黒百合女学院中等部 恋の時間割
No.47 2018/08/07 00:29
あかいあおい ( 36 ♀ sq6JBe )
あ+あ-
桃色吐息が、いや、溜息吐息が出てしまうのは、姉の緑の無茶苦茶な要求のせいだ。エロ同人執筆の資料を忘れたから持って来い!なんて、わたし、まだ小学生だよ!と溜息。
えっちの意味すら知らなかった去年と違い、体が小ちゃくて六年生の中でいちばんに発育の遅いあおいでも、さすがに少しは気持ちは思春期突入しているのだ。異性やえっちを意識し始める年頃の恥ずかしさもあるけれど、
姉の緑は喧嘩に手加減出来ない筋肉バカ女。自分も相当に手が超絶に早い性格。あんなエロバカ筋肉女と喧嘩はイヤだ。
と、ほんとにホントに本当に仕方なく、えっちな物たちをランドセルに詰め込み制服に着替えたあおいは、緑のいる黒百合女学院中央校大学部に向かう。さっきまで私服で行くつもりだったけれど、黒百合女学院ブランドで純真天使になったほうが安全だと思って。
神様、どうかランドセルの中身を見られませんように・・・と祈りながら。
第一関門は向かい隣の、昔は黒百合女学院初等部とは系列だった黒川学院小学校に通う剛くんだ。
あおいの通う黒百合女学院が、今日は創立記念日でお休みなのと同じく剛くんもお休みだから。そしてこの男の子に「それ」が見つかると話がリピート再生されてしまい、あおいはエロ女だったことになってしまいかねない、人生の危機なのだ。
この剛くん、正直さと真面目さで、あおいに好意を少なからず持たれているが、友達の座から彼氏になれないのは度が過ぎる正直さゆえなのだ。
自宅ドアの隙間から、そーっと剛くんの部屋の辺りを伺うあおい。剛くんいないみたいね。と安心も束の間、あおいの家の柿の木の上から剛くんの声がする。
「よお!あおい!風邪はもういいのか?。ランドセル背負ってどうしたんだよ?今日はお休みだぜ!。起きてるんなら部屋に来いよ!ゲームしようぜ!」
実はあおい、憧れの初恋の真鍋がいなければ今ごろは剛くんに夢中になったかも知れない。何しろ去年まではお風呂も一緒なほど、誰もがふたりを兄妹か姉弟かと勘違いした程の仲良しだから。が、
が、今日だけは話は別だ。今日のあおいは姉の緑のせいで、ランドセルの中身がえっちな物だらけだから。
「イヤぁ!剛くん、今日だけはついて来ないで!お願い!」
顔を両手で隠し、自慢の駿足であおいは脱兎のごとく剛くんから逃げ出した。
注目の話題
おとなチャンネル 板一覧