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子供の頃の話
No.44 2018/04/14 07:36
匿名さん ( 41 ♀ )
あ+あ-
★
母の入院が決まる少し前。
変わらず私は授業もそっちのけで物の名前や形を考え続けていた。
三年生になって授業は大分進んでいたのだが、私は全く何も聞いていないし見ていなかった。
算数の授業中だった。
先生に急に「高木、この問題わかるか?」と言われてハッとした。
名指しで呼ばれて立ち上がったが、何が何だか分からない。
「えっ……と、時間が…30分?で……、1?キロメートルだから……、3?2?回で………えっと……」
分かりませんと何故だか言えず黙りこくってしまったら、クラスに爆笑が起こった。
下を向く私に「うん、高木、言いたい事は大体分かるんだけどな、ちゃんと授業聞こうな」と先生も笑いながら言う。
座っていいと言われて注目からは外れたけれど、恥ずかしくて堪らなかった。
完全に落ちこぼれになっていた。
暫く、
自分が全く授業を聞いていなかった事。
授業の内容がさっぱり分からない事。
みんなに笑われた事。
が恥ずかしくて、また授業中先生に指されて答えられなかったらどうしようとビクビクする様になった。
ただ、やっぱりこのままではマズいと思い、家で勉強を始めた。
しかし教科書やノートを見ても何が何だかさっぱりだった。
そりゃそうだ、授業を聞いていないしノートに何も書いていないのだから。
どうしても問題の意味も答えも分からないので、「そうだ!お母さんに教えてもらおう!」と居間にいる母に声を掛けた。
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