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黒百合女学院中等部 恋の時間割

No.199 19/12/03 21:12
青木あかね ( 38 ♀ sq6JBe )
あ+あ-

≫198

あおいが何で真鍋先生にキレてるのか?。

scene1 七年前



あおいの九つ上の姉の緑。お受験した小中学校の全てが不合格ゆえの、公立中学校生徒で、さらに万年劣等生だった緑。

当時、高校三年生だった真鍋は、緑が外部入試入学は超絶難関なる、あおいの通う幼稚部のある、黒百合女学院高等部に入学希望と知る。

そこで真鍋は、緑に勉強を叩き込んだ。いや正確には勉強のやり方から教えたのだ。

緑の努力と言うより、その真鍋の努力は実り、緑は黒百合女学院高等部の外部入試に合格したものの、万年劣等生の緑。

さっそく一年生一学期の中間テストで、成績最悪を記録した緑本人に家庭教師継続を泣き付かれ、家庭教師に来ている。これは、その頃の物語。



あおいは一回り上の姉の藍子お姉ちゃんが、目前で轢き逃げ即死したショックの失語から、なんとか回復し、黒百合の幼稚部から初等部にエスカレーターしていた。

この日、あおいは四つ上の従姉の双子、紫蘭と青蘭の誕生日パーティーにお呼ばれしていたのだが、楽しかったのだろう。あおいの鼻歌交じりの軽やかな足音が、廊下から緑の部屋に聞こえてくる。

ドアを開け、顔を覗かせるあおい。

「瞬お兄ちゃん、ママがね、「晩御飯出来たからお兄ちゃん呼んで来て」だって。「もう遅いから食べて帰ってね」だって」

そうして

「お兄ちゃん、抱っこぉ!」

マイクロミニなスカートが翻り、パンツ丸見え状態も気にしないかのような、ジャンピング抱っこで、大好きな瞬お兄ちゃんに貼り付くあおい。

「この甘えん坊め!」

そう言いつつも、しっかり抱きしめる真鍋。



この数ヶ月前、あおいは作文で

「わたしの夢は瞬お兄ちゃんのお嫁さん」

そう授業で公言していた。

姉の緑が恋を真鍋に告げる前に

『緑お姉ちゃんなんかに瞬お兄ちゃんはあげない』と。

さらに念のために、と

「わたし、お兄ちゃんのお嫁さんになりたいっ」

最近、真鍋本人にも告白した、あおい。だが大学生と小学生。それも歳の差が一回りの、あおいは小学一年生である。真鍋が本気にするわけはなく。

それでも優しい真鍋は

『小ちゃい子の夢は壊しちゃいけない!』と

「それは楽しみだなぁ!。待ってるぞ!」



今日また、あおいは真鍋に恋を。

「ねえねえ、瞬お兄ちゃんは緑お姉ちゃんとわたし、どっちが好き?」


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