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通りすがり
16/06/29 20:33(更新日時)


どこかに、痛みを感じない愛なんてあるの?




14/09/20 19:38 追記

自己管理スレ
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No.2139945 14/09/20 19:35(スレ作成日時)

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No.1 14/09/21 02:34
通りすがり0 


いつか、私は自由になる日はくるのかな?

No.2 14/09/21 22:11
通りすがり0 


ママが身支度を済ませて出掛けた後に、この河原で1人、川を見るのが好きだった。

No.3 14/09/21 22:13
通りすがり0 


陽が完全に暮れてしまったので、商店街で夕食のおかずを買い、ママが鼻歌で歌う歌を私も鼻歌で歌いながら、アパートに帰る。

No.4 14/09/21 22:14
通りすがり0 


『まきちゃん』

アパートの前で、後ろから声を掛けられた。

No.5 14/09/21 22:16
通りすがり0 


『さえぐささん、こんばんは』

私は、声のする方を振り向いて挨拶をした。

No.6 14/09/21 22:18
通りすがり0 


『今日のおかずは…コロッケだね』

さえぐささんは、白い棒で辺りを確認しながら、わざと鼻をクンクンしながら近づく。

No.7 14/09/21 22:20
通りすがり0 


さえぐささんが隣に来た辺りで、手をとり肩に乗せてアパートの階段を上がる。

『さえぐささんもコロッケでしょ?石井さんのコロッケ美味しいもんね』

No.8 14/09/21 22:21
通りすがり0 


『まきちゃんに教えて貰ってから、僕もすっかりファンになったからね』

さえぐささんの部屋の前について

『じゃ、おやすみなさい』

『おやすみ、まきちゃんまた明日ね』


No.9 14/09/21 22:24
通りすがり0 


部屋に帰り、冷やご飯とコロッケと朝ご飯の残りの味噌汁で食事を済ませた。

テレビを見たかったけど、電気代節約とかで、ママがいない時はつけてはいけないルールがあった。

No.10 14/09/21 22:25
通りすがり0 


私は、押し入れから来年着る中学の制服を取り出した。

ママの知り合いの娘さんのおさがりで少しサイズが大きいので、直していた。

No.11 14/09/21 22:26
通りすがり0 


針に糸を遠そうとした時に

『トントン』

扉が叩かれた。

No.12 14/09/21 22:28
通りすがり0 


台所の椅子にのり窓を少し開けて誰が来たか確認するとさえぐささんだった。

『まきちゃん、いるかな?』

No.13 14/09/21 22:29
通りすがり0 


『ちらっと待ってね』

私は急いで椅子から降りて扉を開けると、いい匂いがした。

No.14 14/09/21 22:31
通りすがり0 


『実家から梨が届いてね、お母さんと食べて』

さえぐささんは、袋に大きな梨を3つ入れて持って来てくれた。

No.15 14/09/21 22:33
通りすがり0 


『ありがとうございます、さえぐささん、お茶どうですか?』

1人で退屈でもあったし、声をかけてみた。

No.16 14/09/21 22:34
通りすがり0 


『ありがとう、でも女の子1人の部屋に上がるのはよしておくよ』

そういうとさえぐささんは優しい顔をした。

No.17 14/09/21 22:36
通りすがり0 


さえぐささんは、半年程前に同じアパートに越してきた。

目が悪く、その治療と仕事をする為にこの街にきたという。

No.18 14/09/21 22:38
通りすがり0 


はっきり年齢を聞いたわけじゃないけど、多分20代半ばぐらい。

優しい雰囲気の人だった。

No.19 14/09/21 22:39
通りすがり0 


『わかった、梨ありがとうね』

『じゃね』

扉を閉めた瞬間に電話がなった。

No.20 14/09/21 22:41
通りすがり0 


《またか…》

私が電話をとると、

『30分ぐらいしたら行くことになったから』

ママからの電話だった。

No.21 14/09/21 22:42
通りすがり0 


『うん…』

私は、電話を切って部屋を片付けた。

No.22 14/09/21 22:43
通りすがり0 


30分を少し越えた時に、扉が叩かれた。

『はい…』

私が扉を開けるといつもの男が入ってきた。

No.23 14/09/21 22:45
通りすがり0 


私は、ママに売られていた。

『痛いのは最初だけだから、生きていくにはお金が必要だからね、わかった?絶対に逆らっちゃだめよ』

No.24 14/09/21 22:46
通りすがり0 


小4の私は、何が何だか解らなくてあまりの痛みに絶叫した。

No.25 14/09/21 22:47
通りすがり0 


今の客は楽でいい。

手で触るだけであっさりと済ませてくれる。

No.26 14/09/21 22:48
通りすがり0 


今日もいつもと同じようにことを済ませると、男は封筒に入れたお金を渡して部屋を後にした。

No.27 14/09/21 22:49
通りすがり0 


私は、ママに言われていた場所にその封筒を片付けた。

No.28 14/09/21 22:50
通りすがり0 


次第に自分が何をやっているのか解った時に、全身から血の気が引いたのを覚えている。

No.29 14/09/21 22:53
通りすがり0 


私は、中の下ぐらいのルックスに酔ったママに殴られた後やタバコを押しつけたられた後が服の下にあった。

『あんたみたいな子が稼げるのは、小さい時だけよ。しっかり中学の学費ぐらいは稼がないとね』

No.30 14/09/21 22:55
通りすがり0 


学校では、早い子達はそういう経験を済ませている子はいたけれど、私みたいな子は多分…いや絶対にいない。

派手さもなく、貧乏で同じ服のローテーションの私は地味で目立たない存在だった。

No.31 14/09/21 22:57
通りすがり0 


《中学を出たらどこか住み込みで働ける場所を探すのが、私の唯一の希望だった。》

No.32 14/09/21 23:02
通りすがり0 


それでもママのことは嫌いにはなれなかったし、自由にはなりたいけど、ママを1人にするのは切なくも思った。

No.33 14/09/22 19:42
通りすがり0 


押し入れから布団を出して横になった。

天井を見ながら、ふと涙がこぼれた。

No.34 14/09/22 19:44
通りすがり0 


朝、目が覚めてもママはまだ帰っていない。

男が出来るといつもこう、きっと昼頃迄は帰らないだろう。

No.35 14/09/22 19:46
通りすがり0 


朝のニュースの時間はテレビをつけてもいいと言われていたので、冷凍庫から食パンを出してトーストで焼き、コップに牛乳を注いだ。

《梨食べたいな…》

手にとりかけてやめた。

No.36 14/09/22 19:47
通りすがり0 


ママに見せる前に食べたらきっと叱られる。

私は、朝食の片付けをして学校に向かった。

No.37 14/09/22 19:48
通りすがり0 


少し前にさえぐささんが歩いていたけど、梨の味がどうだったか聞かれたら困るので、遠回りになるけど別の道を歩くことにした。

No.38 14/09/23 18:52
通りすがり0 


学校では皆、昨夜のドラマの話題で盛り上がっている。

《ドラマ見てみたいな…》

No.39 14/09/23 18:54
通りすがり0 


学校で楽しみなのは、給食の時間。

温かくてバランスのいい食事を唯一とれる大切な場所だ。

No.40 14/09/25 20:55
通りすがり0 


あっという間に授業が終わる。

私は、図書館に寄って本を借りて帰ることにした。

No.41 14/09/26 03:41
通りすがり0 


《ママ帰ってるかな…》

本を大切に抱えながら、家に帰った。

No.42 14/09/26 03:43
通りすがり0 


「まき、お帰り」

アパートの扉を開けると、ママが、楽しそうにボストンバックに着替えを詰めている姿が見えた。

No.43 14/09/26 03:45
通りすがり0 


《またか…》

「ただいま…。」

私は、荷物を部屋の隅に置いて、ママをチラッとだけ見た。

No.44 14/09/26 03:47
通りすがり0 


「ちょっと、あんたその態度なに…!」

ママが、私の態度にスイッチが入ってしまい、頬をパチンと叩かれた。

No.45 14/09/26 03:49
通りすがり0 


ママは、男との中が深くなると、毎回数日~その男のところに転がり込む。

今回もまたそれだ。

No.46 14/09/28 19:33
通りすがり0 


私は、何も言わずに背を向けて座る。

「まき、あんた誰のおかげでご飯が食べれると思ってるの?!」


No.47 14/09/28 19:34
通りすがり0 


ママが、私の髪を引っ張る。

「本当にあんたって子は、親への感謝の気持ちがないの!」

No.48 14/09/28 19:35
通りすがり0 


ママの語気がどんどん強まる。

「かわいくない子ね!!」

No.49 14/09/28 19:36
通りすがり0 


ママは、私を蹴る。

私は、頭を抱えるようにして、その行為が終わる時をひたすら待った。

No.50 14/09/28 19:38
通りすがり0 


《こんな人からじゃなく、普通の優しいママから産まれたかった》

私は、心の中でそう思って必死に耐えた。

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