黒百合女学院中等部 恋の時間割
No.26 2018/07/25 20:51
あかいあおい ( 36 ♀ sq6JBe )
あ+あ-
あおいが初等部から家にかけてきた電話で事のあらましを聞いた、あおいの九つ上の姉の緑。
「ちょっと待ってなさい。おじいちゃん連れてすぐ行くから!」
受話器を放り投げ
「おじいちゃん、あおいが大変!」
元を糾せば、自分のせいで妹のあおいが大変!となるはずだが、それは頭にない緑。でも、おじいちゃんに泣きつくしかないから、慌てておじいちゃんの部屋に飛んで行った。
わたしのおじいちゃんは黒百合女学院元理事。わたしのひいおばあちゃんには、たとえ黒百合女学院の総学長でも頭が上がらない。おじいちゃんはその息子。ひいおばあちゃんの御威光でおじいちゃんに、黒木先生が絡んで角々する話を丸くしてもらうしかない。
そう思う緑は昼寝中のおじいちゃんを揺り起こす。
赤井あおいとその姉の緑の祖父、赤井慎太郎が来校したことで、早急に意思を決めねばならなくなった黒百合女学院山手校は揺れていた。しかし、山手校の先生たちの色んな思いをよそに、放任放置主義の慎太郎は、あおいや緑を庇うような言葉は一言も発しなかったが。
今や、黒百合女学院山手校の意思がまとまらない原因は、中等部一番の鬼教師の黒木良枝先生にあった。
黒木先生は中等部での会議で、こんな騒ぎを仕出かした赤井あおいたち初等部六年生への、中等部への内部進学拒否を主張し続けたが、いくら何でも初等部の小学生にそれはやりすぎとされると、今度は初等部の会議に顔を出し、初等部での赤井あおいたちへの処分の必要性を説いていた。
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