと小刻みに動かしながら何度もキスを繰り返した
龍成、もう、イキたい
もう一度後ろに寝かされて今度はバックに体制を変える
2.3度感覚を確かめるように動かした後、ギリギリまで引き抜いてから一番奥まで一気に入ってくる
大きく出し入れされて頭が真っ白になった
腰を掴んでいた龍成の腕に力が入って挿入が激しくなる
ああっ、イクッ
アソコがキュウウっと締まってヒクヒクと痙攣する
同時に中で龍成の物も弾けた
土曜日、現地で落ち合う約束をして家に向かう
遅くなったけど、次の日は午後出勤だったから、とりあえず発泡酒のプルタブを開けて流し込むように飲んだ
冷蔵庫の中を漁ってチーカマを発見する
賞味期限は多分問題ないだろう
かじりながら携帯を見ると龍成からメールが来ている
「土曜日なるべく早く行くからね、デート楽しみ(≧ω≦)」
さっきまで一緒だったのにな、と思うけど可愛いとも思う
大丈夫だよ、待ってるから、お休み
短く返信してパジャマに着替えてメイクを落とす
お風呂は朝でいいや
思いながらベッドに潜り込んだ
直ぐに寝てしまって夢もみなかった
結構早起きなので、お風呂の用意をしつつ洗濯をしてスレも更新する
朝のうちに晩ご飯を作って行こうと思って冷凍してある豚肉を解凍して先にお風呂に入った
湯船でぼーっとしていたら、ふと、龍成を思い出した
昨日、お風呂で、ちょっと変だったな
「俺とするの好き?」
そう聞いてきた時、ちゃんと好きって答えたのに、変な顔してた
上手く言えないけど、ちょっと悲しそうにみえた
すぐにいつもの彼に戻ったけど、何だったんだろう
次は明後日、土曜日に約束をしている
次も変な感じだったら、どうしたのか聞いてみようかな
もし、奥さんとレスじゃなくなったのなら、ちゃんと家庭に返さなきゃいけないし
今度会ったときは彼を注意深く観察しよう
そんなことを考えながら、晩ご飯の豚の生姜焼きと豚汁を作った
仕事を終えて帰るとき、事務所によって車を夜まで置いておくと伝言する
社員さんに
「どこか行くの?」
と聞かれたから、友達と待ち合わせてるので、とだけ答えた
恵子ちゃんは休みみたいだから、さっさとロッカーに向かう
簡単に化粧直しをして駅に向かった
今日は寒いのマシだな
仕事には大抵スーツで来ている
夏場はブラウスやTシャツとスカート、パンツ
受け付け以外特に指定の制服はない
セーターとスキニーパンツの時もあるけど、大体スーツ
その方が楽だから
今日はマーメイドスカートの濃いグレーのスーツにアイボリーのコート
足元はローヒールのパンプス
如何にも仕事中ぽい
でも龍成もスーツだと言っていたし、まあいいや
電車を降りて駅前のスタバに入ると結構混雑している
カフェオレと少し食べる物を注文して小さめのテーブルに腰をおろした
待ちながらメールを見たりスレの更新をしたりしていると、ふと気配がして顔をあげた
「お待たせ」
お疲れ様
目の前に龍成が立っていた
何か食べる?
「うん、じゃあ軽く」
向かいに座って、仕事の事を話しながら食事をする彼を観察するけど、いつもと同じに見える
「どこか、行きたいお店とかある?」
別に、決まってない、ブラブラして、良さ気なところ見たい
「了解、じゃあ行こうか」
手を繋いできた
2人ともスーツだから変じゃないかな、と思う
でも嫌じゃないから、そのまま手を繋ぐと龍成は
「未来さんの手、あったかいね」
と振り返ってニカッと笑った
いつもの、龍成だ
この前、変だと思ったけど、気のせいだったのかな
そう思いながらショッピングビルやお店が集合している場所を覗きながらフラフラと歩く
昔、たまに彼とも来たな
何となく懐かしい
まるでデートみたいだと思いながらピアスを見ていると
あ
かわいい
ピンクゴールドのハートに小さい石がはめ込まれたピアスに目が止まった
少し揺れるタイプのデザインが好きで、やっぱりそれもハートがプラプラしていて、かわいい
「それ、好きそうだね」
龍成が気付いて覗き込んで来た
ちょっと、可愛いすぎるかな
「どうして、いつも着ている服に雰囲気合うと思うけど」
若作り、じゃない?いつも
普段はそんな事は気にしないで、好きなものを来ているけど、たまに思うことがある
いつまで、フレアスカートやワンピースを着ていても許されるだろう
本人は大丈夫と思っていても、他人が見たら痛々しいとか良くあることだし
「どうして?いつも可愛いよ」
ありがとう
龍成には聞くだけ無駄だと思って、話をピアスに戻す
これ、がいいけど、本当にいいの?
「いいよ、ってか、もうちょっと高いやつでも大丈夫だよ」
ううん、これがいい
タバコ2カートンより少しお高めのピアスを買ってもらった
包装せずに、そのまま店先で付けさせてもらう
龍成に貰ったピアスだから、龍成に一番先に見せたかった
ピアスを買ってもらったら、その場で付けて見てもらう
朝、支度をしている時から決めていたから、髪型はサイドアップでピアスは付けずに来た
次に会うとき、と普通なら思うだろうけど、この関係に次、があるのかわからない
そんなことを考えたのは、この前の龍成が少し変だと思ったから、でも
「あ、やっぱり似合うよ、可愛い」
そう言って笑う彼はいつもの龍成だ
嬉しい、ありがとう
「どういたしまして、でも決まるの早かったね、これからどうする?」
龍成、晩ご飯、は
「いらないって、言ってきた」
じゃあ、もう少し買い物して、ご飯食べて、今日は帰ろう
「え、しないの」
街中だからセックスとは言わないけど、意味はわかった
うん、水曜日、したし、駄目かな
「それって、する以外で俺と会ってるって事だよね」
やっぱり、したい?
「違う、嬉しい」
しないのが?どうして?
龍成は人気の無い方へ私を引っ張った
「だって未来さん始め俺に、身体の事だけ知ってたらいいって言ってたでしょ」
「彼女じゃなくてセフレだって」
「でも今は俺とセックス以外の事、してもいいと思ってるって事でしょ」
うん、水族館も楽しかったし
「これからも色んな事して色々な所行こうね」
龍成が、無理じゃない範囲、でならね
龍成は辺りを見回して“チュッ”と一瞬のキスをくれた
いい歳をしたオバサンが何をしているのかと、顔が熱くなるのがわかった
家に帰ってお風呂に入りながら、さっきまでの事を思い出す
晩ご飯はお肉がいいと龍成が言うから鉄板焼きのお店に入った
本当は少し裏道の方に入った所に美味しい焼き肉屋さんがあるけど、臭いが凄いからスーツが大変な事になると思って諦めた
ステーキやシーフードを注文して焼きながら、ノンアルコールビールを飲む
「ビール飲みたいね」
うん、でも最近のノンアルコールは、飲めるよね
2人ともお肉は焼き過ぎない派
少しづつ焼いて食べる
「美味しいね」
うん、美味しい
「未来さん本当に野菜食べないね」
出されたら、食べるよ
そう言いながらチキンステーキを食べる
龍成はサラダも頼んでいる
サラダ、美味しい?
「うん、食べてみる?」
箸でサラダを摘んで差し出してきた
いらない
普通に断ったけど、心の中ではビックリしていた
だってそれって、あーん、って食べろってことでしょ
無理、無理無理!
さっきの“路チュー”といい恥ずかしすぎる
思い出しただけでも顔が赤くなりそうだった
後半年で40歳になるオバチャンが、そりゃあキモいって言われるよ
龍成は若く見えるし、いいかもしれないけど
そんなことを考えていたら、手が疎かになっていた
「未来さん、食べないの」
あ、食べるよ
「ね、次はいつにする」
いつ?
「来週会うの」
来週は、夜ならいつでも
「じゃあ水曜日か木曜日、またメールするね」
うん
「それ以外でもメールするけどね」
うん、そうだね
結局、この日の龍成はいつもと変わらなかった
翌週の月曜日、出勤して事務所に行くと経理の人に呼び止められた
「今月中に有給の残り、使わないと消えちゃうわよ」
え、今月中ですか
「年度末だからね」
じゃあ休みの日に充ててください、残りは諦めます
うちの会社は福利厚生がしっかりしてるから、アルバイトでも有給がある
毎月、ポツポツ取ればいいんだけど、面倒くさいのと忘れるので、毎年3月にまとめて取る羽目になる
まあ普段は用事もないし、次のお給料が増えるからいいんだけど
サクサクと接客をこなし休憩時間、ロッカールームに行くと恵子ちゃんがいた
「お疲れ」
お疲れ、休憩何時まで?
「後30分」
お弁当を広げて、恵子ちゃんと話をしていたら、ふと思い付いた
そうだ、ちょっと聞きたいんだけど
昨日思った若作りについて聞いてみる
「似合ってたらいいんじゃない、未来ミニスカとか履くわけじゃないし、大丈夫だよ」
そうかなぁ、でも実際、無理って言われたら何着ていいのかわからないんだけどね
「誰かに何か言われたの?」
ううん、でも世間では40歳のババアが恋愛するな、とか色気づいてキモいとか言われてるから
「若い子は言うだろうね、自分が歳取って40歳になった時、もっとキモくなってるかもなのにね」
だよね、日々努力が必要だよね
「未来は子供も産んでないし、ライン崩れてないからいいよ、私なんてお腹やばいよ」
恵子ちゃんこそ、二十歳の息子がいるなんて、とても見えないよ
「オバサン同士で褒めあってりゃ、世話ないね」
2人で笑う、とても楽しい日常
※前のレスは今日の事なので、若作りの事を考えてたのは一昨日でした
日曜日丸々仕事していたので感覚的に昨日と思ってました、すみません※
龍成からは相変わらずメールが届く
私がたまにしか返さないのもいつもの事
それでもめげない彼が面白いと思う
「木曜日、早く終われそう」
今日、仕事が終わると届いていたメール
木曜日、私は休みだ
私は何時からでもいいよ
「仕事先から直帰出来そうだから、また連絡するね」
そう言うけど、昨日だって日曜日なのに何度もメールをくれていた
私は朝と昼休憩と寝る前に返したけど、その間にも
「〜の再放送見た」
「暇」
「明日仕事行ったら、予定確認して連絡するね」
とか
昨日はどこも出かけずにゴロゴロしてたらしい
私は今週は火曜日と木曜日が休み
つまり明日休み
明日は朝からスーパーに食料を買いに行く予定
ハンバーグが食べたいから作ろうと思っている
いつも恵子ちゃんに
「休みの時、何してるの」
って聞かれるけど、対して何もしていない
もちろん友達と遊んだり、たまにはそれが恵子ちゃんだったりするけど、毎週ではない
休みも合わないし
来週の休みは梨花が都合が付けば遊ぼうと言っているけど、まだわからない
明日は天気が良かったら、ベッドシーツや大物の洗濯もしたいな
後の時間はのんびり過ごそう
昼寝も大好きで本当によく寝ると思う
友達に「あんたシワやほうれい線がないのは寝てる時間が長いからじゃない」
と言われる程
でも当たってるかも
15歳の春、高校生になった
無事に合格できた高校は偏差値でいうと中の下、下の上くらい
でも家から近くて制服が可愛い
現在の制服程ではないけれど、田舎の公立高校ではかなりマシなレベルだった
地元なので同じ中学校出身も多くて、私は例の肋骨を折った子と同じクラスになった
10組もあるのに、ついていないけど気にすることもない
真由美はヤンキーをやめてギャルになった
私はあまり変わらない
半分以上の生徒がヤンキー&元ヤンだけど、学年や上級生との揉め事もない
制服の改造も1年生から自由だった
やっぱり高校は違うなあと感心する
肋骨の子は話すと普通にいい子だった
一応、あの時はごめんな、と謝った
「ケンカだから、別に謝らなくていいよ、こっちこそ親が警察なんか出してきてごめん」
そんな感じで和解した
私は少しだけスカートを短くして、ブレザーのウエストを絞った
ブレザーは自分では出来なくて、洋裁をしていたお向かいのオバチャンにお願いしたから、かなり可愛い
オバチャンにも20代の娘さんがいて、懐かしいと言った
お礼にへそくりから5000円つつんだけど受け取ってもらえなかったから、ケーキを持って行って、ありがとう、と言うと
「未来ちゃん、大きくなったね」
と言われた
ちょっと照れくさくて
母さんには内緒にしてね、とお願いをした
どうせあの人は私の制服になんて興味はないから
真由美は制服の改造を春休みにしていた
見かけによらず手先が器用な真由美はブレザーの丈も自分で短くして、スカートなんか超短い
それ、パンツ見えるんじゃないの
「別にいいよ、こっちのが可愛いじゃん」
まあいいなら、いいけどね
確かに小柄な真由美には似合っている
「未来のブレザーもいいじゃん、どうやったのそれ」
向かいのオバチャンが、ミシン出来るからお願いした
「そっか、あんたには無理だよな」
うるさいな、真由美が器用なんだから一緒にしないでよね
「でも、裏から見たら凄いよ」
そう言って裏を見せてくれたけど、やっぱり上手だと思うし、裏なんて見えないから全然気にならない
制服にはリボンタイも付いていて、ヤンキーはそれを付けずに胸元を開けて着るのが定番らしい
真由美は細くして緩く結んでいる
私はコンプレックスの胸を隠せるから、規定通りにふわっとリボン結び
学校的には付けていれば、問題ないようだった
学校でも仲の良い子が出来て、遊ぶようになった頃、アルバイトを始めた
月並みだけどファミレスのウェイトレス
週2回くらい働いていた
お小遣いは充分もらっていたけど、暇だし今のうちにお金をなるべく貯めておきたかった
この頃、中二になった弟はにょきにょきと背が伸びて、同時に筋肉質に変化していた
もう女の子みたいで守らなければいけない存在ではない
家では仲良しだけど、休みの日を一緒に過ごすことはなくなった
家にきた弟の友達に、妹?と言われるようになったのもこの時くらいから
学校の勉強は問題なかった
レベルがレベルだからか、進むのも遅いし基礎的な事しか習わない
先生も柄が悪いけど、面白い先生が多いから学校は楽しかった
生徒に向かって
「お前らみたいな馬鹿教えるのがどれだけ大変だと思ってる、ちょっとは頑張ってくれよ」
なんて平気で馬鹿呼ばわりするけど、こっちも慣れてるから気にも留めない
「お前が頑張れよ」
と言い返すくらいだ
定期テストの赤点は30点
記号問題が30点くらいあるから、本来は補習になるなんてありえないけど、各教科クラスで2.3人は赤点を取る
先生が嘆くのもわかる気がした
私は受験勉強のおかげで授業を聞くくらいは出来るようになっていたから、60点前後は取れた
期末テストも終わって夏休みが近づいてきたとき、ふと、となりに来た弟が大きい事に気づいた
え、あんた大きくなってる?キモ
「キモくないだろ!姉ちゃんだって2年の時、めっちゃ背伸びたじゃん」
ちょっと、来て
鏡の前に並ばせたら3センチくらい私より大きいし腕なんてガチガチに太い
うわ、男みたい
「だから男だって!成長期舐めんな」
そうか、だからこの前、妹って言われたのか
唐突に納得した
「そう、あいつ、ビックリしてた、姉ちゃん高校生に見えないって」
失礼な、背の順だって真ん中より後ろなんだよ
「雰囲気じゃね?」
ますます失礼だね
でも男らしくなっていく圭一を見て、何故か安心した
夏休みはファミレスと掛け持ちで市営プールの監視員をした
実はカナヅチだけど、女子は幼児プールと券売担当だから問題ない
超人気バイトだから、母のコネを使って働くことにした
利用できるものは利用するし、他の子も似たような物だと思う
夏休みだけで高校生にしては結構なお給料をもらって、これもヘソクリにする
何かに使う予定はないけど、お金はあるに越したことはないと、この頃から思っていた
曽祖父のお金はあまり頭になく、貯めるのが楽しい、という感じ
なにかにつけて母から搾取していた分も含めて50万円以上は持っていた
それとお年玉貯金、こちらは両親にもバレているから別に考えている
それに夏休みのバイト代を足すと、100万円の大台も見えてきて密かにニヤケた
高校を出たら家を出たい
当時はそんなことも考えていた
実際には出来ないだろう、その想像は何だか少しワクワクした
「そんなに稼いでどうすんの」
真由美やほかの友達が言うから
原チャリ、買う
適当に返事をする
私は秋生まれだから、夏休みにはまだ免許がなかった
真由美は早々に免許を取ったけど、肝心の原チャリがないので
「あんた、そういうところ、考えてるよね」
と感心した
学校では原チャリ免許もバイトも一応禁止だったけど、守ってる子なんていない
二学期始めの行事、体育祭の準備でクラスの団結が強くなった頃、私に変化が起きた
初潮、生理、がきた
「良かったじゃん!病院行かなくて済んだな」
こっそり真由美に伝えたら、凄く喜んでくれた
中学生の時、保険の先生に相談したら
「16歳になっても来なかったら、診察してもらいなさい」
と言われていたけど産婦人科なんてとんでもないし、この時にはもう
無いなら無いで構わない、と思っていた
それにしても半端なく痛い
体育祭の準備でパネル係だったから、学校は休みたくない
私は運動が得意じゃないし、真由美みたいに手先も器用じゃないから、応援団のコスチュームも作れない
でもレタリングやポスターは得意で、実は小学校の時からよく賞を貰っていた
それと、もう一つ、真由美のクラスのある男の子が、気になっていた
その子、将生(まさき)はチャラいタイプのヤンキーだった
同じ中学校出身の子に聞いたら、中学生の時からモテていて、常に彼女がいるらしい
今の彼女は高校に入って二人目、同学年の派手な女だった
「未来、将生の事気になるの?」
真由美のクラスに遊びに行ってた時、言われた
誰?
「あいつ、将生だよ」
初めて名前を知った
別に、どうして?
「なんか、ずっと見てたよ」
それが始まりだったけど、その時は好きとか思わなかった
どういうものかも、わからなかったし
でも真由美に指摘されてから、そう言えば見てるかな、と気になるようになってきた
もう、真由美が変な事言うから
だから気になるんだと思っていた
体育祭がきっかけか、いつの間にか真由美のグループと将生が話すようになっていて、私もたまにその中に交ざっていた
将生の彼女もいたりして表面上は仲良く喋ってるみたいに見えるけど、彼女は将生にベッタリして、私のもの、オーラを放っている
自分たちの教室に戻る途中、同じクラスの環が
「私、あの女嫌い」
と言った
あの女?
「将生?君の彼女」
ああ、私も嫌い、根性悪そう
「だよね、ケバいだけで美人でもないし」
イチャつき過ぎだよね
そんな悪口で盛り上がった
私が自分の気持ちに気付いたのは中間テストが終わって文化祭の前、みんなで夜、遊びに行った時
真由美のグループと私のクラスの子たち、いろいろで15人以上はいたと思う
男子は半分弱、将生もいる、彼女も
当時のカラオケはレーザーディスク?で1曲100円、みたいな感じだったと思う
広い部屋に、それでもギュウギュウに入ってはしゃいだ
中には喫煙してる子もいたけど、お構いなし
私は真由美のクラスで環と同じ中学校出身の子達と仲良くなって、珍しくテンションが上がっていた
10時を過ぎた頃
私、そろそろ帰るね
「えー、もうちょっとしたらみんな帰るよ、もうちょっといいじゃん」
引き止めてくれるのは嬉しいけど、もうちょっと、なんて宛にならないし、帰らないと心配する
圭一が
「未来は寝るの早いんだよね」
真由美が助け舟を出してくれて、帰れそうな雰囲気になった時
「また遊ぼうな、未来」
そう言って笑った将生を見て
あ、この人の事、好きかも
とうとう自覚した
一旦自覚したら、もう大好きだった
今まで、友達や家族を好きなのとどう違うんだろう、なんて思っていたのが嘘みたいだと思う
どうしよう、私、将生の事、好きだ
真由美たちを見てると好きになったら告白して付き合ったり、しているけど、彼女いるし
本当に自分がこんな事で悩むなんて想像もしていなかったから、どうしていいかわからない
ここは素直に真由美に相談しよう
そう言えば真由美は違う高校の男の子といい感じだと言っていた
それも聞きたい
是非、将生と付き合いたいと思った私は、真由美をお手本にしようと思った
私、将生と付き合いたい
「え!マジで!?とうとう未来も目覚めた?」
自分でもビックリだけど、大好き
「でもあんた、初恋があれって趣味悪くない!?」
どうして、笑ったら可愛いじゃん
「ていうか、顔だけだろ」
真由美、仲良しじゃん
「友達にはいいよ、面白いし、友達多いしでも、タラシだよ!」
タラシ?
「女たらし!いっつも女いるじゃん」
モテるんでしょ、真由美だってモテるから、すぐ彼氏できるじゃん
「私はいいの、ちゃんと付き合ってるんだから」
そう言えば、この前言ってた子とはどうなったの
「あんたから、男のこと聞かれる日が来るとはね」
違う学校の子とかどうやって知り合うの?どうやったら告白とかされるの?
そう、真由美はいつも狙った相手に告白される
美人だからかもしれないけど、何か技があるのかもしれない
あるなら絶対に教えてもらわなければならない
真由美とその相手の出会いは、真由美のクラスの友達が出身中学校の男子に
お互い高校の友達連れて遊ぼう
と誘われて4×4で遊んだのが切っ掛けだった
今で言う合コンみたいな感じらしい
「この前、電話で付き合ってって言われた」
え、付き合うの
「まだ返事してないけど、そのつもりだよ」
どうやったら、告白されるの
「そんなのわからないけど、自分が好きになったらそれが相手にわかるようには、するかな」
何それ
「好きです、アピール的な」
そしたら告白される?
「今の所はね、でもあいつは賛成出来ない、どこがいいの」
わからない、気が付いた時には大好きだった
「あいつ今、女いるから付き合いたいなら、別れるの待つか、別れさせるかだよ」
別れさせる、は無理じゃない?
「あんたを好きになってもらえばいいじゃん」
だから、それがわからないんだってば
取り敢えず、真由美の言う“好きアピール”をしながら別れるのを待つことにした
真由美は私に好きな子が出来た事を中学校のみんなに報告したいと言って、近々みんなで会う約束をした
面白がってるな、と思うけど、みんなには会いたいから会う事自体に文句はない
それにしても、好きアピールってどうするんだろう
話しかけたり、でいいのかな
どうしても将生と付き合いたかった私は、どうしてわからなかったけど、頑張ることに決めた
真由美にも協力してもらいたい
みんなの前でお願いしてみよう
土曜日の午後、私の家に中学時代の友達が集まった
みんなと会うのは夏休みぶり、家に来てもらうのは卒業して以来だった
変わり果てた弟を見てみんなは
「天使はもういないんだね」
と落胆していた
「でもやっぱりハーフみたいだよね」
梨花はそれでもオッケーらしい
ムキムキ、だけどね
そんな話から、とうとう私の好きな子の話になった
「で真由美的にはオススメじゃないんだ」
「チャラいんだよね、常に女いるし」
モテるんだよ、別にいいじゃん
「どこがいいの」
笑うと可愛いし、みんなに優しい
「チャラそうだね」
「チャラいんだよ、だから」
違う、よく見てると、話に入れない子に話振ったり、さり気なく高いところとかの物、取ったりしてる
体育祭の準備の時、見ていて気付いた
その時はまだ自分の気持ちには気付いてなかったけど、真由美に言われるくらいには、見てた
「まあそれは好みだから、いいとしてさ」
「そんな奴なら、付き合ったらすぐにやりたがるんじゃないの?」
やりたがる?
「エッチだよ、セックス」
「あんた、その子が初体験でもいいの?」
将生と、私がするの?
そんなこと考えたこともなかった、ただ好きだと気づいて将生の“特別”になりたくなった
だから付き合いたいと思っていたけど、そうか
付き合う=セックス、という事もあるのかと初めてそこまで考えた
集まったメンツで未経験は私と梨花、真由美とちぃちゃんとさくらは経験済
私が、将生と、する!?
少ない知識を振り絞って想像してみる
付き合って、デートして、キスして、その先
やっぱりよくわからないけど、それが付き合うという事なら全然構わないと思った
別に、嫌じゃない、と思う
「未来、ホントに好きな子出来たんだね」
梨花が感心したように言った
うん、自分でも良く分からないけど、大好き、友達じゃなくて特別になりたい
「特別?」
「あー、私が前に未来に、なんでみんな付き合うんだって聞かれたから特別になれるからって教えた」
「なるほどね」
そう、付き合いたいの、だから真由美にも協力して欲しい
「確かに真由美、協力してやらないと、未来一人じゃどうしていいか、わからないんじゃない」
「でもあいつだろ」
「真由美、過保護だよ」
ちいちゃんがそう言うとみんな口々に
「そうだよ」「ホントだ」「心配しすぎ」
とか言って笑った
「真由美のタイプじゃなくても未来が好きなんだったら、協力してあげなよ」
梨花が口添えしてくれたおかげで真由美も渋々頷いた
「協力って、どうして欲しいの」
え、とね、遊ぶとき、誘って欲しいし、好きなものとか誕生日とか色々わかったら教えて欲しい
それと、彼女と別れたらすぐに教えて!
「未来、案外積極的だね」
さくらが言った
だって、絶対に付き合いたいもん
それまで、物欲や執着がほとんど無かった私が多分初めて本気で欲しがったもの
初めて好きになった男の子、将生
それからは自分で言うのも何だけど、物凄く頑張った
バイトじゃない日は遊びに参加したり、環に付き合ってもらって、真由美のクラスに行って少しでも話が出来そうな時は話しかけたり
みんなで話している時は「将生はどう?」「将生はどっち?」とかウザくならない程度に話を振ったりもした
これは真由美に教えてもらった“興味あるアピール”
効果の程はわからないけど、文化祭の準備に入るくらいにはかなり仲良くなれたと思う
今もそうなのだけど、私は彼にヤキモチを焼く、ということがない
だからこの時も彼女に対してヤキモチなんて全くなかった
ただ羨ましいな、いいなとは思うし、こんな子が将生のタイプなのかな、等と考えたりはする
彼女の方は私が将生を好きだと気づいていたと思うけど、相手にされていなかった
私なんかに取られるわけがない、と思っている感じだった
周りのカップルを見てみると、大体半年以内に別れている
もちろん中学校からずっと付き合ってる子もいたけど、真由美も含めて3ヶ月から半年で破局が殆どだ
私はその破局を待っている
自分に略奪出来るような魅力がないのは自覚しているから、順番待ちをしている
大人から見たらそれもどうかと思うけど、当時の私にはそれしか思いつかなかったし、別れるのを待つことが酷いとも思っていなかった
ある日、環やいつもお弁当を一緒に食べている子らが学食に行くというので、私もお弁当を持って学食に行った
そこで、ちょっとした事があった
私と他のお弁当持ちの子は先に席を取りに行って、学食組の子を待っていた
揃って食べようとしたところに、将生たちが来て隣に座った
将生に話しかけるチャンスだと思って
将生、何買ったの?
彼のトレーを除きながら聞いてみる
「親子丼、ってお前の弁当めっちゃ美味そう」
そう、じゃなくて美味しいよ
「まさか自分で作ってるの」
うん、うち母親仕事行くの早いからね
この頃、お弁当を作るのに凝っていて、夜に仕込みをして作ったりしていた
材料費は母に貰ってバイトのない日に近所のスーパーで買い物する、その日のメインは豚肉の野菜巻き、卵焼きとウインナーは鉄板で入っている
1つ、食べる?
そう言ってお弁当のフタに豚肉の野菜巻きを1つ、コロンと入れて将生の方に差し出した
言ってから、あ、他人が作ったものなんか気持ち悪いかな
と思ったけど、将生はサッと自分の箸で取ると口に入れた
「え!マジ美味い、すごいじゃん未来」
褒められて単純に嬉しい、チラッと環たちの方を見るとみんな目線で応援してくれている
もっと、食べる?
「食いたいけどお前の分、あ、そうだ」
そう言って自分のトレーと私のお弁当を入れ替えた
「交換」
え、いいの
この頃からよく食べたから、お弁当は女子サイズじゃない、でも将生には足りないんじゃないかな
そう思ったけど、将生はもうお弁当を食べ始めたから私も親子丼を食べることにした
教室に戻るとみんな「仲いいじゃん」「絶対にイケるよ」と応援してくれた
私は嘘や隠し事が得意じゃないから、クラスの仲良しグループには好きな子ができた事を告白している
将生の事が好きだから頑張りたいけど、他に将生のこと好きな子がいるんだったら正直に言ってほしい
友達同士で遠慮したり、私のせいで将生に告白出来ないとかは嫌だったからハッキリ宣言した
その上で言わないのなら、それはそれで仕方ない
環には別の学校に彼がいるし、他の2人は好きな子を教えてくれた
残りの2人はいないらしい
女の友情はどこまで信用できるか微妙だけど、みんな私を応援してくれる
人を疑うのも苦手だから、信用することにした
でも、将生、彼女いるからね
「あのケバいのね、どうせすぐに別れるよ」
そうかな、でも別れたら速攻告白する
「未来、今までボーっとした感じだったのに、何か変わったね」
「他のところは相変わらずだよ」
環、ひどい
そして文化祭の準備、またクラスの看板を書く係りになった
うちのクラスは焼きそばの屋台をする
5.6人で2m程あるパネルを相談しながらデザインした
放課後、アルバイトや習いものがある時以外はみんな残って作業をする
ヤンキー学校だけど、こういう時の団結力は多分すごい
体育祭の時もそうだったけど、みんな根は明るくてイベント好きのいい奴だからかもしれない
大人から見たらただの馬鹿の集まりだけど
この学校に来て本当に良かった
将生にも、会えたし
各クラス、廊下で看板のパネルを制作している
うちのクラスは、焼きそばとバックは完成して後は「焼きそば」と「1-6」の文字を入れるだけ
でも場所と色がなかなか決まらない
その日パネル係で残っていたのは私を入れて4人
色々相談してやっと下書きに入ったとき、将生が通りかかった
「おお、なんか派手でいいじゃん」
でしょ、目立たないと儲からないし
「儲ける気?」
そりゃ、やるからにはね
文化祭の経費は学校から出るけど、足りない時は1人500円とか建て替える
そして売り上げの中から返してもらった残りが利益になる
だから展示やステージなど売上のないクラスは予算内でしなければならない
ただ、利益が出たぶんは確か寄付か何かにされてしまうんだけど、それは仕方ない
「そうだ、今日帰り駅まで乗せてってよ、チャリだろ?」
え、でも彼女は?
私はいつも真由美と帰ってるけど、今日は真由美がアルバイトで先に帰っている
「もう帰った、あいつこんなの好きじゃないから」
ならいいけど、もうちょっとするよ?
「じゃあもうちょいしたらカバン持ってくるわ」
わかった、後でね
そう言ったけど、本当はビックリした
2人きりになるのは初めてだ
「未来ちゃん、あの子と仲いいんだね」
一緒にパネルを書いてる子に言われた
仲いい、かな
ちょっと嬉しい、本当は彼女になりたいんだけど、今はそれで充分
少しして将生が来たから、みんなで片付けて帰る支度をした
駅までは自転車で10分もかからない
いつもは違う道から帰るけど、駅を回っても距離は変わらないから、遠回りにもならない
将生を荷台に乗せて駅に向かう
「重い?」
別に、大丈夫
小さい頃から道場に通っているせいか、見た目の割には筋肉質で力がある
「未来家どの辺?」
駅から5分くらい下がったところ、近いよ、将生は何駅?
そんな話をしながら駅まではすぐに着いてしまった
「お、さんきゅ」
別に遠回りでもないし、いいよ
「お前、急ぐ?」
え?別に今日はバイトもないし、どうして
「ちょっと腹へった、そこ寄ろう」
将生は駅前のファストフード店を指さした
心の中で「やったー!!」と思いながら、私も喉渇いてるから、いいよ
と返した
カウンターで注文して2階の席に着いた
「未来って案外背高いよな」
何いきなり、157くらいあるよ
「さっきカウンターで並んだとき思った、もっとチビだと思ってたけど、横に来たら案外大きかった」
よく言われるんだよね、それ、でも中二まではチビだったよ
中二で急に背が伸びた事や、小学校の時はたまに男の子に間違われた事を話した
「今は男になんて見えないよ」
そりゃあ流石にね、なんか中性的?だったらしいよ
「今は高校生に見えないな」
そんなことない、制服も似合うって言われるもん
「確かに制服は似合ってる、可愛いけど、中学生ぽい」
可愛い
可愛いと言われて嬉しくて、中学生ぽいが付いていた事は気にしないことにした
家に帰って、さっきまで将生と2人でいた事を思い出す
嫌いな子とは寄り道したりしないよね
どうしよう、嬉しい
彼女の事は気にならなかった、別に寄り道しただけだし
高校生なんてそんなものかもしれない
とりあえず、真由美には報告したかったから、ポケベルを鳴らしておいた
バイトが終わって家に帰ったら電話してくれると思う
夜遅くになるかもしれないから、部屋の子機を枕元に置いておく
真由美に、やっぱりチャラい奴、とか言われるよね
でもどうしても2人で帰った事を報告したかった
先にお風呂に入って、部屋にはテレビがないからマンガを読みながら電話を待っていると、11時すぎに子機が鳴った
もしもし
「もしもし、遅くなってごめん」
全然、こっちこそバイトなのにごめんね、時間大丈夫?
そうして簡単に今日の事を話した
「やっぱりチャラいね、タラシだって!女いるのに」
言うと思った、でも友達ならいいんじゃないの
「私は彼氏が女子と2人でとか嫌」
そんなもの?
なら断った方が良かったのだろうか、でも好きな相手に誘われて断るなんて嫌だ
「まあ、未来から誘ったんじゃないもんな、そりゃあ行きたいのはわかるよ、でも」
でも?
「もしあんたが彼女になった時、おんなじ事する奴でもいいの?」
あー、なるほどそこまで考えてないや、真由美凄いね
「普通だよ」
でも、好きだし
「そっか、で楽しかったんだ今日」
うん、すごく
可愛いと言われたことを話したら、真由美はまた「ホントにチャラくて嫌だ」と言った
文化祭の焼きそばは大人気だった
調理担当女子のおかげか味見した焼きそばはかなり美味しかったし、売上も予想以上
立て替えた500円を引いてもかなりの利益が出て、みんなで喜んだ
その後に期末テストもあったけど、ほとんど記憶にない
学校には友達と遊びに行っているようなものだし、学校行事はテストより遠足や体育祭、文化祭の方がメインだから仕方ない
冬休み、みんなで初詣に行こうという事になったけど、真由美は彼氏と行くから行かないと言う
環も彼とだし、どうしようかな
他の子とも面識はあるし仲が悪いわけじゃないけど、この寒い中出かけるほどではないと思った、でも
「多分将生は行くよ」
真由美が教えてくれたから、行くことにした
真由美のクラスの子でカラオケで仲良くなった優子ちゃんが電話で集合場所を教えてくれた
二年参りは女子が行けない子が多くて、元旦の昼から、近辺では有名な大社の最寄駅
電話で、将生も来る?とは聞けなかった
聞きたい気持ちはあったけど、それ目当てだとバレるし、当日までのお楽しみと思うことにした
当日電車に乗って指定の場所に5分ほど前に着くと、すでに数人集まっていたけど将生の姿は見えない
少しガッカリして、でも折角だから楽しもうとみんなに声をかける
あけまして、おめでとう
「おめでとう今年もよろしくね」
あとまだ誰か来る?
「まだ半分くらいだよ、男子ほとんど来てないし」
そうなんだ
結構たくさん来るんだな、じゃあ将生も来るかな
期待して待った
将生が来てみんなが揃ったのは約束時間の15分後だった
みんな揃って初詣、というか出店巡りに出発する
凄い人ではぐれそうだったから、優子ちゃんと手を繋いでいた
「凄い人だね、はぐれたら出口で待ち合わせにした方がいいかな」
そうだね、どこか集合場所決めといた方がいいかも
一旦みんなで集まって、もしはぐれたらさい銭箱を過ぎた所のトイレで待ち合わせにした
数人の女子と一緒に出店を見てまわる
私はお昼ご飯をしっかり食べてきたから、リンゴ飴を買ってかじりながら歩いた
男子が射的のところに固まっているのを発見して人ごみをかき分けて合流すると将生もいた
「お、あけましておめでとう」
おめでとう今年もよろしく
将生が私に話しかけてくれた
そう言えば彼女は来ていない、明日にでも2人で行くのかなと思って聞いてみた
将生、今日は彼女いないね
「別れた」
え、ウソ
「マジ、喧嘩して面倒くさくなった」
喧嘩したんだ、どうして?
「いいじゃん、なんでも」
本当に別れたの?
「うん」
そうなんだ
突然の事でそれしか言えなかったけど、頭の中では物凄い勢いで脳内会議が始まっていた
どうしよう、なら早く告白しないとすぐに新しい彼女出来ちゃうよね
でも今はみんないるし無理
なんとか帰りまでにに2人になれないかな
告白って、なんて言えばいいんだろう
好きです、付き合ってくださいでいいのかな、普通すぎるかな
一応みんなでワイワイしながら頭の中はその事でいっぱいだった
ひと通り楽しんでついでに初詣も済ませる
これからどうするかと相談してカラオケに決まったけど、多分いっぱいだろう
「2時間以上待つなら諦めよう」
そう決めて一番近いカラオケ屋に向かった
すると意外にも空いていて、30分くらいで入れると言われたので待つことにする
みんなでお年玉の話やテレビの特番の話をした
お年玉と言えば、うちは親戚が少ない
父が養子というのが関係あるのかわからないけど父方は付き合いがないし、母は3人兄弟だけど1人若い頃に亡くなっている
祖父と曽祖父がいた頃は二人もくれていたけど、それも中二まで
だからもらえるのは叔父さん一人だけ
それが可哀想と思っていたのかは知らないけど、親から5万円貰った
中学の時は3万円だったから、今朝ポチ袋を開けてびっくりした
もちろん貯金しようと思っている
カラオケは混雑しているから、2時間固定だと言われた
2時間なんてすぐだけど、仕方ない
あっという間に時間が来て、帰る子と引き続き遊ぶ子に別れた
私は帰る組
帰って圭一とゲームの続きをしなければいけない
また新学期ね、と約束して解散したけど、将生がついて来る
わたし達、電車で帰るのは女子5人くらいと男子2人だったと思う
将生は確か自転車だったと思うんだけどな、駐輪場に停めたのかな
そう思いながら歩いていると、男子が私の代わりに聞いてくれた
「将生、お前チャリどこ置いてんの?」
「駅、駅前で買い物して帰る」
なんとか、私も駅前に残れないかな
歩きながらひたすら考えた
駅に付いた時
「未来、買い物付き合えよ」
いきなり将生に言われてびっくりした
え、いいけど、じゃあ本屋も寄ってくれる?
「おう」
駅に入っていく友達を2人で見送った
将生、何買うの
「何買おうかな」
え?買うものあるんでしょ
「ああ、あれ嘘」
ウソ?
「なあ俺、女と別れたんだ」
うん
ドキッとした
「お前、俺に言う事ないの」
私?
どうしよう、多分将生は私が自分を好きな事に気付いてたんだ
「未来?」
将生、好き
顔を見て言った
「俺も好き」
本当に?
「うん、俺と付き合ってよ」
うん
頷くとそっと手をつながれた
「じゃあ、今日から俺ら彼氏彼女な」
将生、ずっと好きだったの、知ってたの?
「うん、結構分かりやすかった」
急に恥ずかしくなって下を向いた
「ポケベルの番号教えて」
そう言われてポケベルと家の電話番号が書いてある自作の名刺を渡す
「なにこれ凄いな」
真由美と一緒に作った、真由美んちのパソコンで
将生は駅員さんにペンを借りてレシートの裏に自分の番号を書いて渡してくれた
「なあ、お前処女?」
え
一瞬何を聞かれたのかわからなかった
うん、付き合うのも初めて
どうしてそんなことを聞くのかと思ったけど、正直に答える
「やっぱり」
なんだろう、処女だから付き合うのかな
その時は少し不安になったけど、この先、将生は2年生になるまでキスしかしなかった
※学生編は一旦終了します
最後までいくと長くなって、彼との事が書けないからです
また彼とのことで書くことがない時に2年生になって初体験とお別れを書くと思います
自身の都合で読みにくいかも知れませんが、御容赦下さい
木曜日、龍成と会う約束があったからその前に美容室に行こうと午前中に予約を入れた
離婚後、外に一人で出れるようになってからはずっと梨花の務めているところに通っている
朝一が良かったけど、予約が取れたのは12時
珍しく二度寝してから店に向かう
梨花と会うのも久しぶりかも
10分ほど前に着いたけどすぐに席に案内された
「未来久しぶり、バス旅行以来だね」
そうだよね、元気?
「真ん中が受験で大変だったよ」
あ、そうか、どうだった?
「一応、志望校合格した、大したところじゃないけどね」
おめでとう!梨花が離婚したときはまだ小さかったのにね、早いなぁ
「大変だよ2人高校だもん」
元旦那から養育費とかないんだよね
「そりゃあ、自分一人の生活費も稼げなくて、金借りに来るくらいだからね」
そうだね
梨花の元旦那は離婚してからも何回か梨花のところにお金を借りに来ていた
「そっちはどうなの、変わりないの?」
髪毛染め剤を塗りながら梨花が聞いてくれるけど、本当の事は言えない
悪気はないけど梨花は少しお喋りだから
やっぱり自慢できる関係じゃないから、言いふらされたくない
別に、いつも通りのんびりやってるよ
そう答えながら心の中で謝った
龍成との関係で唯一、嫌なところがあるとすれば、兄弟や親しい人達に言えないところだと思う
他の不倫している人はみんな、どうしているんだろう
そんなことを考えながら、梨花と他愛ない事を話した
今回のカラーはいつもより少し明るめにしてもらった
実はおしゃれ染め、白髪染めだけど
こればかりは歳には勝てないらしく、ここ数年で結構増えた
「仕上げどうする?結構伸びたよね、伸ばすの?」
どうしよう、久しぶりにちょっとだけ、伸ばそうかと思ってる
「いいんじゃない、じゃあ今日は軽く巻いておくね」
ちょうど鎖骨くらいの長さの髪をゆるく巻いてもらって一部だけ編み込んでもらった
「うん、似合うよ」
ありがとう、また家に行ってもいい?合格のお祝い、したい
「うちはいつでもいいけど、そんなのいらないよ」
じゃあ、美味しいしゃぶしゃぶのお肉、いっぱい持っていく、3人とも食べ盛りだし
「それ喜ぶ、ありがとうね」
じゃあまた、連絡するね
お会計をして店を後にした
時間は2時すぎ、携帯を見ると龍成からメールが来ていた
「今から行くところ終わったら帰れるから、5時までには会えると思う、どうする?」
どうする、か
どうしよう5時としてご飯に行くには早いし、ホテルは中途半端な気がする
それに正直、今日は髪をセットしてもらったから、直ホテルは嫌だ、勿体無い
龍成、どこにいるの?
仕事中ならメールは見ないかもしれないけど、聞いてみる
「街の方、こっち出てこれる?」
土曜日も行ったから、ちょっと面倒くさいと思ったけど、せっかく髪型も可愛くしてもらったし出かけるのもいいかな、と思い直した
家に帰って鏡で自分をじっくり見る
なんか、若作りじゃないかな、やっぱり
梨花はいつも「未来は若く見えるから大丈夫」と言って可愛い髪型にしてくれるけど、少し不安だった
でも元々可愛いが大好きだから嬉しいのもホントの事で
梨花のところに行ったときは下地とファンデだけだったから、そのままイソイソとメイクを始める
眉を書いてアイラインを引き、付けまつげを付ける
そうすると、地味でのっぺらぼうみたいな顔がキリッとするから不思議な物だと思う
髪型に合わせてナチュ眉とタレ目に見える付けまつげを付けた
チークはピンクだとやりすぎだから、ピーチオレンジ
お出かけ仕様の出来上がり
レベルが1〜10まであるとして、家にいる時が1だとすると今日は8くらいの出来栄え
やっぱり髪がキレイ
薄桃色のザックリセーターに黒のスキニー
足元はブーツにしよう
上着は迷ったけど、チェックの少しだけ薄目のコートにした
もう三月だしね
とりあえず先に街まで出て何処かでお茶でもしていよう
本屋も寄りたいし
そう思いながら、いつの間にかウキウキしている自分に気づいた
私、龍成と会うの楽しみなんだな、と改めて実感する
龍成もそうだといいな
電車に揺られて駅に着くまで、龍成との事を思い出した
こういう関係になってまだ3ヶ月も経っていない
でもあの時、思い止まらずに彼とセックスして良かったと今は思っている
セックスは気持ちいいし、誰かと会うためにお洒落するのはとても楽しい
街について駅の近くの大きい本屋に入る
弟の事をオタクとか言ったけど、私も実はマンガが好きだった
今は少年マンガ3種類とワイド版4種類を買い集めていて、物置部屋の隅には結構大きな本棚が隠すように置いてある
別に内緒じゃないけど、いい歳して言いふらす事でもない
最近、本屋に行っていなかったから、新刊が3つ出ていた
どうしよう、欲しいけど、今買ったら荷物になるし
今度の休みに地元の本屋に行こうと決めて、ネイルの本を立ち読みした
実は真由美はネイルスクールの経営をしている
サロンも二店舗持っているけど、スクールが大当たりして、今では社長
田舎でいち早くネイルに目を付けたのが正解だったと思う
私も真由美に勧められて、ジェルネイルの資格を2級まで取った
今のところ、その資格を使う予定はないけれど、自分の爪は自分で出来るから節約にはなっているのかもしれない
熱心に春のデザインを見ていたらメールが届いた、龍成だ
「終わった!今どうしてるの?」
もう、着いてるよ、本屋で立ち読み中
返信すると今度は電話が鳴った
「もしもし、もうついてるの?ごめん」
大丈夫、本見てたし、今からどこか入って待っとくよ
「車で駐車場まで行くから、15分くらいで近くまで行けると思うけど、何処にする?」
どこの駐車場が停めやすいの?
相談して駅より少し西寄りの大通りにあるコーヒーショップで待つことにした
カフェオレを頼んで携帯を開いた
DMメールのチェックをして、ラインを見ると真由美からラインが来ている
来週旅行に着ていく服を買いに行きたいから一緒に行こうというものだった
いいよ、私も春物見たい、大阪あったかいかな
と、来週のシフトも添えて返信した
「お待たせ」
龍成が勢い良く入って来た
お疲れ様、仕事大丈夫だった?
「大丈夫だけど、もっと早く終われると思ってたのに案外時間かかったよ」
でもまだ5時前だよ、何か飲む?
龍成は座ってアイスコーヒーを注文した
「未来さん、今日雰囲気違うね」
髪の色少し変えたよ
「それパーマ?」
違う、コテで巻いてもらった、梨花、友達の美容師のところに行ってきたから
「うん、似合ってるよ、可愛い」
龍成、いつもそんな事言うけど、もう可愛いって歳じゃないよ
「でも可愛いよ、未来さん俺より若く見えるし」
絶対、そんな事ない
「俺がそう言ってるんだからいいじゃん」
もう、いい
「これから、どこ行こうか」
別にどこでもいいけど、龍成行きたい所ある?
「もし良かったら靴見たい」
靴か、いいよ、どんなの欲しいの
「スニーカー、休みの日とか履くやつ、こっちの靴屋の方が種類多いし」
私もスニーカー見ようかな
龍成に来月、真由美と旅行に行くことを話した
「え!いいなぁ!俺も行きたい」
お土産買ってくるよ、今度は
龍成は羨ましそうにしているけど、仕方ない
わたし達は旅行なんて行けない
この辺りはお店が沢山あるから靴屋さんも何件もある
手を繋いで歩きながら目に付いた靴屋に入った
「どんなの欲しいの」
え、とね、かなり歩くから歩きやすいやつ、いつも履いてるメーカーがいいかな、龍成は?
「今履いてるやつ古くなったから代わりの、別にこだわり無いよ」
そうなんだ、私はハイカットが好きかな、足首隠せるし
私は足首が太いのが嫌で、仕事以外はほとんどブーツかハイカットのスニーカーを履いている
春〜秋にかけてはワンピースでもスニーカー
上げ底とかも履くけど、今回は歩きやすさ重視だから普通のがいい
何件か見て回って1つ気に入ったのを見つけた
「あ、それいいね、カッコイイ」
いいよね、これ
「試着する?あ、これユニセックスじゃん」
うん、そうだね
「俺もこれにしようかな」
え、お揃い?
「ダメ?」
別に、駄目じゃないけど
有名メーカーの春の新モデルだから、沢山の人が買うだろうし、気にする事じゃないと思う、でも
「じゃあ履いてみようよ未来さんサイズ何センチ?」
そう言って店員さんに自分と私の分のサイズをだしてもらった
2人で並んで靴の紐を通していると、店員さんが
「そちら春のNewモデルでカップルで買われる方多いですよ」
カップル
まあ、ある意味カップルかもしれない
不倫カップルだし
本当の事だから別に構わないけど、カップルという言葉がちょっと恥ずかしい
でも龍成は
「そうなんですね、女の人でもカッコイイですよね、これ」
と嬉しそうに応えた
成り行きでオソロのスニーカーを購入した
お会計はもちろん別だけど、何となく照れくさい
龍成がレジからご機嫌で私の方に歩いてくる
「さっきの店員さんに、仲良くていいですねって言われた」
そうなんだ
まあ、仲が悪いことはない、と思う
ご飯どうする?
「靴も買ったし車で湾岸沿いの方のグリルハウス行かない?」
車?龍成の?
龍成の車は実は抵抗がある
だって、家の車だから家族で乗る物だと思う
そこに不倫相手が乗るのはどうなんだろう
私が奥さんだったら嫌だけど、旦那がよその女とセックスしても平気な人は平気なのかな
「どうしたの?」
うん、でも車って家族も乗るでしょ、そこに私なんて、乗ったら駄目じゃない?
正直に前から思っていたことを話す
人の旦那さんとセックスしておいて、悩むところが違うかも知れないけど、私には気になるところだった
私が龍成を家に呼ばないのも同じ理由でお互いの生活空間が交わることに戸惑いがある
「でもどうせ後でホテル行く時、乗るでしょ、同じじゃない?それに家族だけじゃなくて友達や同僚も乗るし、気にしすぎだよ」
言われてみればその通りだと思った
もしここでご飯を食べたとしても、ホテルまではどのみち車で移動することになるだろう
そうだね、わかった
つまらないこだわりかも知れないけど、なんだか負けた気がした
でも、だからってホテルに行かないとは言えないから、仕方ない
今日は龍成と、したい
車に乗り込んでスニーカーを後ろの座席に置かせてもらう
助手席に座ってシートベルトをする
実際に乗ってしまうと諦めがついた
「どうして、車嫌がるの?」
龍成がストレートに聞いてきた
だって、奥さんが乗った時、私の気配したら、嫌じゃないかなぁ
「気配?」
例えば、匂いとか、髪の毛とか、そりゃあ、龍成が外で、他の女としてるのは知ってても
「何?続けて、聞くよ」
実際に、女の影が見えるのは、嫌じゃ、ないかな
自分で話しながらドキドキしていた
奥さんに対して罪悪感なんてないけど、やっぱり既婚者と分かってて付き合ってるんだから、最低限の事は気をつけたい
「なるほどね、未来さんて案外ちゃんと考えてるんだね」
案外って
確かに梨花や真由美にも言われるけど
「でも、そんなの気にしなくていいよ、女の影なんて家でも出てると思うし」
え、どういう意味?
「俺、最近イライラしないんだ、家で」
龍成は「家のこと話すけど、ごめんね」と前置きして家の様子を話し出した
前は奥さんに何か言われる度にイライラして、態度に出したり、奥さんも言い方がキツくなってよくケンカになっていたらしい
奥さんは相変わらず、アレして、これはしないで、何でしないの、とうるさいけど、イライラせずにスルー出来るのだという
「最近はケンカもないし、子供ともよく遊ぶし、前とは変わったからね、その原因が未来さんだって事は多分気づいてるよ」
だから気にしなくていいんだ、と龍成は笑った
良く、分からないけど、龍成が、いいなら、いいよ
「そうそう、気にしなくていいよ」
基本、自分の旦那が他の女とセックスしてもいいと思う事が分からないから、理解は出来ないけど、考えるのが面倒くさいし、せっかく今から美味しいもの食べるんだから、もういいやと思った
店についてメニューを選んだ
ステーキとロブスターを焼いてもらう
「今日その髪してもらった友達も、あのオッチャンの店来る?」
うん、でも子供と来るから、早い時間に来て、すぐに帰るよ
「俺、見たことあるかなぁ、どんな人?」
高校生から中学生くらいの男の子3人連れてて、あと、巨乳
「あ、巨乳は覚えてないけど、男の子3人連れた人は見た事ある、暁さんとも話してたし、多分その人だ」
覚えてるの?
「小さい人だよね確か、顔はあんまり覚えてない」
じゃあ、そうかも
「あの人美容師なんだ」
うん、ずっとカットしてもらってるんだ
そんな事を話しながら食べたロブスターはすごく美味しくて、もう、車のことなんてどうでも良くなっていた
こうして段々不倫に慣れていくのかもしれない
そのままいつもとは違うホテル街に向かった
初めて入るホテルは、ひと部屋がゆったりとした作りになっていて、ちょっとだけ高級な感じがした
やっぱり街の方はラブホもオシャレなんだなと感心した
コートを脱いで、龍成とキスをする
それだけで身体の芯が熱くなる気がした
口内で舌を絡ませてお互いの唾液を交換する
ひどく興奮した
唇が離れていくと同時にため息が出た
「もう、エロい顔になってるよ」
だって、感じるから
「俺、今日は汗かいたからシャワーする、未来さんは?」
私も浴びたい
「じゃあサッと浴びよう」
龍成はスーツをハンガーにかけて、浴室へ向かった
私は下着姿になってから洗面台の前に行って、髪の編み込みをほどいた
髪は洗わないけど、ピンが留めてあったから取って置かないと不安だ
鏡を見るといつもと雰囲気の違う自分がいる
今、整形メイクとか言われてるけど、それに近いものがあると思う
横のドアが開いて龍成が出てきた
「未来さんどうしたの」
髪のピン、取ってた
「髪型で雰囲気変わるよね」
一緒に鏡をのぞき込んで私の顔を見ながら、感心したように言う
メイクも、変えてるからね
「そうなの?いつもよりふわっとした感じだよね」
私を自分の方に向けてジッと顔を見てくる
「いつもよりタレ目に見える、かな」
すごい、あたり
そのまま顔が近づいて来て、またキスをした
「未来さん可愛い」
そんなこと言うの、龍成だけだよ
「俺だけで、いいじゃん」
そうだね
入れ替わりにシャワーへ向かった
シャワーを浴びながら気持ちを落ち着かせる
アソコを洗おうとしたらもう、濡れていた
ちょっと情けなくなりながら綺麗に洗う
キスだけで、こんなに感じるなんて
龍成はよく濡れると喜んでくれるけど、やっぱり恥ずかしい
バスタオルを巻いて浴室から出ていくと、龍成がベッドの上でゴロゴロしながらAVを見ている
今日は、どんなの?
「良く分からない、でもこの女優、ちょっとブタだよね」
ホントだ、ウエストとお腹の肉、やばいね
「若そうなのにね」
うん、おっぱい大きいけど、太ってるから、かなって思うね
人事だから言いたい放題評価する
そのうち女優さんは結構ハードなプレイを始めた
「やっぱり、可愛い子じゃないから扱い雑いね」
そんなもの?
「そりゃそうでしょ、可愛くてスタイルいい子なら普通のプレイで充分だけど、このクラスなら多少は頑張らないと、使ってもらえないよ」
そうかもね
2人でしばらく応援する気分でテレビを見た
モザイクがかかっているけど、多分フィストされている女優さんを見ていたら、ちょっと気の毒になってきた
龍成、これちょっと可哀想
彼にくっついてそう言うとチャンネルを変えてくれた
今度は綺麗な子がPVみたいなインタビューから普通のセックスをするやつらしい
ホッとしていると、龍成が私の身体を抱き寄せた
顔を見上げると目が合って、キスをする
胸に手が伸びてきて軽く揉まれた
「さっきの、ちょっとグロかったね」
胸を触ったまま、龍成がさっきのAVの事を言ってきた
ローションでベタベタにされていたけど、女優さんは演技でなく、痛がっているみたいに見えた
そっとアソコを撫でられて、ビクッと震えた
「大丈夫、俺あんな事しないよ」
可笑しそうに龍成が言う
ちがう、イキナリだったから
「大丈夫、未来さんのココ、あんなに入らないよ」
でも、赤ちゃんは、通るんだよ、そこ
胸とアソコをゆっくりとだけど愛撫されているから、ちょっと話すのが辛くなってきた
「そうだけど、あれは出てくるんだから、何とか出るんじゃない?それに未来さん産んでないじゃん」
そ、だけど、産む時、は、切開も、する、もんね
「そう言えばそうだね、大変だね、お産」
ん、龍成、もっと
我慢出来なくなって、催促した
脚を開かれて、指が奥まで入ってくる
すごく、気持ちいい
龍成の肩に手を置いて彼の顔を見た
また、目が合ってキスしてくれる
「気持ち、良さそう」
うん、いい、気持ちいい
「未来さん、可愛い」
龍成
名前を呼ぶとキスしてくれる
彼の指がいいところを集中して攻めてきた
や、やだ
「どうして、キュウキュウ締め付けてくるよ」
あ、イ、イク、や
「イっていいよ」
乳首を噛まれて、中を掻き回された
身体が痙攣するように震えて、中は龍成の指を飲み込むように収縮する
「未来」
名前を呼ばれて虚ろになった目で龍成を見た
「入れるよ」
そう言うと指を引き抜いて、素早くゴムを付けると、龍成の物が奥まで入ってきた
あ、ああ
イったばかりで敏感なそこに、大きな物を奥まで入れられて鳥肌が立った
でも龍成はすぐに動かずに、私を抱きしめる
「未来、好きだ」
耳元で龍成の低い声が囁いた
龍成
いつも、名前を呼ぶことしか出来ない
ゆっくりと動きながら、深く口付けてきた
ん、んん
気持ちいいけど、龍成の舌が口内に入ってくるから、くぐもった声しか出せない
体制をバックに変えて、後ろから背中に抱きつかれる
背中にキスされて、胸を揉まれてどこも気持ちいいけど、挿入がゆっくりで浅いから物足りない
龍成、もっと
「イヤらしいなぁ」
うん、もっと、突いて
両方の乳首をギュと捻ると同時に一番奥まで突き入れらる
あっ
「気持ちいい?」
う、ん
しばらく激しく出し入れしていたけど、一旦引き抜かれて仰向けにされた
ほぅ、とため息をつくと、腕を引っ張られて身体を起こされる
「入れて」
座った龍成の上に跨って、彼の物を迎え入れた
上下に動きながらキスをする
気持ち、いい?
「すごく、いいよ」
龍成に胸を愛撫してもらいながら、自分のいい所に当たるように動く
気持ちよくて、アソコが熱くてトロけそう
イキそうになってきたから、キスをして龍成の舌を吸い上げた
龍成が私の腰を掴んで下から突き上げてくれる
一気に快感がせり上がってきて、彼にしがみついた
ああ、イク、あっ
アソコがジュワっと熱くなって龍成の物を締め付けると、彼も身震いして私の身体を抱きしめて達した
そっと後ろに寝かされてずるっと引き抜かれる
今日は抜くの早いな、と思っていると、すぐに指が入ってきた
や、待って
「無理、もう一回入れるよ」
片手で器用にゴムを付け替えて、またすぐに入れられた
少しだけ元気のなかった彼の物が、入ってきた
中を数回前後したらすぐに固くなって、内側からアソコが圧迫される気がした
はぁ
イったばかりなので、彼がじっとしていても私の中が動いて勝手に快感を拾う
「気持ちいいね」
うん、ずっと、このまま、入れておきたい
「そんなの俺が我慢出来ないよ」
気持ちいい?
「すごくいいよ、絡みついてくる」
入ってるだけ、なのに
「うん?」
気持ち、よくて
「うん」
はぁ、ずっと、こうしてたい、けど、もっと、欲しい
繋がって動かないまま、龍成と話す
その間も、アソコからはジワジワと快感が来るからだんだん物足りなくなってくる
龍成の物も中でビクビクしてるから、動きたい筈なのに動いてくれない
「未来さん、俺とセックスするの好き?」
うん、大好き
「俺と出掛けるの、楽しい?」
うん
「未来さん」
龍成?
なんだか少し違和感を感じて、顔をのぞき込んだ
前に、お風呂で見た顔だ
どうしたの?
「何でもない、未来さん好きだよ」
そう言ってキスをすると同時に動き出した
優しい動きで、私を気持ちよくすることにだけを考えた動きに思えた
龍成のセックスは大好き
たまに興奮して激しくされることもあるけど、それでも感じるし、ちっとも嫌じゃない
キスをして、身体中に指を這わされて、中のイイところを刷り上げられて快感しかない
同時に絶頂を迎えて、抱きしめられる
本当に、愛されてるみたいだと、思った
すごく気持ちよくしてもらって、余韻に浸っていると龍成がキスしてくれる
龍成、なにか嫌なこと、あるの?
「どうして?」
さっき一瞬だけ、変な顔、してた
この前もお風呂で思った事、なにか思う所があるなら話して欲しいことを龍成に伝えた
「未来さん、よく見てるんだね」
そう言って龍成は自分の気持ちを話してくれた
上手くは説明できないけど、自分には家庭があるのは分かっている、でも私を独り占めしたい、私にも自分を必要として欲しいと思ってしまう
「未来さんは俺とデートしたり、旅行したりしたいと思わない?」
デート?してるじゃない
「俺が誘うからでしょ」
だって
基本、私たちに許されてるのはセックスだけだし、車の事もそうだけど、奥さんはそんなの許してないでしょ
私もはじめは、セックスだけと思っていたけど、水族館行ったら楽しくて、どうせどこにも行かなくても不倫って言われるなら、楽しもうと思った
でも、やっぱり私から誘ったりは出来ないし、する気もないよ
「どうして、俺の家の事?それなら気にしなくていい」
4年間拒否されて、風俗も否定された時から、俺の中では嫁とは終わっている
なら、離婚すればいいのは分かってる、楽な方を選んでる事も
でも、あの時から俺、外では俺の好きな事するって決めた、向こうだってATMだと思ってるんだし、俺は子供への義務だけの為にそれを続けることにした
「俺は未来さんが好きだから、セックスだけじゃなくて、もっと色んな事したいんだ」
苦しいくらいに抱きしめられて、嬉しいけど、少しだけ切なくなった
龍成、そんな事、言わないで
龍成の話は、本当かもしれない
でも、それだけを聞いて信じられる程、若くない
龍成のいう事は彼の本音でも、相手には相手の言い分があるだろう
奥さんに確かめれば良いのかもしれないけれど、私は今のままでいいから、面倒には関わりたくなかった
龍成の気持ちは、分かるけど、今1番盛り上がる時期だから、そう思うだけだよ
「そんな事ない」
奥さんの気持ちは、私には、分からない
本当にお金のためだけなのか、そうじゃないのか
でも分からないことは、考えても仕方ないから、龍成がいいなら、私も構わないよ、私は今のままが、いい
「今のまま?」
たまに会って、セックスして、気が向いたら、デートして、楽しい事だけ、したい
楽を選んでいるのは、お互い様、だよ
「俺、結婚してるくせに未来さんに好きだって言ってしまうのが、未来さんに悪くて」
私に?
普通は、奥さんに、じゃないだろうかと思う
別に、気にしてないよ、私、龍成と結婚したい、とか思ってないし
「今のままでいいの?」
今のままが、いい、これから先、は分からないけど、今は幸せだし
「未来さん」
龍成、私の事は考えなくて、いいんだよ、自分がしたいように、してるんだから
もう一度強く抱きしめられた
「好きだよ、愛してる」
龍成
そのまましばらく抱き合っていた
龍成は私に「俺の事好き?」とは聞かない
聞いてくれたら、答えるのに
話しすぎて遅くなったので、泡アワは諦めて服を着た
龍成の気持ちを聞けて、よかったと思う
龍成もスッキリしたみたいで、着替えながら話す彼はいつもの彼に戻っていた
「俺、来週水曜日、有給取った」
有給?代休じゃなくて
「年度末だから取らないと損なんだ」
うちと、同じだ
思い出して、事務員さんに言われた事や有給3つ損したことを話した
「未来さんらしいね、で次の休みは?」
、、、、水曜日
「やった!俺の予想バッチリ!」
でも、真由美と買い物、行こうと思ってたんだよね
「え、そうなの」
ちょっと、待って
携帯を取り出して真由美からの返信を確認した
私は来週、水、木曜日連休だから木曜日に決めてくれてたら、龍成と会える
「じゃあ木曜日行こうか、またお迎え大丈夫かな?」
龍成はけっこうツキがある
「了解、またいつも通り、起きたらラインしてね」
返信して携帯をしまった
真由美、木曜日になった
「オッケー!じゃあ水曜日は俺ね!」
分かった、いつも通り、珈琲館で待ち合わせ、ね
その後、帰りながら相談して、水曜日はホテルでカラオケしたりDVDを見ることにした
ほかの地域は知らないけど、うちのホテル街は競争が激しいから、設備が充実していて、カラオケも新しいし、DVDプレイヤーも殆どの部屋にある
私はホラーが好きだけど、一人で見るのは怖いから家では見れない
水曜日までに見たいけど見ていない「クロユリ」と「呪怨」あたりを借りておくことにした
龍成と会って金、土、日と張り切って仕事をこなす
今週のシフトは木曜から次の水曜まで休みがなくて5連勤、その分連休が待っているけど、私は3日行って休みくらいの繰り返しがいい
水曜日は龍成と、木曜日は真由美と買い物、もしかしたらその後2人で梨花の子供のお祝いに押しかけるかもしれない
結構忙しいな、と考えただけで少し疲れた
龍成とはホテルでDVD鑑賞だから、セックスは控えめにして、出来たら昼寝もしよう
仕事はアルバイトだけど、お客様と接するのは楽しいし、同僚達にも恵まれてると思うけど、最近ちょっと、困っているのが、パートの吉田さん
なんだか頻繁に話しかけてきて、メイクや服装の事なんかを聞いてくる
はっきりいって迷惑
他にも同じくらいの歳の人はいっぱいいるのに、どうして私なんだろう
「未来さん、休みの日ってどんな感じの服来てるんですか」
え、出かけるときはスカートやワンピース、予定のない日は普通にジーパンです
「えー!ジーパンとか履くんですね、想像できない」
履きますね
「どんなの履くんですか」
ボーイフレンドかスキニー、ですかね
何がしたいんだろうと思いながら、隠すことでもないから質問に答える
「独身だから、自由にお洒落出来ていいですね」
はい
「彼氏さんの好みとか、取り入れたりしますか」
は?
「彼の好きな服装とか」
ああ、取り入れません、今はいないですし
とりあえず、ここは隠しておいた
いくらウソや隠し事が苦手でも、職場で「不倫中です」と公言したりはしない
でも、鋭い恵子ちゃんなんかはそろそろ私に相手がいる事を察しているかもしれないと思う
今度聞かれたら「彼」がいる事だけは話そうと思った
その方が後々楽だ
週明け、恵子ちゃんと休憩が被った時に、吉田さんの事を相談した
「そりゃあ今まで子育てしかして来なかったから、いざ彼のためにお洒落したくても、何からしたらいいか分からないんじゃない?」
別に私に聞かなくても、同い年くらいのパートさん、たくさんいるのに
特別仲良くもないのに、どうしてと思う
「他のパートさんには聞きにくいんじゃない?不倫の後ろめたさ、もあるかも」
後ろめたさ
「普段一緒にいる人たちに、いつもと違う話したら違和感もたれるじゃん、ま、今更だけど」
明らかに、化粧濃いもんね
「久々の恋愛で色々見失ってるよ」
でもさ、恵子ちゃんはもう、結婚して20年くらい、でしょ
「うん、それくらい」
飽きない?
「飽きる、よ、でも家族だし今更他の男なんて面倒くさいし、そんな気無いよ」
旦那さん、好きなんだね
「うーん、まあそうかな、デキ婚だから若い時は色々あったけどね」
ヤンママだもんね
「みんなが海外旅行行ってるときに、子供のオムツ替えてたよ」
でももう、楽じゃん
「大学生2人で金が大変だよ」
そっか、親ってずっと大変なんだね
でもイケメンのお兄ちゃんと、可愛い女の子、もう何年も見ていないけど、ちょっと羨ましい
水曜日の朝、いつもと同じ時間に目が覚めたから朝風呂の用意をしながら朝ごはんを作った
作ると言っても、パンを焼いてベーコンがあっからベーコンエッグ、後は残り物の鶏のバジル焼き
朝は結構しっかり食べる
小説を更新しようと思ったら、感想スレにレスが来ていた
こんな小説とも言えないものに感想をしてくれるなんて、ありがたいと思う
でも、子供の事とか言われても、とも正直思う
彼の子供が可愛そうだとするなら、それは両親が肌を合わせることも出来ない関係しか築けなかったから、としか思わない
そんな事は聞かれなければ普段考える事さえもしない
みんな色々考えるんだなぁと思う
できる限り私の気持ちをレスするけど、多分理解できないだろう、お互いに
それでも書くときから、レスはキチンとすると決めているからそれは続けていこうと思っている
書こうと思っていたことが、感想の方で話題になって、若干ネタバレだしタイミングが良すぎる気もするけど、車の件とかをその前に書いていたから色々疑問に思われた方もいたのかもしれない
お風呂で更新しながら、龍成の事を考えた
セックスするようになって3ヶ月目、普通のカップルでも1番ラブラブな期間
龍成はずっと乾き切っていたところに、突然水を与えられたような状態なんだと思う
だから今、は私の事が好きなんだろう
感想の方でも、この先、と言う方がいるけど、先の事なんて、普通のカップルでも、夫婦でも分からないと思う
なのに何故、そんな事を言うのか理解できない
私は元々ヤキモチを焼くこともなくて、その為か過去の彼に「冷たい」と言われた事もある
何故、ヤキモチを焼くのか、良く分からない
そりゃあ目の前で、他の女とキスされたりすれば腹は立つかも知れないけど、そんな事態に遭遇したことは無いし、自分と会っていない時の相手の事なんて考えない
私といる時に、ちゃんと大切にしていてくれていたら、それ以上何がいるんだろう
私は付き合っている彼としかセックスしないし、浮気なんて考えない、そんなに暇じゃないし
だからって相手にもそれを強要したいと思わない
もちろん、浮気されてる事が分かってしまったら別れるけど、わざわざ疑ったり、会わない日の彼の予定が気になったりしない
だから「冷たい」のだろうか
自分が束縛されるのを嫌うから、相手も自由にして欲しいと思っているだけなのに
そう言えば、前のスレで前後の話は忘れたけど、私が彼としかしませんとレスしたら、龍成は奥さんとか他の女とやりまくってるかもよ
みたいな返しをされたけど、あれも意味が分からなかった
私が龍成としかしない事と、彼が私だけじゃない事に何の関係があるんだろう
私が知らないところでなら、彼の自由なのに
龍成の事を今まで浮気しまくりで、奥さんに拒否られてるかもって書いてた人もいた
それも関係ないし、興味もない
彼と結婚するわけじゃないから、彼が家庭でどんな夫なのか知る必要なんてないと思う
私と会っている時、可愛くて優しくてセックスが上手
それで充分
お風呂から上がって支度をしながら、ふと吉田さんの事を思い出した
私の私服を気にしていたけど、別に普通だと思う
ブランドにも興味ないし、こだわりもない
強いていうなら、スカートなら脚がキレイに見えるとか、ワンピースは太って見えないものとか
色は赤や紺色、緑が好きで黒はあまり着ない
ボーイフレンドデニムは刺繍が派手で可愛いから好きなメーカーがある
今日はどうせホテルだから、これでいいや
ヘビロテのボーイフレンドデニムにパーカーを重ねる
暖かいし車だから、上着はいらないかもと思うけど、一応薄手のスタジャンを用意する
中が上げ底になっているスニーカーで出かけた
うちの地元のホテル街のサービスタイムは11時からだからあんまり早く行くのも何だけど、龍成が待っているからとりあえず珈琲館に向かう
朝ごはんが早かったから、ちょっとお腹が空いてきた
サンドイッチ、食べようかな
そう思いながら店の扉を開けると、すぐに龍成を見つけた
おはよう
「おはよう未来さん、あ今日はまた雰囲気変わって可愛いね」
声、大きい、恥ずかしいよ
向かいに座りながら窘めた
「ごめん、でも似合ってるよ」
普通だってば
「可愛いのになぁ」
もう放置してカフェオレとサンドイッチを頼んだ
「朝ごはん、まだだった?」
6時くらいに食べた
「じゃあオヤツだね、あDVD借りた?」
借りたよ、ベタな邦画のホラー、3本
「渋い趣味だね」
龍成がニカッ、と私の好きな笑い方で笑った
サンドイッチを食べながら、龍成を観察してみた
顔は好みもあるだろうけど、悪くない、収入は知らないけど、家族を養えているんだからそれなりだと思う
さっきのニカッ、で笑う笑い方が可愛くて気に入っている
指もすらっと長くて爪の形がキレイ
髭が欲しいところだけど、それは仕方ない
歳は確か35くらいだけど、もう少し若く見える
「何、ジッと見てるの」
居心地が悪かったのか、龍成が聞いてきた
分析、してた
「分析?」
龍成の事、モテそうだな、と思って
「マジで?まぁでも独身の時はまあまあモテたかな」
ふふ
「いや、自分から振っといて鼻で笑うのやめてよ」
ごめん、でもモテたんだ
「まあまあ、ね」
そっか、やっぱり、可愛いもんね
「可愛いって、嫌だ」
どうして
「そりゃあ男なんだから、可愛いって言われたら、素直には喜べないよ」
そうなの?
でも、他に表現しようがない
カッコイイ、も違うし
「他にないの」
笑うと、可愛い
「もういい」
拗ねたフリをする彼を見て、やっぱり可愛いと思った
そうしていつも通り私の車でホテルに向かう
今回はちょっと古めだけど、ランチ付きの所にした
部屋をパネルで選ぶ前にフロントでDVDプレイヤーの有無を確認する
ちょっと恥ずかしい気もするけど、そこはオバチャンだから目的重視
部屋に入るとリネンが清潔で古さを感じさせない
「ここ、イイね」
龍成も気に入ったみたいだった
パーカーを脱いでTシャツとジーパンでゴソゴソとカバンから借りてきたDVDを取り出した
どれから見る?
「俺、貞子見た」
え、3D?
「うん、ごめん」
全然大丈夫、他のは?
「両方、パチンコで知ってる」
パチンコ、実は私も、打った事あるよ
「え、未来さんパチンコするの?」
すっごくたまにだけど、真由美と一パチ?っていうの行く
「意外、勝った?」
前にクロユリ団地打って、いっぱい出たよ
「凄いね」
ゲームみたいで、楽しいよね
「そう言えばゲーム好きなんだよね」
どうして、知ってるの?
龍成は明らかに“しまった”って顔をした
暁!?
「待って、怒らないで、未来さんとこうなる前に聞いたんだよ」
前?
「未来さん覚えてなかったけど、俺、初めて話した時より前にも未来さんと会ってるんだ、未来さんの事気に入って、色々聞いた」
何、聞いたの
見た目より気が強くて、頑固、弟と仲良し
ゲームやマンガが好きで、一人暮らし、そしてバツイチ
他にも色々あるのかも知れないけど、龍成が白状したのはそんな感じだった
自分の知らないところで、自分が話題になるのは何となく気まずい
ましてや暁だし
暁、今度会ったらシメる
心の中で決心した
龍成は機嫌を取るように、持ち込んだ発泡酒を持ってきた
どうせ夜までいるんだから、午前中に飲んでも飲酒運転にはならないだろうと、途中で買っていた
「未来さん、はい」
別に本気で怒ってないから、素直に受け取ってクロユリ団地をプレイヤーに入れた
結論としてクロユリ団地は成宮君が可愛かった、という印象
怖くなかった、私的には
龍成と下着姿でベットに入りながら見ていたけど、彼は多分ちょっとビビってたと思う
パチンコの方が、面白かったね
「あー、でも俺ちょっと怖かったかも」
ビクッって、なってたね
今日の部屋はテレビが大きかったから、迫力はあった
素直に怖いと言える彼に好感が持てる
少し感想やパチンコクロユリ団地の事を話していたら、龍成がブラに手を伸ばしてきた
「外していい?」
どうぞ
そっと外されて、貧弱な胸が現れる
大切そうに手のひらで包み込むと、顔を寄せて乳首にチュッと吸い付いた
顔を見上げて、キスをする
舌を絡めながら、乳首を愛撫してくれる
「未来さんのここ、可愛い」
そう言って固くなった、多分少し小さめの乳首をもう一度口に含んだ
舌で押し潰すように舐められて、もう片方は強く捻られる
息が荒くなってきて、アソコも濡れてくるのがわかった
はぁっ、龍成、アソコも、して
お願いしたけど、ひたすら乳首責めされて、聞いてもらえない
「自分でして」
興奮した声で、優しく命令された
我慢できなくて、自分のアソコに手を伸ばすと、もうヌルヌルに濡れている
そこに自分の指を埋め込む
龍成は身体を起こして乳首の愛撫は続けたまま、私に脚を開かせて私のアソコを見ている
「未来、自分で触って、気持ちいい?」
うん、いい
「指、イヤらしく動いてるよ」
耳元で囁かれて、身体が熱くなった
自分でアソコを慰めながら龍成を見た
右手で私の乳首を愛撫して、左手は内ももに添えて脚を開かせたまま、アソコと私の顔を交互に見ている
龍成
目が合ったから名前を呼ぶと伸び上がってキスしてくれた
「未来、気持ちいい顔してる」
気持ちいい、よ
キスして舌を絡めていると、ゾクゾクと快感が背中を這ってくる
ふ、あ
「イキそう?」
うん
「指、もっと動かして」
胸への愛撫とキスで手が疎かになっているのを指摘された
舌を吸い上げられながら、指で中のいいところを掻き回した
んん
全身が震えて絶頂をむかえる
指が入ったままだから、自分の中が生き物のように動いているのが分かった
チュッと音を立てて唇が離れる
そっと指を引き抜いた
「気持ちよかったね」
う、ん
ティシュで指を拭こうと思ったら、龍成が私の手首を掴んで指を自分の口に含んだ
や、龍成やだ
手を引こうとしたけど、手首をガッチリ握られているし、イったばかりでイマイチ力も入らない
手のひらまでキレイに舐められて、恥ずかしくて見ていられなかった
「キレイになったよ」
汚い、のに
「汚くないよ、あんまり味しないし」
でも
反論しようかと思ったけど、もう舐められてしまった後だから諦めた
それより、やり返してやろうと思って少しダルさの残った身体を起こした
龍成の物を見ると、これ以上無いくらい大きくなっている
そっと手を伸ばして顔を近付けた
チュッと先っぽにキスしてゆるゆると扱く
龍成は座り直して頭を撫でてくれた
鈴口に舌をねじ込むと少しだけ彼の味がする
アイスバーを舐めるように下から上に舌を這わせた
ビクッと龍成の腹筋が動いたのに気を良くして、パクッと全体を奥まで口に含む
吸い上げながら上下に頭を動かすと、上の方からため息のような声が聞こえた
龍成、気持ちいい?
「凄くいい、未来の口の中」
どこが、好き?
「裏のところと、頭のところ」
ここ?
また口に入れて龍成が感じる所を、刺激した
「やばい、出そう」
出しても、いいよ
私は口に出されたって平気、むしろ嬉しい
「嫌、入れたい」
無視して口で愛撫を続ける
「ダメだって」
やんわりと頭を持って引き抜かれた
渋々ゴムを用意する
龍成は1回出してもすぐに復活するから、たまには口に欲しかったのに
座ったままの龍成に跨って、アソコの入り口に彼の物を持ってくる
彼の物でそこを触ると充分に濡れていた
クチュっと頭の部分が中に入ってくる
「あ、ヤバイ出そう」
口で、1回出せば、良かったのに
「勿体無いから嫌、全部中で出したい」
勿体ない、の
全部埋め込んで彼の顔をみた
「未来の中、凄くいいから、中でイキたい」
じゃあ、中で、イって
腰を動かし始めると、龍成が私の腰を掴んできた
その力の強さで彼に余裕が無いのがわかる
予想通り、かなりの早さでイってしまった
「うー」
私の身体を抱きしめて、ほぼ存在しない胸の谷間に顔を埋めた龍成が悔しそうに唸った
龍成の頭にキスをすると彼が顔を上げた
龍成、気持ち、良かった?
「未来さん」
彼の物を中に収めたままキスをする
も一回、して
ゴムを替えるために一旦離れた
すぐに新しいゴムを付けた龍成が近づいてくる
キスを受けながら、後ろに倒された
そっとアソコに指を這わせて、濡れているのを確かめるとゆっくりと埋め込んでくれる
んっ
「未来、凄く濡れてる」
龍成
名前を呼ぶとキスしてくれる
胸やアソコを愛撫されて、彼の物が欲しくてたまらない
ね、龍成、入れて
指が引き抜かれて代わりに龍成の物が押し当てられた
ゆっくりと挿入が始まると、どんどん快感が押し寄せてくる
あ、いい
「未来、可愛い」
龍成
抱きしめられて激しく揺さぶられる
気持ちよくて、声が抑えられない
キスをねだって舌を絡めた
繋がったままバックの体制になって後ろから突かれると、さっきとは違ういい所にあたる
や、ああ
もう快感しかなくて涙が目尻に滲んできた
龍成、も、や
「イっていいよ」
私がイキやすいように、いい所を集中して突いてくれた
イク、と思った瞬間にアソコもキュウウっと締まるのが分かる
龍成の物にしがみつくみたいに中が収縮した
私が落ち着くまで、動かずに待ってくれている
「未来、すごい締め付けてくるね」
う、ん
また向かい合うように身体を反転させられる
龍成の顔が見えて何となく安心した
その後仲良く同時に達してもしばらくは繋がったまま抱きしめられていた
入れっぱなしだと龍成の物は完全に萎えないから、ずっとアソコがウズウズする
龍成、抜いて、お腹減った
少し待っていたけど、一向に抜く気配がないので催促する
名残惜しい気もするけど、本当にお腹が空いてきた
「何か頼もうか」
ランチサービスが付いていたからその中からカレーを選ぶ
どうせ冷食かレトルトなら無難だと思った
届けに来てくれた時、真っ最中という訳にもいかないから、とりあえず貞子を見ることにした
龍成は見たけど、もし呪怨が気持ち悪いとカレー食べられない、とヘタレた事を言うのでこちらをプレイヤーに入れる
貞子を見ながら食べたカレーはレトルトぽいけど、別にここでクオリティを求めてはいないから問題ない
食べ終わったトレーを小窓の前に置くとまたベッドに入って続きを見た
と思ったけど、実際には昼寝していた
龍成も寝ていたから起きたらもう夕方
そもそもカレーを食べたのも遅かったから仕方ないけど、サービスタイムは7時まで
どうする?
「え、カレー食べて昼寝しただけじゃん、まだ帰りたくない!」
クロユリも見たし、その後、セックスも、したよ
龍成が納得しなくて、結局サービスタイム+3時間コースという事になった
お風呂にお湯を張って入浴剤を入れる
ここは泡アワがなくて乳白色の入浴剤だったけど、これはこれでいい感じ
なんだか、ツルツルで、気持ちいいね
お風呂でじゃれ合って、ベッドてもう2回セックスした
車の中で次の予定を聞かれたけど、ちょっと分からない、と答えた
来週あたり実家に顔を出したいし、家でゆっくりしたい
「会えないって事?」
分からないよ、私が大丈夫でも龍成が残業かもしれないし
「そうだけど」
毎日メールするんだから、いけそうだったら会おう?ダメでも、その次でいいでしょ
納得できない顔をしていたけど、最近家でゆっくり出来る日がないからちょっと疲れる
もう少しジムで体力作りした方がいいのかもしれない
駐車場で渋る龍成をおろして家に帰った
一人暮らしをして10年くらいだけど、好みにリフォームしたおかげでもうずっと住んでいるみたいに安心する
化粧を落としながら発泡酒を飲んだ
次の日は真由美と買い物
楽しいけど、真由美は買い物と電話が長い
この前も買い物したけど、あれはバーゲンで冬物だったから今度は春物の旅行に着ていく物を見に行く
でも私はジーパンでいいと思っている
靴も買ったし
真由美は一人で決められないから、買い物にはよく誘われる
全然嫌じゃないけど、行くとつい、自分も買ってしまうから注意しないと散財する事になる
明日は絶対に要らないものは買わないでおこう
そう思いながらベッドに入った
寝付きがいいから、すぐに翌朝になる
どれだけ疲れていても、夜遅くても、寝過ごす事は殆どなくて、いつも通りの時間
お掃除ロボットのスイッチを入れて、仕事ぶりを観察しながらコーヒーを飲む
真由美からラインが来るまで、溜まっていた郵便物を片付けた
>> 259
合間にミクルの更新をしながら連絡を待つけど、なかなか来なくて退屈してきた
念のため、去年の春物をチェックしてみる
パーカーが好きなので、沢山ある
ロンTやブラウスは少し欲しいかもしれない
フレアスカートは柄物と緑と紺色、柄パンもあるからボトムはいいかな
そうしているとやっとラインが来た
車に乗って真由美の家へ
この前、行ったときはすごく寒くて震えていたのに、今日は暖かい
春物が欲しくなる季節だなと思う
昨夜、要らないものは買わないと思っていたけど、無理かもしれない
マンションの下に着くと真由美が待ってくれている
「おはよう」
おはよう、今日もあそこでいい?
「うん、いつも悪いね」
いいよ、運転好きだし
前にバーゲンに行ったアウトレットモールへ向かう事にした
お腹すいた
「朝ごはんは?」
食べたけど、もう昼前じゃん
「向こう付いてからでもいい?」
いいけど、お寿司がいい
アウトレットには、回るけど100円じゃないお寿司屋さんが入っていて、けっこう美味しい
「いいよ、私も食べたい」
すっかりお寿司の気分になって、車を走らせた
寿司ネタで好きなのは、ウニ、あん肝、ハマチ、サーモン
お腹がいっぱいになったら機嫌が良くなった
「あんたはずっと腹一杯にしてたらいいと思うよ」
何よそれ、でも、美味しかった
「確かにね」
お腹がいっぱいになったら機嫌が良くなるのはみんな同じかもしれない
買い物をしながら、梨花の子供が高校に合格した事を話した
「今日、梨花んとこ行こうよ」
え、今日?いきなり?
真由美は思い立ったら即実行だから、梨花にラインを送る
買い物を続けていると案外早く返信が来た
「構わないけど、散らかってるよ、7時半なら全員揃うと思う、家に連絡しとく」
「だって、肉買ってくんだろ?」
うん、しゃぶしゃぶ
「どれくらいいるかな」
私たちと、男の子3人
「中、高校生、めっちゃ食いそう」
6人で、1人、500gとして
「3キロ、買っとく?」
うん、あと私はブー肉も、欲しい
「あんた豚しゃぶ好きだね」
私の身体の7割は、豚肉で出来てる、と思う
「それ、当たってるよ」
帰りに地元の肉屋に寄ることにして、買い物を続ける
結局、ブラウス2枚とワンピース、ロンTを買ってしまった
真由美は何を買ったか覚えていないけど、かなりの枚数を買っていた
そんなに、買って、仕舞うところ、あるの
「要らないのは捨てるよ」
そりゃあ、そうだけど
私と真由美は服の入れ替えを頻繁に行う
基本、昨年着なかった物は要らない物になる
「あんたはそれしか買わないの?」
去年、結構ボトム買ったし
少し休憩したくてドーナツ屋さんに入った
甘いものはあんまりだから、パイとカフェオレを注文する
「あんた晩ごはんしゃぶしゃぶだよ」
真由美はコーヒーだけだ
だって食べるの、8時とかでしょ、大丈夫
「あんたは大丈夫か」
納得して席に着く
やっぱり、と言うか、彼との事を聞かれた
「で、最近どうよ」
最近?
「あいつと、会ってるの?」
龍成?うん、昨日も会った
「何か問題とかないの大丈夫?」
問題、ないよ?
真由美にしては珍しく、言葉を選んでいるみたいに見える
「まあ、未来は平気なのか」
平気?
「あんたは昔からヤキモチとか、妬かないから」
ああ、うん、気にならない
真由美は意外と独占欲が強いから、自分が不倫相手で2番手なんて耐えられないんだろうと思う
でも自分が浮気するのは平気だ
その辺は私には理解できない、私は浮気なんてした事がない
曰く「浮気はあくまでも浮気」らしい
「上手くいってるなら、いいけど」
うん、快適だよ、束縛とか、されないし
会いたい時だけ、会える
本心でそう言った
会っている時は可愛くて優しくて、セックスは気持ちよくて
こんなにいいとこ取りでいいのかなと思う
真由美とは恋愛観は合わない
合うのはセックス重視というところだけで、真由美は会っていない時も彼の事を把握しておきたいし、何を置いても自分を最優先してもらわないと気が済まない
好みも全然違うから、一緒に合コンに行っても狙いが被ることもない
お互い理解は出来ないけど、それを否定することも軽蔑することもない
もっと違うところで繋がっていると思う
「ところで、今回受験だったの真ん中だろ、梨花の一番下、何歳なった?」
確か中1、早生まれだから
私が離婚して、正確には実家に帰って2年弱くらい、の時に妊娠していた
あれからもう14年以上経つ
「でもさ」
帰りの車の中で真由美が言う
「不倫でも良いなら、久本さんでも良かったんじゃない?」
久本さん
久本さんとは数年前、真由美の付き添いで行ったどこかの会社の創立何十周年?記念パーティー?
とにかく社長さんがいっぱい来ている立食パーティーで知り合った
何度か食事に誘ってもらって、高そうな料亭とかに連れていってもらった事もある
「あの人良かったのに、金持ちだし」
そうかな、好みじゃ、ない
優しかったし、気前も良かったけど、当時で40代後半だった
もう1年くらい会ってないけど、多分今は50歳くらいだと思う
「未来は若いのが好きだからなぁ」
若い、っていうか、可愛いのが、いいよ
いくら条件が良くても、好みでもない人とセックスなんて出来ない
他にも独身の人から交際を申し込まれたりもあったけど、無理なものは無理
最低限、キスできる顔じゃないと、無理
「付き合ってるうちに情が出てきて、出来るようになるのに」
真由美、面食いのクセに、よく言う
「私は顔もだけど、お金がないのは無理だよ」
真由美、金使い荒いからね
「使いたいから稼いでるんだよ、だから金の無い男なんて絶対嫌」
まあ、お金はあるに越した事、ないもんね
いつの間にか男の話からお金の話になっていた
真由美、確定申告、した?
「税理士さんにお任せ」
儲かってる?
「今までで最高」
年収、いくら?
「秘密、大したことないよ」
絶対嘘だ、と思った
梨花の家に着いて、お肉を渡すと凄く怒られた
「あんた達何考えてんの?これ何キロあるの!?」
え、と3キロ、プラスブー肉1キロ
「だって男子3人もいるんだから、食べるだろ?」
「まあ、かなり食べるけどさ、でも多過ぎ!お金使い過ぎ!」
合格祝いだから、大丈夫
三人でキッチンでワイワイやっていると、人懐こい真ん中の子が覗きに来て肉を見て感激してくれた
「「合格おめでとう」」
「ありがとうございます、向こうでゲームしようよ」
梨花にもそうしろと言われてリビングに行くと、3兄弟が出迎えてくれる
少し見ないうちに男っぽくなっていた
上から、陸、翔太、海斗
今回高校に合格して来月から高校生になるのが翔太
海斗は何度か保育所のお迎えもした事があるのに、もう中学生だからびっくりする
陸は1番男前だけど照れ屋ではじめはあまり話さない
四人で出来るマリオのテレビゲームを交代でする事にした
待ち時間に、携帯を触っていると海斗が
「未来ちゃん、彼氏?」
と聞いてきた
違うよ、ネットしてるだけ、海斗は彼女いるの?
「いないよ」
好きな子は?
ちょっと海斗の表情が変わった
いるんだ?
「内緒」
そっか、頑張れ
海斗はお父さんの顔を知らない、翔太も覚えてないと思う
陸は、どうなんだろう
とにかくこの子達はほとんど梨花一人で育てている
みんないい子に育っていて本当にすごいと思う
みんなで無理やりコタツの周りに集まってしゃぶしゃぶを始めた
長方形だから何とか座れるけど、ギュウギュウで私や真由美には滅多に無い体験だった
「この肉、めっちゃ旨い」「こんなに肉ばっかりで腹大きくなるの初めてかも」
凄く喜んで食べてくれるから、こっちも嬉しい
「現金より、高くついたんじゃないの?」
梨花は心配してくれるけど、私も真由美も合格祝いの相場なんて知らないから、何とも言えない
「喜んでるんだからいいじゃん、旨いし」
そうだよ、それより、もっとブー入れて
梨花のうちは広めのハイツの1階、実は親の持ち物で、管理人業務をする代わりに家賃を免除してもらっている
そうでなければ、流石に男子3人の養育は大変だから素直に感謝していると、梨花は言う
ゴミステーションの掃除や駐車場周りのごみ、雑草の撤去など管理作業は子供達の仕事
陸は高校生だからバイトして自分のスマホ代を払っているけど、ほかの二人はジェイコム
それに文句も言わないし、ハイツの掃除も当然のようにしている
「梨花は美容師としても才能あるけど、母親としても大したもんだよな」
本当、みんなヤンキーじゃないし
「お母さん達はヤンキーだったんだよね」
陸がボソッと言った
違うよ、ちょっとヤンチャ、だっただけ
「ヤンキーだよ」
翔太が反論してくる
しゃぶしゃぶしながら、子供に聞かせても大丈夫な所だけ、中学生時代の話をした
家に帰ると、シーン、と音がしそうなくらい静かに感じた
梨花を羨ましく思いながら、自分には不可能な事だから潔く諦める
私はペットどころか観葉植物も育てる自信がない
そんな人間に子育てなんてできる訳が無いと思う
何だかんだ言っても私は母親を恨んだりはしていない
一応産んでくれて自立するまで面倒は見てもらったし、記憶に無いくらい小さい時にはきっと離乳食だって食べさせてもらったと思うから
私が自分で身の周りの事が出来るようになって、母は私の世話を止めたけど、暮らすのに必要なお金は稼いでくれた
他の母親は知らないけど、私には出来ない事をしてくれた、と本心から思っている
だからといって母が好きかと言われれば、それは又別なんだけど、まぁお互い様だろう
父と母がいなければ私も弟も存在していない
そう思うと恨む気にはならないから、やっぱり愛情はあったと思う
愛情表現は人それぞれだし、子供にべったりが素晴らしいとも思わない
私がこんな性格なのは母のせいかも知れないけど、違うかも知れない
弟は少し頼りないけど、凄く暖かい人だし
私が今こうしているのは全て自分で選んできた結果だと思っているし、後悔は一度もした事がない
金、土、日とパートさんの休みが多くて、目が回るように忙しかった
龍成からは相変わらず能天気なメールが届いていて、合間にしか返せないけど読んで癒される
月曜日になって「本当に今週無理なの?(╥ω╥`)」っていうメールが来たけど、生理も来たからそう返信した
「それでもいいから、顔みたい」
夜にそんなメールが届いていた
私はリアルタイムで今日、火曜日休みだけど、教室に行きたいし、春物の服を整理したいから遊べない
本当に、顔だけでいいなら金曜日、おっちゃんの店で晩ご飯たべる?
あそこは他にも顔見知りの人が来るかも知れないから、イチャイチャなんて出来ないけど、カウンターに座ってご飯を食べるだけでいいなら、どうせ行くんだし、と思った
「金曜日、行く!!」
速攻返信が来た
カウンターでご飯食べて帰る、だけだよ?
「いいよ全然(≧ω≦)」
まあ、いいならいいだろう、次の週なら生理も終わってるし
龍成は今週は真面目にフットサルの練習に行くと言った
少しずつ距離を測りながらお互いに無理のないペースで会えればいいと思った
私だって約束をしたら会うのは楽しみだし、会ったら可愛いと思う
でも、今まで好きに生きてきたから今更自分のペースは変えられない
龍成がそれにガマン出来なくなって終わりが来ても、それは仕方のない事
今までの彼ともそうだったから、私が変わると言う事はないと思う
もう一度結婚したいと思える人が現れれば別かもしれないけれど、多分有り得ない
教室に行った後、お風呂代わりにジムにも立ち寄った
本当にたまにしか行かないのに、行ったら必ずと言っていいほど会う男性がいて、声をかけられた
「やあ久しぶり、辞めたのかと思ってたよ」
あ、はい、ご無沙汰です
あんたは何時もいるよね、毎日来てるのかな、大体名前も知らなくて、会ったら会釈するくらいなのに、馴れ馴れしいんだよね
心の中でちょっと警戒しながら愛想笑いをした
「何時もこれくらいの時間に来るよね、僕もなんだ」
そうですか
今日は教室帰りだから8時過ぎに行ったんだけど、いつもは仕事の帰りに行くことが多いから、もう少し早いと思う
何だかんだ今日はいつもより話しかけてきて、気持ち悪い
まだ少しバイクしただけだったけど、サッサとお風呂に行って帰ろうと決めた
もう一度会釈してお風呂に向かう
何となく、自意識過剰かもしれないけど、私の事気になってるのかな、と思う
気のせいならいいんだけど、もし、名前聞かれたり「この後ご飯行きませんか」とか誘われたらどうしよう
私の思い過ごしである事を祈った
サウナに入って、その後ジャグジーに行く
リラックスしてくると、さっきの妄想はやっぱり気のせいだと思えてきた
年取ると、厚かましくなって、ダメだな
パウダールームで髪を乾かして家に帰った
いつもの通り発泡酒を開けてテレビをつけながら、スレの更新をしている
龍成からはお休みのメールが来ていて、彼もフットサルに行ったらみたいだった
私はジムに行ったよ、お休み、また明日ね
高校生になって初めてのお正月、初めての彼氏が出来た
当時は携帯が無かったから、ポケベルが鳴ったら電話の前で待機して、家族に取られないようにしていた
将生がバイトや遊びで出かける時は夜、帰ってくるとポケベルを鳴らしてから電話してくれる
そうして冬休み中、何度か電話で話したり4日に初デートもした
電車で20分程の所にある動物園に行ったけど、寒くてのんびりは見ていられない
動物たちも固まって暖を取ったりしていた
寒い、お猿達もくっついてるね
「動物園、失敗したかな」
でも、近くに色々あるし別に大丈夫だよ
その動物園は山手の街の近くにあるから、すぐそばにショッピングモールや大きなゲームセンターもあるし退屈する事はない
午前中、本当に寒かったから将生とくっついて腕を組んで園内を歩く
男の子と密着したのも初めてで、凄くドキドキしていたから寒いのはあまり感じなかった
お昼はショッピングモールの中にあるラーメン屋さんに入った
「あー寒かった、今度はもっと暖かくなってからだな」
今度、うん、そうだね
何気なく言っただけだと分かっていたけど、将生が先の事を言ってくれたのが凄く嬉しかった
それからショッピングモールの中を色々見て回って隣のゲームセンターでクレーンゲームをした
ね、将生、学校始まったら、学校でも彼女、だよね?
「え、どういう意味」
内緒、にしなくていいよね
「いいんじゃね?お前嫌なの?」
私は嫌じゃない、嬉しい
「じゃあ問題なし」
何故かは分からないけど、そう言ってもらえて、ホッとした
将生に内緒?と変な事を聞いてしまったのは真由美のせいだと思う
将生をあまり良く思っていない真由美は色々忠告してくれていて「付き合ってる事を隠そうとされたら、二股を疑え」と言われていた
そんなタイプには思えなかったけど、男の子の事に関しては真由美の方が詳しいと自覚しているから、ちょっと確認してみたくなった
晴れて彼氏彼女になって三学期が始まる
クラスの仲良しグループには休み中に電話で報告していたし、真由美とはデートの次の日遊んで散々惚気けた
真由美は「襲われなかった?」と保護者みたいな心配をしてくれたけど、実際はキスもしてくれなかった
「マジで!?意外すぎるんだけど」
私も、キスしてくれるかと思ってたけど、なかった
話していたら落ち込んでくる
やっぱり魅力がないから、手を出されないんだと悲しかった
もし、求めてくれていたらキスもその先も、拒まなかったのに
その後真由美は「次からは自分で買いな」と言ってコンドームを2枚くれた
初めて、見た
「絶対、ちゃんと着けてもらわないとダメだから!」
真剣に言われて、真剣に頷いた
いつ着ければいいのかなんて分からなかったけど、そこまで想像も出来なかったんだから仕方ない
帰りは真由美と帰ってるけど、朝は真由美が弱くて遅刻が多いからボッチで登校していた
道順を変えて駅前を通るようになった
約束はしていないけど、将生が歩いてるのを見つけたら後ろに乗せて2ケツで登校する
駅と学校の真ん中にある交番のお巡りさんに注意されるのが日課になった
一緒に登校したり休み時間に将生がクラスに来てくれたりしたから、すぐに周りに付き合ってると知れ渡った
「今日は弁当ある?」
うん、ある
将生は毎日食堂だったから、材料のある日はたまにお弁当を二つ作っていった
週に一回くらいのお楽しみ
本当は毎日でも作れたけど、みんなともご飯食べたいし、将生もそうだと思う
外は寒いから、視聴覚室や美術準備室に忍び込んでお弁当を広げる
将生はよくヨーグルトやジュースを買ってきてくれた
「ごちそうさまでした」
はい、お粗末でした
残りの時間でバイトのことやクラスのこと、家のことを話す
将生のうちは両親共働きで、年の離れたお兄さんがいるけど、もう働いていて一人で暮らしているから、普段は夜遅くまで家に誰もいないらしい
寂しい?
「別に、もう慣れたし何とも思わない」
うちも父さん夜勤とかあるし、母さんも遅い日多いけど、弟がいるからなぁ
「弟何歳?」
中二、前は女の子みたいだったのに、今はおっさんみたいになったよ
「仲いいんだ」
うん、まあまあ
何となく将生の両親は夫婦仲が良くないような印象を受けた
学校での将生は明るくて友達も多くて、家で一人でいる将生は想像できない
将生、好き
何となく言いたくなった
手を繋いでくれて目が合ったから、キスするのかな、と思った
将生は笑って「俺も」と言ってくれて、軽くハグしてくれた
ドキドキして心の準備をしたけど、キスはしてくれない
どうしてなのかは分からなかった
何故キスしてくれないのか
確かにまだ付き合って1ヶ月経たないから、普通なのかもしれない
真由美に聞いてみた
「そんなの気にしたことないけど、初めてのデートでした事もあるし、色々なんじゃない」
私とは、したくないのかな
「付き合ってるんだから、そんなこと無いだろ?気になるなら聞いてみたら」
聞いても、大丈夫かな
「珍しく弱気じゃん」
だって聞いて、したくないって言われたら、どうよ
「だから言わないって」
したくない事ないなら、なんでキスしてくれないの?
「だから聞いてみればって」
真由美、面倒くさがってるでしょ
「仕方ないじゃん、分かんないもん、私はアイツだからすぐに手、出すと思ってたし」
だから、したくないんじゃない?
堂々巡りで話が進まない
真由美でも分からないなら仕方ない、直接聞いてみよう
元々悩むのも考えるのも苦手だから、早々と諦めて直接対決する事に決めた
視聴覚室でご飯を食べたあと、いつものように話していた時、ふと会話が止まって目が合う
今日こそ、聞こう
将生
目を見たまま名前を呼んだ
「何?」
将生、キスした事ある?
「なに、急に」
どうして、私にはキス、してくれないの?
「キス?」
うん、私とは、したくないの?
口に出したら、ドキドキしてきた
「して、いいの?」
うん
将生の顔が近づいてきた
チュッ
唇に将生の唇が触れた
「未来」
名前を呼んで抱きしめてくれた
真っ白になった頭の中で考える
え、今、キスしたよね
私、将生とキス、した
一瞬だったけど、確かに唇に当たった、と思う
視聴覚室、段々になった教室の一番高いところで初めて男の人とキスした
将生、一瞬でよく、分からなかった
抱きしめられてるから、彼の胸の中で独り言のように言う
腕を解かれて顔を上げると将生の笑った顔が見えた
「目、瞑って」
言われる通りにすると、今度はさっきより長く唇が押し当てられた
チュッと音を立てて離れる瞬間にペロッと唇を舐められて、飛び上がるくらいビックリした
ドキドキして顔が上げられない
しばらくすると将生が話しかけてきた
「キスしたかったの?」
うん
「どうして、憧れてた?」
違う、と思う
自分の考えを話すのは難しいけど、何とか伝えたい
ずっと、友達を好きと言う気持ちと、男の子を好きになる事の違いが分からなくて、付き合うという事は特別になる事なんだと真由美に聞いていた事
遊んだり、自転車に2ケツしたり、一緒にお弁当を食べたりも、もちろん楽しいんだけど、友達でも出来る
だから友達とは出来ない事をして、特別だと実感したかった
将生の特別になりたかった
ゆっくりと話す私の言葉を、ちゃんと聞いてくれていた将生は
「面白い考えだな、でも未来っぽいわ」
と笑った
「俺は、逆かな」
そう言って将生はどうしてキスしなかったのかを教えてくれた
「別に、意識してしなかった訳じゃないんだ」
将生はちょっとニヤけたような顔で話してくれた
「処女だって聞いてラッキー、って思ったし」
でも動物園行ったり、お弁当作ってくれたり、自転車2ケツしたり案外楽しくて
お前も、嬉しそうだったし
だからそういう事するのはもっと先でもいいや、って自然と思ってた
「お前がキスしたいと思ってるなんて、思わなかったから」
うん、したかった
もう一度、キスをした
「だから目、瞑れって」
タイミング、難しい
それから土曜日に遊ぶ約束をして、スキップしそうな気分で教室に戻った
さすがにクラスの子には、キスした!なんて言えなくて、放課後に真由美を捕まえて気が済むまで話を聞いてもらおうと決めた
真由美は嫌がるだろうけど、ここはガマンしてもらうしかない
思い出すとニヤけてきて午後の授業なんて頭に入らないけど、大した授業じゃないから問題ない
そして放課後、真由美と駅前のファーストフード店に寄り道する事に成功した
お昼休み、キス、したんだ
「え!?展開早っ、どうなったの」
ストレートに、聞いた
「ホントにあんたは思いついたら即実行だな」
そうかな、でね、そしたら将生が「したいの?」って聞いてきて
うん、って言ったら
思い出して一人で照れた
「で、したんだ」
そう!でもね、一瞬だったから、よく分からなくて、そう言ったら
「言ったら?」
もう一回、してくれたんだよ!!
小さい声で、でも興奮して、打ち明けた
その後、もう一回したけど、目を瞑るタイミングが難しかった事や、土曜日家に遊びに行く事を話した
「家」
うん、部屋でゲームするって、あとビデオ見る
「家に行くって、分かってるの?」
え、エッチするかも、だよね?
「分かってて行くんなら、いいけど」
大丈夫、ちゃんと、真由美に貰ったの、持ってくよ
「嫌だと思ったら、ちゃんと言いなよ」
嫌じゃないよ、将生、大好きだもん
そう、将生が大好き
でもこの身体を見られるのは、ちょっとだけ不安だった
胸もペタンコだし、体毛も結局中学生の頃から変わっていない
考えると死ぬほど恥ずかしい
真由美に言うと
「そんなの心配ないよ、好きな女なんだから、胸、は確かに無いけど、そういう事じゃないんだって」
そんなもの、かな
良く分からないけど、真由美が言うなら大丈夫なのかもしれない
キスの先の行為ははっきり知らなかったけど、多分将生が知っていると思ったから、そこは心配していなかった
どんな事をするのかはやってみなければ分からないし
そして土曜日、買ったばかりの原チャリで将生の家の最寄駅まで向かう
将生を待っているあいだ、ずっとドキドキしていた
少し待ったら将生が自転車でむかえに来てくれた
「おう、お待たせ」
あんまり、待ってないよ
原チャリを駅の駐輪場に預けて将生の自転車で将生の家に行った
家は駅の近くのマンションで、将生の部屋は男の子の部屋ぽいシンプルな部屋
男の子の部屋も初めてだった
持参したお菓子やジュースをリュックから取り出して、他愛ないお喋りをするけど、今日こそするかも、と思っていたから心の中ではドキドキしている
「このゲーム、出来る?」
将生が取り出してきた格闘技ゲームは、少し前まで弟とやり込んでいたものだった
あ、それ、強いよ
「マジで!?やって見る?」
いいけど、勝つよ
そんな感じでゲームを始めた
緊張していたから、リラックスするのには丁度いいと思ったけど、将生は意外と強くて本気になってしまう
弟としか対戦したことがなかったから手こずった
でも、やっぱり私の方が少しだけ強い
「え!今の技どうするの!?」
←→←↙↓↘→で最後に○ボタン、同時押し
弟に教えてもらった必殺技だったりした
その後、借りてきたビデオを見る
普通に楽しくて、いつの間にか“今日こそ初体験するかも”という事も考えなくなっていた
「未来、そろそろ起きろ」
将生の声で覚醒する
え、もしかして私、寝てた!?
ビックリして時計を見ると7時を回っている
寝てた?
「俺がトイレ行って、帰ってくる一瞬で電池切れてた」
えー!起こしてよ!
恥ずかしくて八つ当たりした
前の日、楽しみであまり眠れなかったから、だと思うけど寝てしまうなんてあんまりだ
「いいじゃん、俺も寝たし」
うぅ
笑って言われるとそれ以上何も言えない
駅前のファミレスで晩ご飯を食べて原チャリを引き取りに行った
「またな、家に着いたら電話しろよ」
と言われて頷くと、チュッとキスをしてくれた
とてつもなく落ち込みながら家に帰った
やっぱり私なんかじゃ、エッチしたいと思わないのかな
寝てしまった私が悪いんだけど、起こして襲ってくれたらよかったのに、と思う
真由美に電話で話したら爆笑された、でも
「そんなに急がなくても、ちゃんと付き合ってるように見えてるから気にすんな」って言ってもらって、ちょっとだけ浮上した
2月に入ってバレンタインもあるし、まだまだチャンスはあるよ!
自分に言い聞かせる
そのバレンタイン目前に、学校の廊下で声をかけられた
一瞬、誰?と思ったけど、将生の元カノだ
「ちょっと、話しあるんだけど」
私には、無い
そう言ってスルーして教室に入った
大体の話の予想は付いていたし、ウザイ
相手にしないと思っていたけど、元カノは今度は昼休みに仲間を連れて教室にまでやって来た
「ちょっと話あるから、来て」
「は!?何お前」
私より先に環が言い返した
「あんたに関係ないし、言ってない」
私は、話なんて無い、言ったよ
「いいから、来な」
は!?なんで?話聞いて欲しいなら、ここで言いなよ
元カノ達は私がすんなり付いていくとでも思っていたのか「どうする?」とか相談を始めた
面倒くさい、こういうのは中学で卒業するって真由美と決めたのに
私は明るく楽しい高校生活を送りたい、ケンカや揉め事はもうゴメンだ
「あんた、将生といつから付き合ってるの?」
やっぱり、それですか
本当に面倒くさい、どうして将生に聞かないんだろう
あんたに、関係ないだろ、別れたんだから
言い返したら元カノの顔色が変わった
「別れたって、ちょっとケンカしただけだったのに、急にあんたと付き合ってるって言われたんだよ!」
それから5.6人に囲まれてギャアギャア責め立てられた
環が言い返そうとしてくれたけど、私の問題みたいだから取り敢えず聞くことにした
要約すると
クリスマス前にちょっとケンカして、意地になって連絡しなかった間に私が将生に言い寄った
前から将生を好きなのは知ってたけど、ケンカした時に付け入るなんて卑怯
私が別れるように将生に言ったに違いない
まあ、そんな内容だったと思う
一通り聞いてたら「何とかいいなよ!」と言われた
じゃあ、言うけど
だから何?仮にあんた達が喚いてた事がホントだとしても、あんたが振られたのはあんたと将生の問題でしょ、それをどうして私に言うの?
「やり方が汚いって言ってんだよ」
仮に、って言ってるだろ馬鹿か、私は何にもしてないし知らない
言い方が悪かったのか、また囲まれて喚かれた
昼休みで人は多くなかったけど、男子は見ているだけで「女子怖〜」とか言ってるし、環たちは私がお願いしたから黙っていてくれてるけど、物凄い目で元カノたちを睨んでいた
こんなところで揉めるくらいなら、大人しくついて行けばよかったと後悔した時
「未来はそんな事しないよ」
いきなり降ってきた声で、元カノ達も静かになった
「未来はそんな奴じゃない」
声の方を見ると、同中の肋骨の子だった
「私、中学から一緒だけど、そんな裏でソコソコしたりしないよ、あんたら教室で迷惑」
かなり、ビックリした
肋骨の子とは高校に入って和解したけど、彼女はヤンキーぽい子とつるんでたから、同じクラスだけど、そんなに仲良しという事はない
だからそんな風に言ってくれるなんて思ってなかった
元カノ達は居づらい雰囲気になったのか、教室から出ていった
ありがとう
嬉しかったからお礼を言った
「別に、うるさかったし」
うん、でも助かった
その子が行ってしまってから、環たちに「同中だけど、仲悪いと思ってたよ」と言われた
中学の時は、違うグループだった、でも仲悪くはないよ
私もビックリしたけど本当に助かった
ネコを被るわけじゃないけど、もうケンカとかは面倒くさい
放課後、将生がクラスまでむかえに来てくれた
「真由美には今日だけ先に帰ってもらったから」
え、どうして
「今日は一緒に帰る」
うん、分かった
ホントはよく分かってなかったけど、そう答えた
真由美には帰ったら電話して謝ろう
2ケツせず、自転車を押して2人で駅まで歩いた
「あの女に、何か言われたって?」
あー、ちょっとね、どうして知ってるの?
「見てたやつに聞いた」
じゃあ真由美も知ってる?
「めっちゃ怒ってた、俺、すっごい怒られた」
将生が?
「あんたがいい加減な事するからだろ!って」
あぁ、真由美、いつも将生の事、チャラいって、言ってるしね
「俺が悪いんだけど、でも俺の中では別れてたし」
別に、平気
本当に平気だったからそう言ったけど、将生は少し心配そうだった
将生の心配を他所に、私はそんな出来事よりバレンタインに必死だった
今度こそ、もっと彼女っぽい事をしてもらいたい
チョコは買ったけど、クッキーも作ろうと思う
作った事はないけど、普段から簡単な料理やお弁当は作ってるから、何とかなるだろう
弟を毒見に使えばいいし
そんな感じで出たとこ勝負で作ったクッキーは何故か物凄く美味しくできた
バレンタインが確か金曜日だったから、次の土曜日にチョコとクッキーを渡した
将生は甘い物も大丈夫だから凄く喜んでくれて、私も嬉しくなった
「いつものお弁当も旨いし、料理上手なんだな」
上手、かな、嫌いじゃないけど
将生の顔が近付いて来た
キスだ!と思って目を閉じると唇が当たる
長いな、と思っていたら唇を舐められてビックリした
その拍子に少しあいた唇の隙間に将生の舌が滑り込んでくる
!?
どうしていいか分からずに、されるがままに必死で耐える
少しして唇が離れると目を開けて将生を見た
何?今の
「何って、キス」
え、でも、口の中舐められた
「そりゃあ舐めるよ、普通」
そうなの、じゃあ今までしてたのは?
「あー、あれもキスだけど」
汚く、ない?
「汚くない、これが本物だから」
そう言ってもう一度口付ける
「舌、出して」
おずおずと差し出すとチュウっと吸い込まれて、背中がゾワッとした
生まれて初めての感覚だけど、多分気持ちいい
唇が離されても、放心してボーっとしたままだった
「大丈夫?」
ビックリ、した
そう、ビックリはしたけど、嫌じゃなかった
「未来」
そっと抱きしめられてドキドキする
将生、大好き
どうしても言いたかった
抱きしめる腕の力が強くなって、私の髪に顔を埋められる
なんだか恥ずかしい
どれくらいそうしていたか分からないけど、将生の体温が離れていくのを名残惜しく思った
「未来、ちゃんと好きだから、お前の事」
うん、疑ってないよ
それは本当だった
将生は優しいし、上手く言えないけど彼の私を見る目やちょっとした仕草に確かに愛情を感じる事がある
思い上がりや気のせいかもしれないけど、私が思うんだから問題ない
そう思うから将生ともっと先まで、したい
将生、私とは、エッチ、しないの?
とうとう口に出して聞いてしまった
「したいよ、でももう少し今のままでいたい」
今のまま?私がこんなのだから?
「違うよ、でももっと色んなこと話したり、ゲームしたりさっきみたいな本物のキスをしたり」
今はそういう事をするのが大切な気がするから
将生は普段あまり自分の考えを話さない
私には将生の言いたい事の半分も分からなかったけど、将生がそうしたいなら、そうしようと思った
だって今日は今までと違うキスをした
こんなふうに私が知らない事はきっとまだまだ沢山あって、エッチをするのは考えているより大変な事なのかもしれない
将生はそれを分かっているから、今じゃないと思うんだろう
はじめの頃よりは付き合ってる実感があるから、その辺のことは将生に任せる事にした
学校では毎日会うけどバイトもあるし、友達とも遊ぶから将生と2人で遊ぶのは多くても週一くらい
あれ以来、元カノは何も言ってこない
3月の頭に期末テストがあって試験休みに入った
「ホワイトデーにどこか行こう」
誘われて行き先を考えた
将生、ジェットコースター乗れる?
「おう、俺、絶叫系得意」
じゃあ遊園地、ちょっと、遠いけど
電車で2時間近くかかるけど、結構ジェットコースターが充実している遊園地に行くことになった
私は晴れ女だからあまり天気の心配はしていなくて、当日はやっぱり暖かく晴れた
「天気いいな」
あったかいね
学校に行くより早起きして電車に乗った
座れたので乗り換えの駅まで2人でウトウトしながら電車に揺られる
遊園地では乗り放題のフリーパスを買ったから、料金の倍は乗り物に乗ろうと張り切った
隅から隅まで乗りまくって最後は観覧車
わあ、カップルっぽい
ゆっくりと上に上がっていくと将生がポーチから何か取り出した
「これ」
差し出された包を受け取る
開けていい?
了解を貰って中身を見るとシルバーのピンキーリングが入っていた
くれるの?
「ホワイトデーだから」
小指にはめてみるとすごく可愛い
ありがとう、嬉しい
初めて、私からキスをした
将生はちょっとビックリしたみたいだったけど、抱きしめてくれた
将生が大好き
会う度にそう思う、そしてその気持ちはだんだん大きくなっていく
将生もそう思ってくれていたら、嬉しい
終業式の日、真由美や環たちにピンキーリングを見せびらかした
「へー、あいつがねー」
真由美は将生をよく思っていないから、一緒に喜んでくれたりはしないけど、感心はしてくれた
元カノ達にはわざと聞こえるように「どうせすぐ別れるって」と言われたけど、幸せだから気にならない
春休みに入ったらいっぱい遊ぼうと約束もしている
春休みこそは将生とエッチするかもしれないと、期待している
将生が、次部屋にきたらゲーム以外の事もするかも、と言った
私が一人で盛り上がってるだけかもしれないけど、その時は長いキスをした後で、将生が少し興奮していたように思うから、多分間違ってないと思う
次のデートの日には朝からお風呂に入っていこうと決めた
4月の2日、その妄想は現実になるんだけど、実際の行為は私の想像をはるかに超えたものだった
あの時は本当に、驚きの連続で、恥ずかしすぎて泣いてしまった
1日がかりの大イベントだったなあと40歳になった今は懐かしく思う
あの日が私がセックスが大好きになる原点
それは間違いない
将生と初体験をした事は後悔どころか、思い出の中でも最上級の宝物になっている
そんなピュアだった自分が今の私を見たらどう思うだろう
難しい想像だけど、多分嫌われたりはしないと思う
龍成と不倫しているけど、ちゃんと自分で選んだ事だし、後悔していない
龍成と会うのは楽しみだし、セックスは気持ちいい
自分に正直に生きているよ、と昔の自分には言えると思った
龍成と合う約束をした金曜日、3時で仕事を上がれたから一旦家に帰った
お風呂に入ってちょっと迷ったけど、発泡酒を開けた
撮りだめしているドラマが次々最終回になっているから、そろそろ見始めようと思った
私はドラマがいいところで終わってしまうと、次の週が待ちきれないし、録画の方がCMを飛ばせるからいつもこの方法でドラマを見る
だから真由美や恵子ちゃんからドラマの話をされそうになると、まだ見てないから、ネタバレはヤダ!と拒否する
最近はそれも覚えてくれて、先に「もう見た?」と聞いてくれるようになった
ドラマを見ながら昼間から発泡酒を飲む
何となくダメ人間のような気もするけど、ひとり暮らしなんてそんな物だと思うことにする
髪を乾かして、出かける準備をしながら2話まで見たドラマはイマイチだった
これから面白く展開していくことを期待する
普通ならスッピンでメガネなんだけど、一応龍成と約束しているからフェイスパウダーとリップだけ付けてみた
店まで10分くらいブラブラ歩く
扉を開けると龍成がいて少し驚いた
「お疲れ様」
あれ、早いね
「こっちも今来たとこだよ」
カウンターの龍成の横に座った
生、とチキン南蛮、レバーの煮物
「未来ちゃん久しぶりだね」
おっちゃん、1週間来てないだけだよ
おっちゃんは笑いながら生とレバーを出してくれた
「未来さんレバー食べるんだね、苦手な人多くない?」
そうかもね、でも私はお肉なら、なんでも食べるよ
「そっか、レバーもお肉だもんね」
ニカッと笑ってビールを飲む彼はやっぱり可愛い
「1週間何してたの」
普通だよ、仕事行って、実家に行って、あとジム
ジムのキモイ人を思い出したけど、私の自意識過剰だと思う事にしたから言わなかった
「俺も久しぶりに2回フットサル行ったよ、暁さんがよろしくってさ」
何をよろしくなんだろう、そう言えば前にここで龍成と一緒のところを見て以来会ってない、いい事だ
でも智恵ちゃんや娘の綾ちゃんには会いたいなと思い出す
「未来さん、聞いていい?」
なに?
「会ってない時、俺の事考える?」
あー、どうだろ、メールとか読んでる時は、思い出すかな
仕事の休憩時間、家で一人でいる時、龍成はマメにメールをくれるから、それを読んでは次に会うのを楽しみにしていた
正直に話すと龍成はまた嬉しそうに笑う
「じゃあもっとメールするよ」
え、仕事しなよ
「してるってば、メールなんて移動やタバコの時にちょっと打つだけじゃん」
そうなの?私は結構、時間かかるなぁ
そんな何でもない話をしながら、おっちゃんの料理を食べた
セックスしなくても、楽しい
龍成もそうなんだろうか
ベッドの上以外でも龍成は「好きだよ」と言ってくれる
それを嬉しく思うから、私も好きなんだと思う
龍成が私にそれを聞かないのは、聞かなくても分かっているからなのか“聞く資格”がないと思っているからなのかは分からない
龍成は最近、自分が既婚者でズルイ事をしていると自覚したような気がする
無理に私の中に入り込もうとしない
聞いてくれたら答えるのに、といつも思うけど、彼なりの気遣いだと思うから何も言わない
生中3杯飲んでお腹もいっぱいになった
金曜日だからか店も混雑してきたし、取りあえず店を出る
今回は私がご馳走した
龍成は車だから飲んでいないし私が出してもらうのは気が引ける
龍成、車は?
「駅の近くのパーキングに入れた」
じゃあ、お休み
私も帰るのは駅方面なんだけど、龍成の知り合いに見られたらまずいかもしれないし、先に帰ろうとした
「え!ちょっと待ってよ、方向一緒でしょ!?」
そうだけど、知り合いに見られるよ
「一緒に歩くだけじゃん」
堂々としたら、ダメなんだよ
「ははっ、そうなの?」
龍成は笑いながらついて来る
あんたの方がやばいんじゃないの?と思う
奥さんならともかく、ご近所さんや親戚、会社の人なんかに目撃されるかも知れない
龍成が言うように歩いてるだけなら、問題ないのかな
「何かあっても、俺がちゃんとするから、未来さんはそんな気を使わなくていいよ、らしくないし」
らしくない、かな
私にだって、不倫しているという自覚くらいある
田舎とはいえ、駅前の通りだから人通りだって多いのに、いいんだろうか
考えているあいだに駐車場に着いた
私の家は駅を通り過ぎてあと5分くらい歩く
じゃあ、またね
「これからも少しの時間でもいいから、会えるときは会いたい」
今日みたいに、ご飯食べる、だけでも?
「うん、顔見るだけでも」
龍成の車の横までついて行って見送る
運転席に乗り込んだ龍成が窓を開けたから、のぞき込んでキスをした
家まで乗せていくと言う龍成を丁寧に断り、テクテク歩く
アルコールが入っているから夜風も気持ちいい
帰り際龍成は「そんなに家知られるの嫌なの」と寂しそうに言った
そんなこと、ないけど
なんて説明したらいいのか、分からない
別に嫌とかじゃない
部屋の中に入れたくないと言う思いも、以前より小さくなっている
「ごめん、もう言わないよ」
黙ってしまった私に謝ってくれた
ううん、嫌とかじゃ、ないんだ
「大丈夫、分かってるから、またメールするね」
そう言って、手招きをするから、もう一度のぞき込んでキスをした
家に帰ってパジャマに着替えて発泡酒を飲む
飲みすぎかな、と思うけど、止めてくれる人もいないから結局飲んでしまう
ベッドに入って携帯を見ると、もう龍成からメールが来ていた
「今日はいっぱい話したから楽しかった(´,,•ω•,,)♡またね、おやすみ」
おやすみ、来週はホテル行こうね
素直な気持ちを返した
今日も楽しかったけど、やっぱりセックスもしたい
「来週、いつ!?」
食いついて来た
私は火曜日以外、かな
「じゃあ月曜日!」
早いな、でも異論はない、私も龍成の顔を見たからちょっと欲情してる
了解、でも仕事遅くなるかも、8時くらい
「大丈夫!決まり!!」
じゃあ、お休み
月曜日、会うことになった、出来るだけ早く帰らせてもらおう
そう思って眠りについた
翌日の土曜日、出勤すると恵子ちゃんに苗字で呼ばれた
嫌な予感がする
「明日から3日間、D店に応援行ってもらえませんか?1人ご不幸でどうしても代わりに出れる人いなくて」
え、私が、ですか
D店はここより大分小さくて、店舗のみのお店だからスタッフも少ない
でも遠いし普通は社員さんが行くものだと思う、それに
3日って、私火曜日休み、なんですけど
「分かってます、でもお願いしてます」
一応は仕事モードでやり取りしているけど、二人とも目が笑っている
恵子ちゃんも困ってるんだと思うんだけど、私だって休みたい
「何とかお願いできないかな」
後ろから所長に声をかけられた
入社して以来ずっとお世話になっていて、何度も社員にと声をかけてくれている人だ
もう、私に断る手段はない
何時から、何時までですか
「3時からは社員の誰かを行かすから、10時15時でいいよ、遠いしね」
え、マジですか
と言うことは月曜日も早く帰れる
しかも3日応援に行ったら手当も貰えるから、それならいいかもしれない
分かりました、行きます
火曜日が出勤になったから連勤は辛いけど、D店ははっきり言って暇だから本当に店番だけだし、まぁいいだろう
月曜日、遅番だったけど、早く帰れる
龍成と早い時間から会えるかも
そう思うとちょっとテンションが上がる
でも私の上機嫌ぶりを恵子ちゃんは見逃さなかった
お昼休みに更衣室に行くと恵子ちゃんがサンドイッチを食べていた
お疲れ〜
ロッカーからお弁当を出しながら声をかけて斜め前に座った
「D店のこと、ありがとうね」
いいよ、あそこ遠いけど暇だから
「でも何だか機嫌良くなったよね」
え、だって手当て貰えるし
「嘘、あんたお金にそこまで執着ないじゃん」
あー、月曜日早く帰りたかったから
「用事?」
うん
「男でしょ」
あー、当たり
潔く認める
どうせ隠し通せない
「やっぱりねー!いいな独身は」
恵子ちゃん、旦那さんいるじゃん
「いつから?」
一月の終わり?くらい
「どんな人?」
ちょっと年下、笑ったら可愛い感じ、かな
「羨ましいよ、どうりで最近雰囲気変わったと思ってたんだ」
そう?自分では分からないけど
質問攻めにあって、答えられる範囲で応戦した
でも流石に不倫だとは言わない
バレてクビになっても自業自得だけど、わざわざ暴露することはないと思う
「じゃあ今はラブラブだね、羨ましい」
だから、旦那さんも、子供もいるじゃん
やっぱり人は無い物ねだりなのかもしれない
「未来ももう一度結婚したらいいのに」
ありえないよ、私には無理、恋愛だけでいいよ
「まあね、旦那の面倒見なくていいもんね」
うん、その代わり、孤独死だけどね
「有料ホーム入るんじゃなかったの」
突然死じゃなけりゃね
縁起でもない話だけど、まだ実感が無いからただの笑い話になる
今までは一度も後悔していないけど、人生の最後にもそうなのかは、その時が来るまで分からない
恵子ちゃんが一足先に休憩を終えて仕事に戻る
お弁当を食べ終えて、ロッカーにしまって携帯を取り出した
龍成からは2通メールが来ている
月曜日、早目に帰れそう
手短にメールして、頭の中で月曜日の予定を立てた
午後の仕事は忙しくて、家に帰るまで月曜日の事を思い出す事はなかったけど、やっぱり私は龍成と会うのを楽しみにしている
帰る途中で買った唐揚げのお惣菜をつまみながら発泡酒を飲む
お掃除ロボを発進させようかと思ったけど、9時過ぎだし下の階の人に迷惑かなと思って止めた
思い出して携帯をカバンから取り出してメールを確認すると
「ヤタ───ヽ(〃∀〃)ノ───♪俺も頑張って早く帰るよ!!」
龍成から喜びのメールが来ている
いつもの駐車場で待ち合わせでいいかな?
返信すると
「電話いい?」
大丈夫だよ
いつも思うんだけど、本当は私が聞く側じゃないのだろうか
すぐに電話が鳴った
「お疲れ様」
お疲れ様、大丈夫なの?
「今日はむこうの実家に泊まるらしいから、俺だけ先に帰ってきた」
そっか、土曜日か今日
「土日仕事だから分からなくなるよね」
うん、どうりで忙しかった、じゃあ家に1人?
「うん、テレビ見てゆっくりしてるよ」
何見てるの?
同じチャンネルを付けてみた
ね、龍成、電話かけ直すよ、通話料凄くなるし
龍成の電話は仕事でも使うから多少は大丈夫らしいけど、あまりの長電話は気が引ける
龍成は始め遠慮したけど、押し切る形でかけ直した
電話を繋いだまま同じテレビを見る
「未来さんの顔みたいな」
私も、会いたいよ
「え、本当に!?」
うん、セックスも、したいし
顔が見えないからか、いつもより素直に思っている事が言える
「俺も、ずっとそうだよ」
月曜日、何かご飯買っていくよ、何がいい?
「今日は、会えないよね」
うん、会いたいけど、明日も仕事だし
それから仕事で他店に応援に行く事になったこと、そのおかげで月曜日早く帰れることを話した
「でも、遠いね、運転気をつけて」
ありがとう、じゃあお寿司テイクアウトしてホテルで食べようね
1時間以上話して電話を切った
朝お風呂に入ろうと決めてベッドに入る
寝るまでの少しの時間、龍成の事を思い出した
電話を切るとき「本当に好きだよ」と言っていた
嬉しくて、ありがとうと言ったけど、私も、って言った方が良かったかな
まあ、いいか
睡魔に勝てず、寝てしまった
本当に悩んだり、想像するのが苦手だなぁとつくづく思う
朝起きてお風呂に入って気持ちを切り替える
今日から他店で接客をする
お店に迷惑をかけないように、頑張ろう
そうして月曜日、3時に社員の人が交代に来てくれて仕事を終えた
応援はもう一日行くけど、とりあえず店は忙しくないし、今晩は龍成とセックスが出来る
お疲れ様です、明日もよろしくお願いします
機嫌よく店を出て家に帰った
車で1時間弱の距離を走る
4時には着くからお風呂に入ってお寿司を買いに行こう
龍成から「6時半頃に行けると思うよ、早く会いたい」とメールが来ていた
思ったより早いな
慌ててお風呂に入って支度をした
コンタクトは外してメガネで行こう
脱ぐのが楽だからワンピースにした
早くセックスしたい
近くの回るけど100円じゃないお寿司屋さんに電話して持ち帰りを注文した
お寿司をもらって6時半少し前に着くと、龍成の車が止まっている
「お疲れ様」
龍成が車を降りて私の車に乗り込んで来た
お疲れ様、早かったんだね
「現場から直帰出来た」
早速ホテル街に向う
今まで数えたこともなかったけど、一角には8件のラブホが固まっている
これって、全国的に見て、多いのかな?
「さあ、でも一軒も潰れないのが凄いよね」
確かに、どこも定期的にリニューアル、しているし儲かってそう
「俺らも貢献してるよね」
ちょっとだけね
そう言いながら、今回も初めて入るところにした
今回は何だか、お布団がふわふわで気持ちいい
寝心地、いいね
服のままベッドでゴロゴロしたら龍成もベッドに上がってきてキスした
お寿司、先に食べる?
「1回してからがいい」
ワンピースの裾から手が伸びてきて、パンツだけ脱がされた
や、ちゃんと脱ぐから、龍成もスーツ脱いで
「ちょっとだけ」
そう言ってワンピースの中に頭を突っ込んでくる
アソコに軽くキスされた
「凄く久しぶりな気がする」
そうだね
2週間も空いていないけど、本当にそう思う
一旦離れて服を脱いだ
裸になって抱き合うと、それだけで身体の芯が熱くなっていくのがわかる
もう、アソコも早く欲しくてウズウズしていた
龍成の物もガチガチに固くなっているのを確認すると堪らなくなった
龍成、入れて
まだ胸も愛撫されていなかったけど、すぐに欲しい
龍成は深く口付けたまま、ゴムを袋から取り出して装着すると、そのまま入り口に押し当ててきた
「未来」
ズズッと奥まで納められて身体が震える
「はぁ」
私の身体を抱きしめて、自身を奥まで埋めたまま龍成がため息をついた
「堪んねー、すっごい気持ちいい」
私も、気持ちいい
彼が動かなくても私の中が勝手に収縮して快感をひらう
繋がっているだけなのにアソコがとろけそうに気持ちいい
よく、男の人が前儀を疎かにする、自分が入れて出したら終わり、と言う女性の不満を見聞きするけど、私が男だったら間違いなくそのタイプだと思う
入れてこそのセックス
今もキスだけで入れてもらって、身体中で感じている
実際には女だから、やっぱり色々触ったり舐めたりして欲しいけど、本番あってこその前儀だと思っている
「未来、好きだよ」
じっと見つめて、龍成が低くて甘い声で囁いてくれる
少しずつ腰を動かしながら、愛しそうにキスを繰り返して胸を愛撫する
龍成の全てから愛情を感じた
今、この時だけは間違いなく愛されている
そう思える行為
龍成、気持ちいい
蕩けそうに気持ちよくて、彼の身体にしがみついた
龍成も抱きしめ返してくれる
徐々に動きが激しくなって、身体を反転させられた
「ごめん、出る」
そう言って私の腰を強く掴むと激しく出し入れして、あっという間にイってしまった
中でドクドクと脈打つ龍成の物を名残惜しそうにキュウっと締め付ける
私はイケなかったけど、また後でいっぱいイカせてくれるから別にいい
だからなんとも思わなかったんだけど、龍成はそうじゃなかった
「あー!早すぎる!今までで最速かも、俺」
悔しそうな声を出して、少し乱暴に私の中から自身を引き抜いた
あっ!
急に抜かれて、ぞわっと鳥肌が立つ
コロンと仰向けになって彼の方を見るとゴソゴソとゴムを付け替えている
龍成、お寿司、食べないの?
「後!もう一回したい、全然足りない!」
興奮してるのか、怒っているのか、駄々っ子みたいだと思った
身体を起こして向かい合って座ると、チュッっと彼にキスをする
彼の物の上にゆっくりと腰を落とした
んん
最後まで埋め込むと、彼の体毛が私のアソコに当たる
龍成、いっぱい、して
そう言ってもう一度キスをしながら上下に身体を揺らした
龍成の物を納めてキスをする、胸を愛撫されて全身が気持ちいい
もっと動きやすくする為に龍成を後ろに倒した
彼の上に跨って自分のいいところに当たる角度で腰を振った
龍成、気持ち、いい?
「うん、最高にいいよ」
身体を倒してキスをする
龍成、も、イキたい、胸、触って
彼の両腕が伸びてきて、胸を鷲掴みにされた
刺激でアソコが締まったのがわかる
乳首を捻るように愛撫された瞬間にイってしまった
龍成の上に倒れるように被さって呼吸を整える
彼が髪を撫でてくれるから彼の方を見た
「未来さん、気持ちよかったね」
うん、今もまだ、いい
チュッと触れるだけのキスをすると、一旦引き抜かれた
龍成が上になって、またゆっくりと挿入される
あぁ
ため息のような、喘ぎ声が出た
「びちゃびちゃだね」
脚を大きく広げて、繋がっている箇所を食い入るように見つめられて、視線だけでも感じる
深く浅く突き入れられて、何度もキスされる
「未来、可愛い」
2度目の絶頂をむかえた私に龍成が言う
龍成
「ごめん、俺ももう出そう、ちょっとだけガマンして」
私がイったばかりで辛いだろうと気遣いながらも、彼ももう絶頂が近くて動くのを止められない
無意識に逃げを打つ身体を押え付けられる
ガツガツと思い切り突かれて、頭の中が真っ白になった
一番奥で彼の物が弾ける
力いっぱい抱きしめられた
「未来、好きだ」
もう、このセリフを疑ったりはしない
でも“今は”という事もちゃんと分かっている
パンツとホテルの備え付けのパジャマの上だけ着て、お寿司を食べることにする
テイクアウトしたお店の海鮮太巻きが結構好きで、龍成にも勧めてみた
「うん、美味い」
結構、好きなんだ
実家の近くで昔からよく食べていると話すと、嬉しそうに聞いてくれる
私から自分の事を話してくれるのが嬉しいと以前言っていた
「でも、実家近いのに一人暮らしなんだね」
うん、どうして?
「実家の方が楽じゃない?お母さん一人でしょ」
そうかな、私は一人の方が楽
「俺、もし離婚したら絶対実家に帰ると思う」
実家、居心地いいんだね
「一人暮らししたら、洗濯掃除、全部する自信ないよ」
全部、機械がやってくれるよ
私は高校生の頃から家を出たかったから、離婚したからと実家に居座る気はなかった
結局5年程はお世話になったけど、元旦那の事がなければもっと早くに家を出たと思う
龍成の話から、彼は実家で可愛がられて育ったのだろうと想像できる
それが今の嫌味のない、素直な彼の性格を作ったのかもしれない
そんなことを考えていたら、龍成が
「ごめん」
と急に謝ってきた
何?どうしたの
「俺、離婚したらとか、嫌な事言ったよね」
え、別に離婚したのなんて、随分前だし、気にしてないよ
「違う、俺、離婚しないでこんな事、してるのに」
ああ、そっちか、それこそ全然だよ、龍成の実家の事、想像してただけ
龍成に奥さんがいても、結婚していても私と会っている時が私には全て
だから龍成も気にしないで欲しいと思った
ね、龍成、私は龍成に強要されて、関係してる訳じゃないよ
私の意思で、龍成とセックスしてるし、謝ったりして欲しくない
でも、龍成が辛いなら、会うのは止めるよ
本心でそう言った
わたし達の関係は、辛い思いをしてまで続ける物ではないと思う
需要と供給のバランスが崩れたら、会うのは止めた方がいい
「それは絶対に嫌だ」
黙って聞いていた龍成が、強く否定した
「俺、未来さんが好きで、会うのが楽しみで、セックスしたら愛しい」
「でも俺は離婚もしなくて、ずるいから」
離婚しないと、どうしてずるいの?
「え?」
龍成は始めから、セックスする相手を探してたんでしょ
私たちがセックスするのと、龍成の離婚は、なんの関係も、ないよ
「未来さん」
ごめん、上手く言えないけど、私は会った時に優しくて、セックスが気持ちよくて、幸せだよ
「未来さん」
情けない顔の彼にキスをした
強く抱き締められて、息が苦しい
「未来」
今度は龍成から激しく口付けられる
私の気持ちが伝わったかは分からないけど、キスからは欲情よりも愛情を感じた
彼が愛しく思えて、私も彼を抱きしめ返す
姫抱っこでベッドまで運ばれるのが、物凄く恥ずかしかった
「未来、好きだ」
そう言って何度も口付けをくれる
嬉しく思ってそれに答えるけと、少しだけ
もう一回、してくれるかな
と思った
愛されている嬉しさよりも、肉体的な快感がいい
ちょっとだけ自己嫌悪した
次の日、龍成からはいつも通りのメールが届いていた
おはよう、今日まで応援だから行ってくるね
メールを返して仕事に向う
季節の変わり目だからか月末だからか、案外忙しくてあっという間に上がる時間になった
「ありがとうございました、助かりました」
D店のパートさんにお礼を言ってもらった
私でも役立ってるんだな
嬉しく思って家に帰った
なんとなく教室に行く気にならなくて、真由美にラインした
時間あったら電話したい
しばらくすると
「もうすぐ家に着くから、かけるよ」と返事がきた
真由美は経費で落とせる仕事用の携帯があるから、いつもかけて来てくれる
発泡酒を飲みながらボーッとしていると電話が鳴った
「お疲れ、珍しいね、なんかあった?」
あったって程じゃ、ないんだけど
昨日の龍成とのやり取りを話した
でね、謝るんだけど、そんな風に謝られたら、私が可哀想、みたいじゃない?
「あんたはそこが引っかかるんだ」
うん、だって私、嫌々してるわけじゃないし
「あんたはそうだけど、相手はそうじゃないんだよ」
「あいつは、家庭があるのにあんたを抱く悪い自分、に酔ってるんだよ」
そう言われて、すごく納得した、確かにそんなタイプかもしれない
「まあ、あんたに悪いと思ってるのも本当だと思うけどね」
それは、私も思うよ
「でもあいつ、嫁には何とも思ってないのかな、普通嫁にこそ後ろめたいんじゃないの」
知らない、聞かないし、そんなものかな
「あんたはそうだよね」
なぜだか真由美は少し笑っていた
「嫁に外でしてこいって言われて、あんたとするようになった、そこまではいいよ」
「でも話聞いたら、それ以上にあんたの事好きになってると思う」
「今は丁度逆上せてる時期だとしても、外で好きな女と会って家に帰った時、嫁には悪いなと思ったり、逆に邪魔に思ったりするんじゃない?」
分からない、奥さんも好きなんじゃないの?
「そうか?私はそうは思えないけど、でもまああいつにしか分からない事か」
うん、でも真由美が言った、悪い自分に酔ってる、てのは当たってそう
「元々真面目なんだろうね、多分、あんたのそのいい加減さ、分けてあげなよ」
なに、いい加減て、ちゃんとしてるじゃん
「本当に彼氏が外で何してようと、興味無いよね」
会った時、態度がおかしかったりしたら、気にするよ
「あんたみたいな女、騙すの簡単だよ」
騙してくれるのも、愛情だよ
「出たよ、考えるの面倒なだけのクセに」
真由美は、彼氏の携帯チェックするタイプ、だよね
「するか、でも怪しいところがないかは常に観察してるよ」
大変だね
「あんたが考え無さすぎなんだよ」
だって、今まで浮気とか、された事ないし
「気付いてないだけだろ」
そうかも、でもいいじゃん
真由美は独占欲が強いしカンも鋭いから、真由美の目を盗んで浮気するのは確かに大変だと思う
そう考えると、私の彼たちはやりたい放題だったかもしれない
そうは思っても、やっぱり会わない時間まで気にする事は出来そうもない
真由美とは恋愛論に関しては平行線だけど、だからこそ自分では気付かない事を指摘されることもある
その後は旅行の話をして電話を切った
奥さんの事とか、たまには聞いた方が、いいのかな
真由美にそう聞いてみたら
「聞いてまたあいつが悩むのも面倒だよな、何か言いたそうにしてる時にさり気なく聞いてやるのがいいと思うんだけど」
え、そんなの分からないと思う、難しいよ
「だよな、向うから話してくるまで、聞かなくていいんじゃない」
分かった、そうする
真由美は私に「考え無さすぎ」とか「もうちょっと彼氏に関心を持て」とか言うけど、私だってそれなりに考える位している
ただ考えても分からないから、すぐに諦めてしまうだけだ
私から言わせれば、真由美と付き合う人は凄く気を使って大変だと思う
確かに真由美は彼に尽くすし、マメに電話やメールをしたりラブラブな付き合い方をする
でも常に最優先にしなければいけないし、お金もかかる、そのくせ自分は他でつまみ食いしたりする
私の方が、いい彼女だと思うけどな
お互いそこは譲らないから、言う気もないけど
真由美と長電話の後、メールを見ると龍成から
「未来さん、忙しいのかな(╥ω╥`)」
あ、返信してなかったなと慌てて返す
ごめん、真由美と電話してた、明日からは普通に仕事です
「電話、俺もしていい?」
時計を見ると11時を回っている
少しだけなら
返信するとすぐに電話が鳴った
「もしもし、お疲れ様」
お疲れ様、電話、大丈夫なの
「うん、起きてるの俺だけ」
そか、子供はもう寝てる時間なんだ
「そう子供と嫁は子供部屋で寝るから、いつも先に寝るよ」
そんなものなんだね
「真由美さんと何話したの」
え、とね、旅行の予定、とか
「そうか、もうすぐだねいいなあ」
今度はお土産、買ってくるよ
「未来さん、今週は休みなくて大変じゃないの」
うん、でも時間短いしね、金曜日休みだよ
そんな話を5分程して、金曜日ご飯に行く事になった
串カツのお店に連れて行ってくれるらしい
電話を切ってパジャマに着替えながら
あれ、龍成、奥さんと別々に寝てる、って事だったのかな
と思い付いた
話してる時は、子供の就寝時間に興味が行っていたから気にしてなかったけど、それって聞いてあげた方が良かったのかな
こういう所は真由美の言う通り、もっと関心を持ってあげた方がいいのかもしれない
でも聞いても私には関係ないし、どうしようもない事だと思うのが本心だ
金曜日は昼からエステで夜はデート
後二日頑張って仕事をしようとベッドに入った
私は独身で一人暮らしだから、一人で寝るのは当たり前だし何とも思わない
でも結婚していたら、同じ寝室で寝るものだと思っていた
私が知らないだけで、そういう夫婦も多いのだろうか
眠るまでの少しの時間ちょっと考えてみたけど、やっぱり私には分からなかった
水曜日いつも通り事務所に出勤すると、また恵子ちゃんに呼び止められた
「D店の応援、お疲れ様でした」
おはようございます
嫌な予感がしながらも挨拶をした
「ちょっと配達の人が足りなくて、今日明日配達の方に入ってもらえますか」
なんだ、そんなことか
内心ホッとした
配達はお水のタンクとかもあって、力仕事だけど、結構時間に余裕があるから途中で休憩(サボり)も出来るし好きな仕事だ
分かりました、後で伝票取りに来ます
そう言って、一旦フロアの方へ予定を見に行った
3日間D店に入っていたから変更などの確認をする
配達ならパンツスーツにすれば良かったな
そう思いながら、事務所に行くと恵子ちゃんに小声で
「月曜日、デートどうだった?」
どうって、普通だよ
「まぁまたゆっくり聞かせてよね」
え、また?何にもないって
適当に返事をして逃げるように事務所を出る
車にリストの商品を積みながら、そう言えば恵子ちゃんに彼がいる事を話したんだった、と思い出した
龍成、ちゃんと仕事してるのかな
ふと気が向いて携帯を見ると、やっぱり2通メールが届いている
相変わらずな事が少し嬉しい
とりあえず目を通して仕事を続ける
また、休憩中に返信しよう
最後に台車を積み込んで、会社を出た
配達をしながら龍成とメールのやり取りをする
いつもよりたくさん返信が来ると喜ぶ彼を可愛いと思った
金曜日午後に予約をしているエステは真由美の紹介で、そこしか行った事がないけど接客も丁寧で気に入っている
私が働いている会社もエステ部門があるけど、何故か身内にしてもらうのは恥ずかしくて試したことがない
主にシミ、小じわのケアをしてもらっていて効果の程はわからないけど、今のところほうれい線は出来ていない
リフトアップのマッサージをしてもらった後は気のせいだけど、顔が引き締まったように感じていい感じに機嫌が良くなった
家に帰って龍成からの電話を待つ
6時すぎに彼から電話があった
「仕事終わったよ今から迎えに行く」
え、いいよいつも通り、車で行くよ
「そっち向かってるから、駅の近く何処か出てこれる?」
えー、じゃあコンビニ?
駅の近くのコンビニで待ち合わせる事になった
歩いて10分弱かかるからカバンの用意をして部屋を出る
暖かいからワンピースにジャケット、足元は合皮のハイカットのスニーカーにした
歩きやすいし、大体スーツ以外はスニーカーを履く事が多い
テクテク歩いてコンビニに着いた
龍成の車はまだない
仕方なくコンビニに入って雑誌をみた
自分世代のファッション誌を見るけど、ピンと来ないし、こんな堅苦しい格好なんてこんな田舎ではかえって浮いてしまう
暇だな、と思って窓の外に目を向けると、ちょうど龍成の車が見えた
店内の私に気付いた龍成が、車の中からニカッと笑って手を振る
小さく振り返して駐車場に出た
お疲れ様、お邪魔します
いつもとは逆に私が助手席に乗り込む
「お疲れ、て未来さんは休みか」
うん、今日はエステ行ったよ
「そんなの行くんだ」
日々老化との戦い、だからね
「未来さんは充分若いよ」
そんなこと言うの龍成だけだよ
「嘘だ、でも俺だけでいいよ」
車を走らせて、私の住んでいる街より少し山手の方に向かった
「実家の近くの串カツ屋なんだ」
え、実家の近く?
「そう、未来さんこの前、昔から食べてるお寿司買ってきてくれたじゃん」
うん
「嬉しかったから、今日は俺が若い時から行ってる店行こう」
え、でもさ、そこって
龍成の親や奥さんなんかとも行っていて、お店の人も顔見知りだったりしないだろうか
気になって聞いてみた
「あ、うん、両親は知ってると思う、でも嫁はどうかな」
いいの、そんなとこ、行って
「いいんじゃないの、客商売だから下手な事しないだろうし、親にはバレてもいいから」
どうして、でもまぁ、友達とか言えるか
「俺サイドの事は大丈夫、それより旨いから未来さんに食べてほしいんだ」
そか、じゃあ楽しみにしておくよ
龍成は私の事はすごく気にしてくれるのに、自分の事はこっちが心配するくらい大胆な時がある
ちょっと戸惑ったけど、考えるのは苦手だから龍成の言う通り、気にしない事にした
串カツ屋さんは思っていたより新しい感じだった
聞いたら少し前にリニューアルしたらしい
中に入ると上品な感じでカウンターと堀ごたつのテーブル席
わたし達は小さめのテーブル席に座った
串カツなら断然鳥ももが好き
後はウズラやレンコン、チーズとか
「未来さん揚げ物なら野菜食べるんだね、前も天ぷら屋さんで食べてたし」
うん、レンコン美味しい
龍成が車で飲めないから遠慮したけど、頼んでくれたから生中を飲んでいる
ビールと串カツでかなり上機嫌になった
「未来さんは機嫌いいとすぐわかるね」
龍成が嬉しそうに言う
「でも機嫌悪い時がわからない、機嫌悪くなる時ってないの?」
そりゃ、あるよ、でもよく言われる
私は人から見たら機嫌がいい〜普通、までの表情しかないらしい
でも実際は短気だし、怒ったら怖いと思う
機嫌が悪い時はあまり人に会わないからかもしれない
真由美や梨花にはバレバレだけど
美味しいものを食べている時はいつも上機嫌だから、真由美には
「あんたはいつも腹一杯にしとけばいいよ」
とよく言われる
「本当に美味しそうに食べるけど、食べ方綺麗よね」
美味しい、と食べる私をニコニコして見ていた龍成が感心したように言った
うん、親が厳しかった
まだ小さい頃から箸の持ち方やご飯の食べ方だけはすごく厳しく仕付けられていた
おかげでどこでも褒められるし、箸で何でも掴める自信がある
食べるところを見て好きになった、と告白された事もあって、その時は少しだけ親に感謝した
「俺、来月誕生日なんだ」
え、そうなんだ、5月?
「21日」
何か、お祝いとか、する?
「うん!してくれる!?」
私はいいよ、もちろん
そう言えば誕生日知らなかった
え、と、次で何歳?
「知らなかったんだ」
34.5でしょ?
龍成は笑いながら答える
「35歳になる」
何か、欲しいもの、あるの?
「俺ね、未来さんとお泊りしたい」
え、
「場所は別にどこでも、ホテルでも温泉でも、一晩一緒にいたい」
そんなの、無理じゃないの
「家の事は俺が考えることだから、未来さんは嫌?」
嫌、ではないかな
「じゃあ、それプレゼントにちょうだい!」
好きな顔でニカッと笑われて断れない
じゃあ誕生日前後で、休める日わかったら、教えて
どうせ行くなら温泉とか行きたいけど、あまり遠くは移動時間だけで終わってしまうし、車で2.3時間のところがベストかな
龍成は希望が通ってご機嫌だったから、その後は実家の家族の事を色々話してくれた
3人兄弟の真ん中で弟は結婚しているけど、兄は独身、それぞれ家を出て実家には両親だけが住んでいる
真ん中っ子というのにすごく納得した
人懐っこくて、自由
お兄さん、独身なんだ
「うん、3つ上」
それでも私より、下だね
「そっか、言われてみればそうだね、でも思わないな」
お兄さん、カッコイイ?
「普通?でも結婚しないんだって」
え、私と一緒だね
「兄貴に乗り換えるとか、駄目だから!」
そこまで節操なしじゃ、ないよ
龍成が慌てて言うのが可笑しくて、声を上げて笑った
店を後にして少しだけドライブ
と言うか龍成が帰してくれない
明日も仕事だし、帰りたい
「もうちょっとだけ、ね」
湾岸沿いを走って、適当なところで車を停めた
シートが倒されて、キスをされる
ワンピースの中に手が入ってきそうになったから慌てて止めた
や、やめて
「ちょっとだけ、最後までしないから」
まって、やだ
抗議をしたら龍成が顔をあげた
「嫌?」
嫌、最後まで、したくなるから
龍成は一瞬キョトンとして、それから笑った
「ごめん、中途半端は嫌なんだね」
うん、キスだけにして
ゆっくりと丁寧な口付けを受ける
「未来さん旅行中会えないから、来週いっぱい会いたい」
じゃあ、月曜日?大丈夫?
「大丈夫!月曜日はホテル行ける?」
私は大丈夫だけど
「じゃあとりあえず、月曜日」
あんまり、飛ばして会うと、飽きるよ
「俺は絶対飽きない、未来さん飽きちゃう?」
うー、分からない、でも龍成とするの好きだから、大丈夫、かも
「じゃあもっと頑張って、もっと気持ちよくなってもらうよ」
もう一度長いキスをした
ちょっと迷ったけど、マンションの前まで送ってもらう
何だか段々、線引きするのも面倒くさくなってきた
どのみち不倫って言われるんだから、もう好きにしてもいいかもしれない
「ここのマンション?」
そう、古いけど、一応オートロック
「でもいい場所だね」
まぁね、便利だよ
この部屋に龍成を入れる日が来るのかは、私にも分からない
部屋の灯りを付けて、見渡した
L字型の部屋の隅にはダブルサイズのベッドがある
別にセックスするからじゃなくて、広い方が眠りやすいし、置けるから置いている
ここで、過去の彼たちとはセックスしている
すごくたまに巧の事を思い出す場所
龍成とここでセックスをする
想像しても別に嫌な感じはしない
ただ、距離が縮まる事が怖いのかもしれない
私は龍成が好き
でも結婚なんて望まないし、龍成にはあくまでもセックスの相手として見てほしい
思い上がりかもしれないけど、これ以上、彼にとって大切になりたくない
私は彼と共に生きる事なんて出来ないし、彼の身の回りのお世話もしたくない
勝手だと思うけど、彼とセックスして、デートして楽しい事だけしたい
龍成がここを自分の居場所だと勘違いしなければ、来てくれてもいいのかも、と思った
お風呂に入りながら携帯を触って、スレも更新する
龍成から、メールが来ていた
「さっき、月曜日はホテルって言ったけど、未来さんとはやりたいだけじゃないよ、ってやりたいのも本当だけど(;^_^A旅行は出来れば土日がいいけど、無理なら日月で」
土日か、私はシフトの希望を出せば大丈夫だけど、龍成は土日の方が出やすいのかな、仕事休むよりいいのかな
明日、仕事が終わったらどこか探してみよう
隣県に少しだけ温泉旅館があるけど、そんなに有名どころじゃないし、数も多くないから土日はいっぱいかも知れない
まぁ最悪、街のホテルでいいや、どうせやる事は一緒だもんね
土曜日は早く上がれたのでネットで旅館の空きを確認したけど、いいところはやっぱりいっぱいだった
仕方ない
真由美にラインで聞いてみる事にする
しばらくすると、返信が来た
「私が知り合いから紹介してもらった所なら、空いてるかもだけど、高いよ?一応連絡先と、この人の紹介って言っていいよ」
名刺の写メも一緒に送信されている
紹介って、どんなところだろう
旅館名から調べてみると、各部屋に家族風呂が付いていて別館は別荘みたいに貸切だ
かなりお高いとみた
無理、あっさり諦めて駅ビルに入っている旅行会社に向かった
私は元々男運以外はいいほうだから、キャンセルがあったら抑えてもらうつもりだったんだけど、行ったらすぐにキャンセルが出たと言われた
ちょっと高いけど、家族露天風呂が付いているツインルーム
ご飯は部屋食じゃなくて食堂まで行かなければいけないけど、口コミの評価はまあまあだ
5月最後の土日を予約できた
この前産婦人科に行ってピルも処方してもらったから、次の生理がよほど遅れない限り当たることもない
ちょっと嬉しかったから、珍しく私から龍成にメールした
5月最後の土日、一応旅行の予約した、でも駄目ならキャンセル出来るからね
帰りにスーパーに寄って手羽先を買って帰る
塩コショウでパリッと焼いて食べよう
車に乗ると電話が鳴った、龍成だ
「もしもし、もう仕事終わったの?」
うん、龍成はお休み?
嬉しそうな彼の声を聞いて、胸がホワッと暖かくなった
「俺は大丈夫だけど、未来さん土日休めるの?」
20日以降のシフトは、まだ出てないから、月曜日希望出すよ
あんたは土日に家空けれるのかと思うけど、俺の家の事は考えなくて良いと言われている
「じゃあまた月曜日、仕事終わったら連絡するよ、明日も、メールするけど」
しばらく話して電話を切った
家に帰って手羽先を焼きながら携帯を見ると真由美からラインが来ている
「旅館、どうだった?あいつと行くの?」
誕生日なんだって、だからプレゼント、教えてくれたところは高すぎてやめた、ごめんね、ありがとう
また夜にでも電話来るかも、と思いながら返信した
久しぶりにゆっくり家にいる気がする
録画してある洋画を見ながら発泡酒を飲んだ
旅行か、楽しみじゃないと言えば嘘になる
でも本心は複雑だった
だってまるで普通の恋人同士みたいにな気がする
しばらく一人で考えた
まぁいいや、どうせ何を考えたって行きたいのが本当だし、いずれ別れるのなら今のうちにたくさん楽しんでおこう
龍成の言う通り、彼の事は彼に任せよう
所詮は不倫女なんだから変な気遣いはやめよう
好きな人と旅行に、行きたい
もうそれだけで良いと思う事にした
洋画が終盤に差し掛かった時、やっぱり真由美から電話が来た
「旅行、行くんだ?」
不倫の癖に、とか言われるかなと少しだけ思っていたけど、真由美の口調は楽しそうだ
やっぱり冷やかす気でかけてきたと確信した
そう、泊まりしたいんだって
「結構大胆だよな、泊まりなんて」
言ったけど、私は気にしなくていいって
「ならいいじゃん、あんたは行きたいんでしょ」
うん、せっかくだし
「いつ行くの」
5月の、最後の土日
「よく空いてたね」
キャンセル出てた、ラッキーだった
「あんたは大体ラッキーだよ」
そうかも、そうだ、ねぇ真由美
真由美に龍成を部屋に入れる事をどう思うか聞いてみた
「別にあんた一人なんだしいいんじゃない?ホテル代勿体ないし、向こうは一応家族あるんだから入り浸りはないでしょ」
予想どうりの答え
そうかな、私が面倒くさい時たまに、ならいいんだけど
「合鍵とか渡さなけりゃ大丈夫だろ」
そんなの、一度も渡した事ないよ
合鍵、と聞いて一瞬、巧の元カノを思い出した
あれはビックリした
でもどうせなら「泥棒ねこ!」とか言われてみたかったなぁ、と今だから思えることを考えた
「にしても」
真由美の声で我に帰った
あ、ごめん何?
「また、別の事考えてただろ」
ボーッとしてた
「旅行代、あんたが出すの?」
龍成は、出すって言ってるけど、プレゼントだから、私が出そうかなって
「プレゼントは旅行する事、だろ?」
うう、でも龍成、お小遣いそんなに、ないんじゃない、かな
「ヘソクリくらいあるだろ、出すって言ってんだから、あんた自分が余裕あるからって出すのは駄目だよ!」
でも
「割り勘にしな!後、何か家族の目に触れない物、あげればいいから!」
はい
こんな時、真由美には勝てない
月曜日、出勤してすぐにシフトの管理を担当してる事務員さんに希望届けを出した
「あ、珍しいわね土日休むなんて」
すみません、今月も4日間休ませてもらうのに
「大丈夫よ、今月は平日だし、いつも土日働いてくれてるんだから、優先的に休み入れるわね」
ありがとうございます
やっぱり普段の行いだね、と自画自賛しながら、ふと斜め奥を見ると恵子ちゃんが目だけで笑っていた
やばい、また何か聞かれるな、休憩、被りませんように
そう思いながらそそくさと事務所を出た
今日は龍成と会うから残業はしたくない
普通にこなせば5時に上がれる
帰ってお風呂は厳しいかもしれないけど、仕方ない
一件クレーム?があった
以前来店された時に、私に
「貴女はどれを使ってるの?」
と聞かれた40代後半のお客様で、小じわが悩みだと言うので、私とは違うタイプの基礎化粧品を勧めた、でも
「貴方と同じので」
と譲らなくて、結局それを購入したお客様だった
全然効果ない、との事
心の中で
だから違うの勧めたじゃん、別に高価な方、売りつけようとした訳じゃないのに
とウンザリしながら、一通りご意見を伺う
先に勧めた物と購入された物の違いについての説明不足をお詫びして、改めて年齢にあった基礎化粧品をお勧めして何とか納得してもらった
ものすごく、疲れた
休憩に入って更衣室に行くと恵子ちゃんの姿はなかった
よかった、今色々聞かれても答える元気ないや
午後は平和に過ぎる事を祈ろう
無事に仕事を終えて一旦家に帰った
何だか疲れたな
今日はビデオ屋さんの駐車場で待ち合わせにしている
本も置いてるから、立ち読みしながら待つつもりだ
服を楽なものに着替えて、お掃除ロボのスイッチだけ入れて再度出かける
ドアを開けるとお隣さんに会った
あ、こんにちは
一瞬今晩は、かなと思ったけど、6時前だからまぁ大丈夫だろう
「こんにちは、お出かけ?」
隣の奥さんが挨拶してくれる
お隣は60代半ば?くらいのご夫婦で私が越してきた時から2人で住んでいる
はい、ちょっとご飯に
適当に答えた
「言ってらっしゃい」
行ってきます
軽く会釈して、行ってきますなんて久しぶりに言ったなと思った
仕事で配達に出る時は言う事もあるけど、家を出るときに言う事なんてない
一人暮らしだから当たり前だけど
立ち読みしてしばらく時間を潰すと龍成から「もうすぐ着くよ」とメールが来た
店を出て、車で待つとすぐに龍成の車が来た
お疲れ様
「お疲れ、待った?」
ううん、大丈夫、晩ごはんどうする?
相談して讃岐うどんのチェーン店に決めた
かけうどんにとり天をトッピングするのがお気に入りで、一人でもたまに行く
素早く晩ご飯を済ませて、おなじみのホテル街に向かう
今回は少し前に利用した、リネンが清潔なホテルにした
部屋に入って、すぐにキスして身体を触ってくる龍成を交わしてシャワーを浴びるために浴室に入った
浴室からベッドに向かうと龍成がパンツ一丁でウロウロしている
何、してるの?
「何かゲームあるみたいなんだけど、よく分からない」
テレビゲーム?
テレビの付近を見渡すと確に、ゲームをする時はチャンネルを入力3に、とのポップがある
本体は見当たらない
ゲーム、したいの?
「いや、未来さん好きだって言ってたから」
そっか、でも弟とかのお古しかしないから、出来るのは限られてるよ
「残念、俺もシャワーしてくる」
チュッと音を立ててキスをしてシャワーへ向かった
今日は普通のテレビをかけよう
特番のシーズンだからどれでもいいやと適当なバラエティにした
すぐに龍成が出てきてベッドに上がってくる
龍成、濡れてるよ
濡れてると言うよりは、少ししか拭いていない感じだ
「大丈夫」
何が?と聞く前にキスで口を塞がれる
舌を絡めていると興奮してきて、龍成の濡れた背中に手を回したけど、濡れてることは気にならなかった
なるほど、大丈夫だ
納得しながら後ろに倒される
胸を鷲掴みにされてキツく舌を吸い上げられる
それだけでアソコが熱くなるのがわかった
掴んだ先に申し訳程度についている乳首を口にする含んで、そっと歯を立てられて鳥肌が立つ
彼の髪に指を埋めて快感を受け止めた
「舐めていい?」
う、ん
私が苦手なのを知っているから、必ず聞いてくれるけど、嫌とは言いにくい
龍成は優しく、辛くない程度にしてくれるし
アソコの入り口にそっと口付けられた
ちゅくちゅくと優しく舌で愛撫されて恥ずかしいけど気持ちいい
突起には触れずに割れ目の部分を軽く吸われた
なれない感覚に身体が無意識にずり上がるのを、腰を掴んで止められる
「未来さん、美味しい」
やだ、言わないで
あんな物、美味しい訳が無い
そっと指が入ってきて、小さく声が出る
う、ん
「指、好きだね」
す、き、気持ち、いい
指が増えて中を出入りすると、どんどん体液が溢れ出てくるのがわかる
ふ、や
「嫌じゃないでしょ」
う、ん、もっと
更に指が増やされて、入り口が引きつる
私はよく締まるとかではないと思うんだけど、入り口が狭い、というか硬い
伸縮性がないと思う
他の人とは比べた事はないけれど、昔元旦那が大きいオモチャを入れようと頑張ったけど、結局入らなくて切れそうになった
その前に1度、指で切れて医者にかかった事があったからそれ以上はされなかったけど、そういう物が売ってる以上、入る人は入るって事だと思う
龍成の指、3本は入り口がキツくて、でもそれが気持ちいい
「キツい、ね」
ふ、ぁ
息を逃がして少しでも奥まで受け入れたい
ゆっくりと中で指がバラバラに動く
あ、龍成、いい
「未来」
キスしてくれる
「イキたい?」
聞かれて何度も頷いた
指を2本にして今度は激しく動かされる
何度も口付けを受けながら絶頂をむかえた
「未来さん、好きだよ」
そっと指を抜いて抱きしめてくれる
幸せだなぁ、と思う
長く抱き合っている間、龍成の物が太ももに当たっている
萎える気配はない
キスを繰り返して顔を見た
欲情している龍成の顔はセクシーだと思う
バツイチで40歳になる女がこんな可愛い子とタダでセックス出来るなんて、やっぱり私はラッキーだ
じっと顔を見てそんなことを考えていたら
「未来さん?」
あ、ごめん、顔、見てた
「顔?」
エロいなって
「そりゃエロい事、してるからね」
ふふ、ね、入れて
ゴムを付けた龍成が中に入ってくる
大きく脚を開かれてアソコは丸見えだ
龍成ははじめ入れる時、この体制がお気に入りらしい
「未来、入っていくところ、全部見えてるよ」
う、ん、入って、くる
「未来のここ、綺麗だし暖かい」
龍成
全て埋め込まれて名前を呼んだ
キスをしながらゆっくりと出し入れを始める
1度イったから、初めから気持ちよくて声が出るのを止められない
アソコが絡みつくように動いて龍成の形をはっきりと感じる
身体を引き起こされて対面座位の体制で今度は私が上下に動いた
気持ち、いい?
「最高、たまんない」
いきなり乳首をキツく引っ張るように愛撫されて身体がビクッと震えた
「お、すっごい締まった」
ん、乳首、いい
腰を激しく振りながら、だらしなく喘ぐ
余裕が無くなってきたのか、腰を掴まれて下から思い切り突かれた
ガツガツと何度も突かれて頭が真っ白になる
「くっ」
小さく唸って龍成が弾けた
「旅行、早く行きたいな」
うん、楽しみ
「そうだ、お金、今度用意しておく」
あ、それね
真由美に割り勘にした方がいいと言われた事を話す
「え、俺出すのに」
私も、出そうと、思ってた、誕生日だし
「駄目だよ、そんなの、お金使わすために旅行ねだったんじゃないから」
うん、だから割り勘がいいって、真由美が
「そう、かな」
龍成は渋々、だけど納得したらしい
一軒落着してそっと龍成の物に手を伸ばした
元気のないそれはプニョプニョしていて何だか可愛い
布団の中に潜り込んでパクッと口に根元まで含んでプニョ感を味わう
何だか楽しくて調子に乗ってきたけど、すぐに口の中でムクムクと大きくなってきた
全部口に含むのを諦めて、先っぽを舐め回わす
龍成が起き上がって私のアソコに指を入れてきた
や、もっと、舐めたい
「うん、して」
う、あ
激しく指を出し入れされて、どうしても意識がそっちに行ってしまう
必死で龍成の物に愛撫を続けた
「未来、もう入れたい」
私の身体を四つん這いにして、腰を掴むと一気に根元まで挿入してきた
ああっ
身体が仰け反る
後ろから激しく突かれてガクガクと身体を揺さぶられた
背中にキスされて両方の乳首を捏ねるように揉まれる
「あー、すっげ締まる、ヤバイ」
コロンと転がされて片脚を肩に担がれる
龍成の顔が見えた
りゅ、せい
揺さぶられながら名前を呼んで、キスして貰う
「未来、好きだよ」
そのセリフを聞いてイってしまった
湯舟に浸かりながら今週の予定を相談する
「金曜日は会いたい、来週未来さん木曜日まで旅行だし」
金曜日、土曜日朝から仕事だから、早く帰るなら、いいよ
「あと真ん中、ホテルじゃなくてもいいから」
おっちゃんの店とか、でも?
「全然いいよ」
じゃあ水曜日、くらいにご飯食べに行く
「またメールちょうだいね」
毎日、してるよ
「まあ、そうなんだけど」
龍成
「なに」
なんでもない
「なに?言ってよ、気になる」
ごめん、言う事、忘れた
本当は旅行の日、どうやって家を出るのか聞きたかったけど、まだまだ先だし聞いてどうなるものでもないから止めた
身支度をしてホテルを出ると龍成がため息をついた
どうしたの
「時間たつの早過ぎる」
ふ、仕方ないよ、また代休取れたらゆっくりしよう
「5月まで忙しい」
でも旅行、行くでしょ
「そうだけど」
ね?
なんとか龍成を言いくるめて、車まで送った
「メールするね」
うん、お休み
家に着くと発泡酒を開けて一息ついた
もう来週には真由美と旅行だから、とりあえず小さほうのスーツケースに少しづつ荷物を用意している
下着類や服はだいぶ適当だけど、女同士だから構わない
それよりも気温はどうなんだろう
そんなことを考えながら週間天気予報を見た
微妙
でも私は晴れ女だし、もし雨だったら現地で何か買えばいいだろう
あまり考え過ぎないから、いつも荷物は少ない
この辺も真由美とは逆、彼女はきっとひと回り大きいスーツケースに違いない
龍成は毎日何回もメールをくれるし、何だかんだ言っても週一以上は会っているから油断すると不倫だという事を忘れそうになる
実際、私は独身だからか今までの彼と付き合ってる時と大した違いはない
土曜日から恵子ちゃんと休憩が一緒になる事も無く、火曜日は休みだった
家でダラダラしてスーパーに買い物に行って、普通に休みを過ごす
次の週は旅行だから今日は教室に行こうと、準備をして向かう
7時半には終わるから、ちょっと迷ったけど、おっちゃんのところに行った
おっちゃん、生と、ササミフライとレバーの煮物
「サーモンあるよ」
じゃあそれも
おっちゃんは多分私と龍成が2人で会ってる事は気付いていると思うけど、いくら親しいとはいえ、店の人だから何も言わないし龍成が既婚とは知らないのかも知れない
おっちゃん、多分明日もくるよ
「毎度、誰かと待ち合わせか?」
うん、時間合えば、だけど
「そう言えば昨日、梨花ちゃんと息子さん達来てくれたよ、大きくなったよなぁ」
みんな男前だよね
名前を聞いて久しぶりに梨花にも会いたいと思った
そう言えば智恵ちゃんにも随分会っていない
会いたい、と思う人がいるのは幸せな事だと思う
その人達にもそう思ってもらえてたら最高だろう
そんな事を考えながら、ご飯を食べた
水曜日は何故か忙しかった
家の駐車場に車を停めるともう7時を過ぎている
携帯を見ると龍成から少し前にメールが届いていた
「着いたよ、待ってます」
今、車降りたよ、すぐ行きます
慌てて、返信すると早足で店に向かった
ドアを開けるとカウンターの奥に龍成が座っている
「お疲れ様」
お疲れさま、早かったね
「でもさっき来たとこ」
そっか
生と、揚げだし、後適当に焼き鳥
生ビールとノンアルコールで小さく乾杯する
「ゴールデンウィーク、仕事なの?」
うん多分、まだシフト、出てないけどね
「シフトって月単位?」
21日〜翌月の20日までが、15日位に出るよ
「じゃあ旅行の土日は次の次のシフトだよね」
うん、そう、でももう届け、出しといたから休めるよ
「それはもちろん嬉しいんだけど、ゴールデンウィークはもう休めないの?」
希望は月始めまでには、出さないと厳しい、かな
「そうかぁ」
龍成はゴールデンウィーク、家で出かけないの?
「行くかもしれないけど、日帰りだよ」
じゃあもし、休み入ってたら、会える?
「え、絶対会いたい!」
連休は、たまーに1日、休み入ることもあるから、その日龍成が用事なければ
「反対にその日開けるよ!いつくらいにわかるの?」
15.6日、かな、わかったら教えるよ
龍成はかなり機嫌が良くなった
でももし休みがあったとして、どこに行ってもいっぱいだと思う
あんまり人混みには行きたくない
この前みたいに龍成の車まで2人で歩いた
日に日に暖かくなっているなぁと思う
「今日はマンションまで乗っていくでしょ」
うん
断る理由もないし、この前も送ってもらってるから素直に頷く
車に乗ってシートベルトを締めようとしたらキスされた
始めは軽いキスから段々と深くなっていく
息が上がってきて、変な気分になるけどここは駐車場だし、おまけに龍成の家の車の中だ
彼を押し退けて唇から逃れた
も、帰ろ
「金曜日、会えるよね」
うん、もう明後日だね
「毎日でも会いたいよ」
ありがと、龍成
私は毎日会いたいと思う事はないから、私も、とか嘘は言えない
でも嬉しいのも本当だ
車ですぐそこのマンションまで送ってもらった
もう一度キスをして車を降りる
お休み
「お休み、未来さん、またね」
車が角を曲がって見えなくなってから中に入った
部屋に入るといつも通り発泡酒を開けて、お風呂の準備をした
最近部屋にいる時、たまにだけどここに龍成を招き入れたら、と想像する
私は以前の彼たちの時と変わらないだろうし、龍成は喜ぶと思う
ただやっぱり彼の家庭、奥さんの事はある
慰謝料や刺されるとかならいいけど、この部屋に乗り込まれたら困る
ここはとても気に入っていて、隣の人ともそれなりに仲良くしてもらってる
その空間に嫌な思い出が付くのは避けたい
結局はそれだけが心配だった
龍成と奥さんの事はやっぱり気にならない
あっという間に金曜日になる
週に3回も会うのはやっぱりちょっと無理があるけど、今回は約束してしまったから仕方ない
今日は3時で上がりだから、休憩は少ししかない
昼から苦手な在庫のチェックをしていると、恵子ちゃんが近付いて来た
「彼氏、元気?」
かれ、し、あーまぁね
「5月の休み、彼と出かけるんでしょ」
プライバシーの侵害、です
「何言ってるの!教えてよ!」
実は、そうです
「なんで敬語なのよ!?どこ行くの?」
隣の県の温泉に、誕生日だから
「え、彼氏の?」
うん
「あー、いいなぁ、来週もUSJ行くんでしょ」
たまたま、重なって
「ちゃんと写メ、撮ってきてね!」
わかってるよ
恵子ちゃんには、今USJで開催中の巨人の写メを撮って来いと前から強請られている
会社へのお菓子とは別に恵子ちゃんには何かお土産を買ってこようと思う
「年下の彼とかいて、本当に独身を満喫してるよね」
まぁ、たまたまだけどね、やっぱり楽しいかな
「そりゃそうだよね、未来最近ずっとご機嫌だし」
そうかなぁ
自覚していないけど、色々なところで言われるから、多分そうなんだろう
ちょっと照れくさい
在庫チェックと発注を済ませて予定通り家に帰った
お風呂に入る時間がある日はホテルでゆっくり出来るから嬉しい
龍成からは晩ご飯はホテル持ち込みでゆっくりしたいとメールが来た
同じ事を考えているのが何だか可笑しい
晩ご飯は任せるとのメールが来たから、どうしようか考えた
ラブホで頼んでもいいのかもしれないけど、イチャついてる最中に持ってこられたら萎える
冷めると美味しくないものもあるからなぁ
龍成はファストフードが晩ご飯でも大丈夫、と前にケンタッキーを買った時に言っていた
色々考えたけど、駅ビル(本当はビルなんて物じゃない)にあるサンドイッチ屋さんで買うことにした
エビアボカドやチキンタルタルなどちょっと重目のものを何個か買い込む
余ったら、朝ごはんにするつもりだ
何時ものファミレスで合流してホテルへ向かう
「今週はいっぱい会えて嬉しいよ」
私も、でもやっぱりちょっと大変、かな
「忙しい?」
ていうか、ほかの事が出来ないから
「そか、ごめん」
謝ることないよ、私も、会いたいもん
「本当に?」
うん
そうしてホテルの部屋に入った
今日はね、サンドイッチ、買ってきた先に食べる?
「未来さん、お風呂は?」
入ってきた
「じゃあ先に、したいな」
え、うん、いいよ
てっきり先に食べると思ってたから、慌てて服を脱ごうとしたら、龍成が服に手をかけた
セーターを脱がせて、スカートのファスナーを下げられる
あっという間に下着だけになってベッドに運ばれた
キスを受けながら彼の背中に手を回す
それだけで気持ちいい
「未来さん、好きだよ」
ブラを外して乳首をキュッと摘まれる
んん
合わせた唇から声が漏れた
乳首やアソコの中を執拗に愛撫されて、どうにかなりそう
もう2回もイカされている
龍成、も、やだ
「嫌じゃないよ、こんなに濡れてるし、凄く気持ちよさそうな顔、してるよ」
そう言いながら乳首を甘噛みする
身体がビクビクして、喘ぐのを止められない
アソコからはグチャグチャとイヤらしい音がしている
も、ど、して、入れて
何度お願いしても入れてもらえない
龍成の物は限界まで大きくなって先走りも出ているのに
切なくて、もどかしくて、気持ちいいけど早く繋がりたい
もっと奥まで欲しい
龍成、お願い
「未来、可愛い」
「愛してる」
優しく囁いてくれるけど、今はそれより欲しい物がある
ど、して
悲しくなってきた
「未来の事ずっとこうしてたい」
強く抱きしめられた
そっと入り口に彼の物が当てられて、期待で胸が震える
ゆっくりと挿入されて、また入れた途端にイってしまった
すぐには動かず、髪をかきあげてキスをくれる
「何度でも、イカせたい、好きだよ」
龍成
抱き合ったままユルユルと身体を動かされて、徐々にアソコから快感が上がってくる
凄く大切にセックスをしている、と感じた
またイキそうになってしまって、思わず彼の腰を掴んだ
や、待って
「また、イキそう?」
首を縦に何度も振った
「イヤらしい、ね」
そう言うと身体を起こして激しく揺さぶる
何も考えられなくなって、大きな声で喘いだ
一瞬、意識が飛ぶ
何だかもう、ぐったりしてベッドに横たわる
龍成がタオルで汗や涙を拭いてくれて、ふぅ、とため息をついた
「大丈夫?」
ダメ、大丈夫じゃない
龍成は自分の顔と頭もガシガシと乱暴に拭くと私の横に添い寝した
その腕に手を回し、頬をくっつける
アソコ、ジンジンする
「え、ウソ、触りすぎ?」
入り口、痛い
してる最中は分からなかったけど、かなり限界まで広げられていたらしく、拭いてもらった後からヒリヒリしてちょっと痛い
「ごめん、痛そうに見えなかったから」
顔をのぞき込んで謝ってくれるけど、私もしてる時は痛くなかったから仕方ない
ううん、大したことない
彼の腕にしがみつくように身体をくっつけた
龍成が仕事の事や友達の話をしてくれるのを聞きながら、相槌を打つ
「仲のいい友達が三人いて、一人だけまだ独身なんだけど、そいつが実は1番モテたんだ」
あー、わかる、真由美もそうだ
「真由美さん美人だよね、ずっと独身なんだ?」
そう、でも彼氏はいつでもいるよ
「そいつもそう、そいつは一人に決められないんだって」
選り取りみどりだもんね、真由美は、稼いでるし、メリットないって
「メリットかぁ、そう言えば何だろう」
子供?でもいない夫婦もあるね、老後のため?
「分かんね、何にも考えて無かった、周りがするから自分も、みたいな」
私は、しようって、言われたから
「え、何それ、好きじゃなかったの?」
好き、だったよ、付き合ってたし
そう、確かに好きだった
でも結婚はしたい訳じゃなかったのかもしれない、嫌じゃなかっただけなのかもと思った
お風呂に入りながら話の続きをする
普通は付き合って、何となく結婚を意識したりするものだろうか
私は正直考えてなかった
ただ結婚しようと言われて、実家を出るきっかけになるとは思った
好きで付き合ってたのは本当だし、迷ったりもしなかった
深く考えなかっただけかもしれないけど、後悔はしていないし昔のことだ
龍成に聞かれた事を覚えてる範囲で答えた
「そんな事、本当にあるんだ」
あるね、あと、ストーカーになった、私が悪いのかも、だけど
「恨んだりしないの」
どうして?私、何も無理やりされてないし
洗脳はされてたかもしれないけど、それだって自業自得だし
龍成に後ろから抱きしめられた
「でもそのおかげで、今こうしてるんだよね」
うーん、そうなるの、かな?
私は運命なんて信じていない
でも必然はあるのかもしれないと思う
もし私が離婚してなかったり、龍成がレスじゃなく、レスでも暁に相談してなかったりだったら出会っていない
でもそれは会社の同僚なんかも同じだから、彼を特別なんて思えない
「俺はね、周りが結婚しだした時に付き合ってた相手と結婚したんだ」
「それが普通だと思ってた、彼女からのプレッシャーもあったし」
プレッシャー?
「ハッキリは言わないんだけど、プロポーズ待ってますアピールが凄かった」
そんなの、あるんだ
「あるある!上手く説明出来ないけどね」
でも、好きで、付き合ってたんでしょ?
「多分」
好きじゃなきゃ、結婚しないよ
結局離婚する事になるとしても、ほとんどの夫婦はそうだと思う
お風呂から出て備え付けのパジャマだけ身に付けると、遅まきながらサンドイッチを食べることにする
大体食べ終ってもう帰るのかなと思ったら、龍成が隣に移動してきてアソコに手を伸ばしてきた
ちょ、もう、時間ない
「ちょっとだけ」
そう言ってアソコを指で愛撫しながら、もう片方の手でいつの間にか用意していたゴムを器用に付けるとソファの上で挿入された
ゆっくりと深く埋め込みながら耳元で囁く
「もし、俺にこの先何かあっても、未来さんには迷惑かけないから」
どういう、意味?
「離婚、とか」
離婚、するの?
彼に聞いたけど答えはなくて、強く抱きしめられて下から突き上げられた
キスをされ、胸を愛撫されて急性に高められていく
会話なんてどうでも良くなって、快感だけに支配される
奥に思い切り彼の物が当たって弾けるのが分かると同時に絶頂を迎えた
中に納めたまま龍成がさっきの答えを話す
「狡いけど、今はこうして未来さんと自由に会えてるから、このままでもいい」
「でもアイツが未来さんと会うことに口出ししたりしたら離婚する」
「離婚してと言われても離婚する」
龍成、離婚って、簡単じゃないよ
「でも未来さんと別れる方が無理」
今だけ、だよ、そんなもしもの事、考えなくて、いいよ
「考えるよ、子供も引き取ってもいい」
「実家も帰ってきてもいいって言ってくれてる」
実家にも話したの?
ちょっとビックリしたけど、龍成はその経緯も話してくれた
彼サイドの意見だから、奥さんにはまた別の言い分があるだろうけど、とりあえず黙って最後まで聞くことにした
龍成が両親に初めて離婚の話をしたのは、私と会う半年ほど前
何度レスについて話し合いをしても歩み寄れず、もし離婚したとしたら子供と実家に戻ってもいいかと話した
母親は元々奥さんと折り合いが悪く、正月くらいしか顔を見せない嫁を良く思っていなかったから、賛成
父親は何も言わなかった
その後、私と関係を持つようになって父親にだけその事を話したと言う
父親は、本当に奥さんが外でして来いと言ったのか、それしか方法はないのかを確認した後、子供に対しては義務を果たすように彼に言った
「子供は可哀想だけど、俺にだって感情がある」
「家にいる時や土日は一緒に遊ぶし大切だと思う」
「今は外では好きに出来ているから、離婚するまでは追い詰められてないし」
「家庭内別居でも仮面夫婦でも、構わない」
「狡いけど、金だけ入れれば文句はないだろう、と思ってる」
ずっと私の手を握って話す龍成の声をただ聞いていた
私には何も言えないし、あくまでも彼の考えで奥さんは違うかもしれない
でも両親の事は本当なのかなと思った
そんな嘘をつく理由がないから
私は今のままでいいし、龍成との結婚なんて望んでいないし、彼もそれを知っている
「迷惑をかけないから」と言ったのは離婚しても私に結婚を迫らないという事なのか、慰謝料の事なのか、その両方なのかは分からない
「子供が可哀想」は掲示板でも何人かに言われたなぁと思い出す
奥さんが私の事を黙認して、離婚を言い出さず、今のままが幸せなのだろうか
一瞬だけ考えたけど、私なんかにわかる訳が無い
その日龍成はずっと私の手を握っていて、なんだか私に話す事で自分の気持ちを確認しているみたいに見えた
私には龍成の家庭のことや周りの事は分からない
彼の言う事が全てだと思えるほど若くもないし、世間知らずでもない、つもりだ
もし、龍成が私との再婚を意識して、離婚を考えているなら、意見するかもしれないけど、そうでないなら飽くまでも夫婦の問題だと思う
それに、今こうしている事を多分知っている奥さんが、そんな簡単に離婚を口にするとは思えないから、すぐにどうこうなる事もない気がする
でも正直あまり興味はない
私と龍成は別れるまで付き合う、それ以外ないから
龍成を車まで送って家に帰った
土日は忙しいのに遅くなったなと思いながら発泡酒を飲む
部屋着に着替えてラインを見ると梨花からラインがあった
来週の旅行気を付けて、とくれている
ありがとう、梨花もそろそろ泊まりで行けるんじゃない?今度一泊で行こうよ
と返信した
梨花は子供が何より大切だから、子供を置いて泊りがけなんて楽しめないと言うけど、もう一番下も中3になったんだからそろそろいいと思う
梨花を見ていると、掲示板でよく見かける「子供の為に離婚しない」が分からない
梨花の子供を見ていると3人ともすごく愛情を注がれているのがわかるし、3人ともマザコンだけど、母親をすごく大切にしている
まあそれぞれの考え方や生活があるんだろうけど、両親が揃っていることだけが幸せとは思えない
土日は限界まで働いたけど、やっぱり朝は同じ時間に目が覚める
とうとう今日は真由美と旅行に行く日だ
新幹線の駅で待ち合わせだけど、奴は朝が弱いから一応モーニングコールをする
「おはよう、起きてるよ、ありがとうね」
どう聞いても起きたばかりの声だけど、起きていただけ上等だと思う
私は電車で行くからもう家を出るけど、多分真由美はタクシーだろう
電車を乗り換えて待ち合わせ駅へ向かう
昔から乗り換えが苦手で挙動不審になった
なんとか目的のホームに着くと、意外にも真由美がいる
あれ、早いね
「彼氏に送ってもらったからね」
まだ、電車来るまで、ちょっとあるよ
「指定席だし慌てることなかったな」
真由美がいつも遅れるから、早目にしたんだよ
現地は雨だから、タクシーで回ろうとか、おばんさいの店に行きたいとかUSJの日は晴れてほしいとか言っているうちにホームに新幹線が着いた
座席に座るといよいよ実感が湧いてきてテンションが上がった
「梨花、ラインくれてたな」
うん、また3人で旅行行きたい
「今回も誘ったけど、長すぎるって、過保護なんだよ」
私も誘った、でも子供4日もほっとけないって
「陸いりゃ大丈夫だろ」
母親なんだよ、自分だけ、行けないって
そんな話をしてるあいだにも新幹線は目的地に近付いて行く
京都は想像通り雨だった
でも土砂降りという程でもなく、タクシーで伏見稲荷へ向かう
外人さんが多くてビックリした
千本鳥居は想像を遥かに超えていた
絶対に千本じゃ済まない数の鳥居が並んでいる景色には本当に凄い
真由美と2人で写メを撮りまくった
「え、まだまだ上あるじゃん!無理無理!」
登りはじめてまだ半分も来てないのに、早くも真由美が弱音を吐いた
一番上、行こうよ
「絶対に無理!あんた行ってきていいよ、下降りてお茶しとくから」
せっかく来たのに、、、、
「あんたみたいに普段から動いてないから無理なんだよ、もう足パンパンだもん」
時間、かかってもいい?
「全然いいよ、降りてきたら電話して!」
じゃあ登れるところまで、行ってくる
真由美を説得するのは諦めて一人で登る決心をした
反対側から登って降りてきた人に、一番上までどれくらいか聞いて気合を入れる
途中でカナダのお姉さん達と休憩したりしながら、頂上まで登れた
お参りをして、近くにいる人に写メを撮ってもらうと真由美に送った
着いたよ!めっちゃしんどい、今から降ります
さあ、後は大体下りだからちょっとは楽かな、と行こうとして、ふと立ち止まった
もう一度携帯を取り出して龍成にも写メ付きのメールを送る
下りは疲れたけどやっぱり早かった
真由美に電話して合流するとホテルへ向かう
今日のホテルは和洋室だから和室とベッドがあるタイプ
布団を引いてもらわなくていいから、座敷で飲もうとお酒や京都の漬物などを買い込んだ
また龍成との事を酒の肴にされるんだろうなぁと、予想した
食事はまあまあだった
本当は美味しいと思うんだけど、普段お肉しか食べない私には少し物足りない
でも滅多に食べないものを食べる機会だから残さず食べる
真由美はほとんど飲むばかりで、食べ終わる頃にはすっかり出来上がっていた
「最近はどうなの」
別に、仲良く、してるよ、そっちは
「結構いいかな、バツ2だけど、お金持ってるし、子供も大きいからあったりしてないし」
そか、子供いるんだ
「初めの結婚の時にね、だからもう成人するって」
え、彼氏幾つ?
「48」
じゃあ別に普通か
「それよりあんたは、何にも無いの?」
何にも?
「ほら、アイツの家とか嫁とか、色々」
あぁ、私は全然、龍成は思う事はあるかもだけど
「嫁も何にも言ってこないの?」
今のところは、初めての日に、電話で話したきり
「本当に旦那が他の女としても平気なんだ」
さぁ、自分が出来ないから、仕方ないとか?
「男と違って出来ないはないだろ、寝転んでりゃいいんだから」
うん、思うけどさ、嫌、なんじゃない?セックスするのも、離婚するのも
「なんだそりゃ」
でも、おかげで私がセックスしてもらってるから、いいじゃん
「あんたのそういう考え方、すごいと思うよ」
どうしてよ、ホストクラブ行っても、お金かかるし、セックスできないけど、ただで出来てるんだよ、しかも好きな子だし
「その好きな子を、自分だけのものにしたいとか、思わないの?」
龍成はものじゃないよ
真由美が深いため息を付いた
その後は、どんな感じのセックスなのかとか下ネタばっかりだった
私もいい感じにアルコールが入ってるから、負けずに聞き返したりして、人様には聞かせられないような際どい所まで情報交換をする
アソコの話になって、真由美が体毛の事を言い出した
真由美は脱毛処理していてツルツルだし、私は元々産毛しかないから、二人とも割れ目は隠れていない
だから真由美と温泉や大浴場に行くのは少し恥ずかしかったりする
多分真由美は気にしてないと思うけど
「あんた、脱毛要らずでいいよな」
旅行来ると、いっつも言うけど、私は普通がいいんだよ
「どうしてよ、私なんてお金かけて、やっとあんたと同じなんだよ」
同じじゃない、真由美、ツルツルだもん
「変わんないよ、そう言えばさ、お風呂でおばちゃんのグループがすっごい見てきたよな」
見てた、と思う、やっぱり見られてた、よね
「二人してパイパンだから」
笑い事じゃないし、私違うもん
でも確かに50代半ばのおば様たちにガン見されていた
気付いてからは少しタオルで隠すようにしてたけど、そんなに見なくても、と思った
一人ならともかく、二人ともだから風俗的な何かだと思われたかもしれない
実は真由美がV、I、O、ラインを脱毛するか迷ってた時に「あんたの見せてみて」と言われたことがある
有り得ないと思ったけど、真由美には何かとお世話になってるし、真剣だったから少しだけ見せた
真由美は「やっぱりない方がエロい」と言って自分もツルツルにした
でもそれって男の人の好みだと思うけど、どうなんだろう
二日目は京都を散策した後、大阪のホテルに向かう
真由美は色々買い込んでたけど、私はUSJでお土産は済ますつもりだから恵子ちゃんと自分用に有名らしいあぶらとり紙だけ買った
移動はタクシー多用の贅沢使用だからそんなに疲れることもない
電車は自由席だけど、平日だからか座っての移動が出来て楽チンだった
ホテルにチェックインして荷物を置き、駅周辺の店を見て回る
「同じ関西なのにやっぱり全然違うよな」
うん、何だか賑やか、派手だね
また酒の摘みになりそうな物を買い込んでホテル飲みをする
明日、朝一から行くんだから、飲み過ぎないでよ!
「大丈夫だよ、パスも買ってあるんだから」
でも、パスの時間までにハリウッド乗りたいもん
「分かってるよ、起きるって」
絶対、だからね
二人ともそんなにアルコールは弱くないけど、明日は体力勝負だから用心したい
晩ご飯を食べて飲み出すまでの時間に真由美が彼氏に電話をするので、私も龍成にメールを返したり、スレを更新したりする
真由美はとにかく電話が長い
聞くともなしに聞くと、イチャイチャトークをしていて面白いし、私もそのあいだ一人になれるからいいのだけど
龍成は
「寂しい、何してるの」と聞いてくる
真由美が電話中だから、携帯つついてるよ
「俺も、電話したい」
そっちがいいなら、いいよ
返信したら即、電話が鳴る
真由美と目が合うと目だけで笑うから、少し離れて電話に出た
「もしもし」
もしもし、仕事終わったの?
「今フットサル来てる」
そか、お疲れ様
「そっちは?」
ユニバのホテルだよ
「よく取れたね、予約」
キャンセル待ちして、変更できた
「未来さんはラッキーだもんね、いつも」
うん、多分ね、龍成
「何?」
お土産、買っていいの?家に持って帰れる?
「大丈夫だよ、誰に貰ったかなんて言わないし、欲しいもん」
そう、なら明日買うね
「会いたいなぁ、昨日も一人でしたんだよ、未来さん思い出して」
会いたいね
「ホントに!?」
うん、会いたいよ、離れてると
「未来さん、好きだよ」
龍成、私も言ってもいい?
好き
ずっと聞いてくれたら言おうと思っていたけど、とうとう言いたくなった
元々嘘や隠し事が苦手で、何だか居心地がわるいから白状したくなったのかもしれない
「ホントに?マジで!?」
うん、好きになった、もう大分前に
「クソー!俺ずっと聞きたかったけど、未来さん困ると思って我慢してたのに!次、会った時顔見て言って!」
それは、恥しいかも
「絶対聞く!あー!早く会いたい!」
もう、分かったから、練習しな
興奮する龍成が可愛くて、でも口を滑らせた事が恥ずかしくて強引に電話を切った
ふと我に帰って真由美を見るとまだ電話中で、こちらの様子には気付いていない
ホッとして携帯をしまうと買い込んだビールのプルタブを開ける
旅行だから奮発して、と言うか真由美がこれしか飲まないからだけど、今日は発泡酒じゃない
全日雨かと覚悟したけど、3日目はほとんど降らなくてまあまあ暖かかった
でも凄い人
パス、買ってて正解、だったね
「これ一時間以上並ぶの?」
朝一だから、マシな方だよ
ハリウッドに列びながら文句を言う真由美をなだめる
そう言えば、真由美の彼は、寂しがらない?
「オッサンだから、寂しいとかは言わないよ、浮気するなよ、とは言うけど」
浮気、誰と?
「さあ?現地で見繕って?」
もう、ナンパされる歳でもないし、難しいよね
「今晩、ボーイズバーでも行くか?」
え、やだよ、夜はずっとハリーのエリアにいたい
「閉園してから、タクシーで行きゃいいじゃん!ちょっとだけ!2時間だけ!」
彼氏に、言うよ
「あんたがそんなことしないの知ってるし」
ボーイズバーって、カウンターに男の子いるとこ?
「そう、ちょっと飲むだけ」
でも、何処にあるの?近くにある?
「スマホで検索すりゃいいじゃん、案外市内近いだろ?」
私は分かんないよ、方向とか距離とか
「あんたの方向音痴はヒドイからね、任せといて」
え、行くの決定?
何となく行く事に決まってしまって諦めた
真由美がスマホで調べだしたので、私は龍成にメールしたり掲示板を覗いたりして待ち時間を潰すことにする
凄い人だよ、パスないアトラクションは乗れないかも
龍成にメールするとすぐに返信が来る
「ハリー・ポッターは入れるの?」
うん、夕方からのパス付いてる
何度かやり取りをしていると案外早く順番が来た
旅行もアトラクションも凄く楽しい
ハリー・ポッターのエリアは私的にだけど素晴らしくて、本当に映画の中にいるみたいだった
始めの映画しか見ていない真由美も楽しめるくらいにはクオリティが高い
ただアトラクションに少々酔った
なんか、気持ち悪い
「私も、結構厳しいな、これ」
スパイダーマンの方が、全然マシだよ
少し休憩して土産を買うといい時間になった
龍成にはお菓子と、ハリーとお揃いのネクタイを買った
ネクタイは迷ったけど、真由美が会社にでも置いとくだろと言うし、要らなかったら弟にあげようと思う
夜は肌寒くて、用意していたレインコートを上に羽織った
ホテルにお土産を置いて、タクシーで繁華街へ
何とかって場所の名前を聞いたけど、忘れてしまった
真由美がネットで調べたボーイズバーへ向かう
タクシーの運転手さんが面白くて、流石大阪だなと感心した
ボーイズバーには割とすぐについて、運転手さんに「お姉ちゃん達別嬪さんやからモテるでぇ」と見送られる
平日だからと思っていたけど、結構人がいる
口コミで私たちみたいに旅行者も多くて、初めてでも入りやすいとあった通り、店内は明るめで広い
「いらっしゃいませ」
元気良く声が上がる
中には4人の男の子がいた
「カウンター、どうぞ」
フロアーに出ていた一番若そうな子が案内してくれて、真ん中より少し奥の席に座った
ウイスキーはあまり飲めないから、チューハイを頼む
「初めてですよね、いらっしゃいませ」
カウンターの中の男の子が話しかけてきた
私は離婚してから人見知りになった
というか、学生の頃は全然違ったのに、気付いたらそうなっていた
だから初めてのお店では大人しい
でも男の子は好きだから、機嫌が悪い訳ではなくて、ただ真由美と男の子のやり取りを楽しく聞く
「未来さん?は大人しい人なの?」
男の子が話を振ってくれるけど、内心、聞いてるだけで楽しいからお構いなく、と思う
笑って誤魔化していると真由美が
「この子すっごい人見知りなんだよ」
と代わりに答えてくれる
「えー、そうなんや、大阪弁怖いんかと思った」
別に、大丈夫、テレビの人みたいで楽しいです
「ははっ、敬語止めよー」
あ、うん
「2人とも独身?」
「そう、当たり」
「しかも子供産んだことないでしょ」
え、わかるの?
その子が言うには、骨盤で分かる、らしい
「でも最近は産後ケア?ちゃんとしてて分からん人もおるけどな」
「モテ無さそうだから、独身と思ったんじゃないの」
真由美は自分に自信があるからよくこういう事をいう
誰が見ても真由美がモテない訳がない、と思うだろう、それを知っている
「違うし、所帯染みてないから」
生活感、ないってこと
それは会社の同僚にも良く言われる
休みの日や夜、家での生活が想像できない、と
「そうそう、洗濯したり掃除したり想像出来へんわ」
「それぐらいするよ、ひとり暮らしなんだから」
機械がね
一拍置いて、3人で笑った
「面白いな、真由美さんと未来さん」
彼は話し上手だと思ったけど、顔は好みじゃない
入口の方にいる子がタイプだった
こっちに来てくれないかな、心の中で指名した
楽しく飲んでホテルへ戻った
結局顔がタイプの子は喋りがタイプじゃなかったけど、やっぱり商売柄褒め上手で悪い気はしなかった
また大阪に来たら来てよ、と連絡先を聞かれて困惑しているあいだに真由美が仕事用の携帯でライン追加したので、私は教えずに済んだ
メールなんて龍成だけで十分だ
真由美に「別に不倫相手に義理立てしなくても、どうせ会うことないんだからメールくらいいいのに」と言われたけどそんなのじゃない
友達でも無いのにメールする意味が分からないし、用事もないのに返す事がない
真由美は商売してるから、人脈は多い方がいいだろうし、元々電話やメールが好きで苦にならないタイプだからいいんだろう
とうとう帰る日が来て、ホームで新幹線を待つ
「あっという間、だったなぁ」
そうだね、一週間くらいいたいね
「買い物とかもしたかった」
ビリケンさん、見たかった
「また来ようか」
そうだね、買い物なら一泊でいいし、今度は梨花と3人で来よう
新幹線はすごい速さで私たちの街に近づいて行く
適度に田舎で、観光名所も何もない街
でもやっぱり帰ってくるとホッとする
転勤や結婚で地元を離れる人も沢山いると思うけど、私には無理だと思う
生まれてから今まで、ここしか知らないけど、死ぬまでここにいたい
知らない土地に行って暮らす自分なんて想像できないし、みんなと離れたくない
龍成は金曜日に会いたがったけど、疲れてたし、午後から仕事だったから次の週まで待って欲しいとメールで伝える
「土日でもいいから会いたい」
土日はダメ、私も実家に行きたいし、来週の水曜日、休みだから、ね
何度もメールをやり取りして、面倒くさくなりかけた時、やっと龍成が折れた
「、、、、我慢する」
ごめんね、ありがとう
フゥとため息をついて、普通逆じゃない?と思う
でも私の方が年上だからこれでいいのか?
日曜日は昼過ぎまで仕事だから、それから実家に行って弟嫁の智ちゃんと姪の早希ちゃんとで買い物に行く予定
早希ちゃんの洋服を買ってあげる約束をしている
年長になった早希ちゃんはオシャレさんで好きなブランドがある
カジュアル系だけど結構お高くて、智ちゃんはいつも買わなくていいと言うけど、一緒に行って試着したのを見ると可愛いからつい買ってあげたくなる
早希ちゃんは弟に似て色白で、智ちゃんに似て背が高い
叔母の欲目で何でも似合うと思ってしまうから、結局その日は上下3枚づつ買った
「姉ちゃんいつもありがとうね、晩ご飯食べてってね」
智ちゃんのお言葉に甘えて、弟宅でご飯を食べる事にした
智ちゃんに用意をしてもらってる間に母の顔を見に行く
私がいるから母も弟宅で晩ご飯を食べることになっていたけど、普段は完全に別々だ
「まゆちゃんと旅行行ったんだって?」
うん、これお土産
母とは歳を重ねて徐々に普通に会話出来るようになった
「あんたそんなにフラフラしてて、ちゃんとお金置いてるの?」
お金?ひいじいちゃんと叔父さんの?勿論だよ
母は言い方はあれだけど、多分独りで死んでいく私を心配してくれている
遊ぶ時は慰謝料、使ってるよ
そう言うと母は顔を歪めた
「保険の方は配当金、大分溜まってるでしょ」
多分、少し前にも保険の人が、新しい保険に切り替えないかって、来たよ、断ったけど
昔の保険は配当金や据え置き金の利率がいいから、保険会社は今の新しい貯蓄プラス医療保障のタイプに切り替えて欲しいみたいで定期的に連絡が来る
保険に詳しい友人が、貯蓄ならそのままで、と言っているので、触るつもりはない
母さんこそ、圭のお金、使い込んでないだろうね
勿論冗談だけど、ほんの少し、本気だった
「その事なんだけど、あんた証書とかどうしてるの」
今は銀行の貸金庫だよ
ついこの前、家の小さい金庫から移した
「なら」
母は立ち上がると、しばらくして私が持っている物と同じ証書と通帳印鑑を持ってきた
見るのは曽祖父が亡くなって、保険の契約者変更をした時以来だ
「これからはあんたが、持っていて、私もいつボケるか分からんし」
もう、圭一に渡したら、いいじゃん
「今無くて大丈夫なんだから、まだいいよ、私が死んだら渡してやって」
母は言い出したら聞かないから、黙ってカバンに仕舞う
母さんが、ボケたら帰ってくるよ
「あんたらの世話にはならないよ、施設に入れてくれりゃいいよ」
はいはい、好きにさせてもらうよ
智ちゃんが呼びに来てくれるまで、久しぶりに長い時間、2人で話した
水曜日に龍成と久しぶりに合う
でも生理だからどうするんだろう
終わりかけで殆ど出血もないし、私としてはしたい
でも臭ったりしたら恥ずかしいし、龍成が引くかもしれない
一応メールでその事は伝えてあるから、後は彼に判断してもらおう
出先から直接迎えに来てくれるらしいから、部屋で連絡を待っていると電話が鳴った
「もしもし、もうすぐ下に着くよ」
わかった、すぐに降りるね
何となく嬉しそうな声が出て、ちょっと恥ずかしかった
エレベーターを待つ時間が長く感じる
玄関ホールを出るとすぐ前に龍成の車があった
「久しぶり」
お疲れ様、久しぶりだね
「すぐにホテルでいい?」
私はいいけど、まだ生理かもよ?
「かもって?」
一応、昼からは終わってるぽい、けど、微妙
今回からピルを飲んでいるせいか、いつも以上に量が少ないし期間も短い
「未来さんが良ければ、したい」
うん、ご飯は?
「ホテルで頼もう」
わかった、じゃあ行こうか
龍成はいつもより押しが強くて、そんなにセックスしたいのか、と嬉しかった
普通なら、身体が目的なのか?とか悩むところかもしれないけど、私も一番は身体目的だからお互い様
同じだという事が嬉しい
家でお風呂も入ったし、ホテルに着いたらすぐに抱いてもらえる
想像しただけでドキドキした
適当にホテルを選んで部屋のパネルを押す
エレベーターに乗った途端にキスされた
早く、彼を体内に迎え入れたいと身体が熱くなった
部屋に入ると服を脱ぐのももどかしく、抱き合ってキスをした
あっという間に裸に剥かれてベッドに運ばれる
スーツがソファに乱暴に脱ぎ捨てられるのが気になったけど、すぐにどうでも良くなった
アソコはとっくに濡れていて、すぐにでも奥まで欲しいと疼いている
でも龍成はキスを繰り返してキツく抱きしめると深く息を吐いた
彼の物は固くなって脚に当たっているのに入れようとしない
龍成
「未来、好きだ、会いたかった」
そう言ってまた口づける
私も、会いたかったよ
実際は前に会ってから2週間も空いていないけど、普段週一以上で会っているせいか凄く久しぶりの体温だと思った
「未来」
龍成、ただいま
私から深く口づけると、やっと龍成の手が胸に伸びてきて愛撫を始めてくれた
舌を絡ませて、唾液の交換をする
乳首を執拗に愛撫されて、触られていないアソコから体液が溢れてくるのがわかる
我慢できなくて、自分の指をアソコに這わせた
やっぱりグチョグチョに濡れていて、難なく指を飲み込んでいく
「あ、駄目だよ、イヤらしいな」
私が自分でしてるのを見つけると、そう言って指を引き抜いた
あ、や
「ちゃんとするから」
指、入れて
龍成の指が入ってくると、身体が喜んでいるのがわかる
少し中をかき混ぜられただけで呆気なくイってしまった
「未来、愛してる」
そっと指が引き抜かれて入り口に彼の物が当てられる
龍成、好き
自然と口からこぼれた
好き、と言ったら龍成は驚いた顔をしたけど、身体は止まらなくて彼の物が一気に奥まで入ってきた
ああっ
身体が反って逃げを打つけど、腰を掴まれて引き戻される
「もう一回、言って」
繋がったまま抱きしめられて、耳元で低くて甘い声で聞かれた
龍成、好きだよ
恥ずかしくて小さな声だったけど、ちゃんと聞きとってくれた
顔を除きこまれるけど、目を合わせられない
「未来、愛してる」
大切そうに口付けるから、なんだか胸が苦しくなった
でも龍成が少しずつ動き出すとすぐに頭の中は快感でいっぱいになる
合わせた唇の隙間から喘ぎ声が漏れる
ん、龍成、や
「ヤバイ、もう」
切羽詰った声もセクシーだと思う
激しく出し入れして奥で彼の物が弾けた
早くイってしまうと悔しそうな、恥ずかしそうな顔になるのが可愛い
どうせまだまだするんだから全然大丈夫なのに
私の身体を抱きしめて髪に顔を埋めながら、はぁとため息をつく彼の頭を抱き込んでよしよしと撫でる
龍成、気持ち良かったよ
「まだ、もう一回する」
うん
チュッと音を立ててキスをするとそっと彼の物が体内から出ていく
龍成がゴムを外しているあいだに新しいものを枕元から取り出して彼の物に顔を近づけた
付け替える前に少し味見させてもらう事にする
先っぽをペロッと舐めて全体を口に含んだ
少しだけ柔らかかったそれはすぐに硬さを取り戻して、口内でビクビクと動く
「未来、気持ちいい、あったかいよ」
龍成の声が欲情している
いつまでも口に入れておきたかったけど、それは許されずにそっと引き抜かれる
渋々ゴムを付けてあげた
向かい合って座ったまま、脚を大きく開いた格好で挿入される
身体が柔らかいから結構どんな体位でも繋がることが出来るけど、やっぱり深く欲しいから彼の肩に手を回して騎乗位の体制に持っていく
キスをして身体を上下に揺らすとアソコから快感があがっくる
ん、ふ
乳首を愛撫されながら気持ちいいところに当たるように動いて自分を高める事に集中した
中が収縮するように動いて絶頂が近くなると龍成が下から激しく突き上げてくる
最近、龍成は私がイキそうになると分かるみたいで、よくこうしてタイミングよく動いてイカせてくれるようになった
きゅうっと彼の物にしがみつく様に中が動いて絶頂を味わう
「っ、キツ」
私の腰を持つ手に力が入って、龍成が唸った
「あんまり締め付けないで、また出ちゃうよ」
は、あ
耳元で囁かれるけど、締め付けようと意識している訳じゃないし、余韻で頭が回らなくて答えられない
そうっと後ろに倒されてチュッと軽いキスをしてもらって正気に戻った
「動いて大丈夫?」
うん、いっぱい、して
今度は深くキスをしながら動きを再開する
両方の乳首を摘みあげるように引っ張られて大きな声で喘いだ
ギリギリまで引き抜かれて一気に根元まで突き入れられる
子宮口に当たって強過ぎる快感にどうにかなりそうだった
も、や
気持ちよすぎて訳が分らない
「くっ」
龍成が一番奥で達したとき、いつもより長くて強烈な快感を味わった
電話で適当に晩ご飯を注文する
「20分くらいかかるって」
いいよ、ありがと
布団に入ってイチャイチャしながらAV鑑賞をして待つことにする
今回の女優さんも巨乳だ、羨ましい
「未来さん、アダルトビデオ好きだよね」
好き、面白いし、普通じゃないプレイ見れるし
「どんなの好き?」
3Pとか、SM
「3P」
2人の男の人に、色々してもらって、気持ちよさそうなの
「してみたいの?」
全然
私は3P以前に同時に複数の人と関係を持った事もない
浮気とか面倒くさいし、しなければならないくらいのテクニックしかない人とは始めから付き合わない
それに他の変態プレイは殆ど経験している
龍成は、女性2人の3Pとか、どう?
「え、考えた事ないけど、大変そう」
私は、もう一人の身体と比べられるから、嫌
そう、その女性が巨乳だったりしたら嫌すぎる
「未来さんなら大丈夫だよ」
そう言ってアソコに指を這わせる
「未来さんのここ、今までで最高だよ」
やめて、触るの
「いいでしょ、ちょっとだけ」
ん、ちょっと、ね
割れ目や入り口を軽く撫でられて、声が出ないように深呼吸する
「オモチャとかはどう?興味ない?」
本物の方が、気持ちいい
素直に答えただけだったんだけど、急に龍成の雰囲気が変わった気がして彼を見た
「使った事、あるんだ」
うん、昔
何だかちょっと怖い
「誰とした時?」
そう言うといきなり指を突き入れられた
やっ、やめて龍成、旦那とだよ
ビックリしたからそう言いながら慌てて身体を離した
「ごめん」
どうしたの?
「想像してちょっと、興奮した」
龍成も使いたい?
「そうじゃない、事もないけど」
「未来さんのそこにオモチャとか考えた事なかったから、興奮して、嫉妬した」
え、でも昔の事だし、元旦那とだよ
「そうなんだけど」
今は龍成とだけだし、龍成とのセックスは最高だよ
さっき私のアソコは最高だと言ってくれたから、私も思っている事を伝える
だから別にオモチャ使って欲しいとか、思わないけど、龍成がしたいなら、構わないよ
「今まで思ってなかったけど、興味は、ある」
うん、いいよ、せっかくセックスするんだから、したい事は言ってね
「未来さん」
キスをして胸に手が伸びる
段々とイヤらしいキスになってきたところでルームサービスが届いた
顔を見合わせてベッドから降りると、食事をする用意を始めた
龍成が私の過去にヤキモチ?を妬いた事は意外だった
バツイチだし、いい歳だし、過去に男性が数人いるのは普通の事だし、オモチャだって普通だと思う
元旦那にされていた事はとてもじゃないけど話せないなと思った
もともと全部知っている元彼はいない
間違いなく引かれると思うし、万が一興味を持たれて同じ事を強要されても面倒だから話さないようにしていた
聞いてくる人もいたけど、当たり障りのないところまでしか話していない
オモチャを使ったりするくらいは全然許容範囲だから、話したし、最後の彼以外は使っていた
元彼の拓とのセックスは最高だったから、オモチャなんて必要ないと思うかも知れないけど、盛り上がるからたまに使っていた
オモチャでされていると、これじゃなくてもっといいの、彼の物を入れて欲しいと思って切なくなる
拓はそんな私を見るのが大好きだった
龍成といるのに一瞬そんなことを思い出した
「未来さん?」
ご飯を食べながら少しボーッとしていたら不信に思ったのか龍成が顔をのぞき込んできた
あ、ごめん、何?
「考え事してた?」
あ、ううん、オモチャ、買うんだったらね
「うん?」
一本モノのやつ、がいいんだ
「形の事?」
そう、あの、、、、
元彼の事を考えてたとは言えず、とっさにオモチャの事を話し出したけど、ちょっと恥ずかしくなってきた
クリの、痛いから、無いやつ
「あ、そうか、クリ用付いてないのがいいんだ」
うん、もし龍成買えなかったら、通販で、買っておくけど
「いや今度一緒に買いに行こ、街に店とかあるんじゃない」
一緒に?
「嫌?」
恥ずかしくない?
「全然、むしろコイツ今からこの人とするのかって思われたい」
マニアだね
「そうかな、でもオモチャ使ったことないからちょっとワクワクする」
ないんだ
「うん、そんな彼女いなかった」
本当はみんな、家にあるよ
「え、ウソ!?」
嘘、ていうか知らない、一人でする時、使う人はいると思うけど
「未来さんは、持ってるの?」
持ってない、一人でしないから、でも友だちは半分くらい持ってるよ、多分
電マやローターも入れてだけど、と付け足した
「本当に一人ではしないんだ」
うん、上手に出来ない、気持ちよくない
「前、見せてくれたじゃん」
見られたら、気持ちいいから、出来る
本当は一人でしてイキそうになると、元旦那とのセックスを思い出してイケなくなるからだけど、その理由は言えない
「じゃあ」
そう言うと抱き上げられてベットに運ばれた
羽織っていたホテルのパジャマを脱がされてアソコが丸見えの体制にされる
「見てるから、して」
え、今?
「うん、手伝うから、さっきも自分で触ってたでしょ」
顔を見たまま乳首をクリクリと愛撫されてキスをする
観念してそっとアソコに手を伸ばした
しばらく入り口を刺激しているとすぐに指先が湿ってくるのが分かる
龍成は片手で脚を固定してもう片手は乳首の愛撫を続けながら私の指の動きをじっと見ている
ん、ふ
指を2本中に潜り込ませて、いいところをゆっくりと撫でるように愛撫するとどんどん気持ちよくなって声が出る
キスが欲しくなって彼の名前を呼んだ
龍成
名前を呼ぶと必ずキスしてくれる
「未来、気持ちいい?」
う、ん、龍成、見てる?
「うん、すごくイラやしいけど綺麗だよ」
あ、いい
興奮して指を増やした
入り口がピンとはって引き攣る感じがするけど、これも気持ちよくて大好き
もう片方の手で乳首を捻った
あ、や、龍成、も、や
「どうして、気持ちよさそうだよ」
や、龍成、イカせて、して
自分でするのは止められないけど、自分の指でイクのが嫌で彼にオネダリをした
指でイカせてくれると思ったけど、龍成はゴムを付け始めた
「見てたら我慢できなくなってきた、入れるよ」
予想外だったけど、勿論嫌なハズはない
自分の指を引き抜いて彼の物が入ってくるのを見つめた
くぷん、と頭の部分が入っただけでイキそうになるけど、もっと感じたい
彼が私の手を取って指についている物を舐めだした
や、嫌だ
腕を引こうとするけど、手首をガッチリ掴まれてしかも挿入もされてるから逃げることが出来ない
「綺麗になったよ」
そう言ってちょっと意地悪な顔で笑う
始めは恥ずかしくて到堪れなかったけど、ずっと挿入されて刺激されてるからもうそっちの方しか考えられなくなっている
んん、龍成、イキたい
ゆるゆると腰を動かされてるのも、すごく気持ちいいんだけど、さっきイキそうになっていたから取り敢えずイカせて欲しい
「こう?」
正上位で私の中のいいところをすり上げるように、激しく前後に動く
一気に高められて絶頂をむかえる
脚が痙攣してピクピクと震えた
「未来」
名前を呼ばれて焦点の合わない目を彼の方へ向けると、愛しそうに私を見る彼と目が合う
不倫は身体だけ、愛されてるのは錯覚かも知れない
でも私がそう思うんだから何の支障もない
龍成、、、、好き
顔を見て言った
龍成は微妙な何とも言えない表情をして、苦しいくらいに私の身体を抱きしめた
「未来、好きだよ、未来だけだ」
しばらく繋がったまま動かずに、ただ抱き合っていた
ホテルは大体ゴムを2つ置いてくれてるけど、いつも3回とかするから足りない
不足分は私が用意していて、会う日にカバンに入れて出かける
ピルを飲んでいるから、必要無いのかもしれないけど、不倫だから万一にも妊娠は避けたい
まぁ20歳の頃で3年間×365日妊娠しなかったんだから、今更ないとは思うけど、世の中何が起こるか分からないし
でも旅行の日は誕生日プレゼントに生でしようと密かに思っている
「俺、パイプカットしようかな」
3回目終了してゴムの処理をしながら龍成が呟いた
え、どうして、気持ちよくない?
「いや、ヤバイくらい気持ちいいよ、でも」
「ゴムしててこれだけいいんだから、してなかったらって想像するし、それだけじゃなくて」
うん
「未来とのあいだに何もなく、繋がりたい」
「ゴム1枚が凄く壁みたいに感じる」
でも、パイプカットなんてしたら、もう子供、作れないんじゃない?
「別にもういらない、一人で十分」
あれ、子供一人だけ?
「うん、どうして?もっといると思った?」
前に実家から電話くれた時、子供らは寝てるって、聞いたような
「ああ、子供とばあばって事だったと思う、覚えてないけど」
そか、一人っ子でいいの?
「いいのも何も、もうあっちとはしないし」
人は変わるよ、パイプカットしてもまた繋げたり出来るものなの?
「知らない、でも必要ない」
ゴムで、いいんじゃない?
「未来はどっちでもいいの?」
私、生の感覚、覚えてない
20年も前の事だから本当に覚えていないけど、龍成は以外だったらしい
「生でとか無いんだ?外出しも?」
無い、結婚したくないから
思い上がりでなければ、みんな付き合ってから少しすると、結婚しないと言っていても考えが変わるんじゃないかと思うらしく、子供が出来たら結婚できる的な考えになる人もいた
というかみんな最後はそうだったと思っている
でも私は本当に嫌だから、意地でも妊娠したくなくて拓にも一度も生は許していない
でも、龍成は結婚できないから私は安心している
無理に子供を作ったりしない
だってもう結婚しているから
「じゃあ旦那さんだけなんだ」
うん、あの時は結婚してたし
「じゃあ俺も駄目なんだね」
龍成が病気持ってるとかは思ってない、けど、やっぱり、ね
本当はピルも飲んでるし、龍成とのセックスがもっと気持ちよくなるなら生でさせてあげたい
龍成とは結婚しなくてもいいし、でも
考えがまとまらなかった
今まで駄目だったから、その自分ルールを守ってきたけど、龍成とは絶対に生は駄目という強い理由が見つけられない
「ま、パイプカットは考えとくよ、調べとく」
うん、そうだね
私の反応を見て話を切り上げてくれる彼の優しさを嬉しく思う
「生でしたいからピル飲んだら」という男性に聞かせてあげたいと思った
ちょっと嬉しすぎて白状しそうになってしまって我慢する
本当に嘘や隠し事は苦手だからストレスになる
もっと開き直って、中出しもおうちデートもみんな解禁にしてしまったら楽じゃないのかな
そんな考えが頭をかすめた
夜中まで離して貰えなくて眠くなってきた
もう、眠い、帰る
子供みたいな言い分だけど、睡魔で頭が回らなくていつも以上にぶつ切りのセリフになっている
「少し寝たら、起こすよ」
嫌、明日、仕事だもん
ムクっと起きて下着を付ける
龍成は、こうなったら何を言っても無駄だと三ヶ月の付き合いで学んだから、大人しく自分も身体を起こした
チュッとキスをして、ベッドを降りると私の服を持ってきてくれる
ありがとう
もそもそと大人しく服を着た
「来週、だよね次は」
う、ん、何時がいいかな
龍成がiPhoneを取り出して予定を確認する
「俺、木曜日に街の方行くから、早く終わるし買い物しようよ」
木曜日、買い物?
眠いからリピートしてしまう
「オモチャ、買いに行こう!で試そう!」
オモチャ、うん、店、知ってるの?
街にあるのは知ってるけど、メイン通りには見当たらないし、今までは旦那や彼が買っていたし、通販サイトは興味で見た事あるだけで購入したことはない
「調べとくよ」
分かった
いまはスマホやiPhoneでなんでも検索出来る、便利なものだと思った
「またメールするから時間とか決めようね」
うん、分かった
「本当に眠いんだね」
え、そうだけど、どうして
「返事が棒読みだよ」
あ、ごめん
「いや、怒ってない、可愛いと思って」
ギュッと抱きしめられて、このまま眠れたらなあと思うけど、明日からはまた現実が待っている
最近仕事が忙しいから、あっという間に時間が経っていく
早く上がれた日は家でマッタリしたり衣替え、というか春物の洋服をチェックして買ったまま忘れたりしてるやつを発見する
洋服はひと部屋に全部入ってるから入れ替えはしない
春秋物は右置くのタンスと衣装ケースに入れてある
この前買ったロンTとブラウスが1番手前にかかっているのを見つけて、つい一人でファッションショーを始めた
これって、みんなするよね?
ひとり暮らしだから何をしても自由だろうけど、ふと気になった
デニムの膝丈スカートを発見してTシャツと合わせる
髪が少し伸びたからサイドを上げてカジュアルなピアスを付けた
珍しく出かける気分になって、駅ビル(ビルじゃないけど)に向かう
本屋を物色してパン屋さんで明日の朝ごはん用におかずパンを買った
ドラッグストアで付けまつげとリップを買ったところで、歩きで来てることを思い出した
あ、荷物いっぱいになっちゃった
このままおっちゃんとこでご飯食べようと、思ってたのにな
でも考えたら週末だから、店いっぱいかも
てくてく歩きながら考えを巡らせる
マンションについてカバンを漁ると車のキーが入っていたから荷物を車に乗せた
さらに駅とは反対方向に10分ほど歩くとおっちゃんの店がある
混んでたら帰ろうと思ったけど、時間が早いからか空いている
ラッキー
そう思ってカウンターに座った
「未来ちゃん今日は早いね」
うん、早上がりだった
基本人見知りだから、自分の陣地に入るとホッとする
家に帰ってお風呂を用意しながから龍成のメールを見ると土曜日にも関わらず、いつものペースで何通か届いている
今ご飯食べて帰ってきたよ
短いメールを返すとすぐに返信が来た
「いつもの店?誘ってくれたらいいのに!」
お風呂につかりながら返事する
土曜日は嫌、お父さんする約束でしょ
「そうだけど、今日は子供と実家に来てるから、ちょっとくらい出れたのに」
土曜日、よく実家に行ってるね
返信面倒くさいな、と思ったら電話が鳴った
もしもし
「もしもし、あ、エコーかかってる、お風呂?」
うん、どうしたの
「電話したかった、木曜日まで会えないし」
大丈夫なの
「大丈夫、親とテレビ見てる」
今日はスロット、行ったの?
大した用はないけど、電話してその日にあった事なんかを話す
まるで普通の恋人同士だと勘違いしそうになる
でも私的には今までの彼の時とあまり変わらない
早く木曜日、来て欲しいね
「ほんとに思ってる?」
思ってるよ、もちろん
「俺、仕事終わったら速攻行くから!」
うん、私は3時上がりだから、待ち合わせしよう
「前にデートした時の店でいいよね」
デート、靴買った時ね、うん
「店調べたし、楽しみ、未来さんの好きなの買おうね」
そうだね、いいのあるかな
「どんなのがいいの?大きいの?」
ううん、一本もので、龍成のくらいの大きさがいい
「え、俺の?」
だって龍成のより、気持ちいいのなんて、売ってないもん
思ったことをそのまま伝えたら、電話の向こうで物凄く喜んで興奮している
そんな彼が可愛いと思う
木曜日、前回と同じく車を会社に置いたまま電車に乗って街に向かう電車に乗った
暖かいからワンピースと薄手のパーカーで大丈夫
今年は急に暖かくなった
龍成より1時間は早く着くから、またブラブラしてから待ち合わせの店でゆっくりしよう
それにしても、2人で大人のオモチャを買いに行くって、変態カップルぽい
しかもいい歳だし
ちょっと恥ずかしいけど、せっかく好みのものを買うチャンスだし向こうは客の事なんていちいち気にしないだろうと開き直る事にした
店でアイスカフェオレを注文してスマホをつついていると、龍成からメールが届く
すぐに店のドアが開くと彼が入ってきた
お疲れ様
「お疲れ様、待たせてごめん」
大丈夫、なんか飲む?
「俺はいい、未来さんはもうちょっと休憩する?」
ううん、じゃあ出ようか
立ち上がって会計を済ませた
いつもの大通りを歩いて少しだけ横道に入ると一見雑貨屋ぽいお店がある
中に入るとすぐにアコーディオンカーテンが申し訳程度に吊ってあって、その奥が大人のコーナーになっていた
「おお、すげー」
龍成が中学生みたいな感想を言うのが可笑しかったけど、心の中で私も同じ事を思った
男性が一人でする時のものもあって興味はシンシンだけど、私があまりジロジロ見ると他のお客さんが買えないかな、と遠慮した
バイブはかなりの種類があって、枝分かれしていないタイプも結構ある
さて、どれがいいかな
何をする時より真剣に吟味する
もっと悩むかと思っていたけど、意外にもすぐに決まった
だって理想の物がそこにあったから
形は真っ直ぐで大きさは龍成のと同じか、頭の部分が若干大き目
箱には防水、ソフト素材の表記
あ、これがいい
場所が場所だから小さい声だけど、しっかりと主張した
「これ?どうして?」
防水だから洗えるし、柔らかいって書いてる、それに
龍成のに似てる
「え、そうかな、こっちのが大きくない?」
ちょっとだけね
「未来さんがいいなら勿論いいけど、他も見なくていいの」
これが、いい
元々洋服なんかもあれこれ見て回らずに、友達について行って、これ、と思ったら買うからあまり悩まない
それに早く決まったらこの後ゆっくり出来るという思惑も少しあったから即決した
龍成がプレゼントすると会計をしてくれる
店員さんは無表情でレジを打つけど内心、こいつらこんな物使うのか、とか思っているんだろうかと被害妄想に近い想像をする
龍成は恥ずかしいくらいご機嫌だった
「どうする?こっちのホテルでもいいけど、やっぱりいつもの所にする?」
地元の方が、ゆっくり出来るけど、ご飯は?
時計を見ると6時過ぎだったから、とりあえず龍成の車で地元に帰ることにした
多分早くホテルに入って試してみたいから、ご飯はコンビニかホテルになるだろうと推理してみる
名探偵ぶりの推理は大正解で、そのままホテルに直行することになった
部屋に入るとすぐにパッケージをあけて、一緒に買った乾電池を装着する
凄く興奮してきた
時間短縮の為に一緒にシャワーを浴びて、オモチャも軽く洗う
龍成は髪も洗うと言うから洗ってあげた
「未来さんは洗わないの?」
乾かすの面倒だし、洗った方がいい?
「別に洗わなくても嫌じゃないけど、俺、洗いたい」
えー、洗えるの?
龍成の髪を洗ってみて、このシャンプーなら使ってもいいかなとは思うけど、洗ってもらうのは不安だ
「大丈夫だって」
じゃあ、お願い、でも髪多いから、洗うの大変だよ
「アソコはツルツルなのにね」
うるさい
自分でも不思議なんだけど、髪は多い、梨花にも言われるから確かだと思う
でも髪以外の体毛は本当に少ない
脇毛もないし眉毛も眉頭のみ、まつ毛はエクステがつけられない程細くて少ない
一つだけ考えつくのが「髪だけは伸び続ける体毛」という事
髪は他の体毛とは別物なのかもしれない
龍成のシャンプーは力強くて意外にも気持ちよかった
適当に身体を拭いてベッドに上がるとキスをする
枕元には買ったばかりのオモチャもスタンバイしていた
向かい合って座ったままお互いの性器に手を伸ばして愛撫する
キスをする唇から声が漏れた
ん、ふ
龍成の物は手の中で硬く、ビクビクしている
私のアソコからはクチュクチュとイヤらしい音がした
そっと後ろに倒されて上から龍成が見下ろしてくる
性的な興奮が表情に見えてセクシーだと思った
龍成
名前を呼んでキスを貰う
ね、あれ入れてみる?
タイミングを伺っているみたいだったから、私から切り出した
枕元に手を伸ばしてオモチャを取ると、私の顔の前に差し出してきた
頭を上げてわざとイヤらしく見えるようにそれを舐めあげる
ゆっくり、入れてね
龍成の目を見てお願いすると、彼が欲情しているのが分かる
「脚、広げて」
ん
仰向けに寝転んで脚をカエルのように左右に開く
アソコに冷たいものが押し当てられるとクプンと頭の部分が入ってきた
あ、冷た
「先っぽ、入ったよ」
ん、大丈夫、もっと
興奮した彼の声を聞いて、アソコがヒクヒクとオモチャを飲み込もうと動く
びちゃびちゃに濡れてるから、シリコン製のそれは難なくズブズブ飲み込まれていった
「すごい、全部入ったよ」
ん、奥、当たる
「動かすよ」
う、ん
龍成は慎重に出し入れし始めて、アソコをじっと見ている
龍成、どう、入ってるの
「すごい、イヤらしい、アソコがいっぱいになってるのが良く見えるよ」
気持ち、いい、もっと
バイブのスイッチを入れると中で動き出す
あ、あ
いつもとは違う刺激に戸惑うけど、身体はどんどん快感を拾って高められていく
中のいいところに1番太いところが当たって、大きな声が出る
や、キツ、やぁっ
「未来イキそうなの」
ん、や
「どうして、気持ちいいんでしょ」
これで、イクの、やだ
龍成の物でイキたい
必死で彼の顔を見てお願いするんだけど、聞いてもらえない
彼は興奮した顔のままオモチャを激しく出し入れした
気持ちは龍成の物でイキたいと思っているのに身体は勝手に絶頂を迎える
ガクガクと身体が震えて気持ちいいけど、自分のイヤらしい身体が嫌になる
も、やだ
龍成のでイキたかった
そっとオモチャが引き抜かれて顔にかかった髪を手で透かれる
「気持ちよかったでしょ」
も、や、龍成ひどい
「ごめん、だって気持ち良さそうだったし見てて凄く興奮したから」
こんなオモチャで、イキたく無かった、龍成そばにいるのに
オモチャで気持ちよくなるのは大歓迎なんだけど、イク時は彼の物や指がいい
ワガママかもしれないけど、私の性癖だった
「俺のでも、イカせるよ」
キスをして優しく胸を刺激する
オモチャでイカされて拗ねていたけどキスが凄く優しいからだんだんと受け入れた
胸全体をマッサージするみたいに揉まれ、指先で乳首を刺激される
またアソコがウズウズしてきた
龍成、入れて
「未来、入れて欲しい時の顔可愛い、もっと我慢して」
嫌、入れてよぉ
「何、入れて欲しいの」
龍成、の
「俺の何、これ?」
指が一本だけ入れられる
違う、早く
「違うのか」
せっかく入れてくれた指が引き抜かれた
どうして今日はこんなに意地悪されるんだろう
「未来、可愛い、どうして欲しい?」
龍成のこれ、欲しい
彼の物に手を伸ばして懇願するけど、入れてもらえない
悲しい筈なのに、アソコからはどんどんイヤらしい液が流れ出てくる
龍成のチン〇ン、入れて
口に出すとそれだけでイキそうになった
やっと念願の物を入れてもらって身体中で感じる
龍成も我慢していたみたいで1度目はすぐに出てしまった
すぐにゴムを付け替えてまた中に入ってくると、今度は私がイってしまう
あれだけ焦らされて頭が可笑しくなりそうだったけど、もう今は気持ちいい事しか分からない
結局龍成は続けて3回射精した
3回目が終わった時、私は意識がはっきりしていなくて気が付くと彼に抱き締められていた
龍成、あんなに興奮してたなら、どうして入れてくれなかったの?
少し経って思考が戻ってきたから聞いてみた
「未来、焦らせば焦らすほどどんどんイヤらしくて可愛くなっていく」
「触らなくても出そうなくらい興奮したけど、もっと焦らしたいと思うのが止められなかった」
「未来が泣きそうな顔で俺のを欲しがるのが堪らない」
ゆっくりと自分の考えを整理するように、私をギュと抱き締めたまま話す
つまりは龍成の性癖、プレイだったのだろうか
自分がどんな顔で強請っているのかなんて分からないけど、確かに焦らされているあいだアソコは洪水みたいにシーツまで液を垂れ流していた
私にとってはコンプレックスで嫌悪感さえある、濡れすぎるアソコを見て、男性は興奮するのだという
焦らされて、連続で長い時間挿入されていてクタクタだけど何故だか満たされている
龍成が幸せそうに愛しそうに見つめてくれているからだろうか
「未来が俺を必要としてくれるのが、嬉しい」
所詮は好きに身体を弄べる生きたダッチワイフかもしれないけど、私も龍成にされる事の全てが快感に繋がるから別にいいやと思える
前から連休中に会えたら会いたいと言われていたので、シフトが出た時点で5日が休みだと伝えていた
「5日どうする?」
焦らしプレイをして家に帰るとすぐにメールが届く
あ、5日会うのは決定なんだ
どこもいっぱいだし、誰に目撃されるか、分からないよ
多分気にしてないんだろうなと思いながらメールを返すけど、眠い
もうワンターンが限界だろう
「未来さん行きたいところ無いの?」
人混みと行列苦手、また考えといてね、お休み
一方的にメールを終わらせると、メイクだけ落としてベッドに入った
5日はうちに来てもらってもいいと思ってるんだけど、もうちょっと様子をみよう
なにか名案を出してくれるかもしれない
Gwなのに店も配達も忙しくて内心、どこか遊びに行けばいいのに、と思いながら笑顔で接客をする
休みの龍成からはいつも通りかそれ以上のペースでメールが来ていた
どうやら前半は家族で奥さんの実家に一泊するらしい
5日は午前中から会えると言うけど、行き先は未定のまま
仕方なく、うちに来る?とメールをすると大喜びのメールが帰ってきた
「えー!いいの?本当に!?前は絶対に嫌って言ってたのに」
龍成が他に行きたいところ、なければ、だけど
「ない!てか未来さんちがいい!そこが一番行きたい!!」
じゃあ、いつもおっちゃんところ来るとき使ってる駐車場に車置いて、でいい?
「分かった!俺なにか持っていく?ご飯どうする?」
別にいいよ、ピザとか、取れるし
明日はとうとう彼が部屋に来る
相変わらずいつもの時間に目が覚める
昨夜はいつもにも増して瞬間睡眠だったから、メールした次の瞬間には会う当日だった
お掃除ロボのスイッチを入れて朝食を食べる
今日はトーストの上に納豆とチーズを乗せた『なっトースト』
真由美には大不評だけど、梨花はまあまあだと言ってくれる
それにハムステーキを適当に焼いてマヨネーズで食べる
カロリー計算なんてした事ないけど幸い太る体質じゃないらしく、大体プラスマイナス1kg程で維持している
洗濯機を稼働させて時計を見ると8時前だった
お風呂、入ろうかな
ちょっと迷ってシャワーだけした
「おはよー!10時くらいに出るから30分前後で着くよ!早い?」
どうやら龍成の家からうちまではそれくらいの距離らしい
確か前に連れて行ってもらった実家の近くの串カツ屋さんもそれくらいの距離だ
思ったより早い登場になりそうだなと、理由もなく気合を入れた
冷蔵庫を開けて二日前に買った手羽先やその他の食品を見回して考える
ピザは取ろうと思ってるけど、丸一日いるんだよね?
飲み物はいつもの発泡酒とチューハイもあるからオッケー
なにか、作る?
手羽先はグリルで焼くだけだからいいとして、他はどうしよう
1時間ちょっと時間があるから牛肉の炊き込みご飯とレンコン入りとうふハンバーグ、豚ロースのなんちゃってスペアリブを作った
1つ問題が
サラダ、いるかな
トマトとジャガイモ、リンゴはあるけど
私がギリギリ食べるポテトサラダ、間に合うかな
キュウリなんてないから、お弁当用のミックスベジタブルをマッシュポテトの中に投入したところで携帯が鳴った
マンションの下まで迎えに行くとパーカーにGパンを履いた龍成が見えた
ここの所スーツばかり見ていたから新鮮に思う
「おはよう」
おはよう、早いね
エレベーターに乗って部屋の前につくと鍵を開けてノブを引いた
いらっしゃい、どうぞ
「お邪魔しまーす」
何となく恥ずかしいけど、とうとう部屋に入れてしまった
「おー、何と言うか、、、、なんにもないね」
言われると思った
みんな私の部屋に入ると必ずそう言う
ベッドやソファ、テーブルはあるけど何故だかそう見えるらしい
色合い的にはソファか濃い赤で、残りはオフホワイト〜ベージュ系
観葉植物やポスターなどは一切無くてカレンダーはキッチンのみ、その他のごちゃごちゃは洋服を置いている部屋に詰め込んでいるから、そう見えるのだろう
「これ」
龍成が差し出した袋の中にはビールが入っていた
「なにか、と思ったんだけど、未来さんケーキとか食べないし」
ううん、ありがとう
受け取って冷蔵庫に入れる
座って、早速飲む?
龍成は車で来てるから飲むなら昼過ぎまでがいいと思った
もらった缶ビールをグラスに移して乾杯する
お昼ご飯はピザを取ろうと2人で選んだ
「何だか緊張するね」
勿体つけてたけど、大したことないでしょ
「綺麗にしてるよね、それになにかいい匂いする」
さっき晩ご飯の下ごしらえ、してた、食べていく?
多分そうすると思っているけど一応既婚者だし、帰るなら一人で3日に分けて食べるつもりで作った
「え!?未来さん作ったの?俺食べていいの?」
人の作ったの、気持ち悪くなければ
「食べる!てか何作ってくれたの」
いつも作ってる肉ばっかりだよ、大したもの作ってない
あんまり大げさに喜んでくれるから逆に申し訳なくなってきた
炊き込みご飯と豆腐ハンバーグとなんちゃってスペアリブ、あとポテサラ作りかけ
手羽先は焼くだけだから省略した
「なんちゃってて何?」
昔から、実家で出るメニューなんだけど、本物とは絶対、違うと思うから
「えー、楽しみ!夜までガマン?」
だってもうピザ頼んだし
晩ご飯の話はそこで終わってテレビを付ける
録画していた2時間ドラマを再生した
「未来さんこんなの見るの」
うん、面白いし、2時間で犯人分かって解決するから
初めは半信半疑だった龍成だけど、続けて2人殺されてちょっと集中してきた
「アイツ怪しい、犯人じゃない?」
違うよ、配役で大体分かるんだよ
そこでピザが到着
一時停止にして支払いを済ませる
晩ご飯の代わりに龍成のおごりだった
ピザを食べながらビールのお代わりを出してドラマの続きを見る
龍成が犯人だと言っていた人が3人目の犠牲者になった
「うわ、コイツ殺されてんじゃん」
だから言ったでしょ、あの女が犯人だと思うよ
ピザも食べ終わってクライマックス、真犯人は私が疑っていた女の生き別れの母親だった
あー、ハズレちゃった
「でも案外面白かった」
ご馳走様、とソファに寝転ぶ彼の上に被さってキスをした
龍成、今日はセックスしないの?
彼を見下ろして聞いた
「したいけど、タイミング難しくて」
タイミング?
「初めて部屋に入って緊張してるし、ベッドも未来さんがいつも寝てるところだし」
嫌?
「そんな訳ない」
じゃあ、しよ
龍成の腕を引っ張ってソファから起こすとベッドの方へ連れていった
と言っても同じ部屋だから元々ベッドはソファから見えている
「ダブルベッドだね」
一人だと広々寝れるよ
なんだか龍成の間が気になって顔をみた
何か気になるんだろうか
どうしたの?ホテルじゃないと嫌?
「ううん、未来さんの生活してるところで、俺なんかがいいのかなって」
いいよ、今は龍成しかいないんだし、私がしたいんだから
私が前に、龍成には龍成の家があるから、私の生活空間は私のものと言ったことを覚えていたのか、自分が既婚だからという事を気にしているのかは分からなかったけど、俺なんか、という彼を可愛そうだと思った
立ったままの彼の首に腕を回してハグをした
目を見つめてキスをする
徐々に深く口付けて、彼の腕が私の身体を抱きしめてくれる
今ここに入れる男の人は、龍成だけだよ
「ありがとう」
なぜだかお礼を言われて同時にベッドに押し倒される
部屋着のスウェットワンピースの裾をたくしあげて脱がされた
もうパンツしか着けていない身体中に愛撫を受ける
龍成も、脱いで
龍成はガバッと起き上がると、すごい勢いで服を脱いでベッドの下に投げ捨てた
いつもみたいに激しくもなく、言葉責めも焦らしプレイもない普通のセックス
私の身体の中に入ってからも、ゆっくりと出し入れして一回を大切にしているように思えた
私の部屋でセックスをするのはとても久しぶりで新鮮な感じがする
龍成は愛しそうに私を見下ろしながらキスをしてゆっくりと動く
まるで恋人のようなセックス
「未来、気持ちいい?」
うん、龍成ので、いっぱい、感じる
抱きしめ合って一緒に絶頂を迎えた
「未来さん、いつもここで一人で寝てるんだね」
うん、そうだよ、ずっと一人
「寂しくない?」
私、布団に入るとすぐ寝ちゃうからね
「じゃなくて、一人暮らし」
全然、外では友達や同僚やお客様に囲まれてて、家に帰るとホッとするよ
強がりとかではなくて、本当に家が大好きで一人でいても退屈だと思う事もない
ベッドの上で仕事の話や友達の話、子供の頃の話なんかを交互に話した
龍成の家族の話はしない
でね、相手のヤンキーがいきなり殴りかかってきて、私ケンカなんて出たことなかったからビックリした
「でも、同じグループだったんでしょ?真由美さんたちと」
仲良かった、けど私はケンカや夜遊びに参加した事なかったんだ
梨花がやられそうになって初めて人を殴った話をした
龍成は中学生の頃、サッカーをしていて勉強は普通
部活ばっかりしていたと教えてくれた
いまはフットサル、してるんだよね
「サボってばっかりで適当だけどね」
そのおかげで、会えたんだよね
フットサルのチームで暁と一緒にならなかったら私とも知り合っていない
そう思うと奴に感謝してやってもいいかなと思えた
ベッドからはテレビが見えないので、ソファに戻って今度は宇宙人が侵略してきて、日米で協力して戦う洋画の録画を見る
なんだか一人で過ごす休日と変わりなくて、とても快適だと思った
実は、宇宙人が出てくる映画、好きなんだ
「そうなの?でもこれ面白いね」
大画面で見たいな、今度こんなの上映したら、行こう
「うん、絶対行こう」
最後の現役を引退したはずの戦艦と元軍人のご老体が活躍するシーンは不覚にも感動した
「俺、この映画知らなかったけど、凄くよかった!」
うん、思ってたより、ずっと面白かったね、暇つぶし用に録画していただけなんだけど
私の部屋は元々2DKだったのを1LDKにリフォームしたから、ポコっと窪んだスペースがあって、そこにベッドを置いて目隠しに衝立を置いている
ソファとテレビの横には扉があって、そこが良く言えばウォークインクローゼット、本やゲームも置いているから実際は納戸
「ねぇ、あの扉何?お風呂?」
お風呂はキッチンの奥、入りたい?
「いや、後でいい、じゃああれは?」
あかずの扉
別に秘密にすることもないけど、マンガが沢山あるのがちょっと恥ずかしい
服とか入れてる、あと本とか
「あ、マンガ好きなんだよね、何持ってるの?」
うーんと
言いかけたけど面倒くさくなって、ご飯の用意するあいだに読んで暇つぶしになるならと扉を開けた
本棚は一番奥で手前にはよく着るスカートやワンピースが掛けてある
「あ、この服もこれも見たことある」
え、服覚えてるんだね
なんだか照れくさい
「そりゃあ覚えてるよ、これ凄く似合ってたし」
あんまり見ないで、恥ずかしい、散らかってるし
「え、全然キレイにしてるよ」
本こっち、なにか読む?私晩ご飯温めたりするから
何種類かはドラマ化や映画化されているから、龍成も知ってると言った
「この漫画は?どうして大きいのと二種類あるの?」
それはね、、、、
私が大好きなマンガでもう随分前に完結したんだけど、少し前大判で完全版が出たから堪らず大人買いしてしまった物だった
大判は保存用なんだけど、その発想がオタクなのは承知している
やっぱり弟とは間違いなく血が繋がっているなと思う部分だ
「へー、そんなに面白い?」
神マンガだよ
龍成は「保存用」に引くこともなく、その漫画を始めの5巻持ってリビングに戻った
私がご飯を温めたり、手羽先を焼いているあいだ、たまに様子を伺うと彼は結構真剣にマンガを読んでいた
私一押しのマンガだから当然かなと悦に入る
龍成、出来たけど、食べる?
「お、待ってました!」
キッチンの前のテーブルは小さいけど、イスは一応4脚あって、2人で食事するには十分な大きさがある
そこに料理を並べた
「美味しそう!こんなに作ってくれたの?」
いつものご飯だから、ひとつづつは量少ないよ
向かい合って座ると、頂きますと手を合わした
龍成が炊き込みご飯を頬張るのを、コッソリ気にしながら豚肉を口に入れる
「上手い、美味しいよ未来さん」
龍成はそう言ってニカッと私の好きな顔で笑った
そりゃあ作った本人が目の前にいるんだから「まずい」とは言えないだろうけど、龍成はおかわりもして沢山食べてくれた
お風呂に入ろうという事になって一緒に入ったけど、やっぱりラブホのお風呂と違って狭いからギュウギュウに湯船につかった
裸のままベッドにいってもう一度抱き合う
今度はさっきより少し激しく愛撫されて声を抑えなければならない
今まで暮らしていて周りの部屋の音が気になったことはないけど、気をつけるに越したことはない
ラブホでは大きな声を出してるんだなと改めて思う
「未来さん、胸気持ちいい?」
うん、もっと強く
乳首を強く摘まれてビリビリするような快感が脳まで伝わる
アソコにも指を入れてもらってグチャグチャと掻き回される
声を抑えていると余計にそこに神経が集中して液が溢れ出てくるのが分かった
「もう一本、入れるよ」
中がいっぱいになって苦しいけど、気持ちいい
龍成の指でいっぱいになってると思うと堪らなかった
う、あん、もっと
「もっと?」
出来ることなら裂けるくらいいっぱい入れて欲しい、彼の指でもっと広げて欲しい
「これ以上無理だよ」
や、もっと
「あれないの?この前買ったやつ」
下着、の引き出し
龍成に場所を教えてオモチャを取ってきてもらった
待っているあいだ自分でアソコを触って指を入れてみる
気持ちいい
今度はここにオモチャを入れるんだと思うと凄く興奮した
私が一人でしてるのを戻ってきた龍成が見つける
ベッドの横まで来てジッと見つめられた
龍成
「未来気持ちよさそう」
ん、中の、ここ
指を少し折り曲げて敏感なところを触ると身体がビクッと震える
「じゃあ今度はこれでそこ、してみて」
オモチャを差し出されて受け取った
入れるの?
「自分で、入れて」
ベッドに上がってきた龍成は私の脚のあいだに座る
私は指を抜いてオモチャを入り口にあてた
アソコはシーツに垂れる程濡れているからズブズブとオモチャを飲み込んでいく
あぁっ!
カリの太い部分がさっきの敏感なところをかすめて大きな声が出た
入れた、よ
「もっと入るよ」
んん
言われて一番置くまで挿入した
子宮口に当たるのがわかる
あ、当たってる
「スイッチ、入れて」
オモチャのスイッチを入れるとブルブル震えて子宮口を刺激する
刺激が強すぎて思わず抜こうとすると、彼の腕がそれを止めた
「ダメだよ」
や、だ
龍成がオモチャを手に取ってゆっくりと出し入れする
上半身を起こされてキスをした
龍成、イク前に
「うん」
それ以上喋れなかったけど、龍成は分かってくれた
イク寸前までオモチャで遊ばれたけど、イカす事はせずにそっと引き抜くと彼の物が入ってくる
あ、熱い
オモチャとは違う熱い彼の物を感じた途端にイってしまった
身体の痙攣が治まって息が整うまでずっと抱きしめられて長い快感を味わった
その後は龍成の物で何度もイカせてもらって最後はバックから激しく突かれた
ベッドの軋む音がしてアソコからもグチュグチュと大きな音がする
「くっ」
龍成はが小さく唸って一番奥で弾けた
私の背中にギュッと抱きついて何度もキスを落とす
龍成
ズルっと彼の物が引き抜かれて身体が横に倒された
「未来」
何度もキスをして長い時間抱きしめ合った
龍成、寝たらダメだよ
「うん、起きてるよ」
そろそろ帰らないと
時間はもうすぐ11時になる
「泊まる」
ダメに決まってるでしょ
「冗談、でももうちょっと」
私、明日仕事
「もうちょっとだけ」
あ、やだ
龍成の指がアソコに伸びてきた
「もう一回」
も、ヤダ明日
「仕事、だもんね、ゆっくりするから」
は、や
片手はアソコを愛撫しながら、口でゴムの封を器用に切るとあっという間に挿入された
口では嫌がってみても本当はいくらでも欲しいから、本気で抵抗なんて出来ない
正上位でゆっくり突かれて胸を捻るように愛撫される
さっきの激しい、少し変態っぽいセックスとはまた違う快感を味わう
キスをしたり名前を呼びあったりしながら緩やかに絶頂に向かっていく
「未来愛してる」
龍成、好き、大好き
気持ち、いい
「未来」
龍成の息が荒くなってきて動きが激しくなってきた
「未来」
名前を呼ばれて苦しいくらい抱きしめられた
また、たまには呼ぶから、ね
渋る彼を何とか送り出す
「家に着いたらメールするね」
え、大丈夫なの
「だって今日は実家に泊まるから、子供と」
じゃあ、子供、ほったらかして来たの?
「違うよ、親が買い物とか連れてってくれてる、俺も休み欲しいだろって」
「明日はちゃんと遊ぶって約束してるし」
なら、いいけど、順番間違えたら、嫌いになるよ
「分かってるよ」
駐車場まで送ると言ったけど、龍成が遅いから危ないと聞かないので玄関でキスをして別れた
一人で汚れたシーツを変えながら、実家からだからあの時間だったんだ、と彼が来た時の事を思い出す
串カツ屋さんと同じくらいの距離だと思ったから実家から来ていたのなら納得出来た
何だか楽しい一日だったと思いながらベッドに入ると龍成からメールが届いている
「今日は楽しかった、家に入れてくれて本当に嬉しかった」
「明日はちゃんとお父さんするよ」
わかった、私も楽しかった、かなりね
お休み
次の日仕事は忙しくて少し寝不足だったけど、気分よく働いた
やっぱり私生活が充実していると張り合いが出る
龍成からは「次はいつ会えるのかなぁ」とメールが届く
少しだけ面倒くさいと思うけど、シフトを確認して11日どう?と返した
月曜日だから忙しいかな、私は早上がりだから楽なんだけど
「11日(○´∀`)ゞラヂャ!」
本当に返信早いな、と感心する
その後梨花からお誘いのラインが届いた
私は先約優先が心情だから断ったけど久しぶりに梨花とご飯に行きたかった
龍成と約束した日、梨花に誘われたけど行けない
だからといって龍成の方を断る事も出来ない
先約優先だし、嘘をつくのは苦手だから仕事になったとかも言えない
それに龍成と会いたくない訳じゃないし
でもそれ以上に梨花と会いたくなったから、
梨花に次に都合のいい日を聞いてみる
「19日休みだよどう?」
梨花が返信をくれた
誰かに交代してもらおうと事務所でシフトを見ると結構人数は入っている
元々早上がりの日だし、もしかしたら休めるかも
とりあえず事務員さんに聞いてみた
「休んでも大丈夫だと思いますよ、有給使いますか?」
じゃあすみませんがお願いします
案外あっさり休みが取れたから早速梨花にラインを送った
梨花からはすぐに返信が来て真由美も誘っておくと書いてあった
久しぶりに3人で遊べるかなと想像するととても楽しみになってきた
私は特に行きたいところもないから行き先はどこでもいい
友達と会うと元気になれるし、学生時代に戻ったような気分になれる
まあ梨花と違って独身で子育てもしていない私と真由美は精神的にはそんなに成長していないかも知れないけど
11日は龍成とおっちゃんの店で待ち合わせした
ホテルに行くかは決めてないけど、私はどっちでもいい
最近は欲求不満じゃないから、会う度にしたいとは思わなくなっている
でも基本、私たちに許されているのはセックスだけだから、普通のデートは慰謝料請求の対象になるのかも
おっちゃんの店でご飯を食べながら、次に19日3人で遊ぶかもと龍成に話す
「仲良くていいね、何処に行くの?」
決めてない、真由美が遊べるなら、梨花と決めると思う
「未来さん、あんまり行きたいところとか無いもんね」
うん、場所より、人だから
「人?」
どこに行くか、より誰と行くか、かな
そう、どんなに好きな場所でも嫌いな人とは楽しくないから、場所にはこだわら無い
元々田舎だから行くところも限られてるし
店は平日で空いていたから、途中で奥の小さいテーブルに移動して何時間もだらだらととりとめない話をした
「早く旅行行きたいな」
でも、もうすぐだよ、私の車で行くでしょ
旅館は予約したものの、予定は何も決めていない
「折角だから、ちょっと方向違うけど、水族館行ってから温泉行かない?どうせチェックイン午後でしょ」
あ、それいいね、賛成
色々相談して駅まで龍成が来て合流する事にした
龍成は自分の家の最寄駅まで来た方が、高速の乗り口が近いと言ったけど、週末に自宅付近は流石に誰かに目撃されると却下した
話の流れで大体龍成の家の場所がわかって簡単に言うと、私の家と龍成の実家と龍成の家を点で結ぶと正三角形になる感じだった
「俺は誰に見られても構わないよ」
でも、見られないに、越したことないよ
私は今の関係が気に入っているから、波風立てることは好まない
この日は次に16日に会うことを約束してご飯だけで終りにした
土曜日だけど奥さんと子供は向こうの実家に泊まるらしい
私も珍しくたまたま休みだから断る理由も無かった
18日から生理になるから、それまでに私ももう一度会ってセックスしたいと思っていたし16日会えるのは嬉しい
龍成のところは週末大体交互に実家に行くから今回は奥さんのところ
送ってすぐにこっちに来ると言っていた
県外の大きいショッピングモールに行く予定になっている
龍成が旅行に着ていく服を見たいのと、敷地内にボーリングやカラオケもあるから退屈しないだろうと決めた
夜はホテルに行くだろうけど、本音はうちに来てもらいたい
だってこの前うちで過ごしたのが凄く快適だったから
ホテルで大きな声で喘いで、激しいセックスをするのもいいけど、元々家が好きだからかマッタリ家でくつろぐのが楽過ぎる
以前彼がいた時はそこまででは無かった気がするけど、歳を取って出不精に磨きがかかったのかも知れないと思った
少し迷ったけど、念の為に冷凍庫の肉を冷蔵室に移して解凍する
キムチがあったからキムチ鍋が出来るようにしておいた
来なければ明日の晩ご飯にしよう
カバンの中身を移し替えているとちょうど電話が鳴った
「おはようあと15分くらいでそっち着くよ」
じゃあ、この前のコンビニまで歩いていくよ
「マンションまで行くよ」
そう?じゃあ時間見て下に降りておくね
体温調節が難しい季節だから、薄手のパーカーを羽織ってピアスを付けると靴を選んでエレベーターに向かう
靴は龍成とお揃いのやつにした
彼が履いてくるかは聞いてなかったけど、今まで履いたところを見せていないし何となく、予感がしたから
車に乗り込んで挨拶のキスをする
「おはよう、今日も可愛いね」
ありがとう、龍成もカッコイイよ
いくら言っても「可愛い」と言うから反対に言い返してみた
龍成は一瞬目を見開いてニカッと笑った
「そう?俺カッコイイ?」
うん
頷くと彼は照れたらしく少し目線をそらした
高速に乗って30分くらいで目的地につくまで車の中で話をする
もう来週、旅行だね
「俺すっごい楽しみ!未来さんと一日中一緒にいれるんだよね」
私も、ちょっとドキドキする
彼と旅行なんて本当に久しぶりだから緊張する
夜はちゃんと眠れるだろうか
彼が土日出かける事を家族には何と話しているのか気になるけど、以前心配しなくていいと言われてからは聞いていない
本当かは分からないけど、龍成は離婚する覚悟が出来ているから自分のしたいようにしていると言う
私はセックス以外の彼を求めている自分に気付いた時は少し動揺したし、不倫は初めてだからこのまま奥さんに嫉妬したり、彼の離婚を望んでしまったらどうしようと思った
でも今のところはどちらもなくて、会っている時は本当に大好きだと思うけど、結婚したいとは思った事がない
たまに会う龍成は可愛くて優しくてイヤらしい
そんな彼だけを見ていたいと思う私はきっと結婚にはむいていない
車を降りてふと気付いた
靴がお揃いだ
龍成も気付いてお互いに少し笑った
どちらともなく手をつないでショッピングモールに入っていく
「未来好きだよ」
ベッドの上以外で初めて「未来」と呼ばれた
大きなショッピングモールをプラプラ歩いて目に付く店に立ち寄る
龍成はTシャツと薄手のシャツを買った
「未来さんは買わないの?」
んー、カバンがいいのあれば欲しいんだけど、特には
遅めの昼食にトンカツ屋さんに入って、休憩しながらこの後の事を相談する
「カラオケかボーリング行く?」
カラオケは、古い曲しか知らないよ
ボーリングはキライじゃない
「じゃあ食後の運動にいこうか、未来さん上手なの?」
普通、だと思うけど随分してない
本当に3年ぶりくらいでその時のスコアは120前後だったと思う
敷地内にあるボーリング場に行くと貸靴を借りてお揃いのスニーカーをロッカーに入れた
「お揃いだね」
うん、もしかしたら、とは思って選んだけど
「俺は絶対履いてきてくれると思った」
受け付けまで手をつないで歩いていると、本当に普通の恋人同士のように思えてくる
周りから見たらいい歳して、と思うだろうけど見逃して欲しい
龍成はもともと身体を動かすのが好きらしく、ボーリングも上手だった
すごいね、ストライクばっかり
「よく行ってた頃はもっと上手かったのに」
それでも200は軽く超えている
2ゲームしてもまだ夕方になったところだった
「もう地元帰ってホテル行く?」
うん、私も今日はしたいけど、、、、
「まだ早いからどこか行きたい所あるなら、行こうよ」
じゃなくて、うちで、ゆっくりしたい
嫌かな?
龍成がホテルで思い切り激しくしたいのなら、もちろんそれでもいい
そう言ったら龍成は私の手をギュッと握って「じゃあお邪魔します」と笑った
高速を走って見慣れた町に帰ってきた
龍成は安全運転だから助手席に座っていると眠くなってくる
ちょっとウトウトしてしまった頃にマンション近くの駐車場に着いた
ごめん、寝ちゃった
「大丈夫、着いたよ」
マンションまで歩くときも手をつないで来るから、振り払うとしょんぼりした顔をするけど、地元でしかも週末だから人通りも多い
もうすぐ着くから、ね
マンションのオートロックを通ってエレベーターに乗ってから手を繋いだ
部屋に入ると立ったまま抱き合ってキスをする
どんどん激しいキスになって興奮するけど、シャワーを先に浴びたい
龍成、待って、シャワーしたい
「このままでも良いよ」
朝、お風呂には入ったけど、なんだか恥ずかしい
いい歳だし加齢臭とかも気になる
でもそんなことはお構いなしに龍成の腕がスカートの中に入ってくる
身体の中で唯一柔らかいお尻を揉まれて、キスを受けるともう抵抗出来なくなった
ベッドまで移動して服を脱ぐともう一度キスをする
この前龍成とこの部屋でしてから、ベッドのサイドボードにゴムとオモチャを移動させた
彼の唇が胸に降りてきて、乳首に歯を立てられる
んっ
痛いけど気持ちよくて彼の頭を抱き抱えて喘いだ
龍成、龍成の、舐めたい
喘ぎながらお願いして座った彼の股間に顔を埋める
そっと口に含むと、頭の上からため息のような声が聞こえた
「未来、気持ちいい、暖かい」
欲情した低くて甘い声を聞くと、もっと気持ちよくなって欲しいと思う
龍成の物を口いっぱいに含んで、どうすれば気持ちよく出来るかだけを考える
彼の指が乳首をさするように愛撫するからゾクゾクしてアソコからも液が溢れてきた
片手は彼の物に添えて扱きながら、もう片方の手を自分のアソコに伸ばすと恥ずかしいくらい濡れている
少しのあいだ入り口を撫でるように愛撫しながら彼の物を舐め続けていた
「未来、もういい、入れたい」
龍成がイヤらしいこえで言った
龍成、口で出すの、嫌?
「嫌じゃない、もう出そうだし、でも全部未来の中で出したいから」
私もいっぱい欲しいけど、たまには口にも欲しい、龍成の味、まだ知らないもん
龍成の物を握ったまま上目遣いで、媚びてみる
過去の彼たちはセックス中にこんな感じでお願いすると凄く興奮してお願いを聞いてくれた
「じゃあ、味見、する?」
龍成もやっぱり興奮したらしく、膝立ちになって私の顔の前にはち切れそうにガチガチの彼の物を差し出した
そっと口に含んでゆっくりとピストンを始める
だんだんと早く、わざとイヤらしい音を立てて吸い付くように舐めると龍成の息が荒くなってくるのがわかる
「うぁ、未来、出る」
そう言って私の髪を撫でながら、自分も腰を動かし始めた
絶頂が近い
喉を突かないように気をつけながら彼の動きに合わして頭を振る
「あっ」
龍成が切なそうな小さい声を出して私の口から自身を引き抜こうとする
私は口に欲しかったから、抜けないように奥まで加えこんだ
ドクドクと口の中で彼の物が射精する
口いっぱいに彼の味がした
「ごめん、口に」
謝る龍成の顔を見ながら、ゴクンと喉を鳴らして彼が出した物を飲み込んだ
「大丈夫?」
龍成の味が、する
龍成のは味は濃いけど、あまり苦くない
そんなに何十人も知らないけど、やはり味は個人差があって少し飲み込みにくい人もいた
うろ覚えだけど私の経験人数7人で味見した人数は6人、そのうち2人は苦くて苦手な味だった
好きな味だったのはやっぱり巧
男の人が出したものを飲んで感じるなんて、やっぱり変態の淫乱だと思う
元旦那は正しい
フェラしたあとのキスを嫌がる男性もいるらしいけど、私は当たったことがなくて龍成も普通にキスしてきた
龍成の味、する?
彼はセックス中の会話が好きだから、わざと聞いてみる
「うん、ちょっと複雑だけど未来が飲んだんだと思うと興奮する」
そう言って私の口内を綺麗に舐め取るように舌を絡めた
ん、ふ
粘膜が擦れて気持ちよくてキスの隙間から声が漏れた
このセックスの時の体液を交換し合う行為が酷く興奮して、触ってもいないアソコからはどんどん液が溢れている
龍成の指がアソコに触れた
「すごい、お尻まで垂れてるよ」
そう言ってお尻の方に指を這わせて、初めてそこを触られた
お尻も経験あるし、ちゃんと準備すればそれなりに気持ちいいけど、もう10年くらい使ってないから急には無理だ
やだ
やんわり拒否ると触るのを止めてくれてホッとした
アソコに指が入ってきて、それだけですごく気持ちいい
龍成
名前を呼んでキスしてもらう
「次は未来を気持ちよくするよ」
低くて甘い声が耳元で囁いて声だけでイキそうになった
四つん這いにされて後ろから指で激しく突かれる
声が抑えられなくて、でもホテルじゃないから枕に顔を押し付けるようにして声を殺した
「未来、気持ちいい?」
指の動きを止めずに後ろから聞いてくる
必死で首を彼の方に捻って何度も頷いた
身体を反転されられて彼と向き合う
深く唇を合わせて抱きしめ合った
「未来、イキそうだね」
う、ん、あぁ
返事をしたいけど上手く言葉に出来なくて、もう快感しか分からない
片方の乳首を痛いくらい噛まれて中を激しく掻き回されてイってしまった
「未来」
龍成は優しい声で名前を呼ぶと、しっとりとしたキスをしながら指を抜いた
はぁ、りゅ、せい
「すぐだけど、入れていい?」
うん、でもゆっくりして、ね
「了解」
チュッと音を立ててキスをするとゴムを付ける
私の脚を目一杯広げてアソコの入り口に自身を擦り付けた
んん
これをされるといつも皮膚に隠されている小さなクリが皮膚越しに刺激される
敏感すぎるそこへの愛撫は苦手なんだけど、龍成がしてくれるこれは絶妙な強さが気持ちいい
龍成も私が苦手なのは知っていて、ずっと触ったり舐めたりはしないけど、これが気持ちいいのはきっとバレている
ふ、あ
追い詰められない適度な快感にウットリして彼の顔を見た
龍成、気持ち、いい
「未来綺麗だよ」
ギュッと抱きしめられてキスをしてもらう
アソコにも彼の物がギュッと当たった
龍成、好き
彼が自身に手を添えてそっと入り口に当てた
ズズッと彼の物が入ってきて全身が震える
指とは違って今度は奥のいい所に当たるのが気持ちいい
激しく動かずに私の感じるところを何度も突いてくれる
ん、んぁ
「未来、感じる?」
「ギュウギュウ締め付けてくるよ」
「未来のここ、本当にイヤらしいね」
胸を愛撫したり顔中にキスをしながら言葉を浴びせられてアソコは洪水みたいにビチャビチャになっている
龍成の声もかなり興奮して上ずっているから、彼も話す事に感じるのだと思う
や、あんまり、見ないで
龍成は正常位で入れているとき、私の身体を折り曲げて脚を広げて自分の物が出入りするところを見るのが好きでキスしない時はガン見している
「未来のビラビラもない可愛いここに、俺のが入ってるのがグロくて興奮する」のだと言う
今までセックスした男の人はみんな私みたいなのは初めて見るという
私も気になってAVなんかで調べた事もあったけど、やっぱり見た事がない
入り口も広がらないし、クリもホントにこれ!?と思うくらい小さいのが奥に隠れている
もしかしたら奇形なのかも知れないけど、みんな一度したらよく濡れるし感度もいいから喜んでくれる
「未来ここいっぱいだね」
う、ん、龍成の、で、いっぱい
ピストンされてるから細切れの台詞だけど、今度は何とか応えた
アソコもキュウっと締まって返事をしているようだ
「あ、やば」
龍成は動きを止めて射精感をやり過ごす
「あんまり締め付けたら出ちゃうよ」
龍成、一緒にイキたい
彼の顔が近付いて深く口付ける
乳首もキツく愛撫されて動きを再開した
キュウっと中が締まってきてイキそうになると龍成もピストンが激しくなった
最近龍成は中の動きで私がイキそうなのが分かるようになったから、合わせて一緒にイケる事が増えてきた
あぁっ
中がうねるように収縮して身体が痙攣する
イった瞬間に彼の物も中で弾けた
しばらく抜かずに抱き合ってじゃれる様なキスを繰り返す
「未来愛してる」
龍成、大好き
いい歳した二人がと思うと恥ずかしいけど、誰にも聞かれないから許して欲しい
入ったままの龍成の物はちょっと柔らかかったけど、大好きと言ったら中でピクっと動いた
龍成
「うー、抜きたくない」
もう、またしたくなるよ
龍成はイった後、中々抜いてくれない事がある
私はイった後で敏感になってるから、入ったままだとまたムズムズしてきて勝手に中が動いてしまう
「未来のここはもう一回って言ってるよ」
そう言ってクチュっと入れたままの物で中をひと突きされた
や、また
中で彼の物が硬くなっていくのが分かる
龍成、大きい、よ
「うん、また勃ったね」
腰は動かさず乳首を愛撫しながら言葉攻めされる
「動いてないのに未来が締め付けるから、どんどん硬くなっていくね」
「乳首気持ちよさそうに立ってるね、こんなに小さいのにイヤらしい」
「真っ赤になって痛そうだよ、痛いのが気持ちいいの?」
イヤらしい言葉で詰られて、キスされて乳首が取れそうなくらい激しく愛撫される
や、やぁっ
両方の乳首を思い切り捻られた瞬間、一度もピストンしてないのにイってしまった
「すごいね、入れてただけでイっちゃっね」
う、だって
入れられてるだけでも中が勝手に動いて気持ちいいし、乳首を散々弄ばれてイクに決まっている
「俺も入れてるだけで気持ちいいよ、イキそうだ」
気持ち、いい?
「うん、凄く締めつけてくれるからね」
そう言ってユルユルと腰を動かす
「あ、もうそんなに持たないかも」
いいよ、龍成もイって
キスをしてだんだん激しい動きになると脚を大きく開かれて、一番奥まで何度も突き入れられた
「くっ」
短く唸って龍成も3回目の絶頂に達した
本当か私へのサービスなのかは分からないけど龍成は、今まで自分がこんなに何回も出来ると気付かなかったし、一度イったら満足していた、と言う
言葉攻めが好きでよく私のアソコの事を実況したり、気持ちいいの、まだイったら駄目だよなどいろんな事を話しながらセックスするけど、以前はそんな事もなかったらしい
元旦那と違って私を詰るように「淫乱」「汚らしい穴」なんて言わずに「綺麗」「可愛い穴からどんどん溢れてくるよ」なんて言ってくれるから、私もすっかり言葉攻めが好きになった
龍成が言う事が本当だとしたら、今までノーマルなセックスしかしてなかった彼が、セフレと遠慮なく出来るようになって本来の性癖が出て来たのでは、と考えたことがある
もしそうだとしても、彼がイヤらしいのは大歓迎だからもっと覚醒して欲しい
しばらくベッドでぐったりしてからキムチ鍋の用意をした
一人の時は鍋なんて普通にIHで煮込んで食べるけど、一応真由美や梨花が来たとき用に小さな電気鍋もある
「美味い」
煮ただけだけどね
食べながらふと思い出して少し前、仕事終わりに若い子たちとご飯に行った事を話した
「何人で行ったの?」
7人
「男は?」
3人、あと女子2人とオバちゃん2人
「男はどんなの?」
若い子1人と龍成くらいの人2人
何食べたの?とか楽しかった?とか聞いてくれたらいいのに、何故か行ったメンバーばかり聞かれた
なんとなくつまらなくて、話題を変えてお鍋を食べる
旅行、とうとうだね
「本当に楽しみ!泊まりだからアルコールもオッケーだし」
あ、そうだね、2人とも飲めるね
「それに朝エッチ出来るよ!」
朝?
「朝、起きたらすぐに未来さんと出来る」
まぁ、私は起きるの早いから、いいよ
龍成はあれこれ旅行の事を話して嬉しそうにしている
水族館も、楽しみ
「うん、またクラゲ見よう」
クラゲ、可愛い
「水槽で飼えないの?」
分からないけど、私には無理
「確かにペット飼うとか向いて無さそう」
どうしてよ
「だって未来さん、凄い面倒くさがりじゃん」
あ、あたり
だから私の部屋には観葉植物すらない
鍋の締めはキム玉雑炊にした
食べ終わって片付けをしようとしたら、龍成がお鍋を洗ってくれた
この日も帰りたくないと言う龍成を何とか送り出す
とうとう来週は旅行、本当に不倫旅行、行くんだなぁと漠然と思った
前日の夜は楽しみすぎて寝付けなかったけど、やっぱりいつも通りに目が覚める
土曜日の朝
車にETCカードを挿入して彼を迎えに駅へ向かう
私は凄い方向音痴だけど、運転は嫌いじゃない
改札の前に車を停めて少し待つと電車が入って来た
時間的にはこれに乗ってるかもしれないと思うと少しドキドキする
泊まりだからかいつもよりテンションが上がっているのを自覚して独りでテレた
予想通り龍成がこの前一緒に買いに行ったシャツを羽織って改札から出て来た
「おはよう」
おはよう、荷物それだけ?
「うん、パンツとシャツだけ」
そう言うと龍成は小さいスポーツバッグを後部座席に置いて助手席に乗り込んだ
「運転大丈夫?」
うん、ありがとう
水族館までは高速で20分ほど、運転は全く問題ない
気になるのは週末だから混んでるだろうし、誰かに会わないかという事だけど龍成は気にしないみたいだから、そっちも大丈夫なんだろう
高速を走りながらこの一週間にあった事を交代で話す
龍成は普段からマメにメールをくれるし、電話もしてるから私はそんなに話す事もないけど、フットサルに行った事や仕事の同僚で1番気の合う人に「最近楽しそう」と言われた、など話してくれた
「俺、未来さんの事、言いたくてニヤけた」
え、ダメだよ
「その時は我慢したけど、そいつ俺のとこ上手くいってないのも知ってるし、心配してくれてたから」
「別にバレてもいいかなって」
いいわけ無いでしょ
本当にそう思ってるのか、呑気なのかは分からないけど、会社関係は止めてと頼んだ
水族館は凄い人で、やっぱり親子連れが多い
そんな中龍成と手をつないで大きな水槽の前を歩いた
「サメ恰好いいなぁ」
うん、強そう
マンボウが隅でボーッとしていて面白い
もしかしたら寝ているのかも知れないけど、瞼が無いから分からない
龍成のiPhoneで写真を撮りながらクラゲのスペースに到着した
メインのコーナーじゃ無いからそんなに混雑していない
思う存分眺めて堪能した
目的地の旅館は隣県にあるから、水族館からだと高速を乗り継いで行く
それでも2時間程だから、チェックインの予定は4時と伝えてある
現地まで行ってお昼を食べる事にして高速を走った
「何食べたい?」
晩ご飯、ビュッフェの旅館しか、取れなかったから、龍成の食べたいので、いいよ
龍成は助手席で携帯を見ながらお店を探してくれている
それを見てふと思い出した
そうだ、龍成
もし、家から電話や、メールきたら、出てね
今まで私といる時、奥さんから電話とかが一度もない
でも今回は泊まりだしあるかも知れないと思った
「ありがとう、でも無いよ」
そうなの?
「ずっと前から余程の事がない限り、家から電話とかないし、俺もしない」
そう、ごめん
「未来さんが謝ること無いよ、元からなんだから」
「それより此処どうかなぁ」
お昼は、龍成の食べたい物でいいよ
家庭的なイタリアンぽいお店で口コミがいいからそこに行こうと決定した
サービスエリアで休憩してナビをレストランに設定し直す
私にはメールも電話も沢山くれる龍成
彼の話が本当なら、ずっと寂しい思いをしていたのだろうか
カーナビのおかげですんなり目的のお店に到着した
遅めの時間だったからか割と空いていて、すぐに席に案内してもらう
パスタと鶏肉の料理、あとピザを頼んでシェアする事にした
「食べたらチェックイン出来るかな」
ちょっと早いけど、大丈夫じゃないかな
「いよいよだね楽しみだな」
うん、でもいいお部屋じゃなかったら、ごめんね
「全然、空いてただけでもラッキーだし、未来さんとだったら何処でも嬉しいよ」
そう?だったらいいけど
お店の料理はピザがモチモチしていて私好みで美味しかった
更に15分程車を走らせるとホテルが見えてきた
周りにも数件旅館やホテルがあるけど、全国的にも全然有名じゃない小さな温泉街
駐車場に車を停めてフロントでチェックインする
晩ご飯は2階のレストランでビュッフェだから6時から9時までに済ませて欲しいと説明を受けた
エレベーターで部屋に向かって龍成がカードキーでドアを開ける
すぐ右側がクローゼット、左はトイレとお風呂がある
もう一枚扉を開けるとツインベッドが見えた
その奥には小さい和室
ベランダには家族露天風呂もある
「え、凄い広いじゃん!」
本当、明るいし綺麗だね
龍成は子供みたいにあちこち開けてはしゃぐとベランダのお風呂を見つけた
「うわ、これ入りたい!お湯張ろう!」
いいけど、今から?
持ち込みのビールを冷蔵庫に入れながら喜んでる彼を見る
龍成もこっちを見て目が合うとニカッと笑う
不倫だけど私の彼は本当に可愛い
露天風呂にお湯を張っている間に浴室のシャワーで簡単に身体を洗う
今日はゴムをしなくてもいいと言ってどんな反応が帰ってくるだろう
不倫だから万一にも妊娠は困るだろうけど、付き合いはじめの頃一度だけ生で挿入しようとした事もあるしそこまでは考えてないのかも知れない
所詮男の人は快楽優先だ
バスタオルを巻き付けて露天風呂に向かうと一足先に彼が入っている
私を見つけてニカッと笑う顔は今までの中でも最上級にゴキゲンぽい
「気持ちいいよ」
そっと彼の横に入ると少し熱めだけど、外気がヒンヤリしてちょうどいい
あー、気持ちいい
「なんだか本当にそとでお風呂入ってる感じだね」
本当、景色いいね
目の前には山の緑が広がっていて空も青くて開放感がある
龍成
名前を呼んで私から口付ける
お誕生日おめでとう
本当は二日前にも電話で言ったけど、顔を見て言いたかった
今度は深いキスをして、彼に身体を抱きしめてもらう
「ありがとう、今日こうしているのが夢みたいだ」
大げさだよ
彼の脚のあいだに座らされて後ろから胸を愛撫される
首を捻ってキスを繰り返しながら、背中に彼の物が当たるのを感じた
「ここでしたいな」
うん、あのね
私、先月からピル、飲んでるから、今日は生で、、、、
「え!?」
龍成が嫌じゃなければ、今日は、安全だから
胸への愛撫を止めて私の顔をのぞき込む彼の目を見て話す
誕生日、プレゼント、に
言い終わらないうちに身体を反転させられて強く抱きしめられた
お風呂の縁に座らされて大きく開いた脚のあいだに龍成が入る
下は檜だからそんなに冷たくないけど、バスタオルをしいた
明るい場所でアソコが彼の目の前に晒される
それだけで凄く興奮した
龍成の指が2本、私の中で動いている
「気持ちいい?」
うん、いい
「本当にいいの?」
龍成、が、嫌じゃ、なかったら
「嫌な訳ない、今もこうしてるだけで想像して興奮する」
じゃあ、も、入れて
どうせ今日はいっぱいするんだから早くゴムなしで繋がりたい
後頭部にそっと手を添えて、後ろに倒された
アソコに彼のものが当たる
「凄い、ヌルヌルする」
先っぽがクプッと潜り込んでくる
いつもより滑らかでツルンとした気がした
「うぁ」
腰に添えた彼の手に力が入る
「凄い、あ、やば」
龍成は独り言のように呟いて、腰を振り始めた
始めはニュルニュルしてると思ったけど、私が凄く濡れるからかすぐにいつもと同じ感じになった
でもいつも凄く気持ちいいから問題ない
でも龍成は余裕がないのが分かる
胸も愛撫せず、喋りかけもせずひたすら腰を振っている
苦しそうな顔に見えるけど、多分射精を我慢しているんだと思った
ズッと1番奥まで入ってきて動きが止まる
腰をギュッと掴まれて彼がイったのが分かった
中でビクビクしているけど、精液が出ているのは感じられない
やっぱり濡れすぎてるからかもしれない
「あー、くそ」
今までで最速の絶頂に悔しそうな顔をしている
でも彼の物が萎える気配はない
龍成は私の真っ平らな胸のあいだに顔を埋めて息を整えている
中の物は少しだけ柔らかいけど萎えてない
彼の頭をよしよしすると上目遣いで私の方を見る
ちょっと拗ねたように見えるけど恥ずかしんだと分かった
龍成
名前を呼ぶと首を伸ばしてキスしてくれる
まだ、元気、ある?
「当然」
気を取り直したのか元気に答えるともう一度キスをする
今度は深く唇を合わせて舌を絡めた
キスだけでも気持ちよくて中がジュワっと濡れてうねるのが分かる
すぐに入ったままの彼の物が元気を取り戻した
下が固いのを気遣いながらも激しく突かれて外だけど声が出てしまう
「未来、凄いよ、中」
気持ち、いい?
「生き物みたいに動いてる、飲み込まれそう」
ん、あぁ
「未来も、いい?」
う、ん、すご、い
もう既に1回イカされてるのにまたイキそうになる
龍成に話しかけられて、耳からも感じてしまう
低くて甘い、声
あ、あ、もぅ
「ん、俺も限界」
正常位で一番奥を何度も突かれて頭が真っ白になった
声を抑える事なんて出来ない
彼が身震いして一番奥で射精した
ギュッと抱き締めあって何度もキスを交わす
龍成が身体を起こして自身を引き抜いた
じっとアソコを見ているから私も上半身を起こして彼の顔をのぞき込む
どうしたの?
「俺の出したの出てこない」
見たいの?
「見たい」
お腹、押してみて
脚を大きく開いてお腹を押してもらいながら、いきむように下腹に力を入れた
ドロっとした感覚と一緒に龍成が出した物が出てきた
「出てきた!アソコ、ピクピクしてるよ」
ん、ドロって出てくるの、分かる
「ヤバイ、エロい」
龍成が、出したのだよ
「なんか、凄い、未来の中に」
アソコの入り口に指を這わせて、精液を塗り付けられた
「俺の、だよね」
うん?
「この可愛いの、俺だけのだよね」
うん、そうだよ
今は、ねと一瞬思ったけど、わざわざ白ける事をいう事もない
龍成だって分かってる事だ
下に敷いてあったバスタオルは龍成のと私のでベタベタになってしまったけど、敷いていてよかった
ラブホでもないのにお風呂場、しかも露天風呂を精液まみれにしてしまったら、掃除をする方に申し訳なさすぎる
バスタオルを洗い場で濯いでハンガーに引っ掛けた
夜は持ってきた自分のタオルを使おう
シャワーも済ませて部屋に入ると龍成が裸のままベッドに寝転んでいる
手招きをするからベッドに上がってキスをした
「もう一回したい」
え、でも夜もあるし、今日はずっと出来るんだよ
「あーそうか、とっておかないと夜も朝も出来なくなったら勿体無いなぁ」
そうだよ、晩ご飯食べて、ビール飲もうよ
「うー、やっぱりちょっとだけ」
ちょっとだけって
言いかけたけど、後頭部を引き寄せられてキスされる
指が乳首に伸びてきてキュッと摘まれた
「入れないから、触るだけ」
え、そんなの
「ちゃんとイカせるから」
身体を反転させられて上下が逆になる
「未来、どこ触って欲しい?」
そう言われてカッと身体が熱くなるのが分かった
胸、キツくして
「こう?」
両方の乳首を引っ張るように捻られる
ん、いぃ
「赤くなってるよ、痛いのがいいの?」
う、ん
片方の乳首を乳輪ごと口に含まれて強く吸われた
気持ちよくて身体が跳ねる
アソコから体液が溢れてくるのが分かった
龍成はキスをしながらずっと胸の愛撫を続けているからアソコは触ってもらえない
きっとさっき「どこ触って欲しい」と聞かれたから、言うまでこのままだろうと思った
龍成、アソコも、触って
「どこ?ちゃんと言って」
や、お願い
地方によって色々な呼び方があるアソコ
方言でも標準語でも恥ずかしくて口に出来ない
「未来、そういうの言わないね」
は、ずかしい
龍成はずっと胸を舐めたり引っ張ったりしながら楽しそうに話す
声は興奮しているし彼の物も硬くなってるけど、完全にやり取りを楽しんでいる
我慢できなくて自分の指で触ると割れ目の外まで体液が流れ出ている
そこを撫でるように指を動かしていると龍成に見つかった
「あ、駄目だよ、イヤらしいな」
そっと手を取られて止めさせられる
や、だって
「じゃあちゃんとお願いしてみて」
そう言って胸への愛撫を止めた
どうしてもアソコの名前が言えない
身体を起こして彼の前で脚を大きくM時に開いた
ビラビラがほとんど無いからこうすると入り口が丸見えになる事を分かっていて、そこをさらに両手で開いてみせた
ここ、いっぱい指で、して欲しい、お願い
自分でも上手にオネダリできたと思う
龍成の顔から余裕がなくなったのが分かる
「いやらしくヒクヒクしてるよ」
おねがい
もう一度切ない声でお願いをした
彼の指が割れ目を撫でる
「気持ちいい?」
ん、中、に
クチュっと音を立てて指が入ってきた
あ、あ、そこ
龍成は私のいいところを何度も刺激する
「凄い溢れてくるよ」
き、もちいい
「未来、凄く締まってきたよ、イキそう?」
う、ん、もぅ
イキそう、と言おうとしたらズルっと指を引き抜かれた
え、や、やだ
「やっぱり入れる」
そう言うとすぐに彼の物が入り口に当てられる
あっ、と思う間もなく一気に根元まで押し込まれた
あぁっ!
全身がガクガクと震えてイってしまう
龍成が抱きしめてキスしてくれた
「未来愛してる」
イったばかりでまだアソコはヒクヒクして快感をひらっている
ゆっくりと動き始めた彼を見上げると凄く優しい顔をしていた
龍成
名前を呼ぶとキスをくれる
龍成、きもち、いい?
「最高、今までも、そう思ってたけど、やっぱり全然違う」
荒い息の中で甘い声が答える
「もう離れられない」
「愛してる」
龍成、愛してる
ゆっくりとした動きでゆるい快感に包まれながらささやき合う
不倫だから今だけだと分かっているけど、嬉しい
会っている時は愛されている自信がある
家に帰ったらどんな彼なのかは知らないけど、それはお互い様だし不思議だけど本当に気にならない
昔から会ってない時の彼氏が何をしているかなんて考えなかった
考え方によっては得な性格なのかもしれない
3回目、龍成の射精は少量だった
でも満足そうに服を着てレストランに食事に行く支度をしている
その姿を見て、やっぱり生はいいのかなぁと思いながら私も支度を始めた
気が付くと龍成が私をジッと見ている
どうしたの?
「未来、その顔でご飯いくの?」
え、軽くは化粧するよ、どうして?やっぱりスッピンだと引く?
ちょっとだけショックだったけど、実際スッピンは眉なしノッペラのじみ顔だから仕方ない
化粧は5分とかけないけど、別人だという自覚はある
「いや、だって凄いエロい顔してるから」
え?
驚いた
普段真由美や梨花にスッピンの方が若く見えるとかは言われるけど、エロいって言われたのは巧以来だった
「目元赤いし、唇もいつもよりぽってりしてる、今までしてたの分かる」
そんなの、龍成しか分からないよ
そう言いながら巧にも同じ事を言われたのを思い出す
巧は「オーラがピンク色になってる」と言った
巧とは本当にサカっていたから、外でもしたくなったら階段やトイレの個室で繋がっていた
今よりは若かったから恥ずかしいとも思わず、スカートの下はノーパンで出かけたりもした
巧の友達たちと飲んでいてもその店のトイレで指でイカされたりして、巧は興奮していた
「ピンク色のオーラ」をまとった私を友達に見せ付けたい、らしかった
「俺の彼女こんなにエロ可愛いんだぜ」と見せびらかしたいと言っていた
その時はそんなバカなと思っていたけど、まさか同じ事を言う人が現れるなんて
自分で鏡を見てもそんな事分からないのに
そんな事言われてもお腹も空いたので眉だけ書いてリップを塗ってレストランに向かう
龍成は他の男が見たら欲情するから見せたくないとか訳のわからない事を言っているけどサクッと無視した
レストランで部屋番号を記入して二人がけのテーブルに案内してもらう
メインの料理が近い席で嬉しい
とりあえずローストビーフを切り分けてもらいに行くとシェフっぽい人がお皿に切り立てを入れてくれる
後はビーフシチューやサーモンのマリネ、食べたいものだけ食べれるからビュッフェは大好き
龍成はちゃんとサラダや里芋の煮物なども取っている
龍成、バランスよく食べるよね
「実家の食事がこんな感じだったからかな」
「未来は相変わらずだね」
うん、でも一人暮らしするように、なってからかな
「元専業主婦だもんね、前に作ってもらった料理も美味しかったし」
そうだね、前は煮物とかも、作ってた、弟も好きだし
そんな話をしながらローストビーフをもう一回貰いに行って平らげる
多分龍成と同じくらいの量を食べたと思う
デザートはプチケーキが数種類とプリン、ヨーグルト、ソフトクリームなんかがあった
彼は甘い物も食べるから一通り取ってきて食べくらべている
その姿を可愛いなぁと見ていると目が合った
「未来も食べる?美味しいよ」
そう言ってチョコケーキをフォークで刺すと顔の前に差し出す
あ、これ前にもして来た「あーん」て食べろってやつ?
前は恥ずかしくて、しかもサラダだったから断ったけど、旅先だし恥はかき捨てる事にする
口を大きく開けてケーキを口に入れた
ん、美味しい
一口サイズのチョコケーキはあっさりしていて美味しかった
部屋に戻る途中にお土産コーナーがあったからちょっと冷やかした
友達へのお土産はインターチェンジで帰りに買おうと思ってたけど、適当な物があったからそれを10個買う
「そんなに買うの?」
うん、本当は5個でもいいけど、念のため
余るからおっちゃんにもあげようと思う
あとは部屋のみのアテになりそうな珍味を買って部屋に戻った
龍成は今日3回も射精したから、もう今晩は出来ないかも知れない
それなら缶ビールを飲んで色々話をしたいし
部屋の小さいテレビでバラエティ番組を見ながらビールを飲んだ
時間を気にせずにゆっくり出来て楽しい
まだ番組の途中だったのに龍成の手が部屋着のTシャツの中に潜り込んできた
もうちょっとで、終わりだから、見ようよ
「ん、触ってるだけ」
ヨイショと身体を彼の脚のあいだに移動されて二人羽織みたいな体制になる
耳と胸を愛撫されて興奮した
や、龍成、もう無理でしょ
「出来るよ」
そう言って後ろからギュッと抱きしめられると腰に硬いものが当たった
「ね?俺もどうかなって思ったんだけど、未来にケーキ『あーん』した時に勃ったから」
どうして、そんなので?
「口開けた時の顔が俺のをくわえる時の顔とダブった」
え、そんなので
「フォークが俺のだったらって想像した」
それ、ヤバイ、よ
愛撫はずっと続いているから、だんだん息が荒くなってくる
「いいんだ、未来だけだから」
身体中を触られて何度もイカされた
全身が性器になったみたいにどこを触られても感じてしまう
それでもやっぱり彼のものが欲しくてオネダリをするけど、なかなか入れてくれない
多分今日これ以上は無理だと分かっているんだと思った
だからなるべく長く楽しみたいんだろう
でも私は何回イったかも分からなくなって彼にされるがままになってしまう
「未来、気持ちいい?」
耳元で囁かれても頷くしか出来ない
「可愛い、顔もアソコも真っ赤だよ」
や、もぅ、おかしく、なる
「いいよ」
そう言って乳首を思い切り噛まれる
ビクッと全身が震えて中に入っている龍成の指を締め付けて絶頂に達した
一瞬フッと意識が飛んで身体がフワフワする
オデコや瞼に何度かキスされて薄目を開けたら目の前に彼の顔があった
「痛いのが、気持ちいいの?イヤらしいな」
ん、気持ち、いぃ
「入れて欲しい?」
龍成ので、イキたい、いれ、て
彼の物が入ってきた時は凄く嬉しくて涙が出た
龍成、気持ち、いぃ?
「最高、未来愛してる」
あ、や、ゆっくり
何度もイってるから感じ過ぎて辛い
奥に当たっただけで意識が飛びそうになる
龍成は中を味わうようにゆっくり深く動いてくれた
その日最後のセックスが終わって時計を見ると3時間くらい経っていてビックリした
お風呂に入る元気もなくてウトウトしていたら彼がタオルを濡らしてきて顔や身体の汗と色々な液体を綺麗にしてくれた
「明日、もう一度お風呂入ろうな」
抱っこで使っていないもうひとつのベッドに移してくれて、一つのベッドで抱き締められて眠った
朝、身体はダルいけどいつもの時間に目が覚める
一瞬寝ぼけて、何処?と思うけど横に眠る彼を見つけて思い出した
旅行、来てるんだった
龍成の顔をジッと見るとヒゲが伸びている
龍成と初めての朝だ
スマホに手を伸ばして掲示板を見たり、ちょっと書き込んだりするけど中々時間が経たない
起こすのも可愛そうだしと考えてる間に二度寝してしまった
チュッ、と唇に柔らかい物が触れて目が覚めると龍成がのぞき込むように顔を見ていた
「おはよう未来」
え、あ、おはよ、寝てた?
「うん、おはよう」
何時?
「8時半だよ、朝からお風呂入りたいけどご飯も行かないとだよね」
うん
「チェックアウトまでにもう一回出来ないかな」
あ、時間、大丈夫だよ
「え!?」
連泊にしてるから
真由美にアドバイスしてもらったんだけど、ホテルのチェックアウトは大体10時から11時、朝の弱い真由美はいつも間に合わないから1日余分に予約する
少し贅沢だけど、私も朝ゆっくりしたかったから龍成に内緒で日曜日も宿泊の予約をしておいた
「マジで!?じゃあもう一回しよ!」
先にご飯、時間決まってるし
私からもう一度キスをして身体を起こす
簡単に顔を洗って髪を束ねるとレストランに朝食を食べに向かった
「朝から、食べるね」
龍成は小食だね
私は結構朝ごはんはしっかり食べる
「美味しそうに食べるね」
美味しいよ食べる?
ちょっと思いついてフォークを彼の顔の前に差し出した
はい、あーん
本当にいい歳したオバサンが何やってるんだろうと思うけど、ちょっとやり返してやろうと思った
でも龍成はなんのためらいもなくフォークの先に刺さったウィンナーをパクッと口に入れた
「うん、上手い、俺普段は朝食食べないんだけど、旅行とかだと食えるね」
朝食べないと、駄目だよ
「ギリギリまで寝てるから、未来は早起きだもんね」
うん、早く起きるから、お腹減る
朝食を終えて部屋に戻ると露天風呂にお湯を入れながらベッドの上でイチャイチャした
ね、シャワー先に浴びたい
「このままでいいよ」
や、昨日したままだし、すぐに済ますから
彼の腕をすり抜けてシャワーを浴びるために浴室に入った
簡単に身体を流してバスタオルのままベッドに戻るとすぐに彼が抱きしめてくる
ん、龍成、待って
「なに?」
カバンに、オモチャ、あるんだけど、使う?
念の為に持って来たけど、別に使わなくてもいい
ただ龍成は昨日頑張ったから疲れてると思って聞いてみた
「用意いいね、どこ?」
カバンの中の、赤いポーチ
龍成はベッドから降りると私のカバンからポーチを取り出して戻ってきた
そのポーチを受け取って中からオモチャを取り出す
そしてそれを口元に持っていくと彼の顔を見ながらペロッと舐めた
彼の手が胸に伸びて愛撫を始める
キスをしながらオモチャをアソコに擦り付けると入り口がヌルヌルしてくる
「未来、自分で入れて」
身体を起こして脚を開くと割れ目にオモチャを当てて彼を見た
龍成はジッとアソコを見ている
オモチャの先を入れようとしたけど、まだ今日は指を入れてもらってないから解れていなくて少しキツい
んっ、キツ
一番太いカリの部分がクプンと中に潜り込んだ
はぁ
もう一龍成を見ると目が合った
「キツい?」
ん、、ちょっと、でも入る、よ
濡れるのは十分濡れているから先さえ入ってしまえば後はズルズル入っていく
まだ解れていないそこに固い異物が入ってくる感覚に鳥肌が立つ
ふ、あ、奥まで、入った
「未来の中、キツいでしょ」
「そこをいつも指ですると今度は絡みついてくるんだ」
「指に絡みつく感覚がたまらなく気持ちいいんだよ」
龍成は私の胸や顔にキスを降らしながら私の好きな声で囁く
それだけで中に入ったオモチャを感じてアソコが益々濡れた
「動かして」
う、ん
オモチャを持つ手をゆっくりと動かした
クチュっと音がする
もうキツくは感じなくてただ気持ちいい
龍成は乳首を愛撫しながらオモチャがアソコを出入りするのをジッと凝視している
りゅう、せい
キスをして舌を絡めながらも手は止めずに動かした
「気持ちいい?」
うん、いぃ
そっと後ろに倒されてオモチャを持つ手に彼の手が添えられる
「ビチャビチャだよ」
気持ち、いい
今度は彼がオモチャを動かしてくれる
中のいいところを擦り上げるように出し入れされて強過ぎる快感に耐えた
オモチャではイキたくない
や、やだ
「これでイクの嫌なんだよね」
龍成は優しくキスをしてそっと引き抜いてくれた
「ずっと未来の中にいたい」
そっと私の中に入ってきた龍成が私の身体を抱きしめて囁く
その声にドキドキして彼の背中に腕を回した
龍成
キスをしながら少しずつ腰を揺らして奥へと入ってくる
何が違うと言われたら分からないけど、やっぱりゴムがあるのと無いのは違う
激しくされると変わらないけど、ゆっくりの時は凄く気持ちいい
「凄く熱い、未来のここ」
「気持ちいいよ、未来は?」
気持ち、いい
「どこが?」
ここ、、、
そう言って彼の物でいっぱいのアソコを触った
「どこ?」
や、ここ
やっぱり言えない
「未来、可愛い」
「未来のここも」
そう言って彼の物をくわえ込んでいる入り口を指で撫でる
身体を引き起こされて体面座位で下から揺さぶられる
ん、や、あた、る
奥のいい所に当たって頭の芯まで痺れる様に気持ちよくなる
そのままイってしまって龍成に抱きついたまま息を整えた
目を合わせてキスをしながら彼の身体を後ろに倒す
上下逆になってもう一度抱きしめあった
龍成、好き
「愛してる、未来」
今度は私が身体を上下に動かして龍成に気持ちよくなってもらう
もちろん、私だって気持ちいい
「ん、凄く締まる」
き、もち、いい?
「いい、けど出そう」
出して、中に
彼の腕が私の腰を強く掴んだ
乱暴に身体を揺さぶられて大きな声が出る
次の瞬間、龍成は一番奥まで突き入れて射精した
龍成の脚のあいだに入って二人羽織体制でベランダの露天風呂に入りながら昼からの予定を相談する
「1度くらい外でて散歩でもする?」
そうだね、大して何も、無いかもだけど
「天気も大丈夫だし、歩こう」
うん
時間はお昼前、まだそんなにお腹も減ってないから散歩して良さ気な店を探すのもいいかもしれない
そう思っていると後ろから龍成の手が伸びできて指で乳首を触り始めた
や、もう
「こっち向いて」
向きを変えて向かい合うとキスしてくれた
「流石にもう出来ないけど」
「もう一度、ここでイカせたい」
え、やだ
私も昨日から数え切れないくらいイカされてるから、これ以上はキツイ
抵抗するけど本気じゃないし胸への愛撫で既に感じてるから口だけで止めてと言った
「乳首真っ赤だね」
ヒリヒリ、する
「痛い?」
ううん、いい
湯船の縁に座らされて脚を左右に開かれる
身体が柔らかいから180度近く開くけど、そうするとアソコの中まで丸見えになる
「ここもいつもよりちょっと赤いね」
や、見ないで
アソコは凄く濡れるから乳首みたいに痛くなることは無いけど、奥は少し鈍い痛みがある
多分突かれすぎだと思う
「小さいよね」
以前元旦那と不妊の検査に行った時にお医者さんにも「ちょっと狭いね、大丈夫?」と言われながら内診する器具を入れられた
自分のアソコが変だと気付いて色々調べたけど、一言で言うと「小さい」
男の人の物だっていろんな大きさや形があるんだから当然だろうけど、何だかジッと見られるのは嫌だった
「今だから言うけど、初めて見たときちょっとビックリした」
変、だから
割れ目を優しく撫でられて早く中を触って欲しくなる
「変って言えばそうかもしれないけど、入るのかなって」
ん、前の彼も言ってた
中に入りかけてた彼の指がピタリと止まって、あ、しまったと思ったけど遅かった
「前の彼?もやっぱりそう言ったんだ」
もう十年くらい前だよ
最後の彼は何も言わなかったけど初めて見せた時は最後までしてくれなかった
次の時に「今日は大丈夫だから」って言ったのが可笑しくてよく覚えている
「そいつも指、入れた?」
龍成
「何本?」
龍成、そんな事、聞きたいの?
彼の頭を抱き込んでつむじにキスしながら聞いた
聞きたいなら、話すよ
「ごめん」
謝ることない、別に話すの、嫌じゃないし
「聞きたい、もっと未来の事知りたい」
30歳の頃、付き合った人が初めての時「抱いていいの」って聞いてきて
彼を抱きしめたまま巧の事を簡単に話した
「好きだったんだ」
うん、大好きだった
「でも今は俺のだよね」
うん、大好きだよ
龍成?もしかして妬いてるの?だから聞きたいって、聞いたのに
龍成はずっと私の胸に埋めていた顔をあげた
「聞きたいけど、妬ける」
拗ねた子供みたいな顔で言うから笑ってしまった
正直私には『妬ける』という感覚は分からない
しかも過去の事だし、何に妬いているのかも
でもそう言ってジッと私を見る龍成が可愛い
お風呂から出てメイクをする
今更ながらずっとほぼスッピンだったなぁと思う
「化粧したらキレイだけど、化粧しない方が若く見えるね」
え、地味だから嫌だよ
真由美や梨花にも良く言われる
若く見えるとキレイは別物らしい
「俺はどっちも好きだけどな」
眉毛、無くても?
「うん」
龍成は付けまつげを付けるところを真剣に見ていた
「雰囲気かわる」
プラモデル、みたいじゃない?ノリで貼って
以前から思ってる事を口にすると龍成が吹き出した
「プラモデルって!ずっとそんな事思いながら化粧してるの?」
うん、ノリ付けして、塗装して、完成!みたいな
小さい頃弟と良く作っていた
有名な某ロボットのプラモデル
「良く詐欺だなって思う事はあるけどね」
別人だもんね、人によっては
「整形メイクとかテレビでもしてるし」
でも、メイクもその人の一部だよ
髪を簡単にまとめてフロントで観光スポットを聞くと散歩に出かけた
近くに全国区じゃないけどパワースポット的な神社があるらしいから取り敢えずそこに向かう
曇り空だけど晴れて暑いよりは全然いい
龍成と手をつないでプラプラと歩く
歩きながら子供時代の事を少しずつ話した
龍成は3人兄弟だけど全然性格は似ていないらしい
お兄さんは真面目で独身、専門職でひとり暮らし
弟さんはお調子者で要領が良く、マスオさん的な感じで奥さんの実家近くに住んで可愛がってもらってる
「俺は、ご覧の通り」
そう言ってニカッと笑う
その顔を見て、可愛いなぁと思ってしまう自分が少し恥ずかしい
日曜日だからか結構賑わっている
隣県だからと頻繁に来るところではないけど、来てみると案外いい感じだった
神社に着くとお土産やお守りなども売っていて、地元のパワースポットらしく若者もたくさん来ている
「何か、買おう」
色々なお守りがあるけど、わたし達は財布の中に入る小さいお守りをペアで買うことにした
神社の敷地内に池があったからその周りを散歩していると女の子4人グループに声をかけられて写真を頼まれた
彼女のスマホを預かってシャッターを切る
「ありがとうございます!」
あ、これで、大丈夫ですか?
少し緊張しながらスマホを渡すと横から龍成が
「すみません、俺らもお願いします」
と自分のiPhoneを差し出した
彼女たちは快く写真を撮ってくれて
「ご夫婦ですか?」と聞いてきた
「ううん、残念ながら」
龍成がiPhoneを受け取りながら答える
「そうなんですか、恋人同士なんですね」
「そう、今日は初めての旅行なんだ」
まだ学生にも見える彼女たちと龍成のやり取りをドキドキしながら横で聞いた
人見知りだから会話には入れない
お互い手を振って別れると龍成がニヤニヤしながら私を見た
「恋人同士だって」
うん
「うれしい、俺」
恥ずかしかった
「いいじゃん地元じゃないんだし、俺は地元でもずっとこうしてたいけど」
そう言って繋いだ手に力を込める
なんて言っていいか分からなくて彼を見ると
チュッとキスされた
一瞬だったけど、周りに人がいっぱいいるのにキスされてビックリした
や、止めてよ
「だってしたかったから」
人がいるところは嫌
「いいじゃん、みんな気にしてないし、したくなるんだから」
ガマンして
いい歳して本当に恥ずかしいと思う
まだ付き合って半年だから仕方ないのかもしれないけど、中高生じゃないんだからわきまえて欲しい
「分かったガマンする、出来たらね」
そう言って笑うからそれ以上言えなくなった
帰りのお土産屋さんのおばあちゃんにも夫婦と言われて、龍成は上機嫌で同僚へのお土産を買った
変な時間にホテルをチェックアウトして帰りの高速に乗る
結局一晩でしたセックスは5回
多いかは分からないけど私は最高記録だった
サービスエリアでご当地B級グルメを堪能して更に1時間
見慣れた街並みにホッとする
「あー、楽しかったけどあっという間だね」
うん、楽しかったね
「帰りたくない」
言うと思った
「だってまだ8時だよ」
明日仕事でしょ
「未来は?」
昼から
「じゃあちょっとだけ、、、」
うち、よる?
予想はしていたから別にいいけど、あまりに予想通りで笑いそうになる
「うん!」
龍成を降ろす予定だった駅を通り過ぎてマンションに向かう
部屋に入るとすぐに抱きしめられた
「未来」
龍成、ちょっと、休憩しよ、飲み物、入れるから
彼の腕から逃れてキッチンでアイスコーヒーを入れながら彼の顔を見ると彼も私を見ている
その表情が愛しい、と言ってくれていて素直に幸せだと思った
あまり内容のないテレビを付けてゆったりとした時間を過ごした
今回の旅行はすごく楽しくて龍成は
「今度は未来の誕生日に行こう」と言ってくれたけど、こんな関係でそんなに行ってもいいんだろうか
だって、家、は?
「大丈夫、俺、外では何してもいい事になってるし」
「今回だって旅行に行くのは報告したけど、誰となんて言ってない、向こうも聞かない」
「もうずっと前から、お互いに報告しかしない」
「原因は分からないけど、俺かもしれない」
淡々と話をする龍成は全然悲しそうじゃなくて、過去の事を話しているみたいだった
「思い切って未来に声かけて、よかった」
そう言ってキスしてくれる
初めて暁に紹介される前から私の事を知っていたと、付き合うようになってから聞いた
「ずっと外でしてこいって言われても好きじゃない女となんてピンと来なくて、もちろんもう嫁ともする気なくて、風俗は無理だし」
「このまま我慢するしかないのかなと思ってた時、暁さんに連れてってもらった店に未来がいたんだ」
カウンターでたまにおっちゃんと喋りながらご飯を食べる私を何回か見かけたと言う
「美味しそうに食べるのが可愛くて、暁さんに言ったら同級生って言うから驚いた」
それで、俺としてよって、声かけたの?
「暁さんが」
暁?
龍成ははっきりと「しまった」って顔をしたけど聞き逃すわけにはいかない
アイツ、何か吹き込んだな、と直感で察した
暁、なんて言ったの?
観念した龍成は当時の事を順番に話してくれた
初めに暁にレスの事を相談したのは3年程前、なぜ暁だったのかは奴が愛妻家で夫婦仲が良かったし、何となく信用できそうだと思ったから
その辺は悔しいけど分かる気がする
奴は昔からリーダーシップがあってみんなから信頼される
「俺んとこ、妊娠してから全然なんですよ、もう2年ですよ」
と相談してから夫婦での話し合い、どうしてそうなったのかなどをずっと相談してきて、離婚に気持ちが向いたときには実は奴が同席した事もあるという
「どうして調停しない」と奴に聞かれた時に「一度は好きになって結婚した相手に無理矢理なことはしたくない」と答えた龍成に奴は「じゃあ本当に外で誰か見つけろ」と言った
その時には智恵ちゃんにも龍成夫婦を合わせて智恵ちゃんも「あの奥さんはやり直す気ないように思う」と同感だった
そうしている内におっちゃんの店で私を見つけて龍成は彼女がいい、と直感で思ったと言う
暁が私に「よう未来」とか挨拶するけど、私が素っ気ないから顔見知りの常連さんかと思っていた
同級生と聞いて驚いたと言う
私を自分より年下と思っていたかららしい
同級生なら不倫相手なんて反対するだろうと思いながら暁に打ち明けると意外な答えが返ってきた
「確かにアイツなら結婚願望もないし、お前アイツのタイプだと思う」
「でもな、アイツは俺の大切なツレだから、やるからには大事に出来るか」
「アイツは結婚を望まない、だけどただの性欲処理なら俺は許さない」
「暁さん、俺ね」
本当にもう嫁とは無理だと思うのに離婚も出来ない偽善者で、風俗も嫌だし、だからってどうやって見つけるんだって思った
普通の彼女ならともかく不倫相手なんて
何度ももう男としての自分は諦めようとしたけど、同僚に誘われて合コン行ったら、結構それでもって女もいたりして
お持ち帰り出来そうだったんだけど、やっぱりそれも出来なくて
もうこのまま家族のために金稼ぐだけの人生かなって思った時に未来さん見付けた
暁さんの同級生って聞いても諦められなくて、ダメ元で相談した
彼女と、したいんだよね、誰でもいい訳じゃなくて
「じゃあアドバイスしてやる」
黙って聞いていた暁は私についていくつかの忠告をした
アイツはもう恋愛は面倒くさいと思っているから、あんまり重い事は言うな
案外頑固だから不倫なんてはじめは相手にしない
嫁が許してるという事を信じるまではいくらお前を気に入っても関係しないだろう
でもアイツも本当は相手を欲しがっている
智恵が言ってたから間違いないと思う
でも無理そうならスッパリ諦めろ、いいな
「恋愛は面倒くさいのに、相手が欲しいって?」
龍成は疑問を口にした
アイツもお前と同じらしい
身体は求めるけど誰でもいい訳じゃない
誰かと付き合ってセックスするのは簡単だけど、結婚を意識されるのが怖い、面倒くさい
俺と智恵が知る限り、アイツもお前と同じくらい一人でいる
アイツが身体だけでいいと思えたら、お前とすると思う
「だから未来にはずっと俺としよう、俺としてよって誘った」
龍成の話を聞きながら当時の事を思い出す
初めて奴に、コイツ嫁に相手してもらえないから彼女探してる、と後輩として紹介された
それを聞いて、可愛い顔してるのにね、と思った
「だから俺としない?」と言われて、いや、それって不倫でしょと本気にしなかった
暁にも言われて、バツイチの欲求不満女だと思ってるのかと腹を立てた
智恵ちゃんが事情を説明してくれたけど、そんな奥さんがいるなんてどうしても信じられなかった
でも好みの子から「気に入っている、可愛い」と言われて胸がザワついた
電話番号とメアドを交換して、だんだん我慢するのが辛くなってきた
そうしてとうとう奥さんに確認して、その日の夜に初めて龍成とセックスをした
奴の助言が良かったのかは分からないけど、始めに好きだとか言われたら彼に近づかなかったかもとは思う
奥さんに確認しようと思ったのも、龍成とならお互いの欲求だけを満たせるかもと思ったからだし
最初は龍成の事を好きとかは、なかった
年下の好みの子とタダでセックスできてラッキーだなとか、今まで断ってて損したなくらいの気持ちしかなかった
今、龍成が大好きな自分をあの時の自分が見たらビックリするだろう
以前も今も変わらないのは、あの時龍成を諦めなくてよかった、と思う気持ち
セフレにしろ不倫にしろあの時、龍成を受け入れて本当によかった
本当にそう思ったから、彼にもそう伝えた
龍成と、してよかった
言ってから、もっといい言い方なかったのかなと思ったけど仕方ない
本当の気持ちだから
でも龍成は笑ったりしないでそっと抱きしめてくれた
「好きだよ、初めて会った時の何倍も」
龍成
何度もキスを繰り返した
龍成、もう身体だけでいい、って思えない
「俺は初めから思ってないよ」
「でも抱いたら病みつきになったのも本当だけど」
私も、龍成とするの大好き
旅行先であれ程愛し合ったのに、またお互いを求めてしまう
服も脱がずにパンツだけ脱ぐと彼の上に跨った
愛撫もなしに彼を迎え入れるのは少しキツいけど、先さえ入ればすぐに濡れて滑りが良くなるから、脚を大きく開いてアソコの入り口も指で広げる
ん、ふぅ
「未来、大丈夫?」
う、ん
クプッと一番太いところが中に入ってホッとする
小刻みに腰を動かして少しずつ飲み込んでいった
「ん、キツイ」
全部入った、よ
スカートのファスナーを下げて頭の方から脱いだ
Tシャツの中に龍成の手が潜り込んできてブラのホックをはずす
龍成
キスをして胸も愛撫してもらいながらゆっくりと動く
全部気持ちいいからすぐに濡れて滑りも良くなった
龍成もズボンとパンツを脱いで繋がったまま立ち上がる
「捕まってて」
そのままベッドの方まで移動した
ベッドの横で片脚だけ下ろされて立ったまま何度も突かれる
や、脚、もう
泣きが入ったところでベッドに寝かせてくれたけど今度は脚を180度開かれて身体を折り曲げられた
龍成はこの体制だと中まで良く見えるとお気に入りだ
私も奥に当たって気持ちいいし龍成の物が出たり入ったりしてるのが良く見えるから好きなんだけど今日は痛い
こんな事初めてだけど多分昨日からやり過ぎたんだと思う
奥を突かれる度にズキッと鈍い痛みが走る
や、龍成、痛い
彼の胸を手で押しながら伝えた
「え!?」
龍成は動きを止めて私の脚を持つ手を放した
「どうしたの、大丈夫?どこ痛い?脚?」
中、奥当たったら、痛い
「あ、ごめん、止める?」
止めるのは、ヤダ
「大丈夫?」
う、ゆっくり、して
自分でも止めればいいのにとも思うけど、彼の物が抜けてしまうのが嫌だった
「分かった」
龍成はキスをすると正常位でゆっくりとした動きに変えてくれた
「痛くない?」
うん、いぃ
顔中にキスされて乳首を愛撫してもらう
そうしてゆっくりと絶頂に達した
私の中で龍成の物も弾ける
しばらく抜かずにそのまま抱き合っていた
「俺、未来とだったら何回でも出来ると思ったけど、限界かも」
龍成が満足そうに笑う
私、痛くなるまでしたの、初めてだ
そう言うと龍成は私の顔をじっと見てキツく抱きしめてくれた
「加減出来なくてごめんな」
え、大丈夫だよ
「大切にするから」
もう十分、してもらってるよ
「もっとする」
もう一度抱きしめられてそっと彼の物が引き抜かれる
日付が変わる前に何とか彼を車に乗せて実家まで送った
次の日出勤して事務所と更衣室にお土産のお菓子を配って恵子ちゃんには別にもう一つ渡した
「彼氏と行ったんだよね」とニヤニヤしながら聞いてくる
まあ、ね、楽しかったよ
「彼氏、見せて」
一瞬、えー、と思ったけどまぁ隠すことも無いかと女の子たちに撮ってもらった写メを見せる
「お、いかにも未来が好きそうなタイプ」
そうかな、でも可愛いよ
私は友人に彼の事をを話すとき謙遜とか出来なくていつもそれで「惚気けてる」と言われてしまう
でも可愛いと思っているものを否定は出来ない
「なんか、誰かに似てるね」
ドキッとした
まさかの知り合い?
「あ、あの人、生田、、、」
生田斗真?
「それそれ、今映画の番宣とかで見る、似てる」
本人も、たまに言われるって
「いいな、お似合いじゃん」
え、そうかな
素直に照れた
その後も龍成とは毎日メールや電話をして時間が会えばご飯やホテルに行って過ごしている
ちゃんと言ったら嫌な顔もせずにゴムも付けてくれて安心した
私が言った事がきっかけで龍成が奥さんに「離婚する」と電話をかけて慌てたこともあったけど、とりあえずは円満に不倫ライフを満喫出来ている
奥さんが離婚を望んでいない限り、離婚して欲しくない
わたし達の関係はその条件の元で成り立っているから
そして6月17日久しぶりに龍成が代休を取ったから朝から会うことになった
でも生理だ
龍成から代休の話を聞いて、でもあの日だから出来ないよ、止めとく?と言ったら
「え?出来ないのと会うのは関係ないでしょ」
と言われた
なんとなく胸がホワッとした
龍成に会う日と前日は連休だったから火曜日はジムと教室に行くことにする
ジムに行くと例の男の人がいて、また話しかけてきた
「今日は早いですね、お休みですか?」
はい、休みです
なんであんたはこんなに頻繁にどんな時間でもいるの?
ちょっと警戒するけど、単に身体を動かすのが好きな人なのかも知れない
他のおば様やおじ様方ともフレンドリーに話してるみたいだし、気にしすぎかな
「このあと、良かったら何か旨いものでも行きませんか?」
せっかく気のせいだと思おうとしてたのに、ガッツリ誘われた
え、と、どうして、ですか
どうしよう、と思いながらも意図を聞いてみる
「みんなで楽しく」という答えを期待した
「以前から素敵だなと見ていたので」
ああ、気のせいじゃなかったんだ
多分告白してくれる方も勇気を出してくれてると思う
でもそれが分かるから断るのにも精神力がいる
だから出来るなら私の態度や雰囲気で察して欲しかった
いえ、私は、すみません
「どなたか、おられるんですか」
はい、すみません
「でも結婚してる訳ではないんでしょう、食事だけでも、駄目でしょうか」
え、嫌です
何なんだろう、しつこい
一見身体も鍛えられていて爽やかな中年さんだけど、私には気持ち悪い馴れ馴れしい人でしかない
「嫌ですか、じゃあ仕方ありませんね、残念です」
はっきり言い過ぎたかなと思ったけど、何とか納得してくれたようだった
一気に疲れてシャワーへ向かった
その後、教室にも行ったけど、ジムの事がダメージだったのか、受け身の時に右手首を捻ってしまった
大したことはないんだけど違和感がある
今日は散々だなとおっちゃんのみせで愚痴をこぼした
「まぁそんな日もあるよ、それに告白って嬉しくないの」
全然、好みじゃないし、断るの気を使うし
おっちゃんは商売だから何も言わないけど、多分私と龍成が付き合ってるのに気付いている
何度か2人で来てるし客商売だからそのへんは敏感だろう
家に帰って龍成にメールを返すと電話がかかってきた
「明日どうしようか」
映画は、昼からでいいけど
「じゃあ用意できたら部屋行っていい?」
うん、お昼食べて行こうか
「オッケー、楽しみだな」
じゃあ明日ね
電話を切って冷蔵庫の中を確認する
お昼、お好み焼きでも作ろうかな
外食する時やホテル代は殆ど龍成が出してくれてるけど、そんなにお小遣いあるわけじゃないだろうから部屋に来た時くらいはいいかなと思う
でもそう思うようになったのも最近の事だ
彼を好きだと自覚する前は彼の食事を作るなんて絶対にないと思っていた
だって人様の旦那だし
どうせ何してたって不倫って言われるんだから、やりたいようにしようと開き直って彼を部屋に入れてから彼に対して素直に好きだと言えるようになった
やっぱり難しく考えるのは向いてないから、思ったとおりに行動する方が上手くいくのかもしれない
明日用にキャベツを刻んで、豚肉を冷凍室から冷蔵室に移す
今日の事はどうでも良くなっていた
龍成は代休の事を奥さんに内緒にしているから来るとしたら9時までには来るだろう
私も早起きだから問題ないけど、1日何して過ごせばいいんだろう
セックスをする時間が3.4時間だとしてその時間を他の事で埋めなくてはいけない
今まで彼氏と1日いる時はどうしていたのか思い出せない
遊園地やテーマパークに行ったりも良かったのかもしれないけど、この前旅行に行ったばかりだし龍成は言わないけどやっぱり金銭的な事も気になる
龍成が来たら相談すればいいかな、どうせ時間は沢山あるし
予想通り9時前に電話が鳴った
来客用の駐車場が空いているとの事なのでそこに止めてもらって下まで迎えに行った
車のフロントガラスにうちの部屋番号を書いたプレートを置いて2人でマンションのエレベーターに乗る
「おはよう」
おはよう
挨拶をしてキスもする
龍成は手に珈琲店の紙袋を持っていた
「コーヒーとパン買ってきた、朝ごはんは?」
食べた、けど、それも食べる
部屋で龍成が持ってきてくれたサンドイッチとコーヒーを飲みながら朝のニュース番組を見るともなしに見た
「この前この部屋に来た時」
決して責める風ではないけれど、この前不倫は良くないから、と離れた方がいいと言ってしまった話になった
ごめんね、離婚して欲しいなんて、思ってないのに
ちょっと弱気になってしまった
でももう迷ったりしない
どちらかが必要ないと思う時が来るまで、このままでいたいと伝えた
「未来に離れると言われて辛かった、勝手だけど」
「俺ら夫婦の事に巻き込んでごめん」
龍成はそう言って抱きしめてくれる
でも、彼夫婦が上手くいっていたり彼が独身だったら、多分今の関係にはなっていない
だから巻き込まれたとかじゃない
私が選んだんだから、悪いのはやっぱり私だと思う
そう伝えたくて、上手くは言えないけど彼を抱きしめた
それから龍成が卒アルを見たいと言い出す
から何の罰ゲームかと拒否したけど、あんまり可愛くお願いするから結局降参した
まだマシかなと高校のアルバムを渡す
龍成はアルバムを捲りながら真由美を見つけて
「真由美さん、すっごい可愛い」と喜んだ
「未来さん、変わってない、すぐ分かるよ」
そんな訳ないでしょ、20年以上前だよ
「そりゃあ今高校生には見えないけど、雰囲気?とか変わってない」
まあ、同じ人間だからね
「彼氏とかいた?」
いたけど、そこには載ってない
「別の学校?」
やめた、遠くに引っ越した
そうして呆気なくお別れになった
大人の事情で離れ離れになって何日も泣いて過ごしたけど、それも運命だったんだと思う
龍成は黙ってしまった私にそれ以上何も言わずにページを捲った
体育祭や文化祭、高校生活は凄く楽しかった事や家を出たくてお金を貯めていたことなんかを話す
そうだ、奇跡の1枚を見せてあげる
他の彼には見せた事無いけど、龍成は結婚してる人だからいいかなと何となく見せたくなって、クローゼットの扉の裏からウェディングドレス姿の自分を取り出した
写真を見た龍成はジッとそれに見入っている
見たくなかったかな、と思った時
「すっごい綺麗、てか可愛い、結婚式の時の?」
式はしてない、写真だけ
「何歳の時?」
20歳、もう19年も前だね
「俺、まだ15くらい?高1?」
そう考えると、凄いね
龍成は5月、私は10月生まれだから4歳半の違いがある
今は共にギリギリ30代だけど、15と20の違いは大きく感じた
「元旦那さんの、お嫁さん、か」
その時は、そうだね
「羨ましい、こんな可愛い嫁さん」
結構可愛いでしょ
「こんな可愛い嫁さん貰って、元旦那DVしたの?」
DV?
一瞬、何のことかと思ったけど、龍成は暁から離婚理由は多分そうだと聞いたんだろう
智恵ちゃんが性的な事を説明していないから奴はそう思ってると以前聞いたことを思い出した
DV、じゃ無かったと、思う
そう、別に苦痛は与えられていない
でも龍成に何があったかは話せなかった
「俺だったらすっごい大事にするのに」
明るくそう言ってくれたからそれ以上考えなくて済んだ
高校生なのに?
「俺らは今、会えたからいいんだよな」
うん、私もそう思うよ
本当にそう思う
不倫だけど、だからこそ出会えたんだし
その後龍成はウェディングドレスの私を何度も「可愛い」と言ってiPhoneで写メを撮った
今までの事も全部私の一部だと受け止めてくれる彼が愛おしい
私も彼の全てを受け入れようと改めて思う
お好み焼き、食べる?
お昼が近付いてきて龍成に聞いた
「あるの?」
作る、豚玉
「作ってくれるの?チンじゃなくて」
冷凍の、美味しいよね、買ってくる?
「じゃなくて、今作るの?」
うん、食べる?
「食べる!」
ニカッと笑って頷く彼に頷き返してホットプレートを取り出した
「この写真どうして飾らないの?」
え、ナルシストみたいで、嫌だ
笑いながら2人でお好み焼きを焼く
「幸せだな」
私が思っていた事が彼の声で聞こえてビックリした
龍成は凄く優しい目で私を見ている
「未来、好きだ」
龍成
触れるだけのキスをする
お好み焼きは結構適当だったけど、お好み焼き粉とソースの力で上出来だった
部屋着から着替えて用意をすると言うと、龍成も家からはワイシャツとスラックスで来ていたので着がえるとズボンを脱いだ
ふと龍成の物が見たくなってパンツの上からそっと触れた
「どうしたの」
挨拶したい
「はは、何それ」
そう言いながらもパンツの中から取り出してくれる
ふにゃふにゃかと思ったけど、ちょっとだけ硬くなっていて、可愛いと思いながら先っぽにチュッとキスをした
ピクっと動いてムクムクとまた硬くなっていく
龍成を見上げると恥ずかしそうな、バツの悪そうな顔をしていた
照れているらしい
「もういい?」
龍成、口でしたら、駄目かな
目の前の彼の物はもう完全に硬くなっている
彼の返事を待たずにそれを口の中に招き入れた
立ったままの彼の前に膝立ちになって彼の物を頬張る
「未来」
私の頭を撫でながら彼が私の名前を呼ぶ
彼の物をくわえたまま目線だけで彼の顔を見た
「気持ちいい、あったかい」
途中でソファに座ってもらって脚の間に顔を埋める
10分ほどご奉仕して彼が口の中に熱を放った
「はぁ、、、大丈夫?」
うん、用意するね
龍成が「それがいい」と言ったワンピースを着て少しだけ化粧を直すと彼の車で映画館の入っているショッピングモールへ向かった
映画の時間は調べていたからちょうどいい感じの時間に付いて二人分のチケットを買う
本当は7月に観たい洋画が何本かすると思うんだけど、それを言ったら「また7月も来ればいいじゃん」と言ってくれたから、絶対ね、と約束をした
映画は邦画の割には良かったけど、ラストがちょっと予想通りだった
本物の生田斗真くんは暗い役で龍成みたいに笑ったりしないのが残念だったけど、雨のシーンで髪をかき上げた時、あ、似てる、と思った
この映画に決める前に、似てるって言われたことある?と聞いてみたらやっぱりたまに言われるらしい
ラストあたりで龍成のとなりの空席の更にとなり、一人の女の人が泣いているのを見つけてしまった
スクリーンを見ずに彼の顔を見ていたから見えたんだけど、それからはその彼女が気になって仕方がなかった
確かに悲しい最後だけど、泣くほどのものかな
そんなことを思っている間にテロップが流れて周りが明るくなった
似てたね
「映画の感想がそれって可笑しくない?」
偽物はニカッと笑った
ロビーに出てドリンクのゴミを捨ててショッピングモールをプラプラ歩くとゲームコーナーがあった
学校帰りと思われる学生たちが沢山いる
どこの制服かは知らないけど最近は可愛い制服が多いと思う
「プリクラ撮ろう」
え!?
龍成がいきなりな事を言い出してビックリするけど本気みたいだ
恥ずかしく、ない?
「でも最近のって凄いらしいし、同僚とかも撮ってるよ」
勢いに負けて何台もあるプリ機の中の一つに入った
撮影は何とか出来たものの、落書きやらダウンロードやらがさっぱり分からない
思い切って近くにいた三人連れの女子高生に声をかけた
彼女たちは優しくて色々教えてくれるけど、私には無理そうだったから代わりにしてもらえないか頼んだ
「え、全然いいですよー!日付とかもいれる?」
図々しいかなとも思ったけど、気持ちよく引き受けて楽しそうにプリクラを可愛くしてくれた
私は極度の人見知りだけど、なぜか高校生位までは比較的話せる
友人の子供達もいるし、警戒しないからかもしれない
携帯に2枚ダウンロード出来ると言うのでそれもついでにやってもらった
ありがとう!助かった!
「いえーどうせ暇だし」
何かお礼したいなと思って周りを見渡すとゲームコーナーの前に某アイスクリーム屋さんを発見した
アイス大丈夫?時間ある?
はじめは遠慮してたけど、こっちも気が済まないからとアイスを奢らせてもらった
お互いバイバイと手を振って彼女たちはゲームコーナーに戻っていった
私達は、どうしようかな
龍成はダウンロードしたプリクラを見ながらニヤニヤしている
「俺、カッコ良くない?」
うん、女子高生たちも言ってたよ
落書きをしながら3人で「彼氏さんカッコイイ!」と言ってくれていた
「ウエディングドレスの未来は俺のじゃないけど、これは俺のだからね」
そう言われてなぜプリクラを撮りたがったのか少しだけ理解した
待ち受けにしたいと言うのを何とか思いとどまらせてこれからどうするのか尋ねる
「とりあえずワイシャツみたい」
ショッピングモールに入っているワイシャツ専門店で3枚ワイシャツを見立てて購入する
龍成は夏でも長袖派らしい
ワイシャツ、いつもクリーニング?
ふと、思い付いて聞いてみた
私はちいちゃんがクリーニング店でパートしているからずっとそこに出している
スーツとかはいいけど、ブラウスなんかは「家で洗いなよ」とちいちゃんに言われるけど、アイロンが面倒くさい
売り上げになるんだから、洗ってくれたらいいじゃんと言い返す
「そう、自分で持って行って入れ替えに取ってくる感じ」
ちいちゃんが最近は男の人も自分で持ってくる人が多いと言っていた
「そろそろ俺、行きたい所あるんだけど」
さっきから時計を見ているなと思っていたら、そういう事か
いいけど、何処?
「レストラン、予約したんだ」
え?本当?
「ボーナス、出たから」
ええ!いいの?
龍成の会社は大体10日から15日のあいだにボーナスが出る
夏はプラス決算賞与というものも出るらしい
それはずっと奥さんに内緒でヘソクリにしていると教えてくれた
前から思っていた事があった
龍成はお小遣い制でそんなにたくさん貰ってないと付き合う前に言っていた
だからホテル代や食事代、旅行の費用とかはどうしているんだろうと不思議だったけどそういう事だったのか
でも、そんな事して、家大丈夫なの?
「別に、付き合ってる頃から代休と一緒で教えてないし、そんなに全部言ったら自由に使える時間も金もなくなるじゃん」
そんなものなのか?と思ったけど、現に奥さんは専業主婦で子供も養っているなら問題ないのかも知れない
中には旦那がお金の管理をして奥さんには生活費だけ渡す家もあるんだから、それぞれでいいんだろう
同僚に教えて貰ったというレストランはコース料理が出てくるけど、別に正装じゃなくても大丈夫なカジュアルなフレンチだった
田舎者なので食前酒やコースの選び方なんて分からない
いつも同伴者に丸投げする
龍成が決めてくれたワインで乾杯して、何に?と聞いた
「んー、特にないけど、こんな時じゃないとご馳走出来ないし」
と笑う
前菜からお肉料理までとても美味しかった
「サラダ食べてたね」
出されたら、食べるよ
美味しかった、ありがとう
そう言うと私の好きな顔でどういたしまして、と笑った
その後ゴソゴソとカバンを探る彼に、禁煙ですよと言おうとしたら何かの包みが出てきた
「これ」
なんだか変な顔でその包みを私に差し出す
もしかして照れてる時の顔だ
くれるの?
確認して開けてみると某ブランドのネックレスが入っていた
シンプルなデザインだけど可愛い
あれ、と思って龍成の胸元を見ると同じ物が光っている
もしかして、それ?
「そう、気付いた?お揃い!」
そう言って彼はイタズラが成功した子供みたいにニカッと笑う
いいの?貰って
「もちろん」
付けていたネックレスを外してバックに入れると貰ったばかりの物に付け替えた
可愛い、でも高いんじゃないの
「大丈夫、それにいつもはパチスロで使うだけなんだから、こっちの方が全然有意義だよ」
ありがとう、嬉しい
胸元には彼と同じネックレスが光っている
なんだか恥ずかしい
はじめにワインを1杯だけ飲んでしまったから飲酒運転になる
なるべくゆっくりと話しながらデザートを食べた
パチスロ、面白い?
「まあ、面白いかな、でも最近はそんなに行ってない」
そうなの?
「夜、暇な日と土曜日くらいだし、あんまり行きたいと思わないんだよね」
ふぅん、そんなものなんだ
「今度一度行ってみる?」
え、でも何万も負けたりするんでしょ?会社の人言ってた
「普通のはね、でもコイン安く借りれるのもあるよ、ゲームみたいだし未来好きだと思うけど」
興味はあるんだ、真由美と行ったパチンコも、面白かったし
コインは普通千円で50枚、1枚20円計算なんだけど、1枚2円でも遊べるところがあるらしい
それなら一万円分が千円で遊べる計算になるし、ゲーセン感覚でいいかもと思った
じゃあ次、出来ない時に行こうか
小さい声で約束した
マンションの前まで送ってもらってバイバイと手を振る
車が角を曲がるのを見送って部屋へ戻った
お風呂に入って携帯を見るともう龍成からメールが届いている
お休みとだけ返してベッドに入った
突然のプレゼントはとても嬉しかったけど、記念日でもなんでもない
臨時収入があったからと私の事を思って買いに行ってくれたのだろうか
私も今度寸志が出るからご飯でもご馳走しよう
そう思いながら気が付いたら朝になっていた
出勤して休憩時間に携帯を見ると相変わらず龍成からのメールが溜まっている
シフトを確認して月曜日の夜ならと返事を返すとすぐに返信が来た
「了解、早く終われるように仕事頑張る!」
今もがんばれよ、と思いながら返信はしなかった
私は最近仕事が暇だから、みんなで交代で早く上がったりして調整している
早く帰れるのは嬉しいけど来月のお給料は寂しい感じになるだろう
おっちゃんの店に行くのを減らしてなるべく自炊しよう
フリーターの辛いところだけど、今更この歳で正社員も面倒くさい
家賃もないし貯金もしていないから贅沢しなければ今の収入でも問題ない
そういえば最近曾祖父から相続した保険の配当金や据え置き金の事で保険会社から連絡があったけど、さっぱり分からない
銀行からも資産運用とか言われるけど、預けてる限り減ることは無いんだからほっといてくれればいいのにと思う
弟の分は母が受取人のままだから母が断ったらしいけど、このまま母が亡くなったらどうなるんだろう
月曜日、生理も終わって無事ホテルで思う存分セックスした
とりあえず1回目はすぐに終わってしまったけど、抜かずに2回目に突入する
ピルを飲んでからいちいちゴムを付け替えなくていいのが快適だ
2回の射精で3回イかせてもらって満足だけど龍成は身体を抱きしめたまま放してくれない
シャワーかトイレで中に残っている彼の体液を出したいけど、何となく言い出しにくい
龍成、トイレ
限界が来たから何とか解放してもらって早足でトイレに向かった
便座に腰掛けると下腹に力を入れて処理をする
そっと部屋に戻ると龍成が冷蔵庫からスポーツ飲料を取り出して飲んでいた
「飲む?」
差し出してくれたペットボトルを受け取って喉に流し込む
「もうちょっと、居たい」
明日、早番なんだ
「もうちょっとだけ」
そう言ってまたベッドに引き込まれて抱きしめられる
「もう一回だけ」
え、だから、、、
朝は早起きだけど寝不足なのは厳しい
キスをされてしたい気持ち半分、明日の事を考えて体力を残しておきたい気持ち半分だったけど龍成はそれを察してくれたのか
「じゃあこうしてるだけでいいから」
と言ってずっと私を抱きしめていた
私の身体には元気な彼の物が当たっていて少し可哀想かなと思ったけど、せっかく私の事を気遣ってくれているんだからと気付かないふりをした
結局はキスだけを何度も繰り返して帰るのは遅くなってしまうんだけど自業自得だから仕方ない
次の日は寝不足のまま仕事に向かった
次の日早番だったから3時に上がれた
帰り恵子ちゃんに会って軽く雑談をする
「これから帰るの?」
ジム行こうか、迷ってるんだけど、、、
この前、以前から景子ちゃんにも話していた男性にとうとう誘われたことを話す
何だか、行く気にならなくてね、、、
「あんたが気にする必要ないでしょ、ずっと行かないの?会費勿体無いよ」
そうだよね
でもただでさえ人見知りなのに本当に気になるし会いたくない
車を運転中も迷ってたけどジムはやめてスーパーに向かう事にした
お肉やビールを買い込んで部屋で下ごしらえをする
お弁当用は小分けして冷凍した
教室も行くのがダルくなって来て、おっちゃんのところへ行こうと先にシャワーを浴びた
出てくると龍成からメールと真由美からラインが来ていた
龍成のメールはいつも通り中身の無いメールだったので、仕事はもう終わったよ、とだけ返す
真由美のラインには今晩ヒマ?とある
何か面倒くさいから、おっちゃんのとこ行こうと思ってた
下着を付けてスウェットのワンピースを着たら返信が来た
「1人?私も行っていい?」
1人、先に行って待ってる
何だか脱力モードだったけど、真由美と飲めると思ったら浮上してきた
眉毛を書いてメガネをかけると部屋の床が気になってお掃除ロボのスイッチを入れる
早出の時は近所迷惑だから朝からは掃除できない
ロボが頑張るのを確認してから家を出た
昼は暑かったけど、夕方になると風が気持ちいい
テクテク歩いて店に向かった
真由美の話はスタッフさんが親戚の不幸で地元に帰るので2週間ほど店を手伝って欲しいとの事だった
以前にも何度かある事だし今は仕事が閑散期でシフトも少ないから空いている時間で引き受ける事にする
お客様にネイルは、しなくていいんだよね
「うん、いつも通りスクールの初級見てもらったり、道具の手入れしてくれれば」
なら、いいよ
「あんたも上級取ってるんだから、本格的にすればいいのに」
イヤだよ、取ってから2年くらい、自分の爪しかしてないんだから
正直、こういう資格は形だけで後は経験がものをいうと思っている
試験の時はペーパーテストの勉強もジェルの練習も真剣にしてたけど、もう殆ど覚えてない
美容師さんでもブランクが長いと腕が鈍るのと同じだ
でも筆の手入れや器具の洗浄、初級さんの指導くらいなら問題ない
シフトを確認して行ける日を連絡すると約束した
こっちも、お願いあるんだけど、、、
真由美は元々友好関係が広くて各関係に顔が聞くけど社長になってからは更に広がっている
保険と定期預金のことで相談できる人を紹介して欲しいと頼むとファイナンシャルプランナー(忘れました、間違ってたらすみません)で損害保険の代理店をしてる人に連絡してくれた
電話で簡単に説明してくれてアポまで取ってもらう
「とりあえず保険証券と通帳用意しておいてって」
分かった、ありがとう
「あんた1人で大丈夫?私も一緒に聞こうか?」
真由美は私の棚ぼた財産を全て把握しているから、喜んでお願いすることにした
とりあえず週末から空いている時間でスクールがある時間、真由美のお店を手伝う事になった
私が行く所は1階がサロンで2回がスクールをしている
私も以前そこに通って資格を取った
父方の叔父さんが亡くなって父が既に他界していた為、少しの遺産を相続した
その叔父さんがどうして遺言書に父の名前を書いていたのかも一切知らない、顔も見た事がない人からの遺産相続
その人は生涯独身で自分の寿命を知った時、財産を現金化して遺言書を制作した
自分の兄弟たちとその息子の父、父の親は早くに亡くなったと聞いているからその代わりにと思ったのかも知れない
父が小さい頃可愛がってもらっていた人だと、相続の時に初めて聞いた
父には弟がいるけど父親が違う
だから弟さんとその叔父さんは他人だ
父の母親が再婚して、その叔父さんと会うことも無くなった
全部父が生前母に話していた話だけど、父はその叔父さんをお父さんのように思っていたらしい
だから今の父方の親戚は父の血縁ではない
私はそれまで父が長男なのに養子で父方と親戚付き合いが無いことを少しだけ不思議に思っていたけど5年前、突然現れた弁護士さんと母からこの話を聞いて納得した
叔父さんが亡くなったのは父が亡くなった1ヶ月後で、叔父さんもその時には父の不幸を知れる状態ではなかった
私と弟はドラマの話でも聞いているみたいに母の話を聞いた
でも実際、相続はとても有難かった
弟はちょうど家族が増えたところだったので、実家の横に家を建てたし、私はローンが無くなって生活に余裕が出来た
マンションのローンが無くなって軽自動車を購入した私に「うちで資格取りなよ」と真由美が勧めてきた
初めは邪魔くさいと断ったけど、女が1人で生きていくには資格はひとつでもあったほうがいい、と説得された
それに元々ポスター描きやプラモデル作りが好きな私には向いていると言われて、ちょっと興味も出てきたのでスクールに行ってみることにした
始めてみると確かに楽しい
ペーパーテストの勉強はイヤイヤしていたが、ネイルは本当に向いているかもと思った
スカルプや長さ出しはそれ程だったけど、デザインはかなり面白い
ペーパーテストで1回落ちたけど、何とかジェルの上級まで取ることが出来た
真由美にはお店で働けと言われたけど、今の仕事は好きだし恩もある
何より他の従業員がやりにくいだろう
もし路頭に迷ったらお願いします、と丁重にお断りした
自分が生徒の時は分からなかったけど、スクールの生徒さんを見ていると色々なタイプがいる
器用で初めからある程度出来てしまう人、不器用だけど物作りが好きで一生懸命な人、工程は出来てるんだけど残念ながら色彩のセンスがイマイチな人
まぁセンスに関しては好みというものがあるから、他のスタッフにも見てもらってからアドバイスをする
どんな人でも技術を身につければ取れる資格だと思うけど、実際にお客が取れる人は見ていて分かると真由美は言う
彼女も初めは普通のネイリストだった
そこから自分の店を持って会社にして今に至る
経営者としての才能は凄いと素直に尊敬している
いつも通り龍成からは1日何通もメールが届く
休み時間にこの掲示板を覗くついでにメールを返すこともある
真由美の店を手伝うから2週間ほど時間が取れないと知らせた
拗ねるかな、と思っていたけど帰ってきたメールには
「大変だね、身体壊さないでね」
「もし少しでも会える時間あったら連絡欲しいな」
だった
何となく嬉しくなって、じゃあ時間が合ったらおっちゃんの所でご飯食べようか、と返した
本職も真由美の店もサービス業だから週末が忙しい
金曜の昼から月曜日の夜までかなりのハードスケジュールになる
金曜日の朝週末のためにトンカレーを作った
若い頃と違って寝ても疲れが取れなくて、徐々に蓄積されていく
火曜日の休みは午前中、スクールに行くだけだから昼からはゆっくりしよう、教室はサボる事に決めていた
確か龍成も火曜日はフットサルの練習日だ
一瞬迷ったけど、火曜日なら外食出来るとメールした
「じゃあ、俺も行く、おっちゃんの店?」
うん、飲めるし、でも龍成練習じゃないの?
「サボる!最近真面目に言ってたから大丈夫!」
じゃあ、現地集合ね、無理しなくていいよ
そう言いつつ、一緒にご飯食べられるのは嬉しい
幸いにも本業の方が閑散期なので思った程のダメージもなく週末の激務をおえた
来週末で手伝いも終わるし、次の生理までにはセックスも出来るだろう
仕事中や他のことをしている時は何とも思わないけど、こうしてメールすると流石に彼を思い出してしまう
少し、会いたくなった
火曜日午前中だけ手伝って帰ろうとしたら、休憩に行くスタッフさんたちにランチに誘ってもらった
真由美は他の店もあるしいつもいるわけじゃないけど、他の子たちにも良くしてもらっていて働くのは楽しい
二人とも20代の娘さんだ
「お休みなのに大変ですね」
「私たちは助かりますけど」
いや、部外者が、ゴメンね
なるべく邪魔にならないように動いているつもりだけど、やっぱり気を使う
若い子に混ざって1時間弱楽しく過ごさせてもらう
機嫌良く家に帰って少し昼寝もした
龍成にメールを返すと久しぶりに自分で掃除機をかける
お掃除ロボでは出来ない隙間も綺麗になって満足した
いい時間になるまで溜まっている録画を見ておっちゃんの店に向かう
だんだん暑くなって来たけど、もう明日から7月だと思うと今年は冷夏なのかもしれない
飲むために10分ほど歩いて店に入った
「いらっしゃい」
わぁ、一番乗りだね
時間も早かったせいか先客は誰もいない
カウンターの奥に座ると生中が出てきた
適当に、おすすめ
おっちゃんとボチボチ話しながら飲むのは好きで他にお客さんもいないからおっちゃんも色々話してくれる
「おっちゃんも昔はやんちゃでなぁ」
うん、知ってる、誰かの先輩の先輩、なんでしょ
「未来ちゃんは仕事忙しいんか?」
ううん、今は暇、でも真由美の店、手伝ってるから
砂肝の塩焼きを食べながら生中をおかわりすると龍成からメールが届いた
メールには駐車場に着いたとあるから後5分ほどで来るだろう
その5分のあいだに2人連れ2組が来て少し賑やかになった
「いらっしゃい」
おっちゃんの声で入り口を見ると龍成が入ってきた
私を見つけてこちらに来ると嬉しそうに隣に座る
お疲れさま
「お疲れ様、忙しい?」
ボチボチ、練習良かったの?
「大丈夫、元々みんな残業とかもあるから結構自由」
奴は、ずっと行ってそうだけど
「あたり!暁さん自営だしよっぽどじゃないと来てるね」
昔から、集会は欠かさないんだよ
「集会、、、」
いや、集まり
「言い直しても遅いよ」
集会にウケたらしく笑いながらノンアルコールビールを飲んでいる
その後は一人で家にいる時は何をしているのかなんて下らない話を楽しそうに聞いてくる
龍成は一人暮らしの経験がないから、想像がつかないと言う
田舎だからなのか地元では結婚するまで実家暮らしが多い
今でこそ分譲住宅やマンションが増えたけど、二世帯同居も珍しくない
特に私や真由美みたいに実家の近くに一人で暮らしている女性は多くないと思う
実は一人の時は大して何もしていない
気が向いたら食材を買い込んで半調理して冷凍したり、普段しない掃除をしたり
テレビを見ている時はソファやカーペットをコロコロしているかクイック〇ワイパーで床掃除をしている
今一番興味があるのは床の拭き掃除をしてくれるお掃除ロボ2号
「一人でも楽しそうだよね」
楽しい、というか、もうそれが普通だから
私の話なんて大して面白くもないのに、楽しそうに聞いてくれる
聞き上手なんだろうなと思った
平日で空いているのをいい事に、カウンターで2時間ほど飲みながら話した
とは言っても龍成は車だからアルコールは入っていない
和風からあげが美味しくておっちゃんにタレのレシピを聞いたけど、教えてもらえず一言「クックパッド」と言われた
多分冗談だけど、おっちゃんは顔が怖目だからイマイチ判り辛い
「未来、料理好きなんだ」
好き、なのかな、嫌いじゃないけど
自分で作ったら好きな味付けに出来るし量も食べたいだけ作れる
そういえば料理に限らず、ものを作るというのが案外好きだと気付いた
手先が器用じゃないから裁縫や編み物は出来ないけど、スノコを使ったブーツ入れやお鍋置き、あかずの衣装べやの棚も自分で作った
テレビのサイドボードは弟が家を建てて前のが要らなくなったから貰って色を塗り替えた
昔はプラモデルが好きだったし車のフォーンも自分で付け替えている
料理以外は女っぽくないけど一人で生活するには便利なスキルだと思う
考えれば考える程、結婚しなくていいように出来ているなと感心した
ちなみに虫も平気で退治できるし
この日も駐車場まで少し離れて一緒に歩いた
龍成からは「ちょっとでいいから部屋行きたいな」というオーラが出てた気がしたけど、私も、疲れてるからオーラを出して対抗する
結局駐車場で分かれて残りの道を歩いて帰った
風が気持ちよくて少し酔った身体を冷やしてくれる
来週はセックスしようね、と心の中で彼に言った
家に帰ってメイクを落とす
携帯をチェックすると龍成からメールが来ている
このマメさには感心するなと思いながらメールを開く
「今日の唐揚げ美味しかったね、来週は仕事も落ち着いてるかな?♡(灬˘╰╯˘)乂(˘╰╯˘灬)♡」
そういえば今日はキスもしていない
やっぱりしたいよね、もともと身体目的なんだし
でも私もしたいからお互い様だと思う
ごめんね、セックス出来なくて、来週は大丈夫
返信するとすぐに返事が来た
「違う、今日も会えて嬉しかったし、楽しかった」
「やるためだけに会いたいんじゃない、けどやっぱり顔見ると抱きたくなる、ごめん」
謝らなくていいよ、私も同じ
ふと感想スレで話したことを思い出して聞いてみた
龍成は私としていない時、一人でしてるの?
「してる、今日も顔みたから、してしまうと思う」
「いつも未来を思い出してしてるよ」
そか、ごめんね
龍成とするの大好きで加減出来なくなるから今日してしまうと明日からの仕事がキツイから、また来週ね
そう返しながら私をオカズに一人でしている龍成を想像してしまって少し欲情した
冷蔵庫から発泡酒を取り出して一気に飲んだ
こんな時は早く寝てしまうに限る
性欲が強くていい事なんて一つもない
龍成と会うまではずっとこんな夜を過ごしてきたのに、たった半年で贅沢になってしまった
早く来週になって欲しい
そう思いながら布団に潜り込んだ
翌朝にはいつも通りに目が覚める
幸い前日のことを引きずらない脳なので、彼を思い出すことも無い
真由美のところのスタッフさんが予定より早く復帰出来る事になって金曜日の手伝いで終了になった
本業が休みだったので夕方までスクールを手伝って一旦家に帰る
夜は前に頼んでいたファイナンシャルプランナーの人と会うことになっているから、それまでに用事を済ませた
待ち合わせ場所は国道沿いにある洋風居酒屋
テーブル毎に個室になっているから話しやすい
料理もまあまあだから、さっさと見てもらって食事が出来るようにしたい
先について予約をしていると店員に伝えると席へ案内してくれた
しばらくすると2人が到着して挨拶の後名刺を貰った
もっとオジサンかと思っていたけど、意外にも若い
龍成の実年齢と同じくらいに見える
「先にやっつけちゃって後は飲もう!」
と真由美が宣言してくれたので通帳と保険証券を取り出して渡す
保険屋さんがポスティングしてくれていた契約内容のしおりのようなものも見てもらった
結局保険はバブルが弾ける前後のもので、配当金や据え置き利率が今の保険とは比べ物にならないくらいいいらしい
保険屋としては今の保険に切り替えて貰って据え置き利率を下げたいのだという
「よく今まで切り替えや解約しませんでしたね、保険会社からいろんな案内来たでしょう」
いや、分からなかったですし、放っておいても、減ることは、ないだろうって
「確かに減ってない、というよりかなりの配当金や利息が付いてますよ」
「え!どこ!?」
真由美の方が興味シンシンで彼の手元にある証券をのぞき込んだ
確かに何がどうなったのか分からないけど、新車が買えそうな金額が電卓に表示されている
え、なんでそんなに、なるんですか
「元々一時払いの金額も大きいですし、当時はまだ配当金も結構あったんです」
その他にも単利じゃなくてとか色々説明してくれたけど、さっぱり分からなかった
「カードは作ってないんですか?」
カード?
どうやら保険会社のキャッシュカードみたいなものがあって、それを使えば銀行やコンビニで配当金や利息を自由に引き出せるらしい
「必要ないかと思いますが、契約貸付も出来ますよ」
貸付?
保険の解約金の範囲でお金が借りれるシステムらしいけど、まあそれは今のところ必要ないと思う
それにしても『?』ばかりで馬鹿なオバサンだなと思われてるかとちょっと恥ずかしくなってきた
弟の分が母の名義になっているのは今名義を変えると贈与になってしまうから、母が亡くなるまでそのままにしておくか解約して一旦現金にする方がいいそうだ
母にこの保険は弟に相続させると一筆書いてもらえば問題ないらしい
結局理解したのは意外に配当金が沢山あるから何時でも使えるようにカードを作ろう、という事と今度の休みに銀行に行って預金の一部で年金保険に入ろうと言う事だけだった
「あー!勿体ない、私だったらもう一つ会社作るのに!」
と真由美に言われたけど、私にはそんな才能はない
それより突然湧いて出た配当金の方が気になる
自由に使えるお金、ちょっとドキドキする
相談料の相場は分からなかったけど、無料は無いだろうと少しだけお礼を包んで渡した
初めは要りませんと受け取ってくれなかったけど、遠慮する程入ってないからと強引に受け取ってもらう
その後は本当にただの飲み会だった
真由美たちはタクシーで帰ると言うので店にタクシーと代行を呼んでもらう事にする
まだ時間が早いせいかどちらも30分程との事だった
「それにしても株とか興味無いんですか、本当に勿体ないです」
「この子はないね!多分普段は自分がこれだけ資産を持ってるのも忘れてるし」
まあ、そうなんだけど
だって自分で稼いだお金じゃないし、実際に手元にあるのは通長と保険証券だけ
現金を見てみないと実感なんて湧かないだろう
どちらかと言うと叔父さんにもらった分の残りや元旦那の慰謝料の方がリアルに感じる
私ほど気楽に生きていてお金の心配をしなくていいなんて曾祖父には本当に感謝しなければいけない
貰った当時は中学生で今以上に実感が無かったから母に「お礼を言っておいで」と言われて弟と離れに行った事しか覚えていない
年を取って老後の心配をしだしてやっと有難みが分かってきたのかもしれない
先に代行が到着したので伝票を持って席を立った
真由美は割り勘でいいと言ってくれたけど、ここは払わせて貰う
ファイナンシャルプランナーの方に、もう一度お礼を言った
代行さんに運転してもらっているあいだに龍成にメールを返す
彼にはもちろん相続の事は話してないから、真由美と飲んでた、とだけ返信した
真由美の店のお手伝いも終了して龍成ともいつも通りメールや電話でイチャイチャしている
仕事も閑散期で平和な毎日
とりあえず木曜日に龍成と会うことになっているから今のうちに初体験のことでも書こうかなと思い付いた
高校2年生になる春休み
4月2日の事は多分一生忘れない
恥ずかしくて、でも大切な経験だった
将生と付き合って3ヶ月が過ぎた
ホワイトデーに貰ったピンキーリングは毎日磨いてはめている
前日の電話で「明日、俺んち来いよ」と言われて何となく予感があった
将生の家は日中誰もいないから朝から行くなら何かお弁当を作って行こうと使い捨てのタッパーの在庫を確認して、お弁当の下ごしらえをする
弟もクラブでいると言うのでついでに作ってやることにした
と言うよりクラブでお弁当のいる時は大抵作っていたから将生の方がついでなのかも知れない
弟もこの春からとうとう3年生
身体も大きくなってガチムキになってしまったけど、仲はいいままだった
大きくなったよなぁと思う気持ちは母親ぽい
ちょっとだけ張り切ってチキン南蛮とジャーマンポテトをメインに作る
朝はお風呂に入って行くからあまり時間がない
温め直してお弁当箱に詰めるだけにして冷蔵庫に入れた
明日何とかなってしまうかと思うとドキドキして眠れない
真由美に電話して心得を伝授してもらおうとポケベルを鳴らした
「そんなん知るか」
電話はかけてきてくれたけど、冷たく言い放された、でも
「途中で無理だと思ったら、ちゃんと言えよ」
そう言ってくれた声は優しかった
やっぱり殆ど眠れずに朝がやってくる
シャワーを浴びて弟のお弁当と自分たち用の物を詰めて弟の分だけテーブルの上に置いた
原チャリで出かけるからリュックに慎重にお弁当箱を収めてその他の荷物も用意する
ちょっと悩んで小さめのタオルと新しいパンツ、生理用品をリュックに入れた
もちろん真由美に貰ったコンドームも化粧ポーチの中で待機している
やる気満々なのが自分でも恥ずかしいけど、何としてでも今日は初体験を済ませて本物の彼女になりたい
約束は10時半
将生のマンションの下まで原チャリで行く予定だけど一人で行くのは今回が初めてだった
方向音痴が本当に酷いので今までは将生が駅まで迎えに来てくれていたけど、流石にそろそろ行けるだろう
そう思うけど念のために少し早めに家を出た
少し肌寒いから厚めの上着を羽織って原チャリを走らせる
予定通り少し迷って無事に見覚えのあるマンションに着いた
部屋のチャイムを鳴らすのも緊張してドキドキする
「はーい」
ドアが開いて将生の顔が見えた
おはよう、将生
会うのは一週間ぶりくらいですごく久しぶりな気がした
「おぅ、おはよう久しぶり」
うん、学校あると毎日、会えるけどね
部屋に入れてもらってリュックを下ろすと将生がそれに気づいた
「何か大荷物じゃない?」
まさか変えのパンツを持ってきたとは言えないので中からタッパーを取り出して見せた
お昼に、お弁当、作ってきた
「え!マジで!?」
将生は嬉しそうに中身を見ようと自分の方に引き寄せた
「おー!すげー!旨そう」
お昼に、食べよ
「おぅ」
その後はバイトの事や2年生になってクラス替えで同じクラスになれるかとか色々話したけど、何となくお互い上の空で意識している気がする
「コーヒー飲む?」
将生がコーヒーを入れにキッチンに行くとフー、と身体の力が抜けた
緊張している
しばらくするとマグカップを2つ持って将生が戻ってきた
「未来カフェオレにした」
そう言ってテーブルにカップを置くとベッドに腰掛けた
ありがと
カップを手に取ってカフェオレを飲みながら頭の中ではこれからどうするのかとグルグル考える
将生がさっきと違ってベッドに腰掛けたのは何か意味があるんだろうか
カフェオレの味も分からない
「未来、隣り来いよ」
声に驚いて将生の方を見ると笑いながら隣りをポンポン手のひらで叩いている
うん
カップを置くとソロっと立ち上がって将生の横、ベッドに座った
キュッと手を握られて将生の顔を見るとキスされた
「未来」
名前を呼ばれて今度は長いキスをする
そっと唇が離れて見つめあった
そのまま後ろに倒されて将生が覆いかぶさってくる
どうしていいか分からなくてギュッと目を閉じた
Tシャツの裾から将生の手が入って来て身体がビクッと震えた
「嫌か?」
そっと目を開けると将生の不安そうな顔があった
ううん、と首をふる
チュッとキスをして将生の動きに合わせてTシャツを脱がされるのに協力した
ブラを外されて貧弱な胸が露になる
男の人に見られらのはもちろん初めてだ
恥ずかしくて涙が出てくる
腕で隠そうとするけど将生に優しく止められて出来ない
「やめるか?」
私が泣いてるのを見て将生が聞いてくれる
また首を横にふる
恥ずかしい
「嫌だったら言え」
将生の声がいつもと違う
顔もいつもより真剣で余裕が無いように見えた
将生も緊張している、のかな
そう思うと何故だかほんの少し安心した
彼の指が胸の中心に付いている突起に触れる
払いのけそうになるのを必死で我慢した
いつの間にか服を脱いでパンツ1枚になった将生が私の上にいる
恥ずかしいけど怖くはなかったからそっと彼の首に腕を回した
ギュッと抱き締められてため息のような息を吐いた
スカートとパンツを下ろされてアソコも見られる
「あ」
それまで黙々とキスしたり胸を触ったりしていた将生が短い声を出した
多分アソコの体毛が無いことに驚いたんだろうな、と分かった
ごめん
何故だか謝った
改めてこんな色気のない身体を見られていることを思い出す
「なんで、謝るの?」
将生は少し可笑しそうな声で茶化す
子供、みたいだから
よく分からないけど、興奮すると男の子のアソコが硬く大きくなってそれを女の子のアソコに入れるというのがセックスだ
でもこんな身体で将生が興奮するなんてとても思えない
そう思うとまた泣けてきた
「大丈夫、気にすんな」
将生は笑いながらそう言って自分のパンツを脱いだ
二人とも全裸になってもう一度ギュッと抱き合った
キスをしてそのまま将生の顔が胸に近づく
チュッと乳首を吸われて飛び上がるくらいビックリした
え!?舐めるの?
思わず聞いてしまうと将生が笑いだした
「うん、舐める、嫌だったら言え、言うまでやめないからな」
うん
とその時、彼のアソコが目に入った
何それ
単純にそう思った
男の子のアソコなんて小さい時弟と一緒にお風呂に入った時にしか見た事がなかった
真由美にソレが硬くなるとか話には聞いていたけど、想像は出来なかった
そしてソレが今、目の前にある
形も色も弟のと全然違うし何より大きい
将生
「ん?」
無理
「嫌?」
そんなの、入らないよ
実はこの日の為に自分なりに色々準備をしてきたからアソコの観察もした
鏡に写して割れ目を開くと確かに穴がある
その上に少し皮膚が余っているような物が付いているけど、その中にクリがあるなんてその時は知らないから気にしなかった
その時に見た割れ目の長さを考えるととても入るとは思えなかった
「入るよ、ちゃんと」
将生は笑いながら自分のものに手を伸ばす
「見るの、初めてか?」
うん、大きい
「普通だよ」
そう言ってまた胸を舐めだした
ショックは残ったままだけど、なんだか胸がムズムズしてくる
もしかして気持ちいい?
将生
初めての感覚にどうしていいか分からなくて彼の名前を呼ぶ
「どうした」
なんか、変
「気持ちいいか」
分からない
でもアソコも何だかヌルヌルして変だ
触られている胸は分かるけど、どうしてアソコもジンジンするんだろう
そう思ってるあいだに将生の手がアソコに伸びてきた
やっぱりヌルヌルしている
ふと将生が身体を起こして私の脚を開こうとした
や、見ないで
うす明るい部屋でそんなところを見られるなんて想定外だし脚を開くポーズもひっくり返ったカエルみたいで恥ずかしすぎる
でも将生は真剣な顔でのぞき込んだ
「え」
正しく人が固まる瞬間を見たと思った
「未來、生理、ある?」
?、うん
始まったのは最近だけど何故そんな事を言い出したのか分からなかった
「ちょっと我慢しろ」
そう言ってアソコを左右に割り開いて顔がくっつきそうなくらい近くで見られる
「あ、うん」
将生は1人で納得したように頷くけど何だか不安になってきた
次に上にある皮が余っているようなところをそっと剥くようにして触られるとビリッと感電したような、今まで感じた事のない痛みが走った
!痛い!
思わず口に出すとすぐに指を離してくれた
「痛い?」
うん、ごめん
「謝るな、それより」
「入るかな」
将生が初めて不安そうな顔をした
将生は中学生の頃から年上の女の人とかとセックスしていて同年代の男の子よりは経験豊富なはずだった
その人たちとはしていたんだから入ったんだろう
私が処女なのも知っているし始めは入るよと言っていた
不安そうな将生を見ていると私もどんどん不安になってくる
何か問題があるんだろうか
少しの沈黙の後、将生は気を取り直したように私を見つめて抱きしめた
「俺、お前としたい」
わたしも
「本当に無理だったら言えよ」
うん、でもやめないで
今にして思えば彼もまだ高校生で愛撫なんて物も大して出来なかったのかも知れない
ただ物理的に自分の物より狭いところには入らないと思ったらしく、アソコを広げる事に専念した
恐る恐る指を入れられる
もちろん初めての感覚で全身に鳥肌が立った
でも多少の違和感はあるけど、激痛というほどの痛みはない
その指が少しずつ前後左右に動かされて中もヌルヌルしているのが分かる
2本目が入ってきた時に入口が引っ張られるような痛さがあって身体が反応した
「痛いか?」
大丈夫、でも引きつってる、感じ、する
「切れそう」
だい、じょうぶ
一旦指が引き抜かれて2本の指が少しづつ奥に進んでくる
入口がギチギチと音を立てているように痛い
しばらくして将生が身体を起こした
「入れてみる」
ベッドの小さい引き出しからコンドームの袋を取り出して封を切る
中身を見るのは初めてだ
それを自分のアソコに装着していく将生を凝視した
アソコはすごく上を向いていて硬そうに見える
本当に入るのか未だに疑問だけど真由美には濡れないと入らないし痛いと聞いていた
なら多分、今私のアソコの状態は濡れている、から大丈夫だと思った
「あんまり見んなよ」
私の視線に気づいた将生はそう言いながらコンドームを付け終えた自分の物を私のアソコに押し当てた
根元を持ったままギュウッと押し付けられる
痛いけど耐えられない程じゃない
でも一向に入る気がしない
ヌルヌルしてるからツルンと滑って上に逃げてしまうみたいだった
「うぁっ」
何度か頑張っていた将生が変な声を出して動きを止めた
何事かと思って首を起こして彼の方を見ると目が合ってすぐに逸らされる
どうしたの?
「、、、出た」
意味が分からなかったけどずっと寝転んでいるのも変かなと思ったのでそっと起き上がって彼と向かい合った
将生の目線の先には彼の物がある
気のせいかさっき見た時より少し下を向いているように見えた
「くそ、ありえねぇ」
そう言いながらコンドームを外そうとしているのを黙って見ていたら中に白い物が溜まっていることに気づいた
始めはあんなのなかったと思う
そういえばさっき将生は「出た」って言った
じゃああの白いのが出たって事なんだろうか
アレ、なんなんだろう
色々謎はあったけど一番重要なのは多分まだ入ってないのに続きはしないのかという事だった
なんて聞いたらいいのかグルグル考えていると将生がこっちを向いて言いにくそうに口を開いた
「入れる前に出た」
「くそカッコ悪い、最悪」
え、どうしたの?怒ってる?ごめん
何を言ってるのか分からなかったけど機嫌がいいようには見えなかったから私が何かやらかしたのかと焦った
でも将生はそんな私を見て可笑しそうに笑うとギュッと抱きしめてくれた
「未来好きだ」
何がどうなっているのかも分からなかったけど、とりあえず怒ってないみたいだとホッとした
将生、もうやめるの?
「いや、出ちゃったからちょっと待って」
出た?
「あー、お前のそこに押し付けてるあいだに気持ちよくなってイッちゃったの!」
将生は恥ずかしそうに言い捨てた
私はそれを聞いてやっと事態が理解出来た
「男子がイクとアレから精液が出るから、それで妊娠しないようにゴムを付けてしないと駄目なんだよ、絶対直接中に出させんなよ」
真由美がしつこいくらい教えてくれたアレだ
あの白いのが精液で、将生がイっちゃったからゴムの先に溜まってたんだ
入れなくても、イクの?
素直に疑問だったから聞いてみたけど、将生には屈辱だったみたいで「その前からずっと我慢してたから」とか「気持ち焦ってたから」とからしくなく言い訳をした
「お前、大丈夫か」
うん、ヌルヌルしてるけど、そんなに痛くない
そう言うと将生はティッシュの箱をこっちに差し出した
「とりあえず拭け、後でもう一回するから」
うん
言われたとおりティッシュでアソコを拭いてパンツをはくと将生が出してきてくれたジャージを着て彼の横に座った
「弁当食おうか」
そう言われて時計を見るともうとっくにお昼を過ぎている
お弁当を広げながら頭の中ではどうして入らなかったのかをずっと考えていた
みんなそうなのかな
でも真由美はそんな事言ってなかったし、将生も始めは入るって言ってたのに私のアソコ見て不安な顔してた
考えたくないけど、私が変なんだろうか
将生が借りてくれていたビデオを見ながらお弁当を食べた
「旨い、未来の弁当久しぶりに食べた」
三月、ほとんど短縮だったから、ね
「昼どこか食べに行こうと思ってたんだけど」
え、そうなんだ、ごめんね
「謝んなって、こっちのがいいよ、サンキュな」
うん
付き合ってみると将生は思っていたよりずっと優しいし、話し方や表情で私を好きって分かる
付き合うのなんて初めてだから私の思い込みなのかも知れないけど、少なくともそう思わせてくれているのは確かだった
でもまだセックスは最後まで出来ていない
自分の身体にはコンプレックスしかないから、どうしてもそのせいで出来ないのかと思ってしまう
つい考え込んで口数が少なくなる私を見て将生が話し出した
「俺も何十人とか経験あるわけじゃないけど、多分色々個人差あるんだよ」
「男のだって形も大きさも色々あるんだからな」
そうなの?
「おぅ、だから大丈夫、出来るよ」
うん
普段あまり真剣な話をした事がなかったから、一生懸命私を慰めてくれる彼を見て何だか胸がキュウっとなった
将生、もう一回、しよ
私からキスをすると彼の手がジャージのファスナーを下げた
中には何も着ていないからジャージを肩から脱がされてすぐに上半身が露になった
「色、白いな」
そ、う、かな
確かに色は白い方だと思うけど、弟の方がもっと白いからそんなに思った事はなかった
「俺の、触ってみるか」
そう言うと将生は私の手を自分のパンツの上に持っていった
パンツの上からだけど初めて男の子のアレに触った
何だか、さっきより、小さいね
「そりゃあずっと勃ってる訳じゃないから、でもすぐに勃つよ」
見たい
将生はパンツを脱いでくれた
さっきと違ってふた回りくらい小さいし柔らかそうだ
私のジャージも脱がせてまた2人とも裸になった
言われるままに彼の物をそっと掴む
「そのまま手、動かして」
将生は私の手に自分の手を添えてやり方を教えてくれた
彼の物が手の中でみるみる大きく硬く変化していく
すごい
「未来、するぞ」
そう言ってキスをすると後ろに倒された
私もぜひ最後までして欲しいから異存はない
普段存在感のない胸の小さな乳首をチュウチュウ吸う将生を見て何だか赤ちゃんみたいだなと思う
でも胸舐められるの、好きかも
やっぱりアソコがジンジンしてきて身体が熱くなる
息も荒くなって恥ずかしい
将生はアソコに手を伸ばして濡れているのを確認するとまた指を入れ始めた
どのくらいそうしていたかは分からないけど、初めよりは大分長かったように思う
2本入れると痛くて身体が上に逃げそうになるけど頑張って耐えた
将生がコンドームを付けてリベンジに挑む
入れようとして入り口に彼の物を押し当てたけど、やっぱり弾かれる
2人で考えて限界まで脚を開いてみる
この時は昔から武道をしていて身体が柔らかい事に心から感謝した
そうすると少し割れ目が口を開けたから、とりあえずそこに彼の先っぽをねじ込む
直接入口に彼の物が当たって緊張した
将生は少しずつ進んでこようとしてくれてるみたいだけど、動く度になんとも言えない痛みというか違和感が凄くてこれなら一気に行ってくれる方がマシじゃないかなと思う
さっき見た頭みたいな1番太い所さえ入ってしまえば後は何とでもなる気がした
まさき、もう
「痛いか?」
うん、でも、一気に入れて
「切れたりしないかな」
分かんない、けど
将生も大分我慢してくれているみたいで暑い季節でもないのに額から汗が流れ落ちている
「分かった」
ちょっと考えていたけどそう言うと自分の物の根元に片手を添えて一呼吸置くと一気に腰を進めた
クプン、と頭の部分が入口の壁を通り抜けて私の体内に潜り込んだ
散々指で慣らしてくれたからか、よく濡れていたからかは分からないけど、強烈な痛みは無く、皮膚が引っ張られるような違和感と強烈な異物感に驚いた
「あ、大丈夫か」
正直痛さよりショックで大丈夫ではなかったけど、今更抜いてもらうなんて出来ないから必死で首を縦に振った
もっと大人の男の人ならここからもゆっくりしてくれたのかも知れないけど、やっぱりまだ高校生の男子の経験値なんてたかが知れている
多分将生も限界で余裕なんてなかったんだと思う
私が頷いたのを確認した後は更に一気に一番奥まで押し込んできた
一瞬激痛が走って身体が上にずり上がるけど将生が押さえつけてそれを止める
や、いた
涙が流れて彼の顔がボヤける
荒い息で腰を振りながらそれでも私にキスをしてくれた
将生にしがみついたままでガクガクと揺さぶられた
彼の汗が身体にポタポタと落ちてくる
う、あ
将生が入っている場所が痛くて熱い
でもそれ以上に将生と繋がってる事が嬉しくて全然我慢できた
しばらくすると将生の動きが一層速くなってギュッと苦しいくらい抱きしめられる
動かなくなった将生をそうっと抱きしめ返した
もしかしたら、イッたのかな
だとしたら無事に処女喪失した事になる
将生、終わり?
どうしても確認したくて自分から聞いた
「うん、ちゃんと最後までしたよ」
そう言って身体を起こすとチュッとキスをしてくれた
ホッとしたのと感動したので涙が止まらない
将生はそんな私の頭を撫でて「抜くからな」と言うとそっと自身を引き抜いた
その感覚に鳥肌が立ちそうになるけど、彼が自分の中からいなくなったのが寂しかった
「あ、ヤバ」
将生が慌てて立ち上がったから何事?と思って目線で彼を追った
アソコはまだ腫れたような何か入っているような違和感があってすぐには動けない
タンスの引き出しからスポーツタオルを取り出して振り返った将生の顔は凄く焦っていた
「血!めっちゃ出てる!」
そういいながらアソコにタオルを当てる
え、シーツ、汚した?
「そんなのいいけど!大丈夫か!?」
痛い、けど
そんなに大事と思える痛さでもない
それよりコンドームがついたまま、全裸でオロオロしている将生が可愛く見えた
そういえばコンドームにも血が付いている
あんまり将生が必死だからどれだけ大惨事になっているのかと恐る恐るタオルを捲ってアソコとタオルを確認する
確かに結構血が出ている
しかも生理の時と違って真っ赤な色だ
でも量は全然生理ほどじゃない
多分体液と混ざってるから余計に大量に見えるんだろうと冷静に分析した
奥の方はジンジンと痛むけど、入口はそうでもないから多分切れたりもしていない
それより、シーツどうしよう
そうしてるうちにコンドームを外してパンツを履いた将生が私の顔をのぞき込んできた
「未来、大丈夫か、痛いか?」
痛いけど、大丈夫
「ちょっと見せてみて」
抵抗する間もなくがばっと脚を開かれてアソコも指で割開かれて中をジッと観察される
「見える範囲は切れて、ないな」
だから、大丈夫だって
男の人は生理がないから余計にビックリしたんだろうか
そうしているうちに血も止まってきているし私としてはシーツの方が大問題だった
将生、シーツ変えある?
「え、うんベッドの下の引き出し」
私、パンツ履くから、大丈夫だから、シーツ変えよう
将生がシーツを剥がしているあいだに部屋の隅でゴソゴソと身なりを整えた
用意していた整理用品をパンツにセットして服も着る
やっぱり違和感は残ってるしジンジンするけど動けない程じゃない
何度も大丈夫かと聞く将生を嬉しく思いながら、ふと不思議に思って聞いてみた
将生、処女初めてだったの?
ベッドに新しいシーツをかぶせている途中だった将生が手の動きを止めてこっちを見た
「どうして」
だって将生、さっき凄く焦ってた、から
思い出して少し笑ってしまう
「違うけど、前の時は殆ど血出なかったし」
「キツかったから無理やり入れたし」
将生は恥ずかしそうに早口で言った
そっか、ごめんね、大丈夫だよ
「謝るなって、本当は俺がもっと優しくしないと駄目だったんだ」
大丈夫、痛いけど、将生と出来て、嬉しい、将生は?
「俺も、嬉しい、好きだ」
そう言ってまたギュッと抱きしめあってキスをする
将生は普段あまり好きと口に出して言ったりしない
だからといって不満に思ったり不安になったりはしないけど、やっぱり顔を見て言ってもらえるのはすごく嬉しい
お互いちょっと落ち着いて、冷めたコーヒーの残りを飲んだ
シーツ、どうしよう
色々考えて駅前のコインランドリーで洗って乾かす事にした
「待ってる間に、晩めし食おう」
原チャリをマンションの駐輪場に置いたまま、将生の自転車で駅前に向かった
「今度はもっと気をつけるから」
一瞬なんの事かと思ったけど、少し考えてセックスの事を言っているのだと分かった
次もしてくれるんだと凄く嬉しくて、うん、と頷く
あ、でも、すぐは無理、かも
だって歩いていてもまだ痛い
「分かってるよ」
うん
している最中と直後は必死すぎて何ともなかったのに、今将生と話すのが何だか凄く恥しい
私、将生としたんだ、本物の彼女になったんだなぁ
心の中で何度も思った
2年生になった始業式、駅からの道で将生を自転車に乗せて2ケツで登校する
クラス替えに期待したけど、別々だった
結局2日に初体験をしてその後5日にも遊んだけど、セックスはしていない
将生、今日学校終わったら、うち来ない?
弟は始業式だけどそのまま部活に出るから夕方まで帰ってこない
アソコもすっかり復活したと思うし何となく早く次をしておかないとまた入らなくなるかもと思った
真由美には事前に一緒に帰れないかもと謝ってある
将生も察してくれたのかその日は駅前のファーストフードで昼ごはんを食べて2ケツで私の家で2回目をした
将生がコツを掴んだのか私のアソコが順応したのか2回目は割とすんなり入って痛みも少なかった
それからは殆ど会う度にセックスした
入れる時は少し痛いけど動かし始めると何だか気持ちいいのかなと思うようになってきてすぐ、何だかその日はいつもと違った
何とも言えない感覚がせり上がった来て意味もなく怖くなってくる
将生、なんか、変
そう言って彼にしがみついた時、全身に初めての快感が走ってアソコがヒクヒクしたのが分かった
「うぉっ」
将生も私を抱きしめて私の中で弾ける
しばらく抱き合ったままで息を整えた
「なんか今、中すごい動いた」
何だか、変だった、フワッて、なった
「イッたのか」
いく?
分からなかった
ただいつもと違った
正直に分からない、でも凄く気持ちよかったと伝えると将生は凄く嬉しそうな顔をした
クラスは離れたけど、もう将生と私が付き合ってるのは学年中公認だったから学校行事の時もずっと一緒にいた
将生の誕生日も過ぎて将生は彼女との交際期間記録を更新したと言って私を抱いた
もうその時にはイク事も覚えていて2人で会うときは殆どセックスしていた
私の誕生日や文化祭も終わって私の高校2年生の思い出は全部将生だった
お正月から付き合ってそろそろ1年も見えてきて、これがずっと続くんだと当たり前に思っていた頃、突然終わりが来た
その日将生は遅刻してきて昼休みに私のクラスに来ると「今日は一緒に帰ろう」と言った
その時の将生は何だか元気が無くて心配だったから午後の授業が早く終わって欲しいと思いながら放課後を待つ
「親が離婚する、俺は母親の田舎に行く」
自転車を押しながら2人で歩いていると急に将生からそんな話をされた
その後どんな話をしたのかは覚えていないけど、家に帰って一人でずっと泣いていた
今みたいに携帯も無くて、まだ17歳で離れ離れになるという事は別れるということだった
将生は三学期から引越し先の学校に編入することになって殆ど学校に来なくなった
お兄さんの所に残る事も考えたけど、やっぱり迷惑だからと母親に付いていくことを決めたと言っていた
私は彼の部屋で会っていたけど、もうどうしようもないことは分かっていて、でもそれでも少しでも永く一緒にいたかった
何度もセックスして2人で泣いた
将生が学校に来なくなって真由美や周りの友達は私を励ましてくれて何だか申し訳ないくらいだった
「アイツ、あんたには本気だから遠距離でもいいんじゃないの」
始めは将生と付き合うことにもいい顔をしなかった真由美も心配してくれるけど、会えなくなったら無理だとちゃんと分かっていた
離婚の理由は父親のアルコール依存と借金だと聞いた
何度か学校をサボって一日中将生の部屋で過ごしたけど、引っ越す日は確実に近づいてくる
「俺、卒業したら、とか約束する自信ない」
うん
少し傷ついたけど、私の為に正直な気持ちを言ってくれてるんだと思った
「でも、忘れないから」
うん
それで十分だと思う事にする
最後のクリスマスはバカみたいにはしゃいでいっぱいキスをした
でもセックスはしなかった
こんなドラマや漫画みたいな事が自分に起こるなんてまだ現実味がない
冬休みのはじめ、今までの事が夢みたいに将生はいなくなった
お正月に年賀状が届いて住所が分かったから返事を送った
冬休みは部屋に篭って泣いて過ごして真由美や友達がたまに訪ねてきてくれた
泣きすぎてこのまま死んでしまうかと思ったけど人間は思っているより丈夫に出来ているらしい
だんだん泣く時間が減って将生との手紙のやり取りもいつの間にか無くなった
寂しかったけど、将生の事だから新しい学校でも友達がたくさん出来たんだろうなと思えた
春が来て3年生になった頃、夜に一人で泣くことも無くなっていた
木曜日、夜に龍成と会う約束をしていたけど朝から休みだったから掃除をしながら高校生の頃の話を更新した
ちょっと懐かしい、切ない気持ちになりながらお風呂に入って出かける用意をする
鏡に写る自分は紛れもなく中年のオバサンで当然高校生じゃない
将生の姿は高校生の頃しか知らない
今、彼に会っても分からないかもしれないなと何となく思った
龍成からもうすぐ仕事先を出るとメールが来て慌てて部屋を出る
今日はビデオ屋の駐車場で待ち合わせするからついでに漫画の新刊を買いたい
気持ちを切り替えて車を走らせた
無事に目当ての本を買って雑誌を立ち読みしていると龍成から着信が来た
もしもし
「もしもしもうすぐ着くよ、今、手前の信号」
分かった車で待ってる
車に乗って本当にすぐ彼の車が見えた
私の車を見つけて手を振る龍成を見たら高校生の私はまた記憶の中に沈んでいった
やっぱり今、大切なのは彼なんだと改めて思う
「お疲れ様、待った?」
お疲れ様、本買ってたから、待ってないよ
私の車に乗り換えてホテルに直行する
もう、龍成とセックス出来る事しか頭になかった
「今日は休みだったんでしょ、何してたの?」
掃除、かな
嫉妬というものが分からなくても、初恋の子を思い出していた、と言ってはいけない事は経験から理解している
ただ私は龍成の彼女じゃなくて不倫相手だから彼がヤキモチを妬くかは分からないけど
せっかく今からセックスするのに面倒なことは避ける方がいいに決まっている
ホテル街のホテルは全て制覇したので、その日はその中でルームサービスが豊富な所を選んだ
ホテルの中に入って部屋を選ぶパネルの前に来ると
「今日は俺選びたい」
いつもは私が適当に選んでいるけど、別にこだわりがあるわけでも無いからどうぞ、と譲る
龍成の意図は分からないけどちょっと久しぶりのホテルだしテンション上がってるのかなと思った
部屋に入るとそこは鏡の舘
ベッドの周り三方が鏡になっている
今日はそういう気分なんだろうか
「シャワーどうする?」
私は、浴びてきた
「じゃあ俺、速攻行ってくる、汗かいたし」
ご飯、頼まないの?
「とりあえず一回してから」
じゃあ、シャワー待ってる
そう言って彼が服を脱ぐのを見ていて気付いた
そういえばこの前からクールビズとかでネクタイをしていない
密かに彼のスーツ姿を気に入っていた私としては少し物足りないなと思いながら自分も服を脱いだ
全裸でベッドに潜り込んでAVを付ける
丁度クライマックスらしく男優さんが激しく腰を振っている
そのビデオは中学生が喜びそうな細かいモザイクだった
結構形がはっきり分かるな
冷静に観察していると男優さんの顔が映った
えー、こんなオジサン絶対嫌だ
別に出演を依頼された訳でもないのに勝手にお断りする
そうしてるうちにバスルームから龍成が出てきた
まだ何もしていないのに彼の物がゆるく立ち上がってる事を突っ込むべきなのか考える
結果、気付いてないフリをした
「あ、またエッチなの見てる」
うん、オジサンが頑張ってる
「女の人ってこんなの見ないと思ってた」
あ、見るのは私が知ってる限りでは真由美だけかな
梨花は本当に巨乳が勿体ないけど性欲がないらしい
まだ二十代の後半、みんなで集まった時にちいちゃんやさくらたちも見ないと言っていて驚いた
私が見るようになったキッカケは離婚後初めて出来た彼が好きだったのと、自分のアソコが人と違うのが気になって観察をしたかったからだった
「興奮する?」
物によるよ、これはオジサンだから、やだ
「若い方がいい?」
うん
龍成がベッドに上がってきてキスしてくれる
龍成が、一番いいよ
私にしては気の利いたセリフだと心の中で自画自賛する
龍成は嬉しそうに笑って私を押し倒しながら深くキスをした
AVでは興奮しなかったけど、彼とはキスだけで興奮してアソコが熱くなるのがわかる
ん、キス、気持ちい、、、
独り言のように言うとまた唇が降りてきた
食べられてしまいそうな激しいキスを受けて胸も愛撫される
もう触られてないアソコはぐしょぐしょに濡れていた
龍成の物もさっき見た時より硬くなって私の脚や身体に当たっている
お互いに愛撫よりも挿入したいと分かって自然と彼の物を迎え入れた
「んっ」
すごく濡れていたから一気にズブっと入ってきて身体がずり上がる
それを止めながら自身を埋め込んだ彼も小さく声を上げた
あ、気持ちいい、中
「うん、奥まで入ってるよ、最高」
久しぶりのセックスの始まり
触られてもいない、指も入れられていない所にいきなり龍成の物が一番奥まで入ってきていつもよりキツく感じる
んん
「痛い?」
私の反応が気になったのか動きを止めて聞いてくれる
十分すぎるほど濡れているから痛くはない
フルフルと頭を横に振った
ただ何というかアソコもびっくりしているみたいに少しの違和感がある
龍成はゆっくり小刻みに腰を動かしながらキスをしたり乳首を愛撫してくれた
だんだん快感が違和感を上回っていつものように彼の物が私の中に馴染んでいくように感じる
「あ、いつもみたいに動いてきた」
龍成は何となくホッとした声でそう言うと少しずつ動きを激しくシフトしていった
私もいつも通り彼の物で思う存分感じる
少し久しぶりだったせいか1度目は私が行く前に龍成が中で出てしまった
「うぁー」
私を抱きしめながらなんとも言えない声を出した龍成はそれでも私の中から出ていこうとはしない
龍成、ごはん
始めにとりあえず一回すると言っていたから、ルームサービスを頼もうと思って声をかけた
エレベーターに海老フライフェアとポスターがあったから私は海老フライカレーを頼もうと決めている
また食べた後にすればいいと思ったんだけど、ご飯の話をしてしまったのはちょっと失敗だった
ギュッと両方の乳首を捻られて龍成が入ったままのアソコがキュウっと締まる
やっ
「まだ、ご飯なんて食べない、そんな事いう余裕ないくらいするから」
怒ってる感じじゃないけど本気だと分かった
中でみるみる硬さを取り戻した彼の物で奥を何度も突かれながら痛いくらいに乳首を捻られたり噛まれたりする
「久しぶりだからいっぱいイかせるよ」
2回イって脚がヒクヒクと痙攣している私に龍成が囁く
ん、や
「もうご飯のこととか考えられないよね」
立て続けに奥でイかされてまともに思考回路が働かない
「俺、久しぶりだったからすっごい楽しみで余裕なかったのに、未来は平気なんだ」
私の顔の汗や涙やヨダレ、色んなものを舐めながら龍成が拗ねたように言う
そんな、事、ない
私だって楽しみだったし、前戯なしでも少しでも早く彼を受け入れたかった
ただ本当にクールダウンしていたらご飯のことを思い出してポロッと聞いただけだったのに
龍成のセックスは何をされても気持ちいいけど、奥ばかり強く突いてイかされると意識が飛びそうになってしまう
またピストンが再開されて小さい悲鳴のような声が出る
ごめ、なさい
そんなつもりは無かったけど、彼を傷つけてしまったと思ったから揺さぶられながら彼の顔を見て謝った
龍成は少し驚いたように動きを止めて私を見下ろした
「あ、別に怒ってない、ちょっと、、、」
そう言うと私を抱きしめる
私も、ずっとこうしたかったよ
龍成を抱きしめ返してもう一度謝った
男の人は想像以上にデリケートだと過去の経験から分かっていたのに
私は自分が鈍感だからつい知らず知らずに相手を傷つけてしまう
心の中でもう一度彼に謝った
それからはいつも通り深く浅く私のいいところを丁寧に突いてくれて快感だけのセックスをしてくれた
バックの体位で背中にキスされながら乳首も思い切り押しつぶすように愛撫される
アソコが彼の物にしがみつくように動いてイってしまった
同時に彼の物も中でドクドクと脈打って精を放つ
膝で身体を支えるのが辛くてベチャッとうつ伏せに潰れると彼の物がズルッと抜けた
龍成
身体を捻って彼を見上げると名前を呼んだ
優しい顔でキスをしてくれて抱きしめてくれる
龍成、好き
彼の背中に腕を回すとじっとりと汗ばんでいる
しばらくそのまま抱きしめ合った
「未来、好きだ」
もう一度チュッとキスをして身体を離すと龍成は少し恥ずかしそうにごめんと言った
多分、拗ねて前半わざと荒っぽくした事に対してだと分かったけど、悪いのは私だから謝らなくてもいいのに、と思う
それに十分気持ちよかったし
「未来もずっとしてないのは入れた瞬間に分かった、キツかったし」
「でも俺、すぐイッちゃって、未来余裕でご飯とか言うし」
「ここ、真っ赤になってる、ごめんな」
そう言って大切そうに私の胸を撫でる
ううん、私が無神経だった、ゴメンね、でも、私も、ずっとしたかったよ
ただ龍成が私の中でイッた事で少し満足してしまったのかも知れない
2人で交互に謝って何となく照れくさい
「飯、頼もうか」
龍成が私を抱きしめて笑いながら聞いてくる
うん、と頷いてルームサービスを頼んだ
海老フライカレーを二つ頼んで来るまでのあいだに素早くシャワーを浴びた
アソコから龍成の出したものが出てきて太ももを流れる
この感覚が少し苦手だけど抜かずで出来るのは嬉しいからガマンして洗い流した
バスタオルを身体に巻き付けて部屋に戻ると龍成がAVを見ている
さっきとは違うものに変わっていて今度は若いお兄さんだ
女優さんは素人という設定らしい
興奮する?
「うーん、ちょっと面白いかも」
ベッドに上がって隣に座るとキスをする
龍成、シャワーは?
「最後に浴びる」
カレー待ちなのでそのままビデオ鑑賞する事にした
初めはやめてと言っていた女性が男優さんの下で喘いでいる
男優さんが「嫌がってたのにグチョグチョだよ」とか「腰動いてるよ、気持ちいいんでしょ」とか女性にいう
この人、龍成みたいに喋るね
「え!?俺、こんな感じ?」
うん、声とか喋り方は違うけど、私のアソコ、グチョグチョ、とか言うもん
「、、、あー、言うよな確かに」
他にも、中締まってる、とか実況する
「嫌?」
ううん、結構好き、興奮する
言葉責めされたのは龍成が初めてだけど、彼の声で耳元でエロい事を囁かれるとゾクゾクするのだと伝えると龍成の顔つきが変わって私の身体に巻き付いたバスタオルを外した
乳首に手を伸ばしてきてキスをする
龍成
「俺の声、好き?」
うん、大好き
「俺のセックスは?」
大好き
答えているだけで興奮してきてアソコも濡れていている
「俺、前はそんなに喋ったりしなかったと思う」
4年もしていないしそれ以前も奥さんと数えるくらいしかしていないから多分だけど、と付け加える
「でも未来見てると言いたくなるんだよな」
そういいながら乳首を優しくゆびで摘んで引っ張ったりする
ベッドの上に座ったままキスをしたり胸を愛撫されているけど、そのまま龍成は話を続けるから私はアソコがウズウズするけど我慢した
「未来の乳首、小さいけど硬くなってるね、色もいつもより赤い」
さっき、いっぱい、触ったから
「痛い?」
ちょっと、ヒリヒリする
そう言うと乳房をギュッと掴んで先っぽを口いっぱいに頬張った
元々貧弱な胸だからそうされると殆ど全部口の中に収まっているように見える
そのまま先端の乳首を舌で舐められて溜息みたいな声が出た
私の胸にむしゃぶりつく彼の頭を抱き込んで名前を呼ぶと顔をあげてキスしてくれる
「気持ちよさそうな顔してるね」
うん、気持ちいぃ
正座を崩したような座り方をしていた私の足を膝を立たせてM字に開かすとそっとアソコを撫でる
「もう、濡れてる見て」
そう言うとテレビと反対側に目線を写した
あ
そうだった今日の部屋は鏡ばりなんだ
小さい子にオシッコをさせるみたいに私の膝裏に腕を差し込んで身体ごと鏡の方に向けられる
「ね、凄くエロいでしょ」
後ろから耳元で龍成が囁く
「ちゃんと見て」
恥ずかしいけど何故か逆らえなくて鏡の中の自分の姿を見た
膝裏を持たれて脚を左右に開いているからアソコもパックリと口を開けていて中まで丸見えになっている
割れ目の両横が少しだけ盛り上がっていてそこだけ色が違う
中は赤くてそこから溢れでたもので濡れている
「エロいよね」
分かんない
「あ、ほら答えたら中がヒクってなった」
そんな事、ない
「触って」
言われてそっとアソコに手を伸ばす
ずっとウズウズしていたから1度触るとやめられなくて何度も割れ目を撫でた
「自分でしても気持ちいいの?」
うん、でもして欲しい
後ろの龍成を振り返ってキスをねだった
その時、キンコン、と部屋のチャイムが鳴ってルームサービスが届く
龍成は素早く立ち上がってパンツを履くと玄関に向かった
ドアの横の小窓からトレーが差し出される仕組みになっていて料金はチェックアウトの時にまとめて支払う
私は熱くなった身体を突然放り出されてベッドの上で彼を待った
「あ、途中だったね」
龍成は意地悪っぽくそう言うとまたベッドに上がってきた
うん、大丈夫、食べよ
「そんな顔で無理しなくていいよ」
どんな顔をしているのかと無意識に鏡ばりの壁の方を見ると普段見たことのない自分の顔があった
「イクまでしよう」
そっと私を押し倒すとキスをしながらアソコに指を這わす
その日初めて彼の指が入ってきて気持ちよくて震えた
「会ってない時、自分でしないの?」
しない、出来ない
「じゃあ今日はいっぱいしないとね」
指が増やされてグチャグチャとかき回される
もう、何も考えられない
アソコを指でかき回しながら龍成が耳元に話しかけてくる
「1人でしないの?」
うん
「どうして、こんなにイヤらしいのに」
ふ、や
「どうして?」
答えないと動きを止められる
できな、い、イケな、いか、ら
本当は元旦那との行為を思い出すのが怖いからだけどそんな事は言うつもりもないし余裕もない
「じゃあ、俺とする以外は何も無いの」
そ、う
答えながら指を動かして欲しくて勝手に腰が振れる
満足したのかキスをしてくれて指の動きを再開させてくれた
「気持ちいい?」
う、ん
「胸、自分で触って」
言われて両方の乳首をさするように指で転がす
ん、はぁ
「凄く締め付けてくる、乳首好きだね」
言われなくても自分のアソコが彼の指を締め付けてだらしなく液を垂れ流してるのがわかる
だんだん高ぶってきて乳首への愛撫もキツくなってしまう
「あ、イきそうだね」
私の様子を見た龍成は楽しそうに耳元で囁く
その声に煽られて自分の乳首を思い切り捻ってイってしまった
アソコはしばらくヒクヒクして彼の指を締め付ける
そのあいだ龍成は優しくキスを繰り返して私を抱きしめた
そっと指が引き抜かれて深い溜息が出る
「凄くエロかったよ」
「未来愛してる」
キスを繰り返しながら身体の汗や体液を綺麗にしてくれる
動くのが辛くて彼にされるがままになった
しばらくぼぅっと余韻に浸っているとだんだん頭がクリアになってくる
正気に戻ると色々凄く恥ずかしい
1人で羞恥心に悶えていると龍成が冷蔵庫からお水を持ってきてくれた
彼の物はパンツの上からでもはっきり分かるくらい立ち上がっている
龍成は自分がイクより私をイかせたくて私が指だけでイってしまったり、一度の挿入で何回もイクと堪らなく興奮するらしい
だから反対に自分だけイってしまうと凄く悔しいんだと前に言っていた
「落ち着いたら、カレー食おう」
水を飲む私の髪を指で梳かしながらそう言う彼の顔は優しくて私の事が愛おしいと目で言っているみたいだ
もしかしたら演技なのかも知れないけど、信じられるからどちらでも構わない
パンツとTシャツだけを着て冷めたカレーを食べた
「ポスターより海老フライ小さくない?」
大体、想定内だよ
「味は悪くないよね」
うん、美味しい
食べながら真由美の店の話や龍成の担当する物件でクレームがあったことなどを交互に話した
「オモチャ、持ってきた?」
それなりに美味しいカレーを食べ終えて、もう一回するのかしらと微妙な雰囲気になった時、龍成が切り出した
うん、メール来てたから
前日のメールで「オモチャ必須」となっていたのでポーチに入れて持ってきている
カバンからポーチを取り出しながらピンと閃いた
この部屋を選んでオモチャの催促、もしかしたら今日は羞恥プレイなんじゃないだろうか
そういえばさっきもアソコを見せられて触るように言われた
嫌な予感は多分正解だけど何故か少し興奮している
いくら身体が柔らかくても正面から挿入している所を鏡に移すのは難しい
龍成に後ろ向きに跨って脚を開けば私からは丸見えになるし、それは前に一度だけされたこともある
でも彼からは見えにくいと思う
他にも私が見るためだけの体位なら何とでもなるけど龍成はそれを見る私の反応を見たいんだろう
だから、オモチャなんだろうか
自分のアソコいっぱいに太いものをくわえ込んでお尻まで体液を垂れ流す様は結婚している時にさんざん見せつけられているけど見慣れるものじゃない
でも恥ずかしいのに興奮して感じる自分がいるのも知っている
内心ドキドキしながら龍成にポーチを手渡した
「おいで」
先にベッドの方へ向かった龍成が笑顔で私を呼ぶ
その爽やかな笑顔からは今からするであろうプレイなんてとても想像出来ない
そのギャップにも期待と不安が高まる
龍成もいつも私にベッドでの私は別人みたいで普段からは想像出来ないと言うから人はキャップという物に弱いのかも知れない
服をソファに脱ぎ捨てて彼の元へいくと私からキスをした
「未来アソコ見せて」
座ったまま膝を立てて脚を広げるとアソコが良く見えるように前に突き出す
「やっぱりもう濡れてる」
うん、、、
アソコに龍成の、指が伸びてきてドキドキした
早く触って欲しい
クチュっと指を入れられて短い声が出る
「本当にイヤラシイな、こんなに可愛いのにこんなに濡らして」
う、あ
指でアソコを刺激されて膝が震える
オモチャを手にした龍成が背後に回り込んできて指を引き抜くと代わりにオモチャを入口にあてた
龍成が後ろに行ってしまったので目の前は一面の鏡
アソコにオモチャの感触を感じてキュッと目を閉じた
「あ、ちゃんと目開けて」
すぐに見つかって指摘される
やだ
「ほら、未来の綺麗なここにオモチャ入れるとこ見ないと」
そういうプレイだと分かっているし興奮もしている
観念して目を開けると鏡越しに嬉しそうな彼の顔があった
「ほら入れるよ」
そう言ってオモチャの先を割れ目の中に進めるとクプッと入口をくぐらせた
あっ
指とも彼の物とも違う感じがする
恥ずかしいけど見ろと言われてるから目が話せない
私のアソコに黒い物が突き刺さっている
い、や
「嘘つきだね、こんなにキツくくわえ込んでお尻まで濡れてるよ」
ビショビショに濡れたアソコはズブズブと難なくそれを飲み込んでいく
龍成は私の手を取ってオモチャを握らせた
「して」
後ろから両脚を開くように固定されて耳元で命令される
もう逆らう事は出来なくてそうっと手の中のそれを動かし始めた
う、ん、あぁ
クチュクチュと音が立って鏡の中の動きと自分が感じる快感がリンクする
耳を噛んだり舐めたりされてその度にアソコがオモチャを締め付けた
りゅ、せい
首を捻ってキスを強請る
激しい口付けに夢中になって手が疎かになった
「未来、手が止まってるよ」
あ、うん
叱られてまた出し入れを再開する
「未来の小さいからオモチャが凄く大きく見えるだろ」
後ろから聞こえる声がひどく欲情しているのが分かって凄く興奮する
背中や耳に口付けを受けながらオモチャで自分のアソコを慰める
上の方にいいところがあってそこに当たるとイキそうになってしまうけど、オモチャでイクのは嫌だ
それが過去のトラウマからなのか性癖なのかは分からないけどイってしまった後に泣きたくなってしまう
龍成、も、むり
「ん、イきそう?」
龍成は私の嫌がる事は絶対にしないからここでオモチャで無理やりイかせたりはしない
そっと引き抜いて今度は右横に来ると私の脚を持ち上げて肩に担ぐようにした
「見える?」
鏡には私のアソコとすぐ近くに彼の物が写っている
うん
「入れて欲しい?」
うん、ほしい
「どこに?」
ここ、、、
「ちゃんと言って分からないから」
や、ここ
何故かそれだけは昔から言えなくてでも早くイかせて欲しいから自分の割れ目を指で開いて催促した
鏡には中の赤い粘膜まで写っている
「まぁ、いいや」
一応満足してくれたのか楽しそうにそう言うと挿入してくれた
斜め下からの挿入で奥まで届かないけどいいところにちょうど一番太い部分が当たってひどく気持ちいい
あ、うんっ
「ほらちゃんと見て何が入ってる?」
龍成、の
「俺の何?」
りゅう、せいの
言えない
でも彼に話しかけられて答える度にゾクゾクしてしまう
挿入してもらってほんの少しで絶頂を迎えた
荒い息をしながら龍成を見上げるとまだイってないのに満足そうに微笑んでいる
「未来」
名前を呼ばれて抱きしめられた
それからは命令されたりする事もなく正上位でたくさんキスをしながら深く浅く私の好きな動きで徐々に高めてくれる
「未来可愛い」
「愛してる」
キスの合い間に囁かれてその度にアソコが喜んでるみたいにキュウっと締まる
あ、いく、いや
彼の腕にしがみついてガクガクと震えながら何度目かの絶頂を迎えると中で龍成の物も精を放った
すぐには抜かずに中をかき回すようにグチュグチュと腰を動かして余韻を味わう
「中で俺のと未来のが混ざってるね」
うぅ、グチョグチョだよ
「エロくていいよ」
あ、いや
また再開しそうな動きになってきたから抗議する
流石にこれ以上すると翌日にひびくし羞恥プレイが長かったから時間も遅い
龍成は一瞬だけ動きを止めたけどニカッと笑うと引き抜くフリをして一番奥まで突き入れてきた
やっ
ほんの少し柔らかくなっていた物が見る見る中で硬くなっていく
「無理、まだ足りない、おかわり」
そう言うと楽しそうに腰を振り出した
やー、も、やだ
抵抗して龍成の下から抜け出そうとするけど本気で嫌じゃないから楽に押さえ込まれる
だって気持ちいいのはいいから
私だって翌日の事を考えなくていいなら一晩中だって繋がっていたい
龍成は私が本当に嫌な事はしないから形だけの抵抗だとバレている
突き入れられて乳首を噛まれて何度もイった
最後はバックで揺さぶられていたけど、もう腕で身体を支えることも出来なくて膝もガクガク震えていた
しばらく放心して身体のダルさと闘っているとちょっと申し訳なさそうな顔をした龍成がシャワーから出てきた
「大丈夫?泊まる?」
帰るよ、もう服着るから
龍成は流石に反省したのか洗面所でタオルを濡らしてきてくれて私の身体を拭いてくれた
サッパリしたので思い切って身体を起こすと下着を着ける
「エロかったからちょっとやり過ぎた、ごめん」
そう言って私を抱きしめるけど、彼は満足そうだ
ん、私も別に、嫌じゃなかったよ
ただやっぱり歳には勝てない
何回イったか覚えてないけど最後は立て続けにイカさてちょっと死ぬかと思った
なんとか身なりを整えて車に乗り込む
まだこれから運転して家に帰るのだと改めて思うとゲンナリした
「どうしたの機嫌悪い?」
いつも以上に口数の少ない私を見て龍成が聞いてくるけど、自業自得だから彼に当たることも出来ない
ごめん、眠いだけ
「未来、今度また買い物行きたい」
うん、どこ?
「大人のオモチャ、売ってるとこ」
新しいオモチャ、欲しいの?
私的には今のオモチャは龍成のに似ていてお気に入りだけど、どんなのが欲しいんだろう
「首輪、とか売ってるかな」
え?
「首輪、未来似合うと思うんだけど嫌?」
どうして、首輪?
実は離婚後初カレはコスプレマニアだったからネコ耳首輪、後はお尻から生えるシッポを付けられたりしていた
シッポはまあ、お尻用のオモチャの先がシッポになっている物だ
普通に売っているものか彼の自作だったのかは知らない
思わず昔を思い出す
龍成はどこに向かってるんだろう
主です
ひと段落したので新しいスレに移ります
私の面白くもない日常と彼との事を飽きもせずに書いていこうと思っていますので、お暇な方は引き続きよろしくお願いします
新スレ「バツイチ40歳だけど」
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感想スレ
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