黒百合女学院中等部 恋の時間割
No.74 2018/12/24 21:36
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-
山手校学長の挨拶で始まった幼稚部初等部合同クリスマス会。
初等部教頭の音頭で乾杯がなされたが、グラス係があおいと知る初等部の先生は、中々ジュースを口にしない。
嫌われてる先生一名には、グラス係からとんでも味のジュースが配られる伝統だし、何より今年はいたずら好きな悪魔なあおいがグラス係だ。
全員のグラスがとんでもジュースな可能性が有り得るのだから。
「先生方お飲みになりませんの?」
そう怪訝そうに聞いているのは中等部教師代表参加の黒木先生だ。
いや~喉が渇いて飲みたいのは山々なんですが、今年はグラス係があの赤井あおいですからなあ。
そんな戦々恐々な雰囲気の中
俺は嫌われてないぞ!と自信満々に初等部校長がグラスに口をつける。校長先生はセーフだった。
よかった。赤井に嫌われてない先生がいた。もしかしたらわたしも嫌われてないかもしれない。
そう思いながらも、中々グラスに口をつけない初等部教師を不思議がりながら黒木先生がグラスに口をつける。
いちばん嫌われていたのは、黒木先生だ。もちろんわさびジュースである。ジュースを口から吹き出してしまう黒木先生。
なんでわたしなのよ!
と、わさびが強すぎたか泣いている。
例年であれば、グラス係のターゲットは幼稚部と初等部の教師だが、クリスマス会当日は叱られない伝統を逆手にした、伝統をはみ出して中等部教師をターゲットに絞ったあおいによる、黒百合女学院いちばんの鬼教師の黒木先生への、日ごろの仕返しだった。
講段で黒木先生がジュースを口にしたのを確認したあおいが講段からマイクでアナウンスする。
「当たりが出ました!」
「グラス係による今年の貧乏くじ先生決定は」
「中等部の黒木先生でしたぁ!」
「あとは約一名のOBを除いて他の先生とOBはセーフです。」
「安心してね」
そんな頃
あおいに百合な憧れをもつサナはあの長い長い石段を克服し
黒百合の裏山頂上の公園に辿り着き
石段で歩照った体を北風に休ませていた。
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