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No.213 2019/12/06 03:35
匿名さん ( 43 ♀ )
あ+あ-



春休み最後の日の朝。

昨日と同じく水筒に麦茶を仕込む。

同じくとは言っても今日は氷は昨日の様にみっしりとは入れず、その分麦茶は多め。

それでも十分誰かに分けられるほどの氷の量だ。

一応家を出る前にまた天気予報をチェックしてから学校へ向かった。



午前中、いつもと変わらず発声練習から始まりエチュードを繰り返す。

その間も加藤さんは部活中央、ベランダ側に寄せたイスに座り発声練習とエチュード中以外はひとりのままだった。


12時になってお昼休み。

加藤さんを除く私達1年生はまた部室前方の席に集まり、それぞれ暑い暑いと言いながら水筒とお弁当を取り出す。

1年生の一人、黒山(くろやま)さんが

「あのね、昨日アッキーが氷くれたじゃん?私、マネして氷入れてきちゃったー」

そう言うと他の何人かも

「あー!私も入れてきたー」「えっ?みんなも?私も氷入りにしちゃったぁ」

と笑う。

集まっている内の7人中、私を含めて5人が氷入りのお茶を持ってきていた。

「あはは♪今日もあついしね~。氷サイコーだよね♪」

私もそう言って笑った。



お昼ごはんを食べながらおしゃべりをする。

その間、私はチラチラと廊下側の壁の柱にかかっている時計を見ていた。

(25分…じゃちょっとはやいかな。35分くらいか)

時計は12時20分を指している。

(あと15分したらいくか)



時計の長針が35分を指す前に昨日と同じ様にプラスチックのコップに氷を入れる。

昨日は3個入れたが今日は1個。

時間を確認して立ち上がり、コップを手にして加藤さんの所へ一人で向かった。

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