黒百合女学院中等部 恋の時間割
No.102 2019/03/02 19:45
あかいあおい ( 37 ♀ sq6JBe )
あ+あ-
下駄箱兼ロッカーからこぼれ落ちたチョコレートの山をコンビニ袋に詰め込み、教室に続く階段をため息をつきながら上る真鍋。
出欠を取った後の、ホームルームの時間のクラスメイトの声が廊下にまで聞こえてくる。
「先生、真鍋、今日は来ないんじゃねえのか?。去年、市立商の女の子にレイプされかけてただろ?。アイツ優しいから抵抗しなくて車に連れ込まれそうになってた。」
「ああ、パパがやくざの女の子に目をつけられてたやつか。大変だよなあ。しかもアイツ、モテまくりだし。」
「はいはい、みんな静かにね!。心配しなくてもさっき真鍋くん来てたわよ。」
そう手を叩きながら声を張り上げてるのは担任の白波由紀子先生だ。
「今日は学年末の球技大会の話をしなきゃでしょ!。学級委員、話をすすめてね」
ガラガラ~
クラスの引き戸を開ける音がして、真鍋が顔を出す。
「先生、遅くなりました。すみません。」
早速にクラスメイト達から
「よ~真鍋、生きてたか?心配したんだぞ!」
「今日はちゃんと俺達が守ってやるからな!」
「ウソつけ!オマエら、真鍋が貰うチョコレート目当てだろが!下心見え見えだぞ!」
そんな騒ぎの中、親友の亜集院光太郎が
「瞬、これ誕生日プレゼントだ。俺オマエが大好きなんだよ。それでだな、いきなりのカミングアウトで悪いんだがチョコレートだ。食べてくれっ!」
「こ、光太、お、俺はノーマルだぞ!。悪ふざけでもそんな真似はやめろよ!キモいだろが!」
そう叫ぶ真鍋。
「瞬、おまえこの前、男女平等論を授業で論じてたばかりだろが!ウソは良くないぜ!。チョコレート受け取ってくれ!。」
そう、しつこく告白を繰り返す亜集院に鳥肌が立ち寒気まで覚える真鍋。
「みんな、助けてくれ、こ、光太郎が壊れた!狂った!」
「いや、真鍋、実は俺も真鍋が恋の意味で好きなんだ!」
そう叫びながら立ち上がるクラスメイトたち・・・
「うわぁ!やめてくれ~」
クラスから逃げ出す真鍋
「うわぁ!やめろぉ!」
脂汗か冷や汗か、真冬なのに汗まみれで叫ぶ真鍋。起きて周りを見回すと寝台列車の中らしい。
そうだった、俺は緑と泊まりがけで旅行して帰りのブルートレインに乗ったんだった!
上のベッドで寝ていた緑が顔を出す。
「瞬ちゃん、どうしたの?」
「明日はバレンタインか」
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