禁断の恋
私はここに今まであった出来事を綴ろうと思う。
こんな不思議な出逢いなんて、なかなかないだろうから。
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美優は目を閉じた。
ズルッ ズルッ
でも…おかしいよね?こんな時間だよ?
なんか…だんだん私の部屋に近付いてる気がするし。
美優の住んでいるアパートは古く、2階には4部屋あり、美優は一番奥の角部屋に住んでいる。
気のせいかな?気のせいなんかじゃないよね?やっぱり近付いてきてるよ…
美優は耳をすませる。
何かを引きずっているような音が、美優の部屋の前で止まった。
とっとまった?
また外は静寂に包まれた。
幻聴だったのかなぁ?最近疲れてるしね…
再び寝ようと、体制を変えた瞬間
ガチャガチャガチャガチャ
えっ?こっ今度は、なんなの?もういや…
美優の部屋のドアノブであろうものが激しくまわされ始めた。
ガチャガチャガチャ
「あっそろそろ朝だからか!!」
「だからさ、それよか足どけろ。」
「えっ?あーごめんなさい。私は、田中 美優。よろしくね?」
美優はベットの上に足を乗せた。
幽霊は身体を起こし、胡座をかいて美優を見つめた。
「えっ?私…あとなんかしましたか?」
「…してない。」
「よかったぁ。貴方のお名前は?あっ男の人ですよね?」
「名前が…思い出せない。それに…なんで俺はここにいるのかとか、決まった場所にしかいけないとか…あと、殆どの奴に話しかけても反応してくれない。ごくたまに、目が合う奴がいるけど、あからさまに俺を避けるだよな。」
「そっか…大変なんだね。幽霊ってさ。」
「俺ってやっぱり死んでんの?…死んでるに決まってるか…。俺の身体すり抜けるんだもんな。」
「すり抜ける…?」
「なんでダメなの?」
「上目遣いしたってダメに決まってるでしょ?貴方は子供じゃないんだから。そもそも幽霊なんだからお風呂なんか入んないで、成仏したらどうなの?」
「オネェチャン…」
「貴方のお姉ちゃんになった覚えもないから。」
「えーん。」
「えっ?ごっごめん言い過ぎちゃったね。…でもそっち風呂場だからあっちいって。」
バタンッ
美優は自称男の子を風呂場から追い出すと、溜め息をついた。
はぁ。なんなの?一体私はどうしちゃったの?
どうなってしまうの?
でも…あの人私の事助けてくれた…
妄想?それとも現実?どっちなの?
「うーん…現実だよ。きっとキミなら大丈夫。受け入れられるよ。」
「ふえっ?!」
美優はブラウスのボタンを外す手を止めた。
えっ…
「ちょっ…ちょっとなに入ってきてるの?ダメっていったじゃん?てか何処にいるのよ?」
「あーごめんごめん。上!上だよ!上にいるよ?」
「ちょっ!!」
「悩んでたみたいだからさ、なんか自分に出来る事がないかなぁーって思って…」
「あのさぁ。それ覗きだよ?立派な犯罪。それも、貴方のせいで悩んでるの!!貴方が私の周りから居なくなってくれれば解決するの!!」
「だって少し…少しだけ見たかったんだもん。ケチ…だね。」
「なによ?!ケチって!!私はまだ、男に裸見せた時ないの!!」
「え?オネェチャンって男と付き合ったこともないバージンなの?」
「付き合った数は自慢じゃないけど、多いよ。でも運命の相手には出逢えなかったからなの。やっぱりそういうのは、心から好きになった人としたいし…というか、私と貴方は同い年だからお姉ちゃんじゃない!!」
「へぇー。なるほど。というか、さっきブツブツ言ってたじゃん?25なのに、四十肩なの?ってさ。まぁここは男が優しくリードしないとだよな?」
「てかなんで?なんで、頭の中で考えてる事が分かるの?ほんとヤダ。やめてよ?」
「なんでだろうね?…ん?!えっ?!」
自称男の子の身体が透け始めた。
男は借りたTシャツに手を入れるが、小さくて着れそうにない。
「ねぇ…。大きくなっていきゃめんになったボクには…このTシャツ小さすぎるよ。それともこれって…羞恥プレイですか?ボクの本質を分かってますね?もっともっとしてくだ…」
「いきゃめんってなによ?!いきゃめんって!!なんかイラッとするし、プレイでもなんでもないから。でも…どうしよう。男物なんてないし、もうこんな時間だし…だからと言って裸はちょっと…てか、ここに今日泊まらせるの?おかしいよね?…うん。絶対おかしい。」
「俺は、このまま裸でいいよ?そもそもパンツも無いわけだし。」
数秒、美優は頭をフル回転させた。
「あぁっ!!パンツはある!パンツは!!防犯用に買った奴!!よかったね?」
「俺はそんなもの身に付けなくてもいい。そう…ありのままで。なぁ?変なこといっていい?」
「履いて!!もうこれ以上、変なこと言わないで?」
「後ろ見ろよ。後ろ。」
「…後ろ?」
美優は急いでお風呂に入り終わり、ドライヤーで髪を乾かしている。
この様子も誰かに見られてる?
通行人…通行人って一体…
アイツのことは見えたのに、なんで見えないんだろう?
うーん。わからない。
というか、生身の人間?になったし…
そういえば…今なにしてんだろ?
美優はそっーとドアを開き、部屋の様子を伺った。
ん?あっ!私の布団にくるまってる!!
美優は急いで男の方へ向かった。
「勝手に使わないで……よ?」
あれ?寝てる?
男はすやすやと寝ている。
こう見ると…案外かっこいいかも…
いやいや、そこじゃない。
「ねぇ起きてよ?」
美優は布団をめくった
ふあっ?!むっ胸板が…完璧だ…完璧すぎるぅ!!
だっだめっ!!これじゃ私も犯罪者になってしまう…
美優は慌てて周りを見て布団をもとに戻した。
よしっ大丈夫。うん。大丈夫。
「なにしてんの?襲ってんの?」
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