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No.96 2018/05/20 08:51
匿名さん ( 41 ♀ )
あ+あ-



「えっ?好きなんじゃないの?小嶋と付き合ってるんでしょ?」

「………つ、付き合ってないよ……」

「えっ、好きじゃないの?」

「………そういうんじゃ………」

なんだか頭がクラクラした。

(好きじゃないとかじゃない。けど……)

「そこ!!喋るな!練習!!」

先生に注意されてしまい、また私は前を向いた。

(ヤバい、好きじゃないって言っちゃった……、ヤバい……)



次の塾の日、小嶋くんは教室に現れなかった。

(またサボりかな)と思ったが、小嶋くんはその次も、またその次の回も塾に来なかった。

さすがにおかしいと思い、授業が終わってから先生に聞いた。

「あの、先生…。小嶋カゼひいたとかですか?来てないけど…」

「ああ、小嶋君、先週辞めたんだよ」

「!?え、なんで!?」

「お家の人から電話が来て、小嶋君が辞めたいって言ったらしくて。元々やる気も無かったみたいだし、仕方ないね」

「……………!!」



それから二度と小嶋くんに会う事は無かった。

私にとってあれが初恋だったのかどうか、正直今でも分からない。

けれど小嶋くんが塾を辞めてから暫くの間、なんて私は馬鹿なんだろう、と自分を責めた。



あの時、土屋さんに聞かれて

「うん、小嶋のこと好きだよ」

と言っていたら。

いくらそんな風に考えてももう取り返しは付かないし、小嶋くんを酷く傷付けたのもどうにも出来なかった。


段々とそろばんがつまらなくなってきた。

塾をサボる様になった。

2級の試験を受けたが落ちた。

そうしている内に六年生になった。

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