黒百合女学院 恋の時間(小愛的故事) 確定清書版
祇園少女のロリな声
色即是空の響きあり
スカートふわり その奥に
ロリ男必勃のパンツの覗ける
草食ロリ男も我慢ならず
ロリを襲うも終には蹴られぬ
ひとえに男の子(おのこ)は
仏の掌の悟空に等し
と、平家物語で魔替え歌しちゃう。そんな赤井あおいお嬢様と、その仲良しのあおい組の八人娘たちの恋とは・・・これは、ほぼ実話である。
おとなチャンネルで書いていた、黒百合女学院中等部シリーズの、これは確定清書版です。清書前のは
https://otonach.com/viewthread/2679596/
をどうぞ。新作は先にこれに載せますので。
なお、両作の登場人物関係は
上のurlの182レスと183レスを御参照くださいましね。
実はこれ、ミクルのほうに書いておりましたが、アダルトチックだと消されそうなので、やはりこちらで書いたほうがいいかと。
言うまでもなく、実話ではなく、ほぼ実話ですので、実在する個人や団体は特定出来ないよう、ちゃんと脚色しております。
19/11/25 03:03 追記
ちなみにこれは、某小説サイトで書く練習していたものでもあります。どの小説サイトかは、他サイト誘導になりますので、ナイショですけど。
そこで書いていたエピソード、ミクル・おとなチャンネルの両方でまだ未公開のも、こちらの清書版と旧シリーズに、改めて書いていくかも知れません。
- 投稿制限
- 参加者締め切り
《結婚式は高等部卒業式の日に・・・の時間》
ここは黒百合女学院山手校の隣のホーリネス希望教会。
無論、黒百合女学院牧師の牧会する教会である。
礼拝堂の重厚なる扉が開き、出て来たのは
「中学生の結婚なんて違法だろ!」
そう誰もが勘違いしそうな程、礼拝堂から出て来た新婦は、背はかなり低く、胸の膨らみも無く、顔までかなり幼い。
メイクされてるから、まだ中学生程度には見えているものの、彼女の普段のすっぴんの顔は、誰がどう見ても少し背の高い小学生。
それでも彼女は今朝、黒百合女学院山手校高等部を卒業したばかりの、そして、この春に、黒百合女学院中央校大学部に入学する予定の、十八歳なのである。
世に存在するロリコン男性が
「羨ま怪しからん!💢」
と花婿に対し、羨みと妬みで怒り出しそうな程、幼く清楚清純に見える花嫁。でも、その彼女の内面はとんでも悪魔なのだが。
そんな新婦と手をつなぐ新郎、ふたりが礼拝堂から出てくる。その背後の礼拝堂の中から聞こえる聖歌隊の合唱は
🎶掴まれた腕に振り向いて
抱きすくめられて動けなくなる
俯いた頬を手の平で掬って
くちびるを重ねた 狂おしいほど
車を停めて海岸線歩いた
細い月が蒼く照らしてた
あなたの歩幅に合わせて歩いてみた
泣きたいほど しあわせだった
愛することは温かいこと
この気持ち初めてあなただけがくれたの~
数えきれないほど 曲がり角くぐり抜け
そして今 あなたへと着いた
優しい背中に そっと寄り添ってみた
ねえ きっと あなたで良かった
愛する瞳 曇らぬように
あなたの笑顔をずっと守り続けたい
負けないでどんな悲しみにも
輝く朝が来ると信じて
せつなさも喜びもあなたとならば
分かち合えるの そう永遠に~
このまま永遠に 抱きしめていて🎶
結婚の式中では、キリスト教会らしくクリスチャンスクールらしく、賛美を皆で歌ったものの、新婦が長年、聖歌隊に協力していたゆえの、新婦の好み
『谷村有美』の『恋に落ちた』の聖歌隊合唱の送り出しなのだ。そして合唱の終わる瞬間、花嫁が空高くプーケを放り投げる。
その、しあわせのプーケを二人同時に掴んでしまったのは、花嫁の同級生の、梅宮サナと住吉初菜(うな)。睨み合い、火花を散らし、プーケを奪い合うふたり・・・
>> 1
睨み合い、火花を散らして、花嫁の空高く放り投げたプーケトス。しあわせのプーケを奪い合うふたり。
そんな二人は、この結婚式の主役の花嫁と一緒に今朝、黒百合女学院高等部を卒業した、花嫁と同級生だった、梅宮サナと住吉初菜。
新婦、赤井あおいへの二人の、六年余りの百合な片恋の初恋は、結局は実らず、あおいは十二年越しの交際の、一回り上の男性と初恋を実らせてしまった。
しかも彼は、自分たちの教師でありながら、あおいを巡る二人の百合な初恋のお邪魔者。この二人の恋仇。この二人にとって今日は、決して来て欲しくはなかった、まさに悪夢の日。
なのに決意すれば行動は早い、彼女の内面は男の子かと誰もが思うような、竹を割った性格のあおいは
「急がば回れ」
ではなく
「善は急げ」
と言わんばかりに、卒業式の今日、憧れの瞬お兄ちゃん、黒百合女学院高等部教師の真鍋瞬先生と結婚式を挙げたのだ。
それでも、サナも初菜もあおいが大好きで、卒業式から結婚式に向かうあおいの、ウェディングドレスへの着替えからメイクから、全てを手伝っていたのだけれど・・・。
「サナっ!。てめぇはお嬢様なんだから、花くらい幾らでも買えるだろーがっ!。何でお嬢様のくせに庶民ぶりっ子して、プーケトスに参加してんだよ!💢」
サナにぶつけられる初菜の罵声。サナも負けじ!と
「あらぁ初菜ちゃん、あなたのいつもの「国民平等!差別反対!」は、口先だけの嘘八百だったのかしらぁ?💢。お嬢様でも欲しい物は欲しいの!。お嬢様差別、断固反対っ!!💢」
火花を散らして、大好きあおいの、バージン最後の思い出の品となるプーケを奪い合うふたり。
昨夜も、結婚式の最後の打ち合わせに、あおいのお家に来ていた二人は・・・・
>> 2
百合の意味で、あおいに恋してしまっている二人。
昨夜も、結婚式最後の打ち合わせに、あおいのお家に来ていたのだけれど、あおいのお部屋で、あおいの幼い日々の自分の知らない、あおいの写真を見つけたサナは
「あおちゃん、この写真一枚一万円で売ってよ。全部買う!。だってだって、だってわたくし、あおちゃんが大好きなんですもの!」
これを初菜が、指を喰わえ黙って見逃すはずもなく
「サナっ!てめぇはあおいの大切な思い出を札束で買うのかよっ!。てか、あたしだって、あおいのことが大好きなんだよ。抜け駆けして独り占めにするんじゃねえっ!」
並の男の子では勝てない、武術はかなりの腕前の二人は、あおいの目の前で、殴り合いの奪い合いをしたのだった。
六年と少し前
黒百合女学院初等部ではなく、公立小学校の六年生だった、梅宮サナ。そして、黒百合女学院中等部を休みすぎて、留年決定していた住吉初菜。
黒百合の初等部だったあおいの、武術家の孫娘らしい、ちびっこなのに余りにも早く強すぎる、喧嘩実戦シーンを目撃してしまい、またその後、あおいのお嬢様らしい優しさに触れ
百合の意味で
あおいに一目惚れしてしまい
初恋してしまった、ふたり・・・あれから
あれから二人は
何度も、告白めいたことはしていたのだが
「やだぁ!。わたしみたいな悪魔の、どこがいいの?。もっといい人がいるでしょ。わからないかなぁ?。ほら、二人のすぐ傍にいるのにねぇ」
あおいに、そうはぐらかされる連続で。
と言うのも
『初菜とサナはお似合いなのに。性格は真逆だけど、漫才コンビみたいに波長ピッタリなんだし、ふたりとも百合なんだし・・・何でわたしに告ろうとするかな?。似合いの相手は目の前なのにね。昔から『喧嘩するほど仲は良し』って言うのに、恋は盲目か』
あおいは二人のために、そう思っていたからで。
そして、あおいの結婚式前夜にあおいのお部屋を訪れた二人は、大好きなあおいの、自分たちの知らないあおいの幼い日々の写真を見つけてしまい、
あおいの写真を殴り合いの奪い合いをしてしまったのだ。
大好きなあおいを
あおいの恋し愛する婚約者の真鍋先生から取り返し
あおいを自分たち百合のものにする
あおいへの最後の
最後の告白の機会だったかも知れないのに・・・
>> 3
初菜とサナは告白めいたことはしていた。
初菜は、あおいを理想のお嫁さんとして。
サナは、あおいを理想のお婿さんとして。
あおいに何度も告白めいたことはしていた。
だが、あおいのお家に行く道すがら
「初菜ちゃん、あおちゃんの結婚、素直にお祝いしてあげましょうよ。わたくし達の大好きな大切なお友達なんですもの」
そう言うサナに
「そうだよね。何てったって十二年越しの恋だしね。想いが叶わないのはわかってたのよ。あの二人、赤い糸どころか鉄の鎖で繋がってんだから」
「ゆかりにも美佐ちゃんにも言われちゃったよ。「邪魔したら絶交だからね!💢💢てか、ぶん殴る」トカナントカさ。あおい並に強い美佐ちゃんにならまだしも、弱っちいゆかりにもね」
そう応える初菜
「そうそう、初菜ちゃん、ゆかりちゃんと待った先生の結婚式も、あおちゃんの式のすぐ後よねえ。で、ふたつの新婚カップルが同じ日に同じ船で新婚旅行出発なんて、素敵だけど前代未聞ね」
「そだね、黒百合女学院始まって以来の前代未聞らしいよ。よく学長や校長が認めたよ。まあ、サナほどスーパーお嬢様じゃなくても、二人の家って超高額寄附家庭だから」
「そうね、清純黒百合で二度と起きないよね」
「あおいによる黒百合高等部恋愛自由化革命は、あたしらが卒業したら終わりだろうし。後輩達、不甲斐ないじゃん」
そんなことを道々話しながら
あおいのお家に
結婚式の打ち合わせに来たというのに
明日が結婚式の、あおいと真鍋先生、ゆかりと松田先生の目前で、大好きなあおいの、自分たちの知らない幼い日々の写真を巡り、殴り合いの奪い合いしてしまった、ふたり。
当然のことながら、極めて短気なるあおい、ちびっこなのに、代々続く道場の娘ゆえに、この二人より強いあおいを激怒させてしまい
「うるさーい!
あんた達、いい加減にしなさいよ。
わたしはノーマルだぁ!
前もって言っとくけど
わたしの結婚、邪魔したら
あんた達、死体になって浮かぶよ?」
ついにキレたあおい。でも、あおいは怒りながらも
「写真ちゃんと焼き増ししてあげるから・・・
わたしのことそんなにしてまで・・・
サナちゃん、初菜ちゃん
こんな悪魔なわたしを好きになってくれて
本当にありがとね
わたしも二人が大大大好き!・・・
>> 4
「わたしも初菜ちゃんとサナちゃんが大好きっ!
でも、わたしノーマルなの。ごめんね
それに真鍋先生が好きなの
あの日のあのわたしを守って寄り添ってくれた。
温かい気持ちを初めてくれた人
わたしを守ってくれたみたいに、わたしも先生を・・・
だって温かい気持ちをくれたんだもん
真鍋先生はわたしの大切な、素敵なお兄ちゃん」
「だから、ごめんね
でも、ふたりが大好きだから、今日だけ特別に・・・」
「昔の恋人ごっこみたいには
ごめんね、もうくちびるには出来ないけど
最後のキスしてあげるね
ふたりも大切で大好きだから・・・」
大好きなあおいに、長いこと長いことハグされ、ほっぺにだけれど、キスしてもらった、サナと初菜のふたり。そして、泣きながら、百合の恋を終わらせるかのように、ふたりは
「あおちゃん、結婚おめでとう!。しあわせになるのよ。ゆかりちゃんもおめでとう!」
それで『あおいの結婚式が終わるまでは』と、大人しく結婚式を手伝っていた、サナと初菜のふたりだったのだが
男性にバージンを捧げる前のあおいとの、最後の思い出の品。あおいの投げたプーケトス。しあわせのプーケを、火花を散らして奪い合う、サナと初菜のふたり。
それを微笑みながら
しあわせいっぱいな笑顔で見つめるあおい。
「ハレの結婚式で喧嘩しちゃダメえっ!」
サナと初菜によるプーケ争奪戦を止めようとする、ゆかり・みずき・美佐・ちはる・カネコ・敦子の、あおいの仲良しグループあおい組の面々。
この結婚式直前に卒業した、黒百合女学院高等部での楽しかった日々が、鮮やかに甦り目に浮かび上がる。
高等部でのあれは楽しかったね。
中等部でのあれは何月だったかしら?
初等部でのあれは何年前だったかしら?
みんな大切な大切な、わたしのたからもの。
恋物語は過去に遡る・・・
『わたしの夢
黒百合女学院初等部一年一組 赤井あおい
わたしは藍子お姉ちゃんのお兄ちゃんが大好きです。
真鍋の瞬お兄ちゃんは、毎日遊んでくれて、勉強を教えてくれて、お風呂に入れてくれる、優しい優しいお兄ちゃんです。
わたしはお兄ちゃんの可愛いお嫁さんになって・・・』
《結婚式は卒業式の日に・・・の時間 完》
- << 9 《あおい七歳 恋の始まり・・・の時間》 京都市内のここは、とある産婦人科病院。 さっきまでの土砂降りも今は一転。快晴の青空に白い月が浮かんでいる。離れた場所からここを眺める人々の、その角度によっては病院上空に虹があったかも知れない。 桃子の出産。第一子の長女の藍子・長男の貴志・次女の緑に続いてこの日に産まれそうなのは・・・ すでに三人の子の父なのに、七人の孫の祖父なのに、出産に慣れないと言うよりは、産科に男の居場所はなく、落ち着かない二人の男。 桃子の夫である幸一郎とその幸一郎の父、つまり赤ちゃんの祖父の晋太郎は、外のパーキングで缶コーヒー片手に、煙草を燻らせている。 六人の孫娘が産まれたときは、いや、女の子が産まれた日は決まって雨降り。近年はずっと、そんな歴史の赤井家。そのため、赤井家二十九代当主の晋太郎の 『女の子が産まれるはず』の予感は的中。 「晋太郎さん幸一郎くん!産まれたぞ!女の子だ」 そう叫びながら来たのは、黄大泉こと赤井晋太郎の、黄家八極拳の同門の師兄弟で、将来、赤ちゃんの師になる渡忠人先生だ。 明治は初期に旧武家の赤井家に婿入りした、台湾人の黄響鐘。その苗字が、黄家八極拳の宗家の黄四海と同じなのは、たまたま偶然だが、台湾では黄大泉の武名で割と有名な、祖父の赤井晋太郎は 明治初期の日台混血時の赤井家当主であり、再興のお姫様の、赤井葵から、また赤ちゃん誕生に合わせるかのような、青空に浮かぶ白い月から 赤ちゃんの本名を赤井あおい、武名を黄蒼月と、名付けたのである。 その後いつしか時は流れ、あおいは、青空の月のように色白な、これぞ裕福なる末娘な、蝶よ花よ!と甘やかされたお嬢様に育っていた。 そんなクリスマス間近、時空間は 『わたしの夢 黒百合女学院初等部一年一組 赤井あおい わたしは藍子お姉ちゃんが大好きだった、藍子お姉ちゃんのお兄ちゃん。真鍋の瞬お兄ちゃんが大好きです。 お兄ちゃんはいつもいつも、わたしをお風呂に入れてくれて、髪を結ってくれて、勉強を教えてくれて、遊んでくれます。わたしはそんな優しいお兄ちゃんが大好きです。 だからわたしは、お兄ちゃんの可愛いお嫁さんになって、美味しい料理をたくさん作ってあげたいです・・・』 時空間は、この作文の半年前のクリスマスに遡るのである。
やっと《結婚式は高等部卒業式の日に・・・の時間》なる物語導入部分を書き終えました。
実は某小説サイト(どこかは他サイト誘導になるのでナイショね)で、練習がてら書いている、この黒百合女学院シリーズの次話は
《お巡りさんのあなたがイチバン迷惑なんです!の時間》
母校の高等部を卒業し、大学部エスカレーター入学前の、隙間の春休みに結婚したわたくし。プチ贅沢で、日本海クルーズの船旅で、北海道に新婚旅行に出たのですが、その北海道は小樽の旅館での初夜のドタバタ
2泊3日の船旅も、わたくし、自分が雨女なのを忘れてまして、日本海クルーズは荒れに荒れ、初夜どころではなく、ぶっ倒れてました。船酔いで。
なんで飛行機にしなかったんだろう!と後悔したりね。
それはさておき、北海道は小樽の旅館での初夜
わたくしのスーパー童顔と低身長にロリな幼児体型が巻き起こした、誤解による悲劇?喜劇?がありまして
それを書いたものなんですが
本スレでは、話の順番の都合上、またいずれのいつかで、ごめんなさいね。またの機会にミクルかここかで。
この清書版の前の旧シリーズは、そこまで話が進んでませんし、ここもミクルも、ページ編集機能ないんだものね。
そして導入部分を書き終えたと言うことで、次レスから物語は始まります。来月12月上旬には更新出来るかと思いますので、またね。
次話タイトルは
《あおい七歳 恋の始まりの時間》
を予定しております。
一部分ですが、すでにミクル版のほうには書いておりますので、もし宜しければどうぞ。
ロリコンさん、いらっしゃい。
このスレ、あっという間に1000hitし共感もいただきました。
そこでお礼に、本スレのおとなチャンネル側の、黒百合女学院旧シリーズに書いてます、我がエロ同人女の姉氏の作、わたくしの小学六年生時のエロ同人ヌードイラスト。
1234hitを踏み踏みして下さった方、一名に原画を差し上げちゃいますっ!。なぁんて事は、やるわけございませんので、期待しちゃダメよ。フェイクニュースだからね😁。
なんでこんなこと書いたかと申しますと、わたくし、たまに姉氏とようつべに動画あげてます。
そこで、我が姉氏にそのような要求してたアホがおりまして😒。いなくなったとこを見ると、彼、姉氏にチャンネルごと吹き飛ばされた?😅と、わたくし、思ったりしております。
姉氏は手加減しない女だからねえ。彼、最近、ようつべだけでなく、ミクルにもおとなチャンネルにも来てないみたいだし😁😁
皆さま、もし、あなたがロリコンさんとしても、法に触れない限り、とやかく申しませんが、イラストならまだしも、女性にヌード写メや動画、要求しちゃ、ダメですよぉ。
しかも子供時代のを要求なんて、完全完璧に違法行為だからね。
それはさておき、リアルでは会社・塾・道場の経営者のわたくし、月末から月初めの一週間は多忙を極めるんですけれど、なんと、エロ同人しか頭にない姉氏が、珍しくもお仕事を手伝ってくれまして
時間、とれました😊😊😊😊😊。そこで早ければ今日中には、更新出来るかと思います。自作は前レスでも記しておりますが
《あおい七歳 恋の始まりの時間》です。
>> 5
「わたしも初菜ちゃんとサナちゃんが大好きっ!
でも、わたしノーマルなの。ごめんね
それに真鍋先生が好きなの
あの日の…
《あおい七歳 恋の始まり・・・の時間》
京都市内のここは、とある産婦人科病院。
さっきまでの土砂降りも今は一転。快晴の青空に白い月が浮かんでいる。離れた場所からここを眺める人々の、その角度によっては病院上空に虹があったかも知れない。
桃子の出産。第一子の長女の藍子・長男の貴志・次女の緑に続いてこの日に産まれそうなのは・・・
すでに三人の子の父なのに、七人の孫の祖父なのに、出産に慣れないと言うよりは、産科に男の居場所はなく、落ち着かない二人の男。
桃子の夫である幸一郎とその幸一郎の父、つまり赤ちゃんの祖父の晋太郎は、外のパーキングで缶コーヒー片手に、煙草を燻らせている。
六人の孫娘が産まれたときは、いや、女の子が産まれた日は決まって雨降り。近年はずっと、そんな歴史の赤井家。そのため、赤井家二十九代当主の晋太郎の
『女の子が産まれるはず』の予感は的中。
「晋太郎さん幸一郎くん!産まれたぞ!女の子だ」
そう叫びながら来たのは、黄大泉こと赤井晋太郎の、黄家八極拳の同門の師兄弟で、将来、赤ちゃんの師になる渡忠人先生だ。
明治は初期に旧武家の赤井家に婿入りした、台湾人の黄響鐘。その苗字が、黄家八極拳の宗家の黄四海と同じなのは、たまたま偶然だが、台湾では黄大泉の武名で割と有名な、祖父の赤井晋太郎は
明治初期の日台混血時の赤井家当主であり、再興のお姫様の、赤井葵から、また赤ちゃん誕生に合わせるかのような、青空に浮かぶ白い月から
赤ちゃんの本名を赤井あおい、武名を黄蒼月と、名付けたのである。
その後いつしか時は流れ、あおいは、青空の月のように色白な、これぞ裕福なる末娘な、蝶よ花よ!と甘やかされたお嬢様に育っていた。
そんなクリスマス間近、時空間は
『わたしの夢
黒百合女学院初等部一年一組 赤井あおい
わたしは藍子お姉ちゃんが大好きだった、藍子お姉ちゃんのお兄ちゃん。真鍋の瞬お兄ちゃんが大好きです。
お兄ちゃんはいつもいつも、わたしをお風呂に入れてくれて、髪を結ってくれて、勉強を教えてくれて、遊んでくれます。わたしはそんな優しいお兄ちゃんが大好きです。
だからわたしは、お兄ちゃんの可愛いお嫁さんになって、美味しい料理をたくさん作ってあげたいです・・・』
時空間は、この作文の半年前のクリスマスに遡るのである。
>> 9
🎶聖し(きよし)この夜 星は光り
救いの御子(みこ)は 馬舟(まぶね)の中に
眠り給う(たもう) いと安く
聖しこの夜 御告げ(みつげ)受けし
牧人(まきびと)たちは 御子の御前(みまえ)に
額ずきぬ(ぬかずきぬ) 畏みて(かしこみて)🎶
京都の街はクリスマスシーズン真っ盛り。クリスチャンホームの赤井家の旧武家屋敷もクリスマスを迎え、全知全能の創造主・父なる神に感謝しつつも、どことなく浮ついていた。
それは赤井家は会社経営もしているが、地域貢献に、塾や道場も経営していて、この二つのクリスマス会付近の日々は、出入りする子ども達や若者達が増え、賑わうためである。生徒にくっついて見学や遊びに、はては冷やかしに来る、生徒の兄弟・従兄弟・友人関連で。
そんな忙しい週の始まりの、クリスマス前の最後の日曜日。赤井家の面々は、クリスマス礼拝と教会日曜学校、聖歌隊のクリスマスコンサートの練習を終え、帰宅していた。
あとはクリスチャンとしては、三日後の聖降誕礼拝を残すのみ。時はすでに釣瓶落としに日没した、夕闇であった。
赤井家の邸宅の一室、家族に親戚そして使用人たちが音楽好きのため防音加工された離れで、姉妹が声高らかに歌っている。
末娘あおいの通う黒百合女学院山手校幼稚部の、初等部との合同クリスマス会。そこであおいの年長さんクラスが歌う聖歌の練習に、九つ上の姉の緑がピアノを弾いて付き合っているのだ。
「あおいもなかなか上手くなったわね~」
「へへーん!。だって毎日練習してるもんっ!」
「じゃあ次は「もろびと来ぞりて」やるよ~!」
🎶諸人(もろびと)来ぞりて 迎え奉れ(まつれ)
久しく待ちにし 主は来ませり 主は来ませり
主は 主は 来ませり
平和の君なる 御子(みこ)を迎え
救いの主(ぬし)とぞ 誉め讃えよ 誉め讃えよ
誉め 誉め讃えよ🎶
そんな中、離れの防音扉が開く。
にこやかな笑顔を覗かせたのは
あおいの一回り上の長姉の藍子だ。
「あおい~後でわたしのお部屋にいらっしゃい。あなたへのプレゼントのワンピースドレスね、出来たから。裾はまだ仮縫いだから着丈を確かめたいの」
来年も再来年も繰り返されるであろう
ありふれた、ささやかな
年末のクリスマスの日々の日常は
あおいには・・・二度と・・・
>> 10
夜が明け「奪われた」日常の朝が始まる。いや正確には「これから奪われ、二度と戻らぬ、日常の朝」が始まる。
今日はクリスマスイヴの二日前の月曜日だ。
「あおい~美佐ちゃんも起きなさいったら
今日はクリスマス会だよ~
支度して幼稚部に行かないと
ケーキ食べられなくなっちゃうわよ」
あおいを揺り起こしているのは、ママの桃子が多忙なためママ代わりをしている、あおいの一回り上の長姉の藍子だ。
「んー、ヤだぁ
寒いよぉ。まだ寝たいもん!」
あおいからお布団を引き剥がそうとする、藍子お姉ちゃん。全力抵抗する、目覚めの寝起きの悪い子の、あおい。そんなあおいに魔法の呪文をかける藍子お姉ちゃん。
「ふーん、そうなんだぁ
あおいは幼稚部のクリスマス会、行かないんだ?
サンタさんのプレゼント、貰いたくないんだ?」
「だっ!ダメぇ!
それはイヤ。絶対の絶対にヤだ!」
「でしょー(笑)
ほら、抱っこしてあげるから
ベッドから出なさい」
「まだ眠いんだけどな・・・
藍子お姉ちゃん、おはよ
ねえねえ、あのワンピ着せて
わたし、あれで行くの!」
「はいはい
じゃあパジャマとおパンツ、自分で脱ぐの」
パジャマを脱がせパンツを穿かせ、黒百合女学院幼稚部の可愛らしい制服を着せ・・・ではなく、私服のワンピースドレスをあおいに着せる藍子。
黒百合女学院では、幼稚部・初等部・中等部・高等部の各校のクリスマス会の日のみは、女の子らしくお洒落して着飾っての、私服登校が認められているからだ。
藍子に抱っこされ広いダイニングに顔を出す、あおい。ダイニングと言っても昔ながらの広間である。とは言えそれでも、軽く二十畳はある広間である。
「あおいちゃん、おはよー
それ、藍子お姉ちゃんの作ったドレス?
可愛い!。似合ってるわよ!。いいなぁ」
ハモるかのように、あおいにそう声をかけてるのは、あおいの四つ上の従姉の双子の、紫蘭と青蘭である。
この双子姉妹は、あおいと紫蘭たちのおじいちゃん晋太郎の、早朝拳法教室に通ってるため、朝ごはんはいつも一緒なのだ。
>> 11
「あおいちゃんおはよー。それ、藍子お姉ちゃんに作って貰ったドレス?。かわいいっ!似合ってるわよ」
赤井家の末娘。蝶よ花よ!と甘やかされ、裕福なるお嬢様暮らしのあおい。藍子お姉ちゃんに抱っこされ、朝食の間の広間に顔を出したあおいに、ハモるかのように声をかけてるのは
あおいの四つ上の従姉の双子、黒百合女学院では初等部の先輩の紫蘭と青蘭。あおいの祖父晋太郎の早朝拳法教室に通ってるための、毎朝の朝食メンバーなのである。その二人に
「へへーん!いいでしょー。紫蘭お姉ちゃんと青蘭お姉ちゃんのお揃いの赤いミニスカもかわいいよ」
そう応えるあおい。
しばらくして、ママが多忙で不在がちのため、赤井家にお泊り常連の立花美佐
赤井家が武家だった時代には、親戚の分家筋の家臣筋、今は遠戚であおいの幼稚部での同級生。モデルと子役していて、幼稚園児にしては女の子として意識高い系の、おませな美佐が朝シャンして姿を見せる。
そうこうするうちに、祖父の晋太郎・祖母の桐子・父の幸一郎・珍しく朝に在宅の、パティシエの母の桃子・・・兄の貴志は全寮制高校のため不在だが
赤井家の朝食メンバーが広間に揃う。その皆が食事中の広間に最後に顔を見せたのは、大好きなアニメで夜更かしした次姉の緑だ。まだ眠い目を擦りながら、長姉藍子の食膳の隣に正座する。
旧武家であり道場経営の赤井家では、食事とくに朝食はテーブルや食卓ではなく、時代劇などでよくある、それぞれの食膳に配膳されている。
道場経営のため朝が早すぎる赤井家。使用人がまだ来ぬ朝も早い時間のため、ママ桃子が緑の食膳に炊きたてご飯やら御御御付を出してやる。そして
「緑、あなた、今日から中学は昼までなのよね?。悪いけど、今日はあなたがあおいと美佐ちゃんを幼稚部に迎えに行ってね。行きは藍子に頼んでるんだから、あなた、お姉ちゃんとして頼むわよ」
>> 12
「ねえ緑、あなた中学は昼までよね?。今日はあなたがあおいと美佐ちゃんを幼稚部に迎えに行ってね。行きは藍子に頼んでるんだから、あなた、お姉ちゃんとして頼むわよ」
緑に朝ご飯のお代わりを渡しながら、そう言うママの桃子。ヤンキーなのに今朝は機嫌がいいのか、ママに素直にお返事する緑。
「うん。わかってる。あおい、今日のお迎えはわたしだからね。美佐ちゃんもママがダメだったら、わたしと帰ろうね」
「わーい!やったぁ!今日のお迎えは緑お姉ちゃんだぁ!」
趣味が多過ぎて、なかなか遊び相手をしてくれない緑お姉ちゃんが、お迎えに来てくれると知り、喜ぶあおい。
そこに自分の経営するケーキ屋さん、クリスマス直前のため多忙を極めているケーキ屋さんに出勤する身支度をしてるママ桃子が、念押しする。
「だけどね、藍子と緑、世の中は予定はいつ変わるか、わからないんだから、二人とも小まめにちゃんと連絡し合うのよ。あおいもこの前みたいに、藍子お姉ちゃんがお迎えかも知れないんだからね」
「はーい!」
三人の娘のお返事に、優しい笑みを浮かべたママは
「それじゃあお婆ちゃん、娘たちをお願いします。ママ仕事に行くわね。あおいと美佐ちゃん、クリスマス会の出し物、ママ仕事で見れなくて残念だけど、応援してるからね。頑張るのよ。」
それから、かれこれ五時間。
これぞ清楚清純なるお嬢様たちが歌っている。
🎶喜べイスラエル
久しく待ちにし 主(しゅ)よ疾く(とく)来たりて
御民(みたみ)の縄目を 解き放ち給え
主よ 主よ 御民を救わせ給えや
あしたの星なる 主よ疾く来たりて
お暗きこの世に 御光(みひかり)を給え
主よ 主よ 御民を救わせ給えや
ちからの君なる 主よ疾く来たりて
輝く宝座(みくら)に 永久(とわ)に即き(つき)給え
主よ 主よ 御民を救わせ給えや
万軍の主 救わせ給えや🎶
一足早く冬休み入りしている藍子は、自宅の防音室で聖歌隊の有志・・・と言っても多くは、黒百合女学院高等部の合唱部生徒だが、その仲良しの皆と、教会クリスマスコンサートで歌う賛美の練習していた。
伴奏のピアノ弾きつつ歌う、合唱部の部長の藍子。時計をチラ見すると、昼ご飯時である。
「みんな~そろそろお腹空かない?。美味しいお店、見つけたの~食べに行こっ!」
- << 15 人生の暗転とは、この事を言うのだろうか。これから始まるのは、そんな物語である。 「みんな~そろそろお腹空かない?。近くに美味しい洋食屋さん見つけたの!。皆で食べに行きましょ」 ホーリネス希望教会。これは黒百合女学院山手校に隣接のキリスト教の教会だが、その聖歌隊有志・・・その多くは黒百合女学院高等部合唱部の面々。 そのお嬢様生徒の皆と、自宅の離れ防音室で、ピアノ弾きながらクリスチャンコンサートの賛美歌の練習していた、あおいのお家の赤井家の長女の藍子、黒百合女学院高等部合唱部の部長は 時計をふと見ると、時針が昼ご飯時を指してるのに気づき、皆に声をかける。 その頃、京都市立檀原中学三年生の、あおいの次姉の緑は職員室に呼び出されていた。 ヤンキーな彼女。お受験した小学校に中学校の全てが、ことごとく不合格ゆえの市立中学に通う、超絶に勉強嫌いで勉強苦手な彼女は、高校進学のつもりは、さらさらなかったのだが 学校としては、ほいほい中卒就職などさせるわけにはいかない。なぜなら彼女はこの街ではお嬢様。市に影響力持つ赤井家の娘。何がなんでも高校進学させねば!だったのである。 別に赤井家当主の、緑の祖父の晋太郎も祖母の桐子も、また、緑の父の幸一郎も母の桃子も 『武術の才能ある緑は、別に無理に進学しなくても、家業の道場経営を継いでくれればいい。他の家業の会社や塾の経営なら、長女の藍子か長男の貴志、それとも末娘のあおいが継げばよい』 としか思ってなくて、学校側に 「娘の緑を進学させてくれ」 なんて一言も言ったことはなかったのだが なまじお嬢様生まれだと、周囲が勝手に忖度して、窮屈で自由のなくなる暮らしをさせられてしまう。その見本みたいなものである。 だから緑は、それに反発してヤンキー化してるのに。 そして、学校に余計な忖度とお節介されてる緑は、その犠牲者で。期末テスト最悪だった彼女は、居残り補習を命じられてしまう。 ともあれ、それで居残り補習になってしまった緑は、自宅に電話をかけている。 防音室から出てきた藍子。電話の呼び出し音にやっと気付く。受話器を取る藍子。 「お姉ちゃん、わたしね居残りさせられちゃうの。だからゴメンナサイ。あおいの幼稚部へのお迎え、お姉ちゃんお願いっ!」
《あおい七歳 恋の始まりの時間》の物語の導入部を、やっと書き終えました。
物語はこれから、しあわせなる日常が暗転し
主人公あおいとその姉の緑、そして、とある男性との、三角関係の始まりに物語は続いていきます。
早ければ今日中にも続きを何レスか書けるかも知れません。が、端末が、多分にバッテリーが不調でして。遅れたらごめんなさいね。
それはそうと、今年もクリスマス近づいてますね。
想い人のいらっしゃるクリスマスデート予定してる方々、家族と過ごす予定の方々、友人と過ごす予定の方々、もちろん仕事などでクリスマスどころじゃない方々も、一人ぼっちクリスマスの方々も
自分らしい、よいクリスマスを過ごせるよう、お祈り申し上げます。
が、クリスチャンとして一言。
教会クリスマスコンサートとかクリスマスイヴ礼拝とかに参加くださる、ノンクリスチャンの皆様、お願いです。教会で、とくに礼拝堂の中で、しかも礼拝中にイチャイチャはやめてね。
わたくし、一応これでも神学校出てるので・・・牧師になるのは、わたくしの性格を考慮しあきらめましたが、それでも月幾度かは、牧師の助手いたしますので。
「わたしの家は祈りの家と呼ばれる」と聖書にあるように、礼拝堂は神の祈りの家ですので。これだけはお気をつけ遊ばしてね。
それでは皆様、皆様らしい、よいクリスマスをお迎えくださいね😊😊😊😊
>> 13
「ねえ緑、あなた中学は昼までよね?。今日はあなたがあおいと美佐ちゃんを幼稚部に迎えに行ってね。行きは藍子に頼んでるんだから、あなた、お姉ちゃ…
人生の暗転とは、この事を言うのだろうか。これから始まるのは、そんな物語である。
「みんな~そろそろお腹空かない?。近くに美味しい洋食屋さん見つけたの!。皆で食べに行きましょ」
ホーリネス希望教会。これは黒百合女学院山手校に隣接のキリスト教の教会だが、その聖歌隊有志・・・その多くは黒百合女学院高等部合唱部の面々。
そのお嬢様生徒の皆と、自宅の離れ防音室で、ピアノ弾きながらクリスチャンコンサートの賛美歌の練習していた、あおいのお家の赤井家の長女の藍子、黒百合女学院高等部合唱部の部長は
時計をふと見ると、時針が昼ご飯時を指してるのに気づき、皆に声をかける。
その頃、京都市立檀原中学三年生の、あおいの次姉の緑は職員室に呼び出されていた。
ヤンキーな彼女。お受験した小学校に中学校の全てが、ことごとく不合格ゆえの市立中学に通う、超絶に勉強嫌いで勉強苦手な彼女は、高校進学のつもりは、さらさらなかったのだが
学校としては、ほいほい中卒就職などさせるわけにはいかない。なぜなら彼女はこの街ではお嬢様。市に影響力持つ赤井家の娘。何がなんでも高校進学させねば!だったのである。
別に赤井家当主の、緑の祖父の晋太郎も祖母の桐子も、また、緑の父の幸一郎も母の桃子も
『武術の才能ある緑は、別に無理に進学しなくても、家業の道場経営を継いでくれればいい。他の家業の会社や塾の経営なら、長女の藍子か長男の貴志、それとも末娘のあおいが継げばよい』
としか思ってなくて、学校側に
「娘の緑を進学させてくれ」
なんて一言も言ったことはなかったのだが
なまじお嬢様生まれだと、周囲が勝手に忖度して、窮屈で自由のなくなる暮らしをさせられてしまう。その見本みたいなものである。
だから緑は、それに反発してヤンキー化してるのに。
そして、学校に余計な忖度とお節介されてる緑は、その犠牲者で。期末テスト最悪だった彼女は、居残り補習を命じられてしまう。
ともあれ、それで居残り補習になってしまった緑は、自宅に電話をかけている。
防音室から出てきた藍子。電話の呼び出し音にやっと気付く。受話器を取る藍子。
「お姉ちゃん、わたしね居残りさせられちゃうの。だからゴメンナサイ。あおいの幼稚部へのお迎え、お姉ちゃんお願いっ!」
>> 15
これは暗転する前の運命の岐路である。
自宅離れでクリスマスコンサートの賛美歌の練習を、合唱部の皆としていた藍子は、防音室から出てきて、妹の緑が学校からかけてきた電話に、やっと気付く。
「お待たせしました。赤井にございます」
「お姉ちゃん?。あのね、わたしね、居残り補習させられちゃうの。だから、あおいを迎えに行けなくなっちゃった。お姉ちゃん、代わりに行ってくれない?。あのネチネチしつこい先生だから、先生が自己満足するまで帰れそうにないの」
「ほらぁ、あなた勉強しないからよ。しょうがないわね、行ってあげる。でも緑、どうせならその先生の養子にでもなっちゃいなさい。緑でも勉強出来る子になれるかもよ?」
「お姉ちゃんっ💢かわいい妹になんて事を!💢」
「ふふふ、冗談よ。怒らない怒らない。それじゃあ、あおいの幼稚部のお迎え、わたしが代わりに行くから、居残り頑張りなさいね」
電話を切ると藍子は、賛美歌の練習をさっきまで一緒に練習していた仲良しの皆に、深々と頭を下げる。
「皆さんゴメンね。お昼ご飯のお誘い致しましたの、さっきの今ですのに、急遽、妹のあおいを幼稚部にお迎えしなければならなくなりましたの。今度またの機会にお誘いさせて下さいましね」
藍子はそう言うと皆を見送り、自室に戻り
『人生最後に袖を通すのだ』
とも知らずに、黒百合女学院高等部の制服に着替える。
そして、今朝ママに言われた通りに、ママのお店に
「緑の代わりに自分があおいを迎えに行くこと」
を伝え、今朝までお泊りに来ていた、あおいの仲良しの美佐の多忙なママが、美佐を幼稚部に迎えに行けるのか、自分が美佐もお迎えするのか、確認の電話を入れる。
そうして支度を済ませた藍子は、走って学校に向かう。あおいの通う幼稚部のクリスマス会が終わるまで、もう時間がない。
黒百合女学院山手校の総校門をくぐり、初等部の校門をくぐると、幼稚部と初等部の間にある初等部グランド、そのグランドの時計台が見える。
間に合ったのを確認した藍子は、やっと走るのをやめ、幼稚部と初等部での合同クリスマス会が行われている、初等部体育館に歩く。
初等部体育館からは、こどもたちの賛美歌の歌声が漏れている。クリスマス会を楽しんだこどものたちの、しあわせいっぱいな歌声が。
>> 16
🎵諸人(もろびと)来ぞりて 迎えまつれ
久しく待ちにし 主(しゅ)は来ませり
主は来ませり 主は 主は 来ませり
平和の君なる 御子を迎え
救いの主(ぬし)とぞ 誉め讃えよ
誉め讃えよ 誉め 誉め 讃えよ🎵
黒百合の幼稚部と初等部の合同クリスマス会が行われている、初等部体育館から、給食でクリスマスケーキを食べたばかりの、幸せいっぱいな幼稚部の年長さんの歌声が漏れて聞こえている。
そーっとドアを開ける藍子。
その藍子を目敏く見つける、あおい。
「あーっ!藍子お姉ちゃんだぁ!」
そう叫ぶと、年長組の出し物の『諸人来ぞりて』や『聖しこの夜』を歌うのをやめて、ステージから飛び降り、藍子のもとに駆け寄るあおい。
「藍子お姉ちゃん、抱っこぉ!」
「ダメよ、あおい。ちゃんと最後まで皆と歌いなさい」
厳しく叱ってるけど、瞳は優しい藍子。
「うん。そうする」
ステージに戻るあおい。
それから数分後、クリスマス会は終わりに近づき、今度はあおいの従姉の双子、初等部四年生の紫蘭と青蘭のクラスの出し物の順番になる。
黒百合女学院はクリスチャンスクールと言えども、生徒らは自治自律自由の校風であるので、クリスマス会の出し物は、畏まったお堅い、ベツレヘムのキリスト降誕などの劇や、聖しこの夜などの讃美歌ばかりではない。
紫蘭のクラスは・・・
🎵耳を済ませば 聞こえそうな Jingle Bells
ゲレンデのcafeで待つの tonight
スノーライトに照らされて
今宵ステキな ステキな~
~そうよアナタが sparklin'hero
好きよ 私の Shinin'hero
少女のままの私に微笑んだ人
赤と緑のキャンドルで
写し出されたウィスパーは
アナタだったの funkyサンタクロース🎵
と、『中原めいこ』の『ファンキー・クリスマス』を歌っている。
そんな幼稚部と初等部の、楽しい楽しいクリスマス会の終わった帰り道・・・・
>> 17
🎵真っ赤なお鼻のトナカイさんは
いつもみんなの笑い者
でもその年のクリスマスの日
サンタのおじさんは言いました
暗い夜道はピカピカの
お前の鼻が役に立つのさ
いつも泣いてたトナカイさんは
今宵こそはと張り切りました🎵
クリスマスソングを歌いながら歩く二人の姉妹。楽しそうに仲良さそうに幸せそうに。すれ違う通行人たちは、そんな二人に思わず笑みで顔を綻ばせる。
そんな二人は、黒百合女学院山手校での、幼稚部と初等部の合同のクリスマス会に出ていた、幼稚部の年長さんのあおいと、そのあおいを迎えに行った、高等部の姉の藍子である。
高等部の合唱部の部長の藍子は、透き通る声で歌はお上手だ。黒百合女学院の隣の教会の聖歌隊で、この年、藍子がソロで讃美を歌った回数は、プロ歌手の教会音楽師を上回るほど。
もっとも、その教会音楽師は聖歌隊指揮者でもあるから、次世代を育てるために、あえて頻繁にはソロで歌わないだけなのだが。
音楽の知識は、まだないあおい。でも、藍子お姉ちゃんの歌声にぴったり合わせている。実は六年後のあおいは、クリスマスに子ども聖歌隊でソロで歌うことになるのだが、それはさておき。
クリスマス会からの自宅までの帰り道。すでに、自宅脇の路地への最後の小さな交差点が見える、大きな交差点。
当然の事のように、誰にも見られてなくても、褒められなくても、ちゃんとルールを守り、信号待ちをする二人。
そこに、その小さな交差点脇の小さなお店から出て来たのであろう、ビジネスマンらしきおじさんが、急いでいるのだろうか、僅かな時間を惜しみ、赤信号を無視して横断歩道を渡る。
それを見てしまい、ついつい叫ぶかのように、幼稚園児あるあるな発言を大声でする、あおい。
「あーっ。ルール守らなきゃいけないのに、あのおじちゃん、信号無視したぁ!。いけない駄目な悪いおじちゃんだ!」
>> 18
「あーっ!。ルールは守らなきゃいけないのに、あのおじちゃん信号無視したぁ!。いけない駄目な悪いおじちゃんだぁ!」
クリスマス会からの帰り道で、信号無視のおじちゃんを見つけて、幼稚園児あるあるな発言する、年長さんのあおい。それを見て藍子は
「ねえ、あおい。ルールを守るのはね、とっても大切な事なの。でもね、それよりも、もっと、もっと大切な事があるの。それが何だか解るかなぁ?」
「わかんない。お姉ちゃん教えて」
応える藍子
「それはね、ルールを守れるように教えてあげること。ルールを破った人でも、反省してたら、ちゃんとゆるしてあげること。そして勝手に人を悪い人だ!と裁かないことなの」
「あおいだって、いけない事して叱られたり罰受けたことあるよね。一生懸命に謝って償って、ちゃんと罰も受けて、ルール守れるようになって、それでもゆるして貰えなかったら、どうかな?」
「それって、かなしくて、つらくて、さみしいよね」
「あのおじちゃん、今は反省してるかも知れないよね?」
信号が青に変わったけれど、歩きだすこともなく
『人様を裁く権威のあるのは絶対正義の神さまだけ』
と、そう思う藍子はさらに言葉を続ける
「それにね、あおい。クリスマスはどんな日かな?」
「みんなの罪をゆるせる、優しい人にみんながなるために、神さまがみんなにイエスさまをプレゼントしてくれた日だよね」
「なら今の、間違いをしたおじちゃんをゆるさないあおいを見て、イエスさま、どう思うかな?」
「でも、あおいがあのおじちゃんをゆるしてあげれば、おじちゃんをゆるさなかったあおいを、イエスさまはゆるしてくれるわよ」
「うん。わかった!。ゆるしてあげちゃう」
そう応えるあおい。
そのあおいの頭を
「やっぱりあおいは優しい、いい子ね。イエスさまも、あおいを褒めてくれてると思うな」
と、撫で撫でする藍子。
「ごめんね~つい長話しちゃって。また信号、赤になっちゃったね。でも、あおいはいい子だから、帰ったら約束通りにオモチャ屋さん、行きましょ」
それが起きたのは、そんなときだった。
「きゃーっ!」
あおいが悲鳴をあげる
>> 19
《あおい七歳 恋の始まりの時間 後編》
クリスマスと冬休みはもうすぐ目の前!と言うのに、運が悪いことに、中学校で居残り補習を命じられた、あおいの九つ上の次姉の緑。
が、ネチネチシツコイから犬猿の仲の佐藤先生の補習から、隙を見て何とか逃げ出した緑は、あおいを幼稚部に迎えには行けなかったものの
『ママに頼まれてた、わたしの代わりにあおいを迎えに行った藍子お姉ちゃんは、この道であおいと帰ってるはず』
そう思う道を急いでいた。緑は今日、あおいと遊んでやる約束をしていたし、途中、あおいに買ったクリスマスプレゼントのお人形を、早くあおいにやりたかったから。
そして、自宅まですぐの大きな交差点が目に入る。赤信号を待ってるのは、あおいの前にしゃがんで、あおいの頭を撫で撫でしている藍子お姉ちゃん。すると信号が青に変わる。
「藍子お姉ちゃーん」
そう手を振り、大きく声をかけようとした緑。その目に飛び込んだ、一生忘れられないであろう、スローモーションな、そのシーンは
「きゃーっ!」
藍子の背中越しに自分に迫る死を見て
恐怖の絶叫の悲鳴をあげる、あおい。
その悲鳴と背後の音、そして気配を感じたか、本能的に咄嗟に、全力であおいを突き飛ばす藍子。そして
藍子の歩道に乗り上げる、信号無視の黒いワンボックス。
藍子に突き飛ばされ、転ぶあおい。跳ね飛ばされた藍子。
逃げる黒いワンボックス
鮮血で道路を紅に染める藍子
すでに心停止し、意識もない藍子だった。
慌てて駆け寄る緑。
「お姉ちゃんっ!藍子お姉ちゃんっ!」
「あおいっ!あんたは怪我してない?」
「き、救急車呼ばなきゃ!」
それから一週間した赤井家
「瞬お兄ちゃん、毎日来てくれて、毎日あおいと遊んでくれて、本当にありがとうね。あおいも少し落ち着いたみたい」
あおいや自分とは遠戚かつ幼なじみの真鍋瞬に、自宅玄関の外でそう頭を下げてるのは、あおいの九つ上の姉の緑だ。
最愛の亡き藍子、あおいの一回り上の姉の藍子とは、赤井家と真鍋家の約束で、産まれながらの婿だった、真鍋家のお坊っちゃまの瞬。
「お礼なんてしなくていいんだ。あおいもお前も、俺には可愛い妹同然だからな。でも、あおい、まだ喋れないな」
>> 20
「瞬お兄ちゃん、本当にありがとね。毎日、毎日来てくれて。あおいと毎日遊んでくれて」
「いいんだよ。それくらい当たり前さ。何てったって、あおいもお前も、俺には可愛い妹も同然だもんな」
「それよりあおい、まだ喋れないな。目の前で藍子が即死したら無理もないんだが・・・」
藍子があおいの目前で轢き逃げされ即死して、すでに一週間。
明治からずっと、クリスチャンホームの赤井家には、初七日の概念はないのだけれど、仏教の影響下にある日本の社会的には、初七日は一区切りだ。
その赤井家の玄関前で話してるのは、赤井家の次女の緑と、赤井家とは遠戚の真鍋家の末っ子の瞬。
彼は・・・
明治に台湾人武術家の黄響鐘が入婿した赤井家。維新時に失われたはずの赤井家の分家・・・戦後に見つかった、その分家の血を引く真鍋家・・・赤井家の血統を戻せずとも、旧上級武家の血統を元に近づけるため・・・
台湾人が旧上級武家に入婿した・・・しあわせを妬む一部の声に配慮した黄響鐘、いや、入婿したから赤井響鐘
赤井家を乗っ取った形に見えなくもなく、また流浪の身を赤井家のお姫様に拾われた恩返しでもないが、赤井家に本来的に入婿するはずだった、失われた赤井家の分家を探し続けた。
そんな赤井家と真鍋家の約束で、彼、真鍋瞬は、藍子の生まれながらのお婿さん、つまり許婚の彼氏の婚約者だ。
「いいんだ。喋れなくなっても、あおいは俺には可愛い妹だ」
自らに言い聞かせるように何度も呟く真鍋。そして緑にも
「緑、お前も可愛い妹同然だからな。何でも言えよ」
「うん、ありがとう」
「ところで、あおいは小学校はどうなるんだ?。黒百合の初等部にエスカレーターか?。それとも公立か?。まさか養護ってことにはならないよな?」
「なんかね、おじいちゃんの話だと、耳の聞こえない子が初等部入試に合格したんだって。それなら幼稚部のあおいはエスカレーターできるでしょ。それに黒百合はクリスチャンスクールだもん、差別的排除はないわよ」
『まあ、緑の祖父は黒百合女学院の理事。黒百合山手校のまだ若い安部副学長は緑の祖父の教え子。しかも赤井家は高額寄付家庭。大丈夫とは思うが、万一の可能性も。真鍋家でも出きることはないか・・』
考えを巡らす真鍋。そんな中、緑は真鍋を見つめる
「あのね、お兄ちゃん、わたしね、お願いがあるの」
>> 21
「あのね、瞬お兄ちゃん、わたしお願いがあるの」
思い詰めた表情で真鍋を見つめる緑。緑のこんな思い詰めた、そして真面目な真剣な表情は、今まで見たことがない真鍋。
「何だ?俺に出来ることなら何でもするぞ」
「わたしね、高校行くつもりはなかったんだけど、やっぱり高校行きたい!。わたしも黒百合の高等部に入りたいの。だからお願いっ!。勉強教えて」
「え、えええーっ!。お、おまえ熱でもあるのか?」
万年劣等生、しかもヤンキーの緑から予想すら出来ない言葉を聞いて、思わず仰け反る真鍋。
「ま、待て。おまえ、黒百合の外部入試は難関だぞ」
「おまえ正気か?」
「「わたし高校行かない!家業の道場はわたしが継ぐから。だから武術頑張る代わりに勉強はしない!」って、おまえ何度も何度も言ってたじゃないか」
「学歴だけが人間の価値じゃないんだぞ。中卒でも立派な人は沢山いるんだから・・・・」
実は真鍋は自分の亡くしたばかりの彼女の藍子、緑の亡くした姉の藍子と一緒に、何度も何度も何度も、口を酸っぱくしては
「勉強しろ!高校行け!」
そう言ってた側だが・・・・。いざ緑に似合わぬ進学したい発言をされて、とまどう真鍋。しかし、こんな真剣な緑は見たことがない真鍋は
『何か緑にも緑なりに思うことがあるのだろう』
そんな思いで緑の目を見つめるのだった。
緑は緑で、頼れるのは瞬お兄ちゃんだけ!と、何がなんでも瞬お兄ちゃんに勉強を見て欲しくて、脳内フル回転で言葉を選ぶのにしばらく時間がかかって・・・・。
「藍子お姉ちゃんね、あの日ね、居残り補習頑張りなさいね!って。それがね、わたしが藍子お姉ちゃんに聞いた最後の言葉だったの」
「わたしがあの日、居残り補習にならなかったら、わたしがあおいを幼稚部に迎えに行けて、藍子お姉ちゃんはあおいのお迎えにあの道を通らなくて、轢き逃げされるなんて事なかったもん」
「藍子お姉ちゃんが死んだの、わたしのせいなの」
「それにね、あおいは目の前で藍子お姉ちゃんが死んだショックで失語でしょ。藍子お姉ちゃんに代わって、わたしがあおいを守ってやりたいの」
「さいわい黒百合は幼稚部から高等部まで山手校に集まってるから、この怖~いヤンキー緑さまが黒百合高等部に入ったら、黒百合初等部の女の子たち、あおいに手出し出来ないでしょ」
注目の話題
おとなチャンネル 板一覧