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子供の頃の話

No.203 19/02/20 00:39
匿名さん ( 42 ♀ )
あ+あ-



その日の内に出来る事はしようと思い、部活の休み時間に2年生の先輩方の所へひとりで向かった。

いつも劇や発声練習等の為に、部活が始まる前に教室内の机をベランダ側に寄せる決まりだ。

なので先輩方が座っているのはやはりベランダ側で、部室の前方だった。

「……あの…センパイ、ちょっといいですか?」

お喋りをしている先輩方に声を掛ける。

その先輩方の中に荒川先輩がいるのは勿論確認済みだ。

そして加藤さんが部室にいない事も。

「?どしたの??」

副部長の西山(にしやま)先輩が答えてくれた。

「あの、ソウダンがあるんですけど……」

「??」

「えっと、春休み終わったら『新入生カンゲイ会』の練習はじまりますよね?」

「?」

「したら、えっと、たぶん私たち今の1年生がオンキョウとかショウメイとか中心になってやるようになりませんか??」

「あー、そうだね。新歓のは多分1年生ほとんど舞台出れないだろうし、そうなるかな」

(よし!)と心の中で小さく思う。

「高木さん、相談って新歓の舞台の事?」

西山先輩が首を傾げた。

「あ、えと…ソウダンというかお願いになっちゃうかもなんですけど……センパイ方のこの場所、私達に、あの…くれませんか?」

「へっ??」

私と西山先輩とのやり取りを他の先輩方も何人かが聞いていた。

荒川先輩もこちらを黙って見ている。

「え?私らにここから移れって??」

西山先輩が訝しげに言う。

「あの、うつれとかっていうか…あの……」

黙って見ていた荒川先輩が

「高木さん」

と私の名前を呼んだ。

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