§§§

レス332 HIT数 57910 あ+ あ-


2016/06/29 20:33(更新日時)


どこかに、痛みを感じない愛なんてあるの?




14/09/20 19:38 追記

自己管理スレ
http://mikle.jp/thread/2078878/


タグ

No.2139945 (スレ作成日時)

投稿制限
参加者締め切り
投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.1


いつか、私は自由になる日はくるのかな?

No.2


ママが身支度を済ませて出掛けた後に、この河原で1人、川を見るのが好きだった。

No.3


陽が完全に暮れてしまったので、商店街で夕食のおかずを買い、ママが鼻歌で歌う歌を私も鼻歌で歌いながら、アパートに帰る。

No.4


『まきちゃん』

アパートの前で、後ろから声を掛けられた。

No.5


『さえぐささん、こんばんは』

私は、声のする方を振り向いて挨拶をした。

No.6


『今日のおかずは…コロッケだね』

さえぐささんは、白い棒で辺りを確認しながら、わざと鼻をクンクンしながら近づく。

No.7


さえぐささんが隣に来た辺りで、手をとり肩に乗せてアパートの階段を上がる。

『さえぐささんもコロッケでしょ?石井さんのコロッケ美味しいもんね』

No.8


『まきちゃんに教えて貰ってから、僕もすっかりファンになったからね』

さえぐささんの部屋の前について

『じゃ、おやすみなさい』

『おやすみ、まきちゃんまた明日ね』


No.9


部屋に帰り、冷やご飯とコロッケと朝ご飯の残りの味噌汁で食事を済ませた。

テレビを見たかったけど、電気代節約とかで、ママがいない時はつけてはいけないルールがあった。

No.10


私は、押し入れから来年着る中学の制服を取り出した。

ママの知り合いの娘さんのおさがりで少しサイズが大きいので、直していた。

No.11


針に糸を遠そうとした時に

『トントン』

扉が叩かれた。

No.12


台所の椅子にのり窓を少し開けて誰が来たか確認するとさえぐささんだった。

『まきちゃん、いるかな?』

No.13


『ちらっと待ってね』

私は急いで椅子から降りて扉を開けると、いい匂いがした。

No.14


『実家から梨が届いてね、お母さんと食べて』

さえぐささんは、袋に大きな梨を3つ入れて持って来てくれた。

No.15


『ありがとうございます、さえぐささん、お茶どうですか?』

1人で退屈でもあったし、声をかけてみた。

No.16


『ありがとう、でも女の子1人の部屋に上がるのはよしておくよ』

そういうとさえぐささんは優しい顔をした。

No.17


さえぐささんは、半年程前に同じアパートに越してきた。

目が悪く、その治療と仕事をする為にこの街にきたという。

No.18


はっきり年齢を聞いたわけじゃないけど、多分20代半ばぐらい。

優しい雰囲気の人だった。

No.19


『わかった、梨ありがとうね』

『じゃね』

扉を閉めた瞬間に電話がなった。

No.20


《またか…》

私が電話をとると、

『30分ぐらいしたら行くことになったから』

ママからの電話だった。

No.21


『うん…』

私は、電話を切って部屋を片付けた。

No.22


30分を少し越えた時に、扉が叩かれた。

『はい…』

私が扉を開けるといつもの男が入ってきた。

No.23


私は、ママに売られていた。

『痛いのは最初だけだから、生きていくにはお金が必要だからね、わかった?絶対に逆らっちゃだめよ』

No.24


小4の私は、何が何だか解らなくてあまりの痛みに絶叫した。

No.25


今の客は楽でいい。

手で触るだけであっさりと済ませてくれる。

No.26


今日もいつもと同じようにことを済ませると、男は封筒に入れたお金を渡して部屋を後にした。

No.27


私は、ママに言われていた場所にその封筒を片付けた。

No.28


次第に自分が何をやっているのか解った時に、全身から血の気が引いたのを覚えている。

No.29


私は、中の下ぐらいのルックスに酔ったママに殴られた後やタバコを押しつけたられた後が服の下にあった。

『あんたみたいな子が稼げるのは、小さい時だけよ。しっかり中学の学費ぐらいは稼がないとね』

No.30


学校では、早い子達はそういう経験を済ませている子はいたけれど、私みたいな子は多分…いや絶対にいない。

派手さもなく、貧乏で同じ服のローテーションの私は地味で目立たない存在だった。

No.31


《中学を出たらどこか住み込みで働ける場所を探すのが、私の唯一の希望だった。》

No.32


それでもママのことは嫌いにはなれなかったし、自由にはなりたいけど、ママを1人にするのは切なくも思った。

No.33


押し入れから布団を出して横になった。

天井を見ながら、ふと涙がこぼれた。

No.34


朝、目が覚めてもママはまだ帰っていない。

男が出来るといつもこう、きっと昼頃迄は帰らないだろう。

No.35


朝のニュースの時間はテレビをつけてもいいと言われていたので、冷凍庫から食パンを出してトーストで焼き、コップに牛乳を注いだ。

《梨食べたいな…》

手にとりかけてやめた。

No.36


ママに見せる前に食べたらきっと叱られる。

私は、朝食の片付けをして学校に向かった。

No.37


少し前にさえぐささんが歩いていたけど、梨の味がどうだったか聞かれたら困るので、遠回りになるけど別の道を歩くことにした。

No.38


学校では皆、昨夜のドラマの話題で盛り上がっている。

《ドラマ見てみたいな…》

No.39


学校で楽しみなのは、給食の時間。

温かくてバランスのいい食事を唯一とれる大切な場所だ。

No.40


あっという間に授業が終わる。

私は、図書館に寄って本を借りて帰ることにした。

No.41


《ママ帰ってるかな…》

本を大切に抱えながら、家に帰った。

No.42


「まき、お帰り」

アパートの扉を開けると、ママが、楽しそうにボストンバックに着替えを詰めている姿が見えた。

No.43


《またか…》

「ただいま…。」

私は、荷物を部屋の隅に置いて、ママをチラッとだけ見た。

No.44


「ちょっと、あんたその態度なに…!」

ママが、私の態度にスイッチが入ってしまい、頬をパチンと叩かれた。

No.45


ママは、男との中が深くなると、毎回数日~その男のところに転がり込む。

今回もまたそれだ。

No.46


私は、何も言わずに背を向けて座る。

「まき、あんた誰のおかげでご飯が食べれると思ってるの?!」


No.47


ママが、私の髪を引っ張る。

「本当にあんたって子は、親への感謝の気持ちがないの!」

No.48


ママの語気がどんどん強まる。

「かわいくない子ね!!」

No.49


ママは、私を蹴る。

私は、頭を抱えるようにして、その行為が終わる時をひたすら待った。

No.50


《こんな人からじゃなく、普通の優しいママから産まれたかった》

私は、心の中でそう思って必死に耐えた。

投稿順
新着順
主のみ
付箋
このスレに返信する
    
新しくスレを作成する

注目の話題

おとなチャンネル 板一覧