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子供の頃の話
No.102 2018/06/02 15:31
匿名さん ( 41 ♀ )
あ+あ-
★
「ごめん……」
渡瀬くんが何故怒ったのか、私は単純に『馴れ馴れしく触ったから』だと思った。
けれどそれだけではないのに気付いたのは暫く経ってからだった。
渡瀬くんの隣の席になってから、渡瀬くんが大分前から悪口や嫌がらせを受けていたのが何となく分かってきた。
席替えの後、授業が始まっても渡瀬くんは教科書もノートも、筆記用具すらも机から出さない。
渡瀬くんは下を向いたままだ。
「??渡瀬…くん、じゅぎょうはじまってるよ?」
「…………」
「?教科書とか忘れたん?いっしょに見る?」
「…………うるせー」
「???」
「…………」
(なんだ??)
「こら!渡瀬!教科書とかノート出せ!」
先生が黒板前から大きな声で渡瀬くんを叱ると、クラスの数人がクスクスと笑うのが聞こえた。
渋々といった感じで机の中から渡瀬くんが取り出した教科書は、まだ六年生になって半年程度だというのに既にボロボロだった。
どうやら水に一度濡れて乾かした様な教科書を見て、(雨でぬれちゃったのかな?)と思ったが違ったみたいだ。
渡瀬くんが教科書を出したのを見た先生は、また普通(?)に授業に戻った。
渡瀬くんは机に置いた教科書をじっと見たままやっぱり動かない。
なんだか気持ちがざわついた。
(……なんだこれ……、なんなんだ………)
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