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黒百合女学院中等部 恋の時間割

No.130 2019/04/12 04:07
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-

≫129

「あおいせんぱいと離れたくないよぉ!」

お受験合格したのだからと、叶わない一回り年上の想い人の真鍋瞬への片恋を諦めて「九つ上の姉の緑に彼をあげよう!」と、そう決意し

黒百合女学院初等部の卒業式にすら出ないつもりで、もう学校には通わないつもりで、教室の荷物を纏めていたあおいに、百合な片恋にそう涙を流しながら抱き着いて駄々をこねる雪穂。

「ねえ、雪穂ちゃん、あなた剛くんの従妹なんだから、剛くん家に遊びに来たら、いつでもわたしに逢えるじゃない!。だって剛くん家はわたしの家の真ん前なんだから!」

「これって、黒百合の他の女の子とは違う、わたしと雪穂ちゃんだけの特別な関係でしょ?。その印しに今から二人だけで秘密のエスケープしましょ」

そう雪穂を宥めたあおい。



そうして黒百合の初等部を抜け出し、あおいが雪穂と二人で潜り込んだのは

中高等部にもなると、遠方からの学生も存在するために設けられている黒百合女学院学生寮の一部屋。あおいが「お姉ちゃん!」と、いつも甘えている、高等部の倉橋しおり先輩のお部屋だ。

一足早く春休みになっている中高等部。

「しおり先輩!あおいです。お邪魔していいかしら?」

そうノックするあおいに

「あんた、悪い子ね。またエスケープ?」

自分だってエスケープ常習犯なのに、いや、だからこそ、そう微笑みながら

「いいわよ!入ってらっしゃい!」

とドアを開けたしおりは、一階の学生食堂備付けの巨大なる共用冷蔵庫から、ジュースとアイスを持って来てくれた。

「で、今日は如何なるわがままでのエスケープなのかな?」

「しおりお姉ちゃん、中等部のときの制服、貸してください」

しおりは初等部中等部のころはあおいのように、学校いちばんのちびな女の子で、高等部から一気に背が伸びたのだ。だからしおり先輩の制服ならわたしも雪穂ちゃんも着られるはず!。そう思うあおいの、今からゲームセンターに繰り出したい変装アイデアだったが

「ゴメンね、制服、緑先輩が同人資料に持ってったわ!。わたしの昔の私服なら貸すけど?どうする?。それともわたしが保護者になれば安全じゃない?」

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