黒百合女学院中等部 恋の時間割
No.120 2019/03/19 02:59
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-
赤井家の広いダイニングに、あおいの祖父と父を除く皆が揃う。もちろんお呼ばれの、美佐もゆかりもカネコもいるし、習い事で遅れてきた、みずきもちはるも、あおいに恋心の剛くんもいる。
本来はちらし寿司を予定した、あおいのママの桃子だが、美佐のママの美樹子から、美佐が今朝初潮を迎えたのを聞いてお赤飯だ。
鯛の塩焼きに様々なお刺身、はまぐりと海老の酒蒸し、鶏肉と卵と茸のお吸い物、春の和え物と春のお浸し、菱餅を模した和風のケーキにお持ち帰りの桜餅・・・。
社交の宴の、これまた赤井家の大広間と比べたら質素だが、それでも、あおいや同級生の初等部卒業祝いも兼ねたご馳走だ。
そんな中、姉の緑と従姉の紫蘭の代役で挨拶だけだが、社交に出て窮屈な思いで気疲れしたあおいはやけ食いに走る。
同学年でいちばん小さい体なのに、信じられぬスピードでお腹に納めていくあおいの、そんな食べっぷりに
「あおちゃんすごーい!男の子みたい!カッコイイ」
なんて、わけわからない感心しているちはるとみずき。そして性懲りもなく限界突破まで勢いのままに食べつくし
「苦しい!食べ過ぎたぁ!」
なんて後悔するあおい。
そしてあおいのお部屋に。最初は女の子らしい遊びに我慢して付き合っていた剛くん。でも、ちはるとみずきがトイレに立とうとすると、二人へいきなりのスカートめくり。
ついにキレたあおいにより当て身され、ベッドに縛り付けられてしまった哀れな剛くん。
「ねえ、コイツ何刑にする?」
「もちろんズボンずらし解剖ごっこでしょ」
そんなあおいと美佐に、剛くんラブなちはるとみずきは
「あおちゃん、アホは放置がいちばんよ。三日くらい縛っとけば?」
あおいの気まぐれな性格、コロコロ猫の瞳のように気分が変わるのを知っての、剛くんへの助け船だ。
「えーっ!ちはるぅ、みずきぃ、パンツ見られてゆるすの?」
不満なあおい。そんなあおいに頭のいいカネコはささやく。
「ねえ、あおちゃん、剛くんはわざとあおちゃんの気をひくためにしたんじゃない?。剛くんがまたスカートめくり始めたの、バレンタインからだよ。落ち込んでたあおちゃんを怒らせて元気にしたかったんじゃない?」
おやつを食べ終わるころ、あおいはカネコにささやく。
「わたし、剛くんを見直してみようかな?」
想い患いひな祭り
恋の決意の時間 完
注目の話題
おとなチャンネル 板一覧