- 注目の話題
- 19歩目!シャープな視線で、何か踏み出そうね
- 実のお父さんと…
- 不倫
黒百合女学院中等部 恋の時間割
No.96 2019/03/02 11:40
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-
冷え込んでいる大晦日の夜。今年最後の客は誰だろう?。
そう思いながら出迎えに門に向かう、あおいの父の幸一朗とあおいの姉の緑。玄関の引き戸を開けて外に出る。
「寒っ!」
「わぁー雪だぁ!冷えるはずよね」
そう言いながら門に行こうとしたとき、寒さにしびれを切らした客の声が
「ゴルァ!幸一朗! 貴様あ、己の先生をさっさと出迎えに来んかいっ!」
「そっ、その、その声は・・・」
震えだす幸一朗。それを「何で?」と思う緑。
「勝手に入るでえ!」
門扉から手が伸びてカンヌキをまさぐる手が叫ぶ。
「あ、あいつや!。わわわワシの天敵が来よったんや!」
「みみみ、緑、わ、ワシは今日は留守やぞ!」
そう残し家に逃げ込む幸一朗。
逃げるなら外のほうが安全なのに、頭が回らないほど怯える相手って誰?。脳天気なお花畑が珠に傷でも、父の幸一朗は一応は武術家だ。それが逃げる相手?。
門から入って来た狂暴なる不審者に少し身構える緑に声の主は
「緑ちゃんか?大きくなったなあ!。ワシだよ渡だよ。」
寒さに顔が半分隠れるほどに巻き巻きしたマフラーを外し、そのせいでほぼ曇ったレンズの眼鏡を外し、目深に被った帽子を取った声の主は、緑と父幸一朗の幼いときの空手の先生だ。もっとも緑は当時は幼すぎて、習っていた記憶は殆どないのだが。
「渡先生、お久しぶりです。何年ぶりかしら?」
「おまえの同人、読んだでえ。なかなか面白う書きよるやんか!。ワシ、おまえのファンや!。で、幸一朗はどした?」
「パパ逃げちゃいました。賭け事がバレて、あおいに説教されてて、逃げようとしたら先生がいらしたのでビックリして(笑)」
「そうや、あおいちゃんにも逢いたいなあ、今いくつや?」
「十二歳で来年中等部です」
「そうかそうか」
微笑む渡先生。
緑はこの渡先生に聞いたことがある。
「渡先生、どうしてパパは先生を怖がるの?」
「あのなあ、あいつはカナヅチなんや。泳げんから教えてやろうとしたら暴れてな、ボートから海に放り込んだら溺れよったんや。ふつうは必死に本能的に泳ぐんやが、あいつは死にかけた。だからや。」
「だからあいつは今でも水が怖いカナヅチなんや。海や川やプールにおまえら連れて行かんやろ?。」
「しかもワシ、まだ若うてな、情けなさに目覚めたあいつを張り倒してしもたんや。」
注目の話題
おとなチャンネル 板一覧