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No.211 2019/11/07 01:25
匿名さん ( 42 ♀ )
あ+あ-



水筒から少し溶けた氷をプラスチックのコップに入れ立ち上がった。

加藤さんの所へ…は行かず、談笑をしている皆の端に座っている女子の元へ向かう。

「まっちゃん、ちょっといい?」

町田(まちだ)さんに声を掛けた。

「ん?なあに?」

「うん、あのね、いっしょにかとーさんとこ来てくんないかな」

「??加藤さん?うん、いいよ~」

立ち上がった町田さんと加藤さんのいる部室中央ベランダ側の席に向かった。



「かとーさん」

加藤さんはチ一瞬チラリとこちらを見るとまた目を反らす。

「今日もあっついねー。これさ、よかったら氷あげる~」

私は手にしたコップを加藤さんの机に置いた。

「アッキー氷みんなにくれたんだよー。おいしいよー」

と町田さん。

机の上に置いたコップをじっ…と見た加藤さんは少しの間無言でいたが、喉の渇きには勝てなかったらしい。

「……ありがと」

「ううん♪コップ返すのいつでもいいからね~」

「……うん」

「ねえ、加藤さん」

町田さんが声を掛ける。

「よかったらさ、みんなのとここない?ここ暑いでしょ。向こう涼しいよ?」

「………うるさいの嫌いなの」

(ああ、やっぱりな)

そうだと思っていた私は

「まぁさ、とりあえず氷たべたら?で、気がむいたらこっちおいでよ。まっちゃんもいるしさ、ね?」

そう言って加藤さんの席から離れまた皆の元に戻った。


町田さんを連れていったのには理由があった。

町田さんと私と加藤さんは同じ小学校の卒業生だ。

加藤さんがひとりで行動する様になるまでは私と町田さんと加藤さんは部活帰りは一瞬に帰っていた。

加藤さんと町田さんの身長は同じ位の高さで二人とも目線の高さがだいたい同じ。

どことなく町田さんも加藤さんと似たような雰囲気だが、町田さんは物腰が柔らかく優しい。

部内でも背の高い加藤さんと町田さんの相性は私から見ても合っている気がしていた。


とりあえず加藤さんにコップを渡して

(今日はこれでよし)

と思った。

勝負は明日だ。

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