黒百合女学院中等部 恋の時間割
No.166 2019/05/04 22:05
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-
あおいの広げるシートに桜の下に腰を下ろし、あおいの持ってきた弁当に箸を伸ばす真鍋瞬先生。これと同じ光景は何年か前に・・・
🎵キーンコーンカーンコーン🎵
チャイムが鳴る。ここは数年前の黒百合女学院高等部の教室。一時間目の授業に植竹桂先生がクラスの戸を開けて入ってくる。それに続いて入って来たのは
教育実習の真鍋瞬だ。それを見て
「お兄ちゃん!なんで?」
思いがけぬ驚きに、つい立ち上がり、植竹桂先生による実習生紹介を待たずにそう言ってるのは、まだ高校生だった、あおいの姉の緑だ。
「お兄ちゃん、なんで黒川学院高校じゃなくうちに?」
「いやぁ、黒川は黒百合の系列から離れただろ?。でも俺はあおいのこともあるしで、黒百合の教師志望だからさ。でも話のわかる教授で助かったよ」
そして、この話は緑からあおいの従妹の、まだ中等部だった紫蘭に、そして紫蘭の口から初等部の、ママに習い料理を始めたばかりのあおいに・・・
あのときもこうして皆でお弁当を。
去年の今ごろも黒百合の採用面接の案内はあったけど、臨時採用だったため黒百合には就職はしなかった真鍋だ。そして夏休み、黒百合女学院高等部の社会科の女性教師が妊娠した。結婚退職予定だったその先生は、人気ぶりに辞めずに辞められずで、でも妊娠を期に辞めたいと。
黒百合からは来年度から採用したい!と真鍋に話は来たものの、すでに塾人気講師になってしまっていて、迷いに迷ったものの秋口にその話は一度は蹴った。黒百合も新任先生を雇うよりは、その女性教師をなんとか引き止めようと。
それが結局、幼稚部時代に一時失語していたあおいがやはり真鍋は心配で、それを知る学生時代の先輩の松田先生から、教師に空きが出来たんだし、初志貫徹しろよ!あおいを守ってやれ!との繰り返しの勧誘で、ここに来たのだ。
「なあ、あおい。一応は校内では俺とお前は先生と生徒だからな!」
「お兄ちゃん!ってのは止してくれ。と言っても聞いてくれるお前じゃないよなぁ。でも間違っても彼と彼女じゃないからな。これは言っておくぞ。それは休みと放課後限定だ」
「なら、今は春休みなんだなら問題ないじゃん!」
真鍋の予測通りの回答するあおい。やっぱりそう来たか。
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