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黒百合女学院中等部 恋の時間割

No.92 2019/02/13 21:35
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-

≫91

すき焼きを囲んでいる、あおいと緑の赤井家とその分家の紫蘭たち、遠戚の瞬と真鍋家に美佐と立花家。楽しい今年最後の夕食である。

そんな中、あおいのパパ幸一郎がお肉に箸を伸ばそうとすると、その手を箸でピシャリと叩くあおい。

「パパは白滝でも食べてなさい!」

「そんなあ、ボクは優しい優しいパパだよ~」

「ふーん、ねえ、パパはじゃりん子チエが好きなのよね」

さっきのパパの秘密のギャンブルに、遠回しに遠回しに、チクリと刺し刺しするあおい。

「おまえ、絶対に前世は悪魔や!」



そんな中、最後の遅れていた遠戚、昔に赤井家が武家だったときの主君筋の安岐家の美智代とその子の晶が来た。

「今年一年お世話になりまして。」

そう挨拶するあおいの祖父の晋太郎と父の幸一郎。

「いえいえ、こちらこそありがたく」

そう返す美智代。

「ねえねえ、あの子誰?」

そうパパに聞くあおい。

「あおいは始めてだったか?お前のお婿さんだよ」

そんなあおいの父、幸一郎の返事に

「え、えええーっ!」

騒然となる一同。そんな中、三つ指をついてあおいに挨拶する晶。

「お初にお目にかかりますが、婿の晶です。ふつつかながら、生まれながらの婚約の挨拶に参りました次第、以後よろしくお見知り置きを。」



あまりの予想外の展開に、あおいは開いた口がふさがらない。無理もない。あおいは幼稚園のときから真鍋の瞬お兄ちゃんに一筋で、結婚するのは自分、そうでないなら姉の緑だと。

これは赤井家と真鍋家の約束だと、そう思っていたのに、祖父に黙って別の婚約話を父がしていたとは・・・・

「これ、どうやって断ればいいのよ!?」



それを察した晶、面白そうに笑い出すと

「あおいさん、実はうちのおばあちゃん、あおいさんの性別を聞いてなくて、それにわたくし、女の子ですから、この話は最初から無理だったんですのよ。安心なさってね。」



「パパ?。もしかしてのもしかして、パパは晶さんの性別を確かめずに約束したの?。」

あおいの言葉が終わらぬうちに逃げ腰になってる父の幸一郎。

なんでわたしが女と婚約させられてたのよ!。性別くらいなんで確認しないのっ!

あら、綺麗な男の子。

と一瞬だけどそう思ったあおい。その表情すら見ずに逃げ出す幸一郎。

「なんでパパはこうダメなのかしら」

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