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No.159 2018/09/28 23:54
匿名さん ( 41 ♀ )
あ+あ-



「なにー?」

「いーから、こっちこっち。ちょい来て」

水筒を手に男子達を呼んだ。

「なに?どしたの?」

7人で輪になる。

「へへへ♪白田さん、ちょいそのコップ出して?」

「??」

白田さんの差し出したコップに水筒の中から上手く氷をふたつ落とす。

「わっ!えっ!?氷!?」

「へへ~♪みんなも氷ほしい?」

「ほしいっ!」「おれも!」「ちょーだい!ちょーだい!」

一気に騒がしくなった。



「住吉」さんだけは騒ぎには乗ってこず、氷入りのお茶を嬉しそうに飲む皆を見ているだけだ。

「えーと……いらない?冷たくておいしーよ?つかれ取れるんじゃないかな」

「住吉」さんにも声を掛ける。

「………おなかいたくならないかな」

やはりか細い声で答えた「住吉」さんに

「だいじょぶっしょ。氷いっことかならさ」

と私。

「住吉」さんは少し考えて

「……じゃあちょっとだけ……」

と自分のコップを渡してきた。




「はらへったー!!」

田口くんが空を仰いで言う。

「なぁ、おべんとーたべない?」

そう言う田口くんに

「とっといたほーがよくない?」

(まだもどれるかもわかんないし)

と思った事の前半だけを伝える。

「……うーん……ガマンするわ……」

残念そうな田口くん。

田口くんは田口くんなりに似たような事を考えていたのかも知れない。

(今日中に帰れっかな……)

けれど氷入りのお茶のおかげか、皆の顔つきは明るくなっていた。

(氷入れてきて良かったな)

もう誰が悪いとかで揉める事もなさそうだ。

ほっ、と小さく息を吐いた。

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