黒百合女学院中等部 恋の時間割
No.109 2019/03/03 10:48
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-
ひなまつり三日前、待った先生は親友の真鍋に電話かけている。家に電話しても無駄だと思ったので、真鍋の職場の他県の塾にだ。
さすが有名進学塾だ。待たせることなくすぐに事務のお姉さんが出てくれた。コール音すら聞こえないかのような素早さだ。舌を巻く待った先生。
「あのう、わたくし黒百合女学院山手校初等部教師で六年生担任の松田ですが、そちらに真鍋先生いらっしゃいますか?。真鍋先生が学生時代にこちらの高等部で実習していた件で相談が・・・」
「実は中高等部も初等部と同じ敷地でして、生徒が卒業まえに、昼休憩に何度も遊んでくれたお礼に真鍋先生に会いたいと」
「それで一部生徒が他校に進路変更してるものですから。もし真鍋先生が休暇でこちらに戻られても会えないかも知れないと」
「そうでしたか。でも生憎、申し訳ありません、本日真鍋は休んでおります。真鍋自宅の番号お知らせしましょうか?」
「いえ、仕事上の教育職同士のお話ですので。卒業前の感謝会に来ていただけるようなら、そちら様のお仕事に影響あるでしょうから」
「わかりました。ではどうしましょう?」
「初等部卒業までは時間ありますので、クラスの感謝会はそちら様と真鍋先生の都合に合わせたく。真鍋先生が出勤しましたら、連絡いただきましたら」
「わかりました。こちらでも真鍋が時間とれるように手配いたします」
電話のあと、待った先生は初等部校長と中高等部の両校長に言う。
「これでよろしいですね?。相談しましたように、赤井が機嫌を直していれば真鍋に会わせる。そうでなかったら秘密裏に真鍋を高等部教師に採用する」
「赤井家は本学高額寄附者であり、その塾は生徒に人気です。しかも赤井は気まぐれに成績乱高下しても、学年トップクラスです」
「その赤井が学外の中等部への進学を断念したんです。赤井あおいの真鍋への恋を学校としては、間違いのない限り黙認する。いや、むしろ応援する」
「前例は赤井の長姉、高等部赤井藍子と真鍋の恋。藍子死後の赤井の次姉の中高等部の赤井緑との真鍋の恋」
「いずれも両者だけでなく、真鍋に関わる生徒の成績上昇がありました。目的は本学の偏差値維持のためで行くんですね?」
そのころ、真鍋は部屋にこもり悩んでいた。仕事には行くが心配で仕事どころではないので、この三日間、体調理由に休んでいた。
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