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子供の頃の話

No.134 2018/08/01 10:12
匿名さん ( 41 ♀ )
あ+あ-

≫133



「ちょっと最後引くの待て」

そう言って教卓に向かった先生は、最後に一枚残っているシートをじっ、と見る。

シートを手に取ると、ひっくり返して表側に書かれている名前を確認した。

クラスのほとんどの子が下を向いている。

先生は残っていたシートを黒板に貼り付けて、教卓に両手をついた。

シートには「吉田」と、ひとみちゃんの名字が書かれていた。

「……………前から」

先生の声は重たく、とても低かった。

「……このクラスでいじめがあったのは知ってた」

(はぁ!?)

私はびっくりした。

(知ってた!?じゃあ今までなんで先生だまってたん!?)

「吉田と渡瀬の悪口をみんなで言ったり、靴や物を隠したりしてただろ。何度も相談を受けたんだ」

開いた口が塞がらない、と言うのはこういう事だったろう。

私は口をポカンと開けて、先生を見ていた。

けれどもう頭に血が昇っていたのか、その後の先生の話はほとんど私の耳に入って来なかった。

ただ話の中で先生が

「お前達、もうすぐ中学生になるんだぞ!?」

とか

「六年生にもなって、いつまでこんな事してるんだ!!」

と怒鳴っているのだけは聞こえたけれど、そんな先生の声を聞けば聞くほど

(今ごろなに言ってんだよ!!)

と、余計に腹ばかりが立った。

134レス目(219レス中)
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