黒百合女学院中等部 恋の時間割
No.110 2019/03/05 18:49
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-
「ねえ!瞬ちゃんいるんでしょ!。寒いからドア開けてよ!」
そう言いながらドアを叩くのは、あおいの想い人、真鍋瞬の姉の真鍋果子だ。
娘の愛子を連れている。
たまたま瞬のアパート。と言っても、豪華な部類のアパートだがを、旅行の帰りに尋ねたのだ。手には実家に持ち帰るお土産袋をぶら下げている。
在宅がわかるほどに部屋の明かりが窓から漏れ、なにやら女性アイドルの歌声、テレビかコンポから聞こえている。
だがしかし、瞬は出ない。
無理もない、脱衣室のドアを隔てて、今はお風呂中だ。
痺れを切らした果子は、ハンドバッグをまさぐり、合い鍵を出して玄関を開けて中に入る。娘連れなのだ。寒がる愛娘に風邪をひかせるわけにはいかない。
と、そこに買ったばかりの髭剃りムースを忘れて、寝室に取りに行こうとする瞬が素っ裸で脱衣室から出てくる。
「きゃあー!」
と果子の悲鳴。最近、気分転換に髪を剃った瞬。しかも瞬が普段かけている眼鏡してないから、おまけに口髭が伸びた瞬を、ついつい他人と思いこんでの悲鳴だ。
「ご、ごめんなさい!部屋間違えましたっ!」
慌てて部屋から出ようとし、ドアのノブを掴もうとして、手の平に合い鍵があるのに気づく。
瞬は瞬で果子の悲鳴に
「あ、姉貴!。なんで勝手に入って来るんだよ!」
なんて言いつつ、慌ててベッド上のシャツを下半身に巻付ける。
「あんたが居留守するからよ!。全くもうっ!ビックリさせないでよね!」
「風呂入ってたんだよ!。それに、それは俺の台詞だ!」
お風呂と聞いた果子の娘の愛子が
「わたしも瞬おじちゃんとお風呂入るぅ!」
と言い出して聞かないものだから
「じゃあ悪いけど瞬、愛子お願いね」
そんなこの日はひな祭り二日前。
「ねえ瞬、明後日うちでひな祭りするの。緑もあおいも紫蘭も、とにかく、赤井家の皆さんが来るから、あんた明日は日曜日だから帰って来なさい」
愛子の服を脱がせながら瞬にそう言う、瞬の姉の果子。緑とあおいに気を利かせているのだ。もちろん弟の瞬にも。
注目の話題
おとなチャンネル 板一覧