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No.214 2019/12/20 21:56
匿名さん ( 43 ♀ )
あ+あ-



一個だけ氷を入れたコップを手にして加藤さんの所へ向かった。

「かとーさん」

加藤さんは返事はしてくれなかったがそのまま続けて話し掛ける。

「コレ、氷また持ってきたんだー。あげる♪」

そう言って加藤さんの座っている席の机にコップを置いた。

「…………ありがと」

やっと加藤さんが声を出してくれた。

「かとーさん、ちょっと前すわっていい?」

コップに口を付ける加藤さんの答えを待たずにイスに座った。

「昨日もあつかったけど今日もすんごくあついねー」

「…………うん」

「ここ、よけいあついっしょ」

「……………」

氷を口に含んだ加藤さんは少し下を向いて何かを言いたげにしている。

「ね、前こない?」

直球どストレートに加藤さんに言った。

「かとーさんさ、なにか思ってることたくさんあるんじゃない?私きくよー。それにまっちゃんもいるしさ、私らんとこおいでよ」

「……………」

「もし私にはなすのイヤならまっちゃんならきいてくれると思うよ。色々かとーさんたまってるでしょ」

口に含んだ氷を噛み砕いて飲み込んだ加藤さんは

「………まっちゃんか………」

と呟く。

「まっちゃんさ、優しいよねー」

「…………うん」

「ね、氷もっといらない?むこうにまだあるし、まっちゃんとこ行ってさ、一緒にちょっと話しよーよ。ね?」

「………………」

何か考えている加藤さんに

「ねっ?まっちゃんとこいこ?」

と言って立ち上がった。

「ね、かとーさん、いこ?」

無言のまま加藤さんもゆっくりと立ち上がる。

(よっしゃ!キタ!)

「…………今だけだから。行くの」

「うん、それでもいいよ♪きてきて♪」

チラリと柱に掛かっている時計を見る。

12時40分を少し過ぎていた。

(ちょうどいいかな)

お昼休み終わりまで後少しだ。

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