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黒百合女学院中等部 恋の時間割

No.160 2019/04/23 19:42
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-

≫159

《片恋再燃と百合の再会と 中等部入学式の時間》

ここは黒百合女学院山手校の中高等部体育館前の渡り廊下。今は春休み中の4月1日だ。昼休憩を告げるチャイムはすでに鳴った後で、空を見上げてはため息を繰り返す、そんなあおい。

中等部入学説明会と制服購入に来たのだが、部活で来ていた仲良しの高等部のしおり先輩や従姉の紫蘭に中等部の白柳柑奈先輩と、よもやま話に夢中になってしまった。

その仲良し先輩方が部活顧問と昼食を買いに、購買のある本館茶話室に向かうのを見届けた時には

先日卒業した、初等部での仲良し七人娘は、それぞれ用があったらしく、さっさと帰ってしまった後で、自分は雨女なのに折り畳み傘を忘れてしまって、それでため息なのだ。それで

中高等部の他の仲良し先輩が来てくれないかな?。

なんて人頼みをしてるのだ。その時には小雨だった雨も、分刻みに段々と本降りになり、傘なしでは帰れそうにない。




「お前、あおいか?。なんでここにいるんだよ?」

そんなあおいの背後で声がする。男性の声だ。

先生方、まだ昼休憩じゃないの?。

そう思うあおい。そう、ここは女子校なのだ。存在する男は教師など少数の男性職員、納入などの業者、父兄くらいのもの。あおい以外は無人のはずの体育館なのに・・・

怖々と声の主を振り返るあおい。

そこには、女子校だから男性はいないはず。そんな意味とは違う意味で、そこにいないはずの男が立っていた。

「お兄ちゃん?。なんでここにいるのよ?。女子校だよ?。いけないんだ!忍び込んだらダメよ!。それに声が変!風邪ひいてるの?」

そう、声の主は

あおいの一回り年上の遠戚で、九つ上の緑お姉ちゃんの婚約者で、県外の塾で人気講師の、そしてあおいの初恋の相手で片恋を諦めようとした、その真鍋瞬お兄ちゃんだ。

「ん?。ちょっと風邪でな。てか忍び込んだんじゃねえ!。俺は今日から高等部教師なんだよ!。つか、あおい、お前、国立附属に入るんじゃないのか?」

そんな瞬お兄ちゃんにあおいは

「うーんとねえ、国立行きたかったんだけどぉ、初等部の待った先生がね、わたしがいなくなると淋しい!って泣くから、それで黒百合に残ったの」

「それで入学てか進学つか進級?。その説明会と制服買いに来てるのよ。それよりお兄ちゃんっ!。それならそうと、なんで教えてくれなかったのよ!」

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