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通りすがり
16/06/29 20:33(更新日時)


どこかに、痛みを感じない愛なんてあるの?




14/09/20 19:38 追記

自己管理スレ
http://mikle.jp/thread/2078878/


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No.2139945 14/09/20 19:35(スレ作成日時)

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No.151 14/12/16 01:15
通りすがり 


「ありがとう」

受け取ると、少し間をあけて早川君が隣に座った。

No.152 14/12/16 01:17
通りすがり 


「あのさ…」

早川君が、先程迄とは違いはぎれ悪そうに話し出す。

「何?」

私は、ジュースを一口飲んで話しを促した。

No.153 14/12/16 01:18
通りすがり 


「まきって、好きな奴いるの?」

早川君が照れくさそうに少し早口に話す。

No.154 14/12/16 01:20
通りすがり 


(好きな人か…朝のニュース番組のあのお姉さんかな…って、多分そういう好きとは違うよな…)


No.155 14/12/16 01:21
通りすがり 


「…いるよ」

私は、適当に返事をした。

「そっか…俺じゃないよな?」

No.156 14/12/16 01:23
通りすがり 


早川君が、祈るような目で私を見る。

その目が綺麗で見惚れてしまう。

(早川君って、やっぱりかっこいいな…)

No.157 14/12/16 01:24
通りすがり 


「…ごめん。もしかしたらさ…そう思って」

早川君は、少し目を伏せて目線をそらした。

No.158 14/12/16 01:26
通りすがり 


その様子を見ていたら、胸が締め付けられた。

(男の子から、男の人になる時って、こんな感じなんだ…)

No.159 14/12/16 01:27
通りすがり 


私は、早川君の肩に手をかけて顔を近付けた。

早川君の目が驚いて見開いているのが解った。

No.160 14/12/16 01:29
通りすがり 


私は、早川君にキスする寸前で我に返った。

(まずい…何やってるんだ私)

No.161 14/12/16 01:31
通りすがり 


何となく雰囲気にのまれていた自分に気がついて、唇に触れる間近で踏み留まった。

(汚しちゃいけない…私じゃだめ)

No.162 14/12/16 01:32
通りすがり 


私が離れようとするより一瞬早く早川君が、ぐぃっと唇を押しつけてきた。

No.163 14/12/16 01:33
通りすがり 


それはキスといえる様な物じゃなく、只唇が触れ合っただけなような行為。

No.164 14/12/16 01:34
通りすがり 


早川君の顔が離れると、私は下を向いた。

(どうしよう…誤解されたよね)

No.165 14/12/16 01:36
通りすがり 


「ありがとう…俺さ…嫌われてるかな?ってちょっと心配してたから、すげぇ嬉しい」

早川君を見なくても、表情が解った。

No.166 14/12/16 01:38
通りすがり 


(…まずいな…やっぱりそうとっちゃうよな…)

私は、どう誤魔化したらいいか必死で考えた。

No.167 14/12/16 01:39
通りすがり 


「俺、初めて好きになったのがまきだったから…両思いになれて本当に嬉しい」
早川君がどんどん話しを進める。

No.168 14/12/16 01:41
通りすがり 


「違うの…あの…」

私は、振り絞るように声を出した。

No.169 14/12/16 01:43
通りすがり 


「うん?何て?」

声が小さくて聞こえなかったらしく、聞き返されてしまった。

No.170 14/12/16 01:44
通りすがり 


「…ごめん、帰るね」

私は、そういうとその場から逃げる様に走り出した。

No.171 14/12/16 01:45
通りすがり 


「えっ?…ちょっと…」

すぐに早川君が追いかけてくるのが解った。

No.172 14/12/16 01:46
通りすがり 


(お願い…追い付かないで…)

私は、必死で走ったけど、すぐに追い付かれた。

No.173 14/12/16 01:47
通りすがり 


「送るよ」

早川君は、私の手をとり握りしめた。

No.174 14/12/16 01:48
通りすがり 


(恥ずかしがってるって思われたのかな…)

私は、抵抗出来ずにそのまま歩いた。

No.175 14/12/16 01:49
通りすがり 


「俺、来週引っ越すから、どうしてもまきに告白したかったんだ」

No.176 14/12/16 01:52
通りすがり 


握られた、私の手から私の汚い物が早川君にうつっていきそうで不安だった、気持ちがその言葉ではれた。

(良かった…思い出作りだったんだ。それぐらいならいいよね)



No.177 14/12/16 01:54
通りすがり 


「会いにくるから…だからさ、他の奴好きになったりするなよ」

早川君が、ぐっと手に力を込めた。

No.178 14/12/16 01:55
通りすがり 


話しをややこしくしたくなくて、私は頷くだけにした。

(大丈夫…きっと大丈夫だ。)

No.179 14/12/16 01:56
通りすがり 


アパートの近く迄くると、
「じゃ!明日は学校来いよ」

早川君は、にっこり笑いながらそういうと走り去った。

No.180 14/12/16 01:58
通りすがり 


早川君の姿が見えなくなってから、アパートとは反対に歩き出した。

No.181 14/12/16 02:15
通りすがり 


でも、すぐに足が止まった。

(どこに行くっていうの?あの部屋しか帰る場所はないよね)

No.182 14/12/18 04:40
通りすがり 


部屋に戻ろうとして、夕飯がないことを思い出した。

No.183 14/12/18 04:44
通りすがり 


商店街について、買い物をはじめようと思ったら、電話が鳴った。

No.184 14/12/18 04:46
通りすがり 


「♪♪♪」

着信は、お客。

(ママもいないし、無視しようかな…)

No.185 14/12/18 04:47
通りすがり 


暫く携帯を眺めていたけれど、しつこく鳴るので諦めて出ることにした。

「もしもし…?」

No.186 14/12/18 04:49
通りすがり 


「15分程したら着くから」

それだけ言って電話は切れた。

No.187 14/12/18 04:50
通りすがり 


私は、何も買わずに部屋に戻ることに。

No.188 14/12/18 04:51
通りすがり 


部屋に戻った直後ぐらいに男が尋ねてきた。

「どうぞ…」

No.189 14/12/18 04:52
通りすがり 


男は、玄関から上がろうとせずに、封筒を差し出してきた。

「あの…?」

No.190 14/12/18 04:54
通りすがり 


私が受け取るのを戸惑っていると、

「お前の母親は暫く帰らないから、これから時々こうやって金を渡しにくる」

No.191 14/12/18 04:55
通りすがり 


(どういうことだろう?…聞いても多分教えてもらえないんだろうな)

「解りました、ありがとうございます」

No.192 14/12/18 04:56
通りすがり 


「じゃ、また来る」

男はそれだけ言うとすぐに帰って行った。

No.193 14/12/18 04:58
通りすがり 


(ママはあの男と一緒にいるのかな?…)

私は、封筒の中を確認すると10万円も入っていた。

No.194 14/12/18 05:00
通りすがり 


(えっ?こんなに?)

お札の後ろにメモ紙があり

《10日おきぐらいにくるから、そう思って使うように。》

そう書かれていた。

No.195 14/12/18 05:02
通りすがり 


(家賃は確か3万円、光熱費を考えても5万円あればまかなえる…凄いお金だ!)

私は、封筒のお金を机に並べてみた。

No.196 14/12/19 02:48
通りすがり 


(…これが、ママの値段なのかな…?…)

No.197 14/12/19 02:51
通りすがり 


(ママは、本当にあの男と一緒にいるのかな?…)

机のお金を集めながらやはり気になった。

No.198 14/12/19 02:54
通りすがり 


携帯を取り出してママの番号を出す…。

(どうしようかな…)

以前、男と一緒の時に電話を掛けて出てもらえなくて帰った後で、掛けたことでぶたれた記憶があったので結局掛けるのをやめた。

No.199 14/12/23 22:06
通りすがり 


私は、もう1度買い物に出掛けた。

スーパーで、値引きのシールが貼られたお弁当と、これまで買ったことがないおしゃれ雑誌を買って急いで帰宅した。

No.200 14/12/23 22:13
通りすがり 


お弁当を食べながら雑誌を早速見る。

小学生の女の子が化粧をして、綺麗な服を着てポーズを決めている。

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