黒百合女学院中等部 恋の時間割
No.29 2018/07/25 22:37
あかいあおい ( 36 ♀ sq6JBe )
あ+あ-
安部学長はさらに黒木先生に諭すように語る。
「確かに初等部の高田ゆかりくんと立花美佐くんは、本学には好ましくない本を持ち込んだ。だがね、それはその本を忘れ物した大学部の赤井緑くんに、妹の赤井あおいくんを通じて返すためだ。君は人様の親切心を踏みにじるのかね?。」
「さらに赤井緑くんの制作したこの同人誌だが、確かに不純なる性の問題は本学の処分対象だ。だが君はこれを読んで発言したかね?。これは同人誌ゆえ多少の猥褻さはあった。しかし中身はちゃんとした恋愛物だ。原作を理解せねばこの同人誌の言いたい主張は理解できないものになっており、これはただの猥褻図書ではない。」
「さらにこの同人誌の制作は本学の学生によるものだが、学内では制作されていない。恋愛漫画研究部としての、通常の恋愛漫画の研究とは別に学外で制作されている。しかも元系列校の黒川学院大学も制作に関わっているから、本学生徒だけを処分して済む話ではない。」
「それからだね、生徒に無断でしかも生徒の在宅中の校内不在時に、反論の機会すら与えずに生徒の机の中から没収したのが、騒ぎの原因であって、不在時に断りもなく没収したのは窃盗だ!との、赤井あおいくんの主張も、黒百合は自由と自治の学校だから、持ち物検査や没収したければ、生徒代表を選び生徒にある程度は判断を任せるべきであるとの、赤井あおいくんの主張も、極めて適切で正当である。」
「おまけに、その無断没収は本学教師の本学教育方針の理解不足による不当なる処分である。」
「最後にこれは黒木先生の責任問題だがね、そもそも君は中等部の風紀担当教師だ。赤井あおいくんが騒動を起こしても、それが中等部に波及するのを阻止するのが君の職務だ。初等部六年生が授業中に中等部に入った際、それを止めるのが君の役目だったはずで、反初等部松田先生の波を中等部に波及することを許してしまったのは君の注意力不足によるものだ。」
「よって本学黒百合女学院山手校は、赤井あおいくんを始め初等部六年生の四人を処分できない。それは彼女らを処分するならば、本学関係教師への処分を外せなくなり、元系列校の黒川学院大学の学校自治に本学が口出しすることも出来ないからだ。」
「黒木先生、わかったかね?」
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