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黒百合女学院中等部 恋の時間割

No.106 2019/03/03 02:34
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-

≫105

「瞬お兄ちゃんは女心がわかってるようでわかってないのね」

呆れた顔で真鍋に嫌みを言ってるのは、バレンタインに瞬が傷つけてしまった一回り下の女の子のあおい、そのあおいの従姉で、たまたまあおいのお家の道場に八極夜戦刀の練習に来ていた紫蘭だ。

この紫蘭は女子高生ながら居合いなどの刀術を学び、そこらのチンピラなんかナメきっている女丈夫だ。事実、何人かを凸凹にしている。

真鍋があおいの祖父から八極拳をだいたい学び終え、今は崑圄剣を学ぶ関係で親しい。

まあ、もともと遠戚の幼なじみだからでもあるが。



そんな紫蘭がため息をつきながら言う。

「ねえ、瞬お兄ちゃん、知ってる?」

「あおいはねえ、このまま黒百合の初等部から中等部に行ったら、女子校で男の子を知らずに緑お姉ちゃんみたいなエロ同人女になっちゃう!って言っててね」

「エスカレーターで行ける黒百合中等部じゃなく、共学の国立大付属の中等部に入学するんだ!って勉強してたのよ」

「瞬お兄ちゃんに相応しい知的な女の子になるんだ!って」

「黒百合だって誰もが羨む名門なのに」

「それにあおいは記憶力いいから、勉強しなくても黒百合では成績上位常連なのに。あおいは気まぐれで集中力続かないのに、自分で頬を叩きながらね」

「この前も苦手ってわけじゃないけど、集中力切れて投げ出したくなる算数教えて!ってうちに来てたの」

「瞬お兄ちゃんに似合う女の子になる!って頑張ってたのよ。勉強しなくても勉強できるあおいがね。」

「そんな一途なあおいに、しかもバレンタインに、瞬お兄ちゃんのためにケーキを作り直した最悪のタイミングで、バレンタインが嫌いになるほどモテたい!はないでしょ」

「もうあおいは瞬お兄ちゃんに気持ちは向いてないと思うわよ。」

「多分、もう、いつもあおいにアプローチしてる剛くんに気持ちが移るかも知れないわね。剛くん、わたしが見ても男らしくて格好よくなってるもの。それにあの子、つまらない冗談言わないし。」



「そんなぁ・・・まさかあおいに限って」

そう思ってるのが顔に出てる瞬に紫蘭はまたもため息する。

「それが嫌なら、女の子の日のひなまつりにあおいにプレゼントでも買って、ひたすら謝って、いつものあおいに戻ってくれ!と頼むことね」

「あおいが剛くんにバレンタインしても、剛くんがホワイトデーする前に」

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